BtoBのコンテンツマーケティング事例を徹底紹介!成功法則をつかめる

企業に対して商品・サービスを販売しているBtoB企業の多くが、コンテンツマーケティングに取り組んでいます。

コンテンツマーケティングとは「コンテンツ(情報)を通じて利益を生み出すマーケティング手法」であり、特にGoogleなどの検索エンジンから集客する「SEO」が主流です。

BtoB企業がコンテンツマーケティングに取り組むことで、見込み客からの問い合わせや資料請求の数が増え、多くの企業に自社の商品・サービスを選んでもらえるようになるかもしれません。

本記事では、BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例を紹介します。またコンテンツマーケティングの具体的な施策や実践手順、成果を出すためのポイントも紹介するため、本記事を読めば以下2点について適切に判断できるようになります。

  • 自社がコンテンツマーケティングに取り組むべきか
  • コンテンツマーケティングについて、何から始めてどのように進めていくか

「そもそもコンテンツマーケティングが何か全く分からない」という方は、以下の記事でコンテンツマーケティングの基本知識を解説しているためぜひお読みください。

コンテンツマーケティングとは?基礎から実践までわかりやすく解説

BtoBコンテンツマーケティングの成功事例3選

ここではBtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例を3つ紹介します。コンテンツマーケティングを成功させるためには、すでに成功している企業の取り組みを分析することが欠かせません。ここで紹介する成功事例を元に、「成果の出るコンテンツマーケティングとは、何か」を深く考えてみましょう。

株式会社ネオキャリア(みんなの採用部)

まずはじめに紹介するのは、人材関連事業をメインに手掛ける株式会社ネオキャリアのコンテンツマーケティング成功事例です。当社は企業の人事担当者が抱える採用課題の解決のために、「みんなの採用部」というサービスを展開しています。

引用元:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/

サービスサイトから採用課題の解決に役立つ数多くのお役立ちコラムを発信しており、サービスサイトがオウンドメディア(自社が所有しているメディアで、自由に情報発信ができる)の役割も持っています。

コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ」には、サイトから発信するブログ・コラム記事やメルマガ、お役立ち情報をまとめたダウンロード資料(ホワイトペーパー)、またセミナーなど様々な種類があります。自社商品を購入してくれる可能性がある企業に向けて発信する情報は、コンテンツマーケティングにおいて全て「コンテンツ」です。

当社は、見込み客との接点作り、また関係構築や既存顧客のファン・リピーター化のために質の高い様々なコンテンツを提供しています。

  • コラム記事
  • ダウンロード資料(ホワイトペーパー)
  • メルマガ
  • セミナー

見込み客との接点作りに特に役立つのが「コラム記事」です。様々なトピックについて記事を作成することで、Googleなどの検索エンジン経由でのアクセスを獲得しています。記事を検索結果で上位表示させてアクセスを増やすコンテンツマーケティングの施策を「コンテンツSEO」と呼び、コンテンツSEOはコンテンツマーケティングの中核となる施策です。

ご存知の通り、Googleは世界中の人が使っている検索エンジンです。キーワードを入力して検索すると検索結果が表示されますが、このときに検索結果の上位に表示されているページはたくさんクリックされます。

「みんなの採用部」から発信されているコラム記事は、例えば以下のキーワードで検索順位「1位」を獲得しています。

  • バイト 社会保険
  • 採用代行
  • 中小企業 新卒採用
  • アルバイト採用
  • 人材紹介 比較

【「バイト 社会保険」の検索結果】

検索順位「1位」を獲得するためには、検索者の求めているものを提供する質の高い記事であることが重要です。「みんなの採用部」のコラム記事はどれも質が高く検索者のニーズを満たすものであり、その結果としてあらゆるキーワードにおいて検索上位表示を獲得し、多くのアクセスを集めています。

コンテンツSEOについて詳しく知りたい方は、ぜひ以下の記事をお読みください。

コンテンツSEOとは?メリットや手順を徹底解説!

