自社コンテンツの充実を図るのであれば、魅力的な記事の作成が欠かせません。
ただし、社内で記事制作のすべてを担うのは難しく、ときにはプロジェクトの進行が予定通りに進まなくなることもあるのではないでしょうか。
そのような際に検討したいのが、記事制作の外注です。記事の制作会社に外注をしたり、記事制作の代行サービスを活用できれば、リソースが不足している際も自社の記事コンテンツを強化していくことができます。
本記事では記事制作を外注するの際の選択肢として、「クラウドソーシング」「ライティング代行会社」の2つを紹介し、各形態ごとの違いを解説していきます。
それぞれのメリット・デメリットを確認し、自社にあった記事制作の依頼先を見出していきましょう。
記事制作外注の選択肢は主に2つ
記事制作の外注先は、主に「クラウドソーシング」と「ライティング代行会社」の2種類が選択肢になります。
記事執筆を外注する際は、それぞれの特徴を把握しておくことが必要となります。
本章では、クラウドソーシングとライティング代行会社の特徴、料金相場、クオリティ、想定されるトラブルについて確認し、どのような点が異なるのかを確認していきたいと思います。
クラウドソーシングで記事制作を依頼する

副業解禁の流れが強まっている背景もあり、クラウドソーシングに登録して、ライティング業をはじめる人が増えています。
そのため、クラウドソーシングで記事制作の募集を出せば、それなりに応募数も集まるなど、比較的簡単にライターとの接触を持つことができます。
クラウドソーシングサービスには以下のようなものがあり、それぞれに多くのライターが登録しています。
・ココナラ
運営企業がクラウドソーシングのみを本業として行っている「ランサーズ」「クラウドワークス」は、案件数・実績数も多いサービスです。そのため、はじめて記事制作の外注を行う際には、おすすめのサービスです。まずは1つか2つのサービスに登録し、記事作成を代行してもらうための準備を進めてみましょう。
クラウドソーシングの特徴
クラウドソーシングとは、クライアントとライターなどの個人事業者をつなげるプラットフォームを提供し、スムーズな契約をサポートするサービスです。
記事の依頼主は、サービス内で自ら募集し、応募してきたフリーランスもしくは副業のライターと契約して、記事制作を依頼することになります。一般的には、煩雑な発注や契約の手続きが不要、そして支払いの代行もクラウドソーシングサービスが行ってくれるので、個人への外注を安心して進めることができます。
クラウドソーシングでは、「プロジェクト方式」もしくは「タスク方式」によって、記事制作を依頼します。
ライター個人と案件ごとに契約をする「プロジェクト方式」では、仕様が細かい記事制作や継続案件に適した依頼方法です。
応募してきた複数のラーターの実績を確認の上、コミュニケーションを取りながら、求める品質やスピードを満たしてくれそうなライターを1名選び、発注する方式になっています。(追加で他の応募者への発注も可能)
一方で「タスク方式」は、複数のライターに対して依頼を行い、その場限りの簡易的な契約をするのが特徴です。 数時間程度で終わる案件を任せるのが基本となり、アンケートや個人の感想文を集める際などに利用されています。
一度、仕事を依頼してまた仕事を発注したい場合は、ライターに個別に発注する「直接依頼」という方法で記事制作の外注が可能。都度募集の際に用意する募集文などが不要なため、より簡潔に発注が可能になります。各クラウドソーシングサービスによって、依頼形式に若干の違いがあるものの、大まかにはこのような方法で記事制作の依頼が可能です。
クラウドソーシングでの記事制作の料金相場
直接ライターに対して支払いを行うため、クラウドソーシングで記事制作を外注する際の料金相場は、ライティング代行会社と比較した場合、安価になるとお考えください。
報酬は文字単価で表現されることが多く、一般的な記事の場合、「1文字:1〜2円」で発注ライターを探すことができます。
クラウドソーシングの依頼金額はクライアントが自由に決定できるため、実際の現場ではかなりの幅があります。 安いもので「1文字0.1円」から、高いものは「1文字3〜5円」というケースも。基本的には簡単で時間がかからない案件は報酬が安く、専門性が高く時間がかかる案件は高単価となります。
