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ChatGPT(チャットGPT)をどのようにSEO記事制作に活用すべきか

ユーザーの質問や依頼に対しチャット形式で回答してくれる対話型AIサービス「ChatGPT(チャットGPT)」。2022年11月に一般公開され、2023年3月14日に「GPT-4」と呼ばれる最新バージョンがリリースされました。ChatGPTは、その回答精度の高さから、記事制作に活用されてきましたが、GPT-4はさらに回答精度が向上、今後はより記事制作の実務現場での活用が期待されています。

 一方、SEO(検索エンジンでの上位表示)を目的とした記事制作にどのような影響が出てくるか、さまざまな懸念や憶測が取り沙汰されています。記事内でも紹介していますが、GoogleはAI生成コンテンツを評価すると明言しています。つまりAI生成コンテンツは、記事制作やSEO対策に活用できるものです。

 本記事では、今後どのようにChatGPTをはじめした大規模言語モデルを”SEO記事制作”に活用していくべきか、弊社のこれまでの経験や知見に基づき、GPT-4を実際に利用し解説していきたいと思います。

「そもそもSEOについての理解が浅い」という方は、以下の記事も併せてお読みください。

【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!

ChatGPT(チャットGPT)とは?

ChatGPT」とは、大規模言語モデル(大量のテキストデータを学習し高度な解を導き出すことのできるアルゴリズム)を使ったチャットボットです。ChatGPTは、Microsoftなどが出資するOpenAIが開発しています。その他の対話型AIサービスには、Googleが開発する「Bard」などがあります。

※GPT:「Generative Pre-training Transformer」の略称、カタカナ読みは「ジーピーティー」

GPT-4とは?

GPT-4」は、2023年3月時点でのChatGPTの最新バージョンです。2018年に初期バージョンGPT-1がリリースされ、その後GPT-2、3と更新されてきました。

弊社内でも実際に使ってみましたが、直前のバージョン「GPT-3.5」と比べると回答の正確性や客観性が格段に向上したという実感を持っています。

OpenAIの公式ページでは、GPT-3.5とGPT-4の性能の違いがグラフや表をもとに解説されています。

以下のグラフは、GPTにさまざまなテストを回答させた際の結果を比較したグラフです。GPT-4の性能が大きく向上していることが分かります。

出典:OpenAI公式「GPT-4紹介ページ

ChatGPTの使い方

ChatGPTは、OpenAIの公式サイトからユーザー登録を行うことで、無料で利用ができます。以下のページ右側のボタン「Sign up」よりユーザー登録をまず行ってください。

URL:https://chat.openai.com/auth/login

最新バージョン「GPT-4」を使うためには、月額20米ドルの「ChaGPT PLUS」へのアップグレードが必要です。

GoogleはAI生成コンテンツを評価する

Googleは自社の公式ブログで「AI や自動化は、適切に使用している限りは Google のガイドラインの違反になりません」とAI生成コンテンツを評価するとアナウンスしています。以下のとおり、AIが生成しているかどうかではなく、「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツ」であるかにより評価されるのです。

AI 生成によるコンテンツ作成を検討している方へのアドバイス
すでに説明したとおり、コンテンツの作成方法を問わず、Google 検索で成功を収めるには、E-E-A-T の品質を満たす、オリジナルで高品質な、ユーザー第一のコンテンツの制作を意識する必要があります。
E-E-A-T のコンセプトについては、有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成ヘルプページで確認できます。さらに、このページを更新して、「誰が、どのように、なぜ」という観点からコンテンツ制作の方針を考えるためのガイダンスを追加しました。
AI 生成コンテンツを使用しているかどうかにかかわらず、このような方法でコンテンツを評価することにより、Google 検索システムの評価基準に沿ったコンテンツの作成が可能になります。

ChatGPTをどのようにSEO記事制作に活用するか

弊社では、ChatGPT(GPT-4)を活用しさまざまな検証を行っています。

検索エンジンというプラットフォームを通して、ユーザーに有益な情報提供を行うことがSEOの本質です。AIサービスをうまく活用すれば、品質を向上させる業務に編集ディレクターの時間を集中できるため、より品質の高い記事コンテンツを制作できることにつながります。

検証により見えてきた生成AIの活用方法をご紹介します。

1.記事タイトル候補や見出し案、コピー案などコンテンツアイデアの作成

記事タイトルや記事の見出し、キャッチコピーなどのアイデア出しに活用できます。生成AIが出力するコンテンツアイデアは統計的に最適化されたものなので、あくまでもアイデアとして活用するのがおすすめです。出力されたものを編集し活用してください。

<プロンプトの例(対話を進めたうえでの利用イメージ)>

○○コンテンツのタイトル案を検索上位10サイトを参考に、3点記述ください


以下がポイントです
・キーワードを検索するユーザーがクリックをしたくなるキャッチーでくだけすぎないものとする
・他のサイトを参考に必要に応じて記号を使う
・キーワードはなるべくタイトルの先頭、少なくても前半で利用する
・タイトルの文字数は、全角で28〜33文字とする
・特定のサイト名や固有名称は含まないように作成する