また「ダウンロード資料(ホワイトペーパー)」の豊富さには目を見張るものがあります。ホワイトペーパーとは「連絡先情報と引き換えに提供する、お役立ち情報がまとめられたダウンロード型の資料」です。あるテーマについて、悩みの解決に役立つ豊富な情報が掲載されている資料であり、企業はホワイトペーパーを活用することで「見込み客からの問い合わせ獲得」や「商品販売」につなげます。

以下、「みんなの採用部」のダウンロード資料一覧と、連絡先情報の入力画面です。

【ダウンロード資料一覧ページ】

引用元:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/whitepaper/

【ダウンロード用の入力画面】

引用元:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/whitepaper/om-004/

ダウンロード資料(ホワイトペーパー)を通じて、企業担当者の役職や連絡先を取得することで「メルマガの送付」ができるようになります。ホワイトペーパーの提供と引き換えに取得した連絡先(個人)情報は「見込み客リスト」に追加され、このリスト内の見込み客に対していかに有益な情報を届けて、自社サービスの販売に結びつけるかがコンテンツマーケティングの肝です。

この他にも、オンライン参加が可能な無料セミナーを通じて採用課題の解決に役立つ情報を提供していたり、自社サービスの活用を通じて採用を成功させた顧客の生の声を届けるなど、自社サービスを「選んでもらう」ためのコンテンツが充実しています。

【自社セミナー紹介ページ】

引用元:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/seminar-top/

【採用成功事例の紹介ページ】

引用元:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/case/chivsp/

また「みんなの採用部」ではコンテンツが分かりやすく整理されて置かれており、サイト訪問者が目的の情報にたどり着きやすいよう工夫されています。

まずトップページを開くと、メニューバーにジャンル別のメニューが表示されています。これにより「サイト内にどんなコンテンツがあるのか」というサイトの全体像がつかめます。

またメニューの項目をクリックすると、各ページに「検索機能」が用意されています。膨大な量のコンテンツが蓄積されているサイトでは、訪問者の知りたいことなどのニーズを満たすために、できる限り簡単に目的の情報にたどり着けるよう工夫することが重要です。その点において、「みんなの採用部」は他の企業が運営する多くのオウンドメディアとは一線を画しています。

【コラム記事の検索機能】

引用元:https://www.neo-career.co.jp/humanresource/knowhow/

【ダウンロード資料(ホワイトペーパー)の検索機能】

【採用事例の検索機能】

株式会社ネオキャリアの「みんなの採用部」における成功事例から、BtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるためには以下の3つが重要であることがわかります。

  • 質の高い記事を用意して、検索エンジン経由で多くのアクセスを獲得する
  • 訪問者を「見込み客リスト」に転換するために、連絡先情報と引き換えに提供するコンテンツを用意する
  • サイトや発信するコンテンツ全体を通じて、「顧客第一」を大切にする

このように一つの企業のコンテンツマーケティング成功事例を分析するだけで、コンテンツマーケティングを成功させるための多くの気づき・発見を得られます。それでは次に、「株式会社インソース」の事例を紹介します。

株式会社インソース

引用元:https://www.insource.co.jp/

社会人向けの研修事業をメインに手掛ける、東証プライム市場上場の「株式会社インソース」は、膨大なコンテンツ量とコンバージョン獲得のための適切な導線設計により、コンテンツマーケティングを成功させている企業の一つです。

月間100万以上のPV(アクセス)と、1日20〜30件、年間で約5,000件の問い合わせを獲得しており、研修業界において「認知拡大」と「コンバージョン獲得」の両方において、どこよりも成果を出しています。

2023年3月現在、検索結果に表示されるサイト内のページ数は「約17,100」という膨大な数となっています。以下、当社が検索順位「1位」を獲得している検索キーワードの一例です。

  • 企業 研修
  • IT研修
  • マーケティング 研修
  • 人事 研修
  • 新入社員研修
  • 管理職向け研修
  • 社員研修
  • オンライン研修

