「インターネット広告を出しても効果がない」
「成約につながらない」
このように感じている方も多いのではないでしょうか。
インターネット広告で成果を得るには、効果を最大化させるためのアプローチと戦略が必要です。本記事では、効果がないと感じてしまう理由や、課題点と解決策について、詳しく解説していきます。
目次
インターネット広告の効果がないと感じる理由と改善ポイント
広告配信の効果がないと感じる理由は、大きく次の3つです。
- インプレッション数が少ない
- クリック数が少ない
- コンバージョン率が低い
それぞれについて、対策方法とともに解説します。
インプレッション数が少ない
広告費を払ってネット広告を運用しても、インプレッション数がなかなか増えないことがあります。インプレッション数とは「広告が表示された回数」のことで、ネット広告の成果を測るための重要な指標です。インプレッション数が少ないということは広告がユーザーに見られていないということですから、集客や売上につながらないのは当然のことです。
【対策方法1】1日あたりの広告予算を上げる
Google広告を配信する際は、管理画面で1日あたりの平均予算を設定します。この予算を増やすことで、インプレッション数が増える可能性があります。
また広告配信の管理画面では「目標」に合わせて配信方法を設定できます。「まずは認知度を高めたい」など、一定のインプレッション数を出していきたい場合は、表示回数が最大になるように配信される「インプレッション課金」を選択するのも効果的です。
【対策方法2】入札単価を上げる
Google広告を配信する際は、インプレッション数、クリック数など何を広告の成果とするか、そして成果あたりの単価(入札単価)をいくらにするかを設定できます。入札単価を上げれば広告表示の優先順位が高まり、インプレッション数の向上につながります。「広告費用を少しでも抑えたいから」と入札単価を低くしすぎると広告が全く表示されないこともあるので注意が必要です。
ただし、入札単価を上げれば予算をすぐ使い切ってしまい、広告配信が止まってしまいますので、全体のバランスも併せて考慮する必要があります。予算が限られている場合は、競争率の低いキーワードに入札してインプレッション数とクリック率の相乗的な上昇を狙う方法もあります。
クリック数が少ない
広告出稿してインプレッション数が増えても、クリック数につながらなければ効果がないと感じるでしょう。クリック数をインプレッション数で割った値をCTR(Click Through Rate、クリック率)と言いますが、CTRはユーザーの関心度を測る重要な指標になります。
【対策方法1】ターゲティングの設定を見直す
広告が表示されているのにクリックされないということは、言い換えると広告内容が広告を見ているユーザーのニーズとズレているということです。クリックしてもらうためには、広告配信するターゲットの設定を見直す必要があります。適切なターゲティングを行えば、広告内容に関心の高いユーザーに広告が表示され、クリック数を増やすことができます。
具体的には「特定の興味関心やデモグラフィックに絞る」「ターゲットオーディエンスを広げる」といった設定が有効です。使用デバイスや地域などの特定のセグメントに焦点を当ててみるのも、ひとつの方法になります。
【対策方法2】クリエイティブの質を高める
クリエイティブの改善もクリック数の向上に有効です。魅力あるクリエイティブを用意すればユーザーの関心を惹きつけることができ、広告のクリックを促せます。
クリエイティブは、ユーザーの目を引くようなデザインを意識しましょう。まずは確実に目にとめてもらえるよう、視覚的にアピールできなければユーザーは関心を持ってくれません。さらに、クリックを促すCTA(Call To Action、行動喚起させるビジュアルやテキスト)を組み込んで、ユーザーの興味を刺激しましょう。
ただし、クリエイティブと広告の目的に一貫性がなければ、当然ながら最終的なコンバージョンにはつながりません。クリックした先の内容が「思っていたのと全然違う!」とならないよう、クリエイティブの内容とクリック後のランディングページやコンテンツとの差異が生じないように注意しましょう。
コンバージョン率が低い
コンバージョン率は、広告をクリックしたユーザーが「問合せ」「申し込み」「購入」など特定のアクションに至った(コンバージョンした)割合を示す指標です。クリック数が多いのにコンバージョン率が低い場合は、コンテンツやランディングページに課題があると言えます。
【対策方法】導線を改善する
商品の購入サイトやランディングページは、広告の成果に直結する重要なコンテンツです。そのため、コンバージョン率を改善させるには、ユーザーが求めている情報にアクセスしやすい導線を意識してデザインする必要があります。
