オウンドメディアを活用してリードを増やすには、記事の内容や質にこだわる必要があります。しかし、集客できる記事の執筆には知識と専門的なスキルが必要です。
そこで本記事では、主に以下について解説します。
- 集客率を上げるオウンドメディア記事の内容
- オウンドメディア記事制作の進め方
- 記事の更新頻度
- オウンドメディア記事に必要な文字数
オウンドメディアの集客で悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
オウンドメディアの記事作成で大切なこと

オウンドメディアの記事作成では以下3点をおさえてください。
- ユーザーファーストが鉄則
- 中長期的なスパンでの運営
- 正確な手順に基づく記事の作成
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オウンドメディアの記事は「ユーザーファースト」が鉄則
オウンドメディア記事は「ユーザーファースト」が鉄則です。ユーザーファーストを意識して書かれた記事とは「多様なニーズに応えられる網羅性の高い記事」を指します。具体的な内容は以下です。
検索意図の把握
「冷蔵庫」という単体キーワードで検索するユーザーの検索意図を考えてみましょう。「冷蔵庫」に隠された検索意図には、幅の広さと奥深さがあります。最新型の冷蔵庫を探しているユーザーもいれば、冷蔵庫の機能について知りたがっているユーザーもいるはずです。しかし、単に「冷蔵庫」というキーワードを本文内で繰り返すだけでは上位表示されません。Googleが重視するのは「クエリに対する答えが含まれているがどうか」です。そこで、4つの検索意図を意識することが重要になります。
1.知りたい(Knowクエリ)
実際、キーワードの一致で返される例は少なく、検索意図に応じた「答えそのもの」が上位に表示される傾向にあります。
2.行きたい(Goクエリ)
表示順には場所とサイテーション、検索者からの距離が影響します。
3.やってみたい(Doクエリ)
ユーザーが「知りたい」のか「やってみたい」のかをGoogleに判断させるには、ユーザーを意識したコンテンツ作りが欠かせません。
4.買いたい(Buyクエリ)
重要なのはユーザーによる評価の高さです。具体的には「リンクグラフ」と「サイテーション」が評価基準となります。
上記4点を意識しながら検索意図を正確に把握すれば、ユーザーの評価は自ずと高まるでしょう。検索意図に則していないコンテンツはユーザーエクスペリエンスの質が低下し、Googleの評価も下がります。
情報の信頼性
有益な情報を提供するためには、記事の信頼性も担保しなければいけません。コピーコンテンツや内容が曖昧な記事は、決して「ユーザーファースト」とはいえないでしょう。
オウンドメディアは中長期的な集客チャネル
オウンドメディアの成功には、継続的な記事の投稿と更新が重要です。「記事を作成して投稿すればそれで終わり」ではありません。効果的な運営をするためにも、更新頻度と新規記事の投稿数を長いスパンで計画していきましょう。
正しいステップを踏む
オウンドメディア記事の作成には、セオリーともいえる基本工程があります。重要なポイントは4つです。
1.対策キーワードを決める
記事の作成前に「ユーザーの悩み」と「検索するであろうキーワード」を先読みします。
2.検索意図を考える
検索意図とは「キーワード検索をしたユーザーの潜在的な意図」です。具体的には以下となります。
- 役立つ情報を集めたいのか?
- 商品の詳細を知りたいのか?
- 実際に購入するつもりで検索しているのか?
