パンくずリストはSEOに効果があると聞いたことはあるものの、具体的にどのように役立つのか分からない方も多いのではないでしょうか。パンくずリストは、検索エンジンのクローラーによるサイト構造の把握を助け、ユーザーの利便性も高める重要なナビゲーション要素です。
本記事では、パンくずリストの仕組みやSEOへの効果、そして効果的な設置のポイントについて簡潔に解説します。
目次
パンくずリストとは?基本構造と種類

パンくずリストとは、ユーザーが現在閲覧しているページの位置を階層的に示すナビゲーションの一種です。サイト構造を視覚的に理解しやすくするだけでなく、検索エンジンにとっても有益な情報を提供します。
たとえば「ホーム > ブログ > SEO > パンくずリストとは」といった形式で表示され、上位階層のページへ簡単に戻ることができます。

主な種類(位置型/属性型/パス型)
パンくずリストには、表示形式や情報の持ち方に応じて、主に以下の3タイプが存在します。
- 位置型:サイト内の構造に基づき、現在地を階層で表示する最も一般的な形式(例:トップ > カテゴリ > 記事)
- 属性型:商品の属性や分類情報に基づく形式で、ECサイトなどで多く用いられます(例:トップ > メンズ > シャツ > 青)
- パス型:ユーザーのたどったブラウザ履歴に基づく表示。SEOへの効果は限定的であり、UX向上の観点で用いられます
この中でも、SEO効果が高いとされているのは「位置型」であり、構造化マークアップを活用することで、リッチリザルトの対象にもなります。
種類 | 特徴 | 主な利用シーン | SEO効果の有無 |
---|---|---|---|
位置型 | サイト構造に基づき、ユーザーの現在地を階層で表示 | 一般的なブログ、企業サイト | 高い(Google推奨) |
属性型 | 商品の属性やタグに基づいて表示 | ECサイト、レシピサイトなど | あり(情報整理に有効) |
パス型 | ユーザーの閲覧経路に基づく動的表示 | 検索結果ページ、履歴重視ページ | 低い(SEOには不向き) |
パンくずリストがSEOに与える影響

パンくずリストは、SEO対策としても有効な施策のひとつです。特に、クローラビリティの向上と内部リンク構造の強化という2つの観点で効果があります。
クローラビリティとインデックス促進
Googleのクローラー(検索ロボット)は、ページ内のリンク構造をたどってサイトを巡回します。パンくずリストを適切に設置することで、サイトの階層構造をクローラーに明示でき、重要なページがより効率的に発見・インデックスされやすくなります。
また、構造化マークアップを施すことで、Googleの検索結果にパンくずリストが表示され、クリック率(CTR)の向上にもつながります。
内部リンク強化によるSEO評価の最適化
パンくずリストは、サイト内の上位階層ページへ内部リンクを設ける役割も担っています。これにより、被リンクの評価(リンクジュース)を上位ページへ適切に分散でき、サイト全体の内部リンク構造が強化されます。
特に、カテゴリーページやトップページへの導線を明示的に設置することで、SEO評価を集中させたいページへの貢献度が高まり、検索順位の安定にも寄与します。
効果的な設置のためのポイント
パンくずリストをSEOに効果的に活かすには、構造・マークアップ・表示方法の3つの観点から適切に設計することが重要です。
パンくずリストは、HTML上でも意味的に正しい構造で記述することが推奨されます。特に、<nav>タグ内に<ol>(順序付きリスト)を用いる形式が望ましいとされています。以下はその基本的な記述例です。
<<nav aria-label="パンくずリスト">
<ol>
<li><a href="/">ホーム</a></li>
<li><a href="/blog/">ブログ</a></li>
<li>パンくずリストとは</li>
</ol>
</nav>
この構造により、アクセシビリティの向上と、検索エンジンへの明確な構造提示が可能となります。
JSON-LDによる構造化マークアップ
SEOを強化するうえで、構造化データ(schema.org形式)によるマークアップも欠かせません。Googleが推奨する形式はJSON-LDです。以下のようなコードを<head>タグ内に追加します。
<script type="application/ld+json">
{
"@context": "https://schema.org",
"@type": "BreadcrumbList",
"itemListElement": [
{
"@type": "ListItem",
"position": 1,
"name": "ホーム",
"item": "https://example.com/"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 2,
"name": "ブログ",
"item": "https://example.com/blog/"
},
{
"@type": "ListItem",
"position": 3,
"name": "パンくずリストとは",
"item": "https://example.com/blog/breadcrumb/"
}
]
}
</script>
構造化データのJSON-LD記述例
このマークアップを追加することで、検索結果にパンくずリストが表示される「リッチリザルト」の対象となり、クリック率(CTR)の向上も期待できます。
モバイル・デザイン面の注意点
モバイル環境への対応も欠かせません。パンくずリストが横スクロールになったり、リンクが小さくタップしづらくなったりすると、ユーザー体験(UX)を損ね、SEOにも悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、デバイスの画面幅に応じたレイアウト調整や、リンク間の十分なタップ領域の確保が重要です。
WordPressなどCMSでの設置方法