依頼をする際には、自社の依頼内容と類似した他社案件を参考に、高すぎず安すぎない金額設定をするのがポイント。最初の依頼の際は、トライアルという側面もあるため、低めの単価で依頼をし、品質が良ければ単価アップをし良好な関係を築いていくなどがおすすめです。
クラウドソーシングでは、基本的にプラットフォーム利用手数料が発生します。プラットフォームごとの手数料を比較した上で、どのサービスを利用するか決めるのも1つの考え方。手数料相場は「10〜20%」、ランサーズとクラウドワークスの手数料は20%です。また、依頼金額がある一定以上になると手数料率が下がるサービスも多くあります。
ライターとの金額調整の際は、この「プラットフォーム手数料」と「消費税10%」が文字単価に含まれるか、含まれないかをしっかりと確認しておきましょう。
クラウドソーシングでの記事の品質
クラウドソーシングには、プロからアマチュアまで様々なライターが登録しているため、同じ費用で外注できるライターであっても、納品される記事の品質にはバラツキがあります。
依頼の際は、プロフィールや執筆実績、実際に執筆した記事などの情報を元に、ライターの実力や自社案件との相性を見極めてから外注することがポイント。予算やスケジュールに余裕がある場合は、テストライティングを実施してから、本契約するか判断することをおすすめまします。記事執筆以外の作業も外注したいときは、事前に構成の作成やCMS入稿などの対応ができるか、確認しておきましょう。
クラウドソーシングで想定されるトラブル
クラウドソーシングでの記事制作外注の一番のリスクは、途中で仕事を放り出されてしまうというトラブルです。
無責任なライターに依頼してしまうと、プロジェクトの進行が止まってしまう可能性も考えられるので、募集時は慎重に相手を選ぶ必要があるでしょう。
多くのクラウドソーシングには、その人の実績や仕事の完了率などがプロフィールに記載されています。トラブルを避けるためにも、数値面でも安定感のあるライターか確認をしてからのライター選定がポイント。また、メッセージのやり取りスムーズさも重要、「この人になら仕事を任せても安心だ」と思える相手に記事制作依頼を進めましょう。
ライティング代行会社に記事制作を依頼する

高い専門性を持ち、独自に選別・契約をしたライターを抱えているライティング代行会社も、記事作成の依頼先候補になります。
代行会社によっては、SEO対策を考慮した執筆が期待できたり、コンテンツマーケティングの成功事例を持っていたりと、より高度なサービスを提供している会社もあります。
下記のような企業が記事制作を専門に行う会社としてサービスを展開しています。
他にも多くの記事制作会社があるので、一番自社コンテンツと相性の良いサービスはどこなのか確認しましょう。
ライティング代行会社の特徴
ライティング代行会社は、基本的に社員ライターや継続的に仕事をしている外注ライターを抱えているため、案件に見合った優秀なライターに記事の執筆を割り振ってくれます。
ライター個人と契約するのではなく、代行会社との契約になるため、アウトライン(構成案)の作成やCMS入稿などが任せられるケースも。代行会社は、校正や校閲など記事の品質を保つための体制を構築していることが多いので、記事作成にかかる手間を大幅に削減できる可能性があります。
代行会社での記事作成の料金相場
ライティング代行会社に記事作成を依頼する場合の料金相場は、「1文字1〜10円」と幅があり、有資格者や専門家にライティングを依頼する際は、10円以上のケースもあります。
依頼する代行会社ごとに違いがあることはもちろん、記事の専門性や取材の有無などによって金額は大きく変動するため、事前の見積もりは欠かせません。代行会社はそれぞれに得意なジャンルや形式を持っているため、事前に確認を進めましょう。
クラウドソーシングと比較すると、単価は高くなるケースが多いので、金額より質にこだわりたい案件におすすめの外注先です。また、社内のリソースをどれだけ巻き取ってくれるかを元に、見積の妥当性を検討しましょう。社内の手間の大半を巻き取ってくれる制作会社であれば、外注費が高く感じても、プロジェクト全体のコストは削減されるケースもあるでしょう。
代行会社制作記事の品質
クライアントの求める用件によりアサインするライターは変わるため、幅広いレベルのライターをライティング代行会社は抱えています。