コンテンツ内には明確で効果的なCTAを配置して、ユーザーへのアクションを促すことも忘れないようにしましょう。読み込み速度やモバイルフレンドリーといったユーザーエクスペリエンスも向上させればユーザーがページに滞在しやすくなり、コンバージョン率の改善につながります。
デザインが異なるランディングページを複数作成してA/Bテストを行い、効果の高いバージョンを探ることも大切です。
効果がない場合は他の施策と併用してみるのもひとつの方法
広告出稿で思うような効果が出ない場合には、SEOやコンテンツマーケティングと併用してみるのも良いでしょう。ただし、各施策にはそれぞれメリットとデメリットがあります。
インターネット広告のメリットとデメリット
ネット広告はテレビや新聞・雑誌などの広告と比較して圧倒的にコストが低いため、中小企業や個人事業主でも手軽に利用できます。設定の変更や更新も簡単です。SEOやコンテンツマーケティングよりも即効性が高いという特徴もあります。
ただし、インターネット上には多くの広告が表示されるため、ユーザーの広告に対する関心度が低下してクリック率が下がるケースも少なくありません。
中には広告ブロッカーツールを使用して、広告を表示させないよう設定しているユーザーもいます。広告に対してネガティブな印象を持つユーザーには広告が逆効果となるため、ブランドのイメージに悪影響を及ぼす恐れもあるでしょう。
SEO対策のメリットとデメリット
SEO対策とは、Googleなど検索エンジンの自然検索結果(広告枠が別にあります)にページを上位表示させ、集客を増やす方法です。効果的なSEO対策を行えば、検索エンジンからのトラフィックを増加させることができます。SEOの成果には持続性があるため、適切な最適化を行えば長期間にわたって検索結果の上位に表示させることも可能です。
自然検索結果で上位表示されても広告費や掲載料のような定期的な費用は発生しませんので、広告出稿するよりも大幅にコストが低くなるというメリットもあります。
ただし、SEOは効果が現れるまでに時間がかかります。また、検索エンジンのアルゴリズムの変更や、競合他社のコンテンツの状況などの影響を受け検索順位が変動するため、基本的には多くの時間と労力が必要です。
また、競争の激しい業界やよく検索されるキーワードに関するコンテンツは、上位に表示させることが簡単ではありません。SEO対策にはテクニカルな側面も含まれるため、技術的な知識や専門性も必要です。
コンテンツマーケティングのメリットとデメリット
高品質なコンテンツを提供すれば、信頼性と専門性をアピールしながら長期的なブランドの構築が可能です。
有益なコンテンツは、顧客とのエンゲージメントを高める効果もありますし、それが結果的にコンバージョン率の向上にもつながるでしょう。検索エンジンは高品質なコンテンツを評価する傾向にあるため、SEO対策としても効果的です。
ただし、コンテンツマーケティングを成功させるのにも長期的な努力が必要になります。近年では業界を問わずコンテンツマーケティングに取り組む企業が増えているため、競合他社との差別化もなかなか困難です。質の高いコンテンツの制作には、コストもかかります。予算とリソースに制約がある場合は、十分なコンテンツを作成できないこともあるので注意が必要です。
ROI(Return On Investment、投資利益率)の見えにくさも、コンテンツマーケティングのデメリットと言えるでしょう。インターネット広告であれば管理画面で成果を分析できますが、コンテンツマーケティングは施策の目的によって効果の出るタイミングが異なります。コンテンツを読んだあと、そのまますぐに問合せや申し込みをするとは限らないため、解析ツールを利用していても、明確に「これがコンテンツマーケティングの成果である」と判断できる指標や基準がなく、正確な収益性の把握が難しいケースが多々あります。
SEO関連の施策がおすすめな理由
これらのメリット・デメリットを踏まえた上で弊社がおすすめしているのがSEO対策およびコンテンツマーケティングです。理由は以下の4つです。
- 費用対効果が高い
- サイトが資産として残る
- クリック率が高い
- ブランディング効果も期待できる
4つのメリットについて解説します。
費用対効果が高い
SEO対策によって自然検索結果の上位表示が実現すれば、広告費用をかけなくてもWebサイトがユーザーの目に止まりやすくなります。
SEO関連施策は成果が出るまでに時間を要するとはいえ、上位表示を獲得すれば持続的なトラフィックの増加が期待できます。
中長期的なアクセスの獲得を目指しているなら、SEO関連の施策は必須です。ネット広告は出稿を停止すればアクセスがなくなるため、中長期的な施策を目指すならSEOのほうが効果的です。
サイトが資産として残る