同一のキーワードでも、ユーザーの潜在的意図は大きく異なります。記事に目を通してもらうためには、それぞれの意図に合致した記事の作成が必須です。
3.記事構成を作る
検索意図を考慮し、記事の構成を練っていきます。見出しの構成から始めて全体的な骨子を設計していくと効率的です。
4.ライティングでは対策キーワードや関連語、共起語を使う
ライティングの際は、対策キーワードはもちろん、ユーザーの検索意図をあらわす「関連語」や対策キーワードと同時に利用される「共起語」を使用します。検索エンジンは、ユーザーの検索意図を満たした記事かどうか、まずは機械的に判断しています。そのため、キーワードを適切に盛り込むことで、検索上位にランクインできる可能性が高まります。
SEOに強いオウンドメディア記事作成の5ステップ

SEOに強いオウンドメディア記事を作成するための手順を5段階に分けてご紹介します。
- 見込み客にリーチできるキーワードの選定
- 検索意図の調査
- ペルソナの設定
- 構成の作成
- 対策ワードを意識したライティング
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ステップ1|自社商材にあったキーワードを選定する
キーワードの選定には、Googleが提供する専用ツール「キーワードプランナー」の利用が便利です。
本来はGoogle広告への出稿に使うツールですが、アカウントを登録すれば誰でも活用できます。複合キーワードも含めると選定対象となるキーワードは無数に存在するため、まずは自社商材の見込み客が検索すると考えられるメインキーワードをいくつか書き出しましょう。
その後、メインキーワードを基準にしながら複合キーワードを選び、記事の作成に活用します。なお、キーワードプランナーはデフォルトで入力したキーワード以外の関連ワードも表示されますが、フィルター機能を使えば特定ワードの絞り込みも可能です。
具体的な手順をご紹介します。
キーワードプランナーにログインする ↓ 「新しいキーワードを見つける」へ進む ↓ 自社コンテンツから連想されるキーワードを入力して「開始する」をクリック ↓ キーワードが関連性の高い順に表示される |
キーワードの選定基準は以下です。
- 検索ボリューム
- 入札単価
- 競合性
選定前には、実際に表示されたキーワードを使って検索し、上位に表示されるサイトを確認しておきましょう。上位サイトのコンテンツを調査した結果、「より質の高い記事が書ける」と判断できれば、そのキーワードを選定しても問題ありません。
ひとつの記事では上位を狙えなくても、メインページに付随する形で複合キーワードを使った別記事を作成すれば上位表示が期待できます。ただし、この方法を成功させるには、効果的なカテゴリ構造と戦略的なキーワードの選定が必須です。いずれにしても、検索ボリュームの大きいキーワードでメインコンテンツを作りこみながら、関連コンテンツでロングテールSEOを続けることが全体的なアクセス増に結びつきます。
CVR(コンバージョン率)の高いキーワードを意識する
コンバージョンしやすいキーワードと想定キーワードが一致するとは限りません。キーワードの選定に問題があると、「アクセスがあるのにコンバージョンがない」といった事態に陥る可能性もあります。
ここで、改めて「コンバージョン」と「コンバージョン率」の違いを確認しておきましょう。
コンバージョン
コンテンツの最終目標です。ECサイトの場合は「商品の購入」がコンバージョンになるでしょう。
コンバージョン率
「訪問者がコンバージョンに至った件数の割合」です。コンバージョン率の計算方法は以下となります。
コンバージョン率 = コンバージョン数÷アクセス数 (またはクリック数)×100
アクセス数が10,000でコンバージョンの数が30の場合、「30÷10000×100=0.3」なので、コンバージョン率は0.3%です。なお、コンバージョン率の目安は企業や商品によって異なります。
ステップ2|検索意図を調査する
検索意図の調査では、主に以下の2点を意識します。
- ユーザーが「何を知りたいか?」を探る
- 上位コンテンツの内容を確認して、オリジナルのコンテンツを展開する
検索意図の調査はコンテンツの方向性を確定させるうえでも重要ですが、上位に表示されているコンテンツを単にリライトしても大きな成果は得られません。既出の情報だけではなく、コンテンツの独自性を高めながら、ユーザーにとって価値のある記事を作成していきましょう。「ユーザーが知りたいこと」や「解決したいこと」を熟考したうえで役立つコンテンツを提供し、コンテンツ内で検索行動を完結させてこそ、検索意図を満たした記事といえます。
検索意図を読み取る方法
1.サジェストワードを利用する
Googleの検索結果に表示される 「サジェストキーワード」の分析は、検索意図の調査に役立ちます。キーワードを「知りたいこと」や「困りごと」ベースでまとめると、必要なコンテンツや記事量の目安にもなるでしょう。
2. Q&Aサイトを活用する
「Yahoo!知恵袋」などのQ&Aサイトに投稿されている質問から、検索意図を読み取る方法です。Q&Aサイトで確認できるユーザーの「生の声」は、独自性の高い記事の作成に役立つでしょう。なお、「関連キーワード取得ツール(仮名・β版)」を使えば、「教えて!goo」や「Yahoo!知恵袋」を含めた関連キーワードの一括取得も可能です。