教育・研修関連のあらゆるキーワードで検索順位「1位」を獲得しており、これにより莫大な数のPVを実現しています。

当社がコンテンツ作成において重視していることの一つに、「Amazonのロングテール戦略」があります。Amazonではあらゆるジャンルにおいて大衆品からニッチなものまで数多くの商品を取り揃えていますが、売上を少数の人気商品に頼るのではなく、ニッチで個別に見ると売上が少ない商品を大量に積み上げることで、全体の売上を確保しています。

これをロングテール戦略と呼び、当社でもこのロングテール戦略の考え方に基づいて、教育・研修・人事などのテーマの中でニッチな内容のものも含めて大量に記事を用意し、それにより個別に見るとPV数が少ない記事を大量に積み上げることでPV数を確保しています。

当社も、先ほど紹介した株式会社ネオキャリアの「みんなの採用部」と同じく、あらゆる種類のコンテンツを用意しています。以下、コンテンツの一例です。

  • コラム・ブログ記事
  • ダウンロード資料(ホワイトペーパー)
  • メルマガ
  • セミナー
  • SNS投稿
  • Q&Aページ
  • (膨大な数の)研修・サービス紹介ページ

当社はとにかくコンテンツ量が豊富であり、Googleの検索結果でページがたくさんヒットします。他社とは一線を画する当社の強みの一つに「研修量の豊富さ」があります。各ジャンルごとに大量の研修を用意しており、研修ごとに専用ページが設けられているため、これらの研修ページが検索結果にヒットして見込み客をサイトに呼び込んでくれます。

例えば「Excel研修」というキーワードで検索すると、検索結果の一番上に当社の研修ページがヒットします。

また「みんなの採用部」と同じく膨大な数のダウンロード資料(ホワイトペーパー)が用意されています。ホワイトペーパーのダウンロードを通じて見込み客の連絡先情報を入手し、定期的なメルマガコンテンツの提供を通じて見込み客に役立つ情報を提供し、自社サービスの購入意欲を高めています。

当社は各ページの情報量が充実しており、これが多くの検索キーワードにおいて検索上位表示を獲得している一つの要因です。例えば「全力Q&A」というQ&Aページには、見込み客の悩み・不安を解消する数多くのQ&Aが用意されています。

引用元:https://www.insource.co.jp/kyoiku/faq/index.html

膨大な量のコンテンツ作成を継続的に行えている背景にあるのは、「コンテンツ作成には会社一丸となって取り組む」という姿勢です。当社では上場後、決算説明資料に「コンテンツ数」を一つのKPIとして載せています。

引用元:株式会社インソース「2020年9月期 第3四半期決算説明資料

「このコンテンツは会社として作成して発信するべき!」と判断すれば、マーケティング部門以外の人でも積極的にコンテンツ作成に取り組みます。コンテンツ数が会社の一つの重要目標になっているからこそ、営業部門でも開発部門でも、全員が何かしらの形でコンテンツ作成に関わります。

実際のところ、「どんなコンテンツが多くの人に見てもらえるか」の正解はありません。当社ではライティングが得意な人だけでなく、苦手な人もコンテンツ作成に関わります。社内のあらゆる人がコンテンツ作成を行うことで、様々な切り口の個性のあるコンテンツが生み出されます。その結果としてアクセスが集まるコンテンツが生み出されれば、そのコンテンツを参考にしてさらにコンテンツ数を増やしていきます。

コンテンツを量産してサイトに多くのアクセスを集め、セミナー参加やホワイトペーパーのダウンロードにより訪問者を「見込み客リスト」に追加できたら、見込み客の業種や職種、役職などのデータを元に適切なタイミングでメルマガを発信します。また見込み客リストの登録者に対して営業部門のメンバーが積極的にフォローすることで、見込み客を顧客に変換しています。

コンテンツマーケティングでは、コンテンツを通じて出会い、つながった見込み客を顧客化させるために、マーケティング部門だけでなく営業部門など社内の様々な人が連携することが重要です。