作成したオウンドメディアのコンテンツはWebサイト内に蓄積されるため、過去に公開した記事も検索エンジン経由でアクセスされ続ける可能性があります。継続して記事を公開し続けることによってコンテンツが蓄積され、そのコンテンツは半永久的な財産となって残ります。
質の高いコンテンツは信頼性や専門性を継続的にアピールできるため、それ自体が効果的な営業ツールとなり、コンバージョン率の向上と収益増加が見込めます。 BtoBビジネスにおいて「買い手は意思決定プロセスの57%を商談前に終えている」というデータもあり、Webコンテンツの重要性が高いことが分かります。(出典:ferret one)
定期的な更新やリライトは必要ですが、コンテンツの質と価値を維持すれば、複数のコンテンツを上位表示させることも可能です。良質なコンテンツを増やせばWebサイト全体の評価も高まるため、検索順位の上昇も期待できます。
クリック率が高い
ユーザーは、広告を見るためではなく、情報を探すために検索しています。そのため、検索結果の上部に表示される広告よりも、自然検索で表示されるコンテンツのほうがクリック率は高くなります。
日本の自然検索順位別クリック率を見てみましょう。
検索順位 | クリック率 |
---|---|
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
6位 | 2.42% |
7位 | 2.06% |
8位 | 1.78% |
9位 | 1.46% |
10位 | 1.32% |
一方、リスティング広告(検索連動型広告)の業界別平均クリック率は下記となります。
業界 | 平均クリック率 |
---|---|
アート&エンターテインメント | 10.67% |
動物&ペット | 6.45% |
アパレル/ファッション&ジュエリー | 6.19% |
弁護士&法務サービス | 3.84% |
自動車—販売中 | 7.93% |
自動車—修理、サービス、部品 | 5.39% |
美容&パーソナルケア | 5.44% |
ビジネスサービス | 4.72% |
キャリア&雇用 | 5.33% |
歯科医&歯科サービス | 4.69% |
リスティング広告の平均クリック率がもっとも高い「アート&エンターテインメント」でも、自然検索結果の1位よりクリック率は低いことがわかります。やはり自然検索で上位表示されるようにSEO対策を行うほうが、クリック率の向上には効果的なのです。
SEOとリスティング広告の違いについては、こちらの記事もご覧ください。
ブランディング効果も期待できる
SEOは単なるトラフィックの増加だけでなく、ブランディング効果も期待できます。検索結果の上位に表示されれば、ブランドの信頼性や認知度も向上してユーザーからの評価を高めることも可能です。
知名度が上がれば、SNSでシェアされたり口コミで話題に上がったりする機会も増えるため、新たなユーザーの獲得にもつながるでしょう。
目的に合った施策の検討が重要
インターネット広告の効果がないと感じた場合は、「広告とSEO関連施策のターゲット層は異なる」という原則を忘れないようにしましょう。
インターネット広告の主なターゲットは顕在層です。一般的に「今すぐ客」と呼ばれる層へのアプローチ方法としては最適ですが、検討段階のユーザーには適していません。
一方、SEO関連施策は潜在層にもアプローチできます。記事コンテンツによる有益な情報発信により潜在層を取り込み、自社の商品やサービスの認知・購入へとつなげる流れです。
どの施策を選択するか検討する際には、自社の商材単価も重要になります。リスティング広告の平均コンバージョン率は2~3%ですが、商品・サービスの種類やコンバージョンの種類によっては広告費を回収できません。
特に商品やサービスの単価が低い場合は、SEO関連施策で上位表示を目指し、継続的なアクセスを得ながらコンバージョンへとつなげるのが理想です。もちろんSEO関連施策は高単価な商材との相性も良いため、広告とSEOを併用すればより大きな成果が得られます。
効果がないと感じたら他の施策と併用してみよう
インターネット広告に効果がないと感じた場合、まずは予算やターゲット、ランディングページの導線などを見直してみましょう。それでも状況が変わらない場合は、施策の再考が必要かもしれません。オンラインでできる施策は、広告出稿以外にもあります。新しい視点で戦略を見直し、目的に合った施策との併用が重要になります。
SEO対策やコンテンツマーケティングで自然検索結果からのトラフィックを増やし、経費を削減しながら中長期的なビジネスの成功を実現させるのも方法のひとつです。目的に合った施策を展開すれば、マーケティングの成果を最大化させることができます。
インターネット広告の効果がなかなか出ないとお悩みの方は、ぜひ弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。