3.上位記事を確認する
検索結果の上位表示されている記事は、Googleに評価されている記事ということになります。そこで、上位記事の下記ポイントに着目して「ユーザーの疑問を解決し得るコンテンツとは何なのか?」を詳しくチェックしまみましょう。
- ページタイトル
- ディスクリプション
- 見出し
それぞれのポイントを確認すれば、コンテンツの具体的な内容と構成の把握は容易です。
ステップ3|ペルソナ(読者像)を設定する
ペルソナを設定すべき主な理由は3つです。
1.ユーザー視点での記事作成
ペルソナを設定すれば「ユーザーの置かれている状況」や「抱えている課題」が具体的に見えてきます。コンテンツの方向性を定めるためには、制作側がユーザーの立場にならなくてはいけません。
2.ニーズの正確な把握
ユーザーが「本当に求めている情報」を記事内に盛り込めます。
3.認識の統一
ひとつの記事に複数のライターや編集者が関わる場合、それぞれが異なった人物像に基づいて関わっていると内容にブレが生じます。あらかじめペルソナを設定しておけば、すべての工程で統一された意思決定が行なえるでしょう。
ペルソナの設定方法
ペルソナは、想定する顧客像の深度がターゲットと大きく異なります。ターゲットは「20代から30代の独身男性」といった設定が主流ですが、ペルソナは「25歳、商社勤務、休日は映画観賞をして過ごすことが多く・・・」といったように、具体的な顧客像を想定します。
カスタマージャーニーマップの作成
ペルソナの想定にブレがあると期待どおりのマーケティング効果は得られません。ブレをなくしてペルソナを明確にするためには、顧客の購入プロセスを可視化したカスタマージャーニーマップの作成が有効です。旅行を計画している女性の例を見てみましょう。
フェーズ | タッチポイント行動 | 思考 |
宿泊先の候補を探す | ・サイトで検索 ・知人に相談 ・口コミをチェック | ・安全かな? ・料金の支払い方法は? ・口コミ通りかな? |
宿泊先決定 | ・複数の宿泊施設とやりとり ・宿泊先決定 | ・宿泊先が決まるといいな ・予約できるかな? |
宿泊地利用 | ・宿泊地へ移動 ・実際に宿泊 | ・無事にたどり着けるかな? |
宿泊地の評価 | ・帰宅 ・口コミ評価 | ・他の人にもすすめたい |
カスタマージャーニーマップで重要なのは点ではなく、各タッチポイントにおる行動心理の変化です。顧客に与える情報の内容やタイミングの検討には、顧客の行動を時系列にしてプロットする必要があります。行動や感情は明解なリアクションだけで捉えることはできません。
ステップ4|記事の構成(プロット)を作成する
この段階では、記事の構成を作成して記事の全体像を把握します。とくに、以下のポイントは重点的に確認しておきましょう。
- 内容の過不足
- 記事内容の一貫性
- 読者視点
- 検索意図との合致
ステップ5|対策キーワードを散りばめたライティング
ペルソナの検索意図を意識しながら、キーワードを自然に散りばめた文章を執筆します。ただし、不自然にキーワードを使った中身の薄い記事は、Googleに「質の低いサイト」と判定される可能性があるので注意してください。記事内に含めるキーワードの割合は全体の5%程度が適切です。無料でキーワードの出現率をチェックできる「ohotuku.jp」や「FunkeyRating」などのツールも公開されているので活用してみましょう。
SEO記事の書き方については、こちらもご覧ください。
記事の更新頻度や文字数について

オウンドメディア記事に最適な更新頻度と文字数を確認していきましょう。
検索エンジンは記事の質を重視する
古い記事は検索ニーズから外れていくので上位表示されにくくなりますが、ユーザーニーズに合わせたリライトには効果があります。これは記事の更新に対する評価ではなく、追加内容の高評価が要因です。更新頻度を上げれば評価されるわけではないので注意してください。
内容が薄い記事の量産や、無意味な更新は逆効果になる可能性さえあります。重視すべきは更新の頻度ではなく記事の質です。新しい記事には最新情報が記載されているため上位化しやすい傾向にありますが、内容に乏しければ評価の対象にはなりません。記事の数も同様です。どんなに記事を増やしても、質が低ければGoogleに評価されません。あくまでもコンテンツの質を重視したオウンドメディアの構築を目指しましょう。
1記事あたりの文字数と上位表示の関係性
文字数の多さが検索順位を左右することはありません。しかし、検索ニーズに細かく応えていけば、自然とある程度のボリュームは必要になるでしょう。以下のように優先順位を勘違いすると上位表示が期待できなくなるので気をつけてください。
誤:文字数が多いから上位表示される
正:網羅性の高い高品質な記事は自ずと文字数が多くなるので上位表示される
網羅性の高い記事が評価されれば、記事内のさまざまなキーワードもGoogleに認識されるようになります。やがてはメインキーワードだけでなく、ロングテールキーワードでも順位の上昇が期待できるでしょう。
集客資産となるオウンドメディア記事の作成を心がける
今回ご紹介したオウンドメディア記事作成の必須事項や手順に沿えば、集客率の高いオウンドメディアの運用ができるはずです。文字数や更新頻度を含めたSEO対策を考慮して、顕在層だけでなく潜在層に対してもアピールできるオウンドメディアに育てていきましょう。