集客を目的としてWebサイトを開設したがなかなか検索エンジンからの流入が増えない、このようなお悩みをよく聞きます。おそらくSEOを考慮し、ブログ記事を更新したり、事例ページを増やしたりとサイト流入を増やすためのアクションをされているかと思います。
SEO対策は広告費を圧縮できる有用なマーケティング手法ですが、Webサイトの成長過程に合わせた適切なキーワードの選定が必要になります。また、キーワード検索をするユーザーを満足させる有益な記事コンテンツを用意しなければ、検索上位を獲得できません。
本記事では、現在取り組まれているSEO施策の改善点を明確にし、検索流入が増えないという悩みを解決していきます。
「そもそもSEOについてあまり理解できていない」という方は、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
まずは自社サイトの状況を確認
まずはインデックスの状況から確認していきましょう。検索結果に表示されるためには、ページが検索エンジンにインデックスされている必要があります。
ページが検索エンジンにインデックスされているか
検索エンジンのデータベースに分類・記録されている状態を「インデックスされている」といいます。
たとえば、ユーザーが「東京 レストラン」と検索したときには、インデックスされているページの中から内容が合致しているページを抽出して検索結果に表示します。逆に言えば、インデックスされていないページは、内容に関連性があっても表示されません。
なお、検索エンジンは「クローラー」と呼ばれるロボットにネット上の膨大なページをクロール(巡回)させ、データベースに分類と記録(インデックス)を行います。通常、ページを公開した数時間後から数日後にインデックスが行われます。
インデックスの状況は、Googleの検索窓に「site: URL」を入力すると確認できます。
上記の例のように調べたいURLを記載のうえ検索すると、インデックスされている全ページのURLが表示されます。
個別ディレクトリや個別ページのインデックス状況も以下のように確認できます。
インデックスされていない場合は、下記のように「一致する情報は見つかりませんでした」と表示されます。
Webサイト開設後、どれくらいの期間が経過しているか
クローラーは全てのページを平等に巡回しているわけではありません。クロールするサイトや頻度には優先順位があります。公開して間もないサイトや、ドメインを取得してから時間が経過していないサイトは、巡回の優先度が低くなる傾向にあるため、焦らずに取り組むことが大切です。
更新頻度もクローリングの優先順位に影響を与えます。サイト開設直後にインデックスされていなくても、ブログや記事などのコンテンツを定期的に更新してクローラーの巡回を待ちましょう。
必要なコンテンツやリンクを記事内に追加する「内部リンク対策」も併せて実施してください。読者目線で関連性のあるページへの内部リンクを設置することで、ユーザーの利便性が高まるだけではなく、クローラーがリンクを経由して各ページを巡回しやすくなります。
インデックスされていない場合の対処法
インデックスされるためには、クローラーがページを認識しやすいようにしなければいけません。スムーズなインデックスを促す主な方法を見ていきましょう。
Google Search ConsoleでURL検査を行う
URL検査を行うことで、Googleに対しインデックス登録をリクエストできます。検査の手順は下記となります。
1.Google Search Consoleにログインする
2.上部の検索窓にURLを入力してenterキーを押す
3.データの確認が実行される
4.インデックスステータスが表示される
上記例のように「URLはGoogleに登録されています」と表示されれば問題ありません。しかし、新規に作成したサイトやページでは下記のように表示されることがあります。
このような場合「インデックス登録をリクエスト」をクリックしてクローラーの巡回を促しましょう。
XMLサイトマップを作成する
「XMLサイトマップ」とは、Webサイトの構造や公開済みのコンテンツを検索エンジンに理解させるファイルです