先ほど、株式会社ネオキャリアの「みんなの採用部」の成功事例から、BtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるためには以下の3つが重要であることをお伝えしました。

  • 質の高い記事を用意して、検索エンジン経由で多くのアクセスを獲得する
  • 訪問者を「見込み客リスト」に転換するために、連絡先情報と引き換えに提供するコンテンツを用意する
  • サイトや発信するコンテンツ全体を通じて、「顧客第一」を大切にする

これに加えて株式会社インソースの成功事例から、以下の2つも重要であることが分かります。

  • 多くのコンテンツを用意し、見込み客のニーズを幅広く満たせるようにする
  • コンテンツの制作体制を整えたうえで、会社一丸となってコンテンツマーケティングに取り組む

コンテンツマーケティングは、短期間で成果が出る施策ではありません。目に見える成果が出始めるまでに早くても半年から1年、通常はそれ以上の期間を要します。中長期的に継続してコンテンツ作成を行うためには、マーケティング部門や取締役のみならず、社内のあらゆる人がコンテンツマーケティングの重要性を理解し、しっかりとコンテンツの制作体制を整えることが重要です。

株式会社LIG(LIGブログ)

引用元:https://liginc.co.jp/blog

最後に紹介するのは、Web制作やWebマーケティング支援を手掛ける株式会社LIGが運営する「LIGブログ」のコンテンツマーケティング成功事例です。LIGブログは界隈で有名な「面白いコンテンツ」が豊富なオウンドメディアであり、月間PV数は800万を超えています。

LIGブログは当社が会社の認知拡大のために始めたオウンドメディアであり、PV数の増加に伴ってサービスの成約数ならびに会社の売上が伸び続けています。

LIGブログの特徴は、なんといっても「バズを生む面白いコンテンツ」にあります。コンテンツマーケティングにおけるブログ記事では、検索上位表示を獲得するために多くの企業が「同じような型」で記事作成をしています。しかしLIGブログでは型にはまらず、読者が楽しめる面白いコンテンツの作成に心血を注いでいます。

例えば以下は、「伝説のウェブデザイナー」というタイトルのWebデザイナー採用のためのブログ記事です。

伝説のウェブデザイナー

人手不足だからWebデザイナーを雇ってもらうために、社長を砂浜に埋めて交渉するストーリー形式のブログ記事で、これは面白い記事として拡散されバズを生み出しました。

このような「面白い系コンテンツ」のみならず、「クリエイターが選ぶデザインに強いWeb制作会社11選」や「フリーイラスト素材サイト39選【デザイナー厳選】」といった、いわゆる「真面目系コンテンツ」も数多く発信しています。

当社は社員が持ち回りでブログ記事を書き、継続的なコンテンツ発信を行っていますが、これを実現しているのはコンテンツマーケティングの中長期的な効果を社長が深く理解していることにあります。「すぐにお金にならなくてもいいから、情報を発信し続けよう」というスタンスを社長が持っているからこそ、面白いコンテンツから読者の悩み・課題解決につながるお役立ちコンテンツを継続的に発信できています。

「面白い系コンテンツ」を数多く発信してバズを生み出し続けた当社だからこそ、「株式会社LIGが発信するブログにはユーモアがあって、面白くてためになる」という共通認識、つまりブランディングができました。認知拡大を目的に始めたLIGブログですが、面白いコンテンツ・ためになるコンテンツを発信し続けることで株式会社LIG独自の「ブランド認識」が生まれ、結果として「LIGに仕事をお願いしたい」という会社が増えました。

コンテンツ作成には、多くの時間がかかります。どれだけ多くのコンテンツを作成してきたプロのライターでも、一つのコンテンツを作成するのには多くの労力を要します。ある部門の少人数の社員だけでこのコンテンツ作成を行おうとするとモチベーションが上がらず質が落ちてしまったり、継続的なコンテンツ発信ができなくなる可能性もあります。