パンくずリストは、主要なCMSでも簡単に設置できます。中でもWordPressでは、プラグインを活用することで手軽に導入可能です。
プラグイン活用の利点と代表例
初心者にも扱いやすい方法として、プラグインの活用が一般的です。特に人気なのが、「Breadcrumb NavXT」や「Yoast SEO」に内蔵されているパンくずリスト機能です。
たとえば、Breadcrumb NavXTでは、ショートコードやPHPコードをテーマファイルに挿入するだけで、カスタマイズ性の高いパンくずリストを表示できます。
<?php if(function_exists('bcn_display')) { bcn_display(); } ?>
この方法はテーマ全体での表示統一がしやすく、構造化データの自動付与にも対応しているため、SEO効果も期待できます。
カスタマイズする場合の注意点
独自のテーマや表示形式に合わせてパンくずリストをカスタマイズする場合は、HTML構造やJSON-LDとの整合性に十分注意が必要です。特に、階層順序が不自然だったり、リスト項目のマークアップに誤りがあったりすると、検索エンジンによる構造の誤解や、リッチリザルトが表示されない原因になる可能性があります。
また、テーマやテンプレートを更新する際にカスタマイズしたコードが上書きされないよう、子テーマを活用した実装を推奨します。
よくある誤解と注意点
パンくずリストはSEOに効果的な施策ですが、正しく理解・設置しないと効果を発揮できません。以下に代表的な誤解と注意点を紹介します。
パンくずリストを過信しすぎない
パンくずリストだけで、SEOが大幅に改善されるわけではありません。あくまで補助的な役割であり、コンテンツの質や被リンクといった基本的なSEO対策が前提となります。
特に、パンくずリストはクローラーの巡回性向上やUX改善の一環として活用すべきであり、単独で検索順位の上昇を狙うのは現実的ではありません。
過剰なリンク設置や階層の複雑化に注意
パンくずリストは階層構造を明示するためのツールですが、階層が深すぎたり、リンクが多すぎたりすると逆効果になることがあります。
ユーザーやクローラーの混乱を避けるためにも、3〜4階層程度を上限とし、シンプルな構造を心がけましょう。また、すべてのページに無理に表示するのではなく、トップページやランディングページ(LP)などでは非表示にする判断も有効です。
まとめ
パンくずリストは、SEOとユーザー体験(UX)の両面で効果を発揮する、重要なナビゲーション要素です。正しく設置することで、検索エンジンのクローラーがサイト構造を把握しやすくなり、リッチリザルトの表示や内部リンク構造の最適化にもつながります。
実装にあたっては、HTML構造や構造化マークアップの整合性に注意し、CMSやサイトの仕様に応じた適切な方法で導入することが重要です。
パンくずリストの活用はあくまでSEOの一要素にすぎませんが、全体の最適化施策と連動させることで、最大限の効果を引き出すことができます。
シンプリックでは、パンくずリストの設置支援やSEO全般のご相談も承っております。どうぞお気軽にお問い合わせください。