以下は、カスタマージャーニーマップに関する記事のタイトル案を出力結果です。

2.文章の要約や文章案の作成

長い文章を要約したり、書き出しやまとめ文章の作成ができます。出力されたものは編集を前提とし、作業スピードを向上させるための活用がおすすめです。

<プロンプトの例(対話を進めたうえでの利用イメージ)>

コンテンツのペルソナを分かりやすく記述ください


文章のまとめに記述すべき内容を200文字程度で記述ください

以下は、カスタマージャーニーマップに関する記事のペルソナとまとめ文章を出力結果です。

3.情報収集および表作成などのデータ加工

情報収集および収集した情報を表にするなどデータの加工に活用できます。

情報収集に活用すれば、記事内容のリサーチ時間を短縮できます。網羅的な情報収集にも向いています。
以下は、「ChatGPTのような大規模言語モデルには他にどのようなものがあるか」についての回答です。

収集したデータを視覚的に表にまとめる際に、ChatGPTを活用できます。読み手の理解を助ける客観的なデータを作成できる点は、パワフルな要素の一つです。
以下は、「人気のSNSとその利用人数」を表加工したデータです。

ChatGPTをデータ収集に活用した際は、データが本当に正しいものであるか、必ずファクトチェックをするようにしてください。

弊社シンプリックでは、ChatGPTを活用した記事制作のお引き受けが可能です。クライアントさまと効果検証しながら、より良い制作フローや制作体制構築にこれまでのSEOの知見を生かし取り組みます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

AI時代に求められる編集機能とは

前章でご紹介したように、ChatGPTは文章作成に活用できることが見えてきています。

ライターや記事制作会社に頼まなくても、記事制作が進められるのではないかと感じたかもしれません。

たしかに、一定レベルの記事コンテンツはAIで作成できるようになりましたが「ユーザー満足を導ける記事品質をAIだけで実現するのは難しい」というのが弊社の見解です。”AI時代に記事制作会社が求められる機能”について解説していきたいと思います。

1.正確性・信憑性の確認、ファクトチェック

AIは大量のデータを学習することで、的確な回答を導くものです。さまざまな情報ソースから取得したデータをもとに、情報の正誤を算出するため、信頼できるものである可能性は高いですが、誰も正確性の保証をしてくれません。

そのため、記事制作会社では信頼できる情報元を定め、AIが作成したテキストのファクトチェックを担う必要があります。特に、YMYL(Your Money or Your Life)と呼ばれる金融や医療などの領域は、専門家によるファクトチェックや編集が必要になるため、そのような専門家のキャスティングも記事制作会社には求められます。

参考:Google公式「検索品質評価ガイドライン

先ほど、ご紹介した「人気のSNSとその利用人数」の表には、「Twitter」が存在していません。再度質問したところ、以下の通り「漏らしていた」との回答。ランキングにも少しおかしなところがあり、正確性の確認は必須といえるでしょう。

2.体験を基にしたコンテンツ制作

Googleは、2022年12月15日に「体験(Experience)」を基にしたコンテンツを評価していくというアナウンスを出しました品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加)。AIは機械ですので、自身の実体験を基にしたコンテンツの作成ができません。AIの学習はあくまでも擬似体験ですので、ユーザーが求めている”リアルな体験”を基にした情報発信を行うために、コンテンツ制作会社には企画力や提案力とその実行力が求められます。

*E-E-A-T と品質評価ガイドラインについて
Google の自動システムは、さまざまな要因に基づいて優れたコンテンツをランク付けするように設計されています。関連するコンテンツを特定した後、最も役に立つと判断されたコンテンツに高い優先順位を付けます。そのために、どのコンテンツが、エクスペリエンス(Experience)、高い専門性(Expertise)、権威性(Authoritativeness)、信頼性(Trustworthiness)、すなわち E-E-A-T の面で優れているかを判断するための要素の組み合わせを特定します。

mybestさんの「売れ筋の人気酸素系漂白剤全22商品を徹底比較!」という記事は、「実際に漂白剤22商品を利用」したうえで比較コンテンツが作られています。このような実体験に基づいたコンテンツ作成を記事制作会社はリードしていく必要があります。

出典:mybest「売れ筋の人気酸素系漂白剤全22商品を徹底比較!

3.独自性のある構成や内容の企画・表現

AIサービスの浸透とともに、情報を調べたりまとめたりという役割はAIが担うようになるでしょう。ただし、どのようにAIを活用するか、どのようなコンテンツを記事内に配置し、ユーザー満足を導くかなど、コンテンツの企画は今後も記事制作会社が担う必要があります。

編集ディレクターには、検索上位の記事が満たせていないインサイトを分析し、どのような経験や知見のあるライターをアサインするか、独自性のあるコンテンツとして何を盛り込むかなど、クリエイティブな企画力が今まで以上に求められます。

記事制作会社の役割は「AIツールを活用し品質を向上させること」

ChatGPTとその最新バージョンGPT-4がリリースされ、記事コンテンツ制作は新たな局面を迎えています。ChatGPTなどの会話型AIサービスは、非常に有用なツールではありますが、AIの回答をそのまま記事にするだけでは、読み手の満足につながる記事の制作はできません。

あくまでも有用なツールとして活用し、捻出できた時間を読み手の体験価値向上に投下することが、媒体社や企業などのパブリッシャー、記事制作会社(編集プロダクション)、ライターに求められます。

弊社シンプリックでは、ChatGPTを活用した記事制作のお引き受けが可能です。クライアントさまと効果検証しながら、より良い制作フローや制作体制構築にこれまでのSEOの知見を生かし取り組みます。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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