しかし当社は、会社全体で持ち回りでブログ記事を書くルールとしており、各社員がそれぞれの個性を発揮した顧客視点での記事を作成することで「面白い系コンテンツ」を枯らすことなく、今もなお「面白いコンテンツを発信している会社」というブランディングを確立しています。

このように、コンテンツマーケティングに取り組むことで「ブランディング効果」を得られます。オウンドメディアが充実しており、質の高い記事が揃っていれば「この会社は信頼できる」と見込み客から思われるかもしれません。また当社のように、発信するコンテンツに一貫した世界観・独自性があれば、その世界観に好意的な印象を持つ会社を顧客にできます。また自社に合った人材の採用にもつながります。

発信するコンテンツに特定のメッセージ性がある場合は、そのメッセージに共感する多くの企業が顧客になってくれるかもしれません。例えば昨今流行りの「SDGs」に関するコンテンツ発信を行うことで、SDGsに興味があり社会課題解決に前向きな会社から好意的な印象を持たれ、そのような会社が顧客になってくれる可能性が上がります。

先ほど、株式会社ネオキャリアの「みんなの採用部」と株式会社インソースの成功事例から、BtoB企業がコンテンツマーケティングを成功させるためには以下の5つが重要であることをお伝えしました。

  • 質の高い記事を用意して、検索エンジン経由で多くのアクセスを獲得する
  • 訪問者を「見込み客リスト」に転換するために、連絡先情報と引き換えに提供するコンテンツを用意する
  • サイトや発信するコンテンツ全体を通じて、「顧客第一」を大切にする
  • 多くのコンテンツを用意し、見込み客のニーズを幅広く満たせるようにする
  • コンテンツの制作体制を整えたうえで、会社一丸となってコンテンツマーケティングに取り組む

これに加えて株式会社LIGの「LIGブログ」の成功事例から、以下の2つも重要であることが分かります。

  • どんなコンテンツが成果をもたらすかは実際のところ分からないため、型にとらわれすぎずに試行錯誤しながら良いコンテンツ・ハマるコンテンツを模索し続ける
  • 発信するコンテンツのテイストや世界観はある程度統一させる

大前提、作成するコンテンツは質が高いものでないといけません。質が高いコンテンツとは「見込み客のニーズを満たすコンテンツ」のことです。ここでいう「ニーズを満たす」とは「課題・悩みの解決」だけでなく「面白い、楽しい」といったものも含まれます。

「自社のコンテンツに触れる人は誰で、どんなコンテンツであればその人のニーズを満たせるか」を深く考えてコンテンツ作成を行うことで、コンテンツマーケティングの成功確率を上げられます。

BtoBコンテンツマーケティングでは、成約までの「論理性」が重要

ここまで、BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例を3つ紹介しました。各成功事例において「コンテンツマーケティングを成功させるために重要なこと」をそれぞれ紹介しましたが、改めて以下の7つが重要です。

  • 質の高い記事を用意して、検索エンジン経由で多くのアクセスを獲得する
  • 訪問者を「見込み客リスト」に転換するために、連絡先情報と引き換えに提供するコンテンツを用意する
  • サイトや発信するコンテンツ全体を通じて、「顧客第一」を大切にする
  • 多くのコンテンツを用意し、見込み客のニーズを幅広く満たせるようにする
  • コンテンツの制作体制を整えたうえで、会社一丸となってコンテンツマーケティングに取り組む
  • どんなコンテンツが成果をもたらすかは実際のところ分からないため、型にとらわれすぎずに試行錯誤しながら良いコンテンツ・ハマるコンテンツを模索し続ける
  • 発信するコンテンツのテイストや世界観はある程度統一させる

これに加えて、もう一つ重要なことがあります。それは「成約までの論理性」です。成約までの論理性とだけ聞いても意味が分からないと思いますので、詳しく説明します。

まず、企業を相手に商品を販売するBtoB企業には、多くのBtoC企業と違い以下の特徴・傾向があります。

  • 商品を認知してから検討し、購入するまでの期間が長い
  • ほとんどの場合、検討の際に他社商品とじっくり比較される
  • 商品を購入するかどうかは、複数人での話し合いのうえで決定されることが多い