求める品質やどのようなライターをアサインして欲しいかを伝え、見積をもらい検討しましょう。予算内でアサインできるライターのレベルを提示してもらうという方法も。希望単価が安ければ、その分アサインされるライターのレベルが低くなる可能性もあります。
本契約の前に、テストライティングを数記事行い、外注先と品質基準を確認することはぜひとも行いたいポイント。場合によっては、希望単価内で、別のライターをアサインしてもらったり、制作の進め方を変更したりなど品質向上は二人三脚で行うもの。様々な調整をお願いできるのは、代行会社に外注するメリットの1つです。
また、外部の編集者やディレクターがしっかりチェックに入り、記事の品質を向上させているライティング会社もあります。ライティング会社のディレクション体制や能力が記事のクオリティを左右するため、どのような体制で品質管理を行っているかのチェックも欠かせません。
自社と相性の良いディレクターや制作体制を持っている会社を選定して依頼を進めましょう。
代行会社への依頼で想定されるトラブル
ライティング代行会社は、こちらの意図を汲んだ上で記事作成を行ってくれますが、ときには担当者との考えのすれ違いや勘違いからトラブルを生むこともあります。
代行会社を利用する際には、トライアルや本契約の初期段階で調整や話し合いの場を多く持ち、求める記事の方向性や制作において押さえておきたい事項を共有するのがポイント。書き直しなどお互いの手間を減らし、良好な関係が構築できるように努めましょう。
記事制作の外注先をどちらに依頼するかは記事の内容次第

クラウドソーシングとライティング代行会社には、それぞれの良い面があるため、一概に「こっちの方がおすすめ」と決めることはできません。記事の内容次第で制作を依頼すべき対象は変わりますので、大まかに整理をしたいと思います。
指示書や構成案の用意、編集作業ができるならクラウドソーシングで依頼
ライティングに関する指示書が整っており、構成案の作成、納品後の校正・校閲を自社で行うことが可能なら、安価に制作依頼が可能なクラウドソーシングの利用がおすすめです。
少人数のライターディレクションであれば、それほど労力もかからずに業務を遂行できるでしょう。
SEOコンテンツ記事や専門記事ならライティング代行会社に依頼
SEOコンテンツ記事や、特定のジャンルに関する専門記事を求めるのなら、高い品質記事が期待できるライティング代行会社がおすすめです。
クラウドソーシングでレベルの高いライターを探すのはなかなか大変ですし時間もかかります。実績のある多くのライターを抱えていたり、編集や校正の体制が整っているライティング代行会社であれば、品質の安定した記事の納品が期待できるでしょう。
外注単価が高くなることもあるかと思いますが、アクセスアップなど目的に対する費用対効果を考えてみてください。社内の工数が削減できるだけでなく、売上アップまで実現できるのであれば、効率の良い投資にもなります。
理想の制作体制は多くの検討とテストの先にある
自社内での記事制作に限界を感じている場合、記事制作の外注はぜひとも検討したい手段。
この機会にクラウドソーシングとライティング代行会社の特徴を確認し、どちらが自社の外注先としてあっているか、検討してみてください。 両者を比較するために、並行してテストライティングすることもおすすめです。
ユーザーに必要とされるためには、自社サイトやメディアにおいて、定期的に質の高い記事コンテンツを公開することが求められています。様々な方法を検討しテストして、自社に合った制作体制の構築を実現してください。

シンプリックのSEO事業全体を監修。海外のマーケティングカンファレンスにも足を運び、最新のSEOおよびコンテンツマーケティング動向に精通。「競合が少なくコンバージョンを生み出せるキーワードの選定」「読みやすくロジカルな記事コンテンツの監修」を得意としています。
【実績】2005年に設立した株式会社ブルトア(サクラサクマーケティング株式会社)では、多数のクライアント、パートナー企業の検索エンジン集客に貢献し、SEO事業を年商7億規模に伸張させる。その後、設立した株式会社シンプリックでは、自社の海外通販事業を検索エンジンからの集客により2年で月商3000万規模に拡大。