BtoB企業の商品は、一般消費者を対象とするBtoC企業の商品と比べて価格が高いことがほとんどです。BtoB企業の商品には、例えば以下のようなものがあります。

  • 人事管理のSaasツール
  • Web制作・システム開発
  • 経営コンサルティング
  • 人材紹介
  • 圧力センサー

そして高単価商品であるからこそ、なんとなく決めることは少なく様々な情報収集を行い、他社商品とじっくり比較したうえで複数人での話し合いの結果、購入するかどうかを決めます。

この際、購入者は「感情」ではなく「論理」重視で購入の判断を行います。「この服なんとなくいい感じだから、購入しよう」「店員さんが親切だから、このお店で購入しよう」というような感情重視で購入判断を行うことは少ないです。「なぜ他社商品ではなく、この会社の商品を買うのか」ということを価格や機能性、会社規模やアフターフォローの充実度など、様々な要素を元に「論理的に」考えて購入判断を行います。

このような性質を持っているBtoB企業だからこそ、コンテンツマーケティングを成功させるためには「なぜ他社商品ではなく、自社商品を購入するべきか」を論理的に説明する充実したコンテンツを用意しておくことが重要です。これが「成約までの論理性」です。

特に重要なのが他社商品との比較検討の際に、「自社商品を選ぶべき理由となるコンテンツ」を用意しておくことです。これには、例えば以下のようなコンテンツがあります。

  • 顧客のリアルな声
  • 顧客の活用事例・成功事例
  • 他社と比較した自社の優位性を説明するコンテンツ(価格表や機能比較表など)

「だからこそ、他社商品ではなく自社商品を購入するべき」ということを筋道立てて論理的に説明するコンテンツの作成には、「顧客の生の声」が役立ちます。見込み客が商品を購入する際にどのような点を特に重視するのか、また商品購入の決め手は何かなどを営業部門のメンバーからヒアリングすることで、見込み客の比較検討段階で「選ばれる」ようになります。

BtoBコンテンツマーケティングの実践手順

ここでは、BtoB企業がコンテンツマーケティングで成果を出すための実践手順を紹介します。この手順通りにコンテンツマーケティングに取り組めば、大幅に成功確率を上げられます。

1. ペルソナ設定とニーズの洗い出し

コンテンツマーケティングにおいては、まずペルソナを設定する必要があります。どれだけ質の高いコンテンツを作成しても、そのコンテンツを「見てもらえなければ」「届けられなければ」意味がありません。

ペルソナとは「具体的にある一人をイメージできる理想の顧客像」のことです。ペルソナが明確になれば満たすべきニーズが分かり、「刺さる」コンテンツを作成できます。そして刺さるコンテンツはペルソナの元に届きやすくなります。

以下、BtoB企業のペルソナ設定の例です。

企業名: クラウドソリューションズ株式会社 ※ここでは架空の企業名を設定
職種: ITマネージャー
名前: 山田 太郎
年齢: 35歳
性別: 男性
学歴: 工学部卒業
趣味: テニス、読書、料理
特徴: チームマネジメントに優れ、技術的にも高いスキルを持つ
職務内容: エンタープライズレベルのクラウドソリューションを導入し、企業のITインフラを管理する。

実際はより深く具体的にペルソナを設定する必要があります。ペルソナの解像度が高ければ高いほど、コンテンツマーケティングの成功確率は上がります。

ペルソナの解像度が高い実際の企業の面白い例を紹介します。2023年3月18日から放映されている東京ガス株式会社の「母の推し活」というCMが、「推し活を行っているペルソナの解像度が高すぎる」と話題になっています。

引用元:https://www.youtube.com/watch?v=U2mS1YKMTd4

以下、東京ガス株式会社のホームページに記載されている情報です。

本CMでは、家庭や会社で懸命に働き、家族を支えながら「推し活」をする、母親を題材として取り上げました。

世の中では、多様性が尊重され、「自分らしさ」を大切にする動きが高まる中で、好きなコトやモノに対して、集中的に時間やお金を消費する「推し活」をする人たちが増え、定着しつつあります。

本CMは、母親が好きなものに熱中することを通じて、生活が充実し、暮らしが豊かになっていく様子を描くことで、一人ひとりを尊重し、「よりそい」「ささえたい」と考える東京ガスグループの姿勢を示しています。

https://www.tokyo-gas.co.jp/news/topics/20230317-01.html

CMもコンテンツの一つです。ペルソナの解像度が高ければ高いほど、コンテンツの質は上がります。またペルソナが設定できたら、ペルソナが抱えているニーズを思いつく限り全て洗い出しましょう。

コンテンツを通じて成果を得るためには、コンテンツに触れた人のニーズを満たす必要があります。そしてニーズは、ペルソナの解像度が高ければ高いほどより具体的なものを数多く洗い出せます。

ペルソナ設定については、以下の記事でも詳しく解説しています。

ペルソナの書き方をマスター!実例と活用方法で理解を深める

2. コンテンツ企画・設計

ペルソナの設定とニーズの洗い出しができたら、次にニーズを満たすためのコンテンツ企画・設計を行います。

具体的にニーズを満たすためにどんなコンテンツが必要かを考えましょう。またどんなコンテンツであればペルソナに届けられるかも考えます。

コンテンツの種類は様々です。ブログ・コラム記事やメルマガ、ホワイトペーパー、SNSなど、様々な種類のコンテンツがある中でペルソナに届けやすい、またペルソナを喜ばせられるコンテンツの形式が何かを考えましょう。

3. コンテンツ作成

どんなコンテンツを作成するかが決まったら、いよいよコンテンツ作成です。ペルソナのニーズを満たす質の高いコンテンツを作成することに努めましょう。

BtoB企業のコンテンツマーケティングでは「成約までの論理性」が重要であることをお伝えしましたが、「なぜこのコンテンツが見込み客の興味関心を引き寄せ、コンバージョン獲得につながるか」を論理的に深く考えながらコンテンツ作成を行います。

いきなり大きな成果が出る「完璧な」コンテンツを作成することはできません。継続的にコンテンツ作成を行いながらより良い形・内容を模索し、コンテンツを通じて成果を得られる確率を高める、また得られる成果を最大化するために試行錯誤し続ける必要があります。

適切な手順・方法で取り組み、成功させよう

本記事では、BtoB企業のコンテンツマーケティング成功事例を紹介しました。コンテンツマーケティングに成功した企業を調査・分析することで、コンテンツマーケティングの取り組みで重要なことがよく理解できます。

コンテンツマーケティングは、成果が出るまでに時間がかかる施策です。顧客視点で「良いコンテンツとは何か」「どんなコンテンツであれば多くの見込み客に届けられるか」を常に考え、継続的にコンテンツ作成に取り組むことが重要です。

弊社シンプリックは、コンテンツマーケティングにおける「コンテンツ作成」を得意としています。成果の出るコンテンツを継続的に制作し、企業の利益向上に最大限貢献できます。

コンテンツ作成にはどうしても多くの労力・時間がかかるため、社内リソースだけで取り組むのが難しいと感じている企業は多いでしょう。外注を検討したことがない場合は、まず「外注することでどんなメリットがあるか」を知ることから始めるのが良いかもしれません。

弊社シンプリックでは、すぐのご依頼ではなくとも相談やオウンドメディア運営・コンテンツ制作に関する質問の段階から真剣にお客様と向き合い、価値を提供します。現時点で少しでもコンテンツ制作の外注に興味がある、またBtoB企業のコンテンツマーケティングの取り組みについて聞いてみたいことがあるという場合はぜひ一度ご相談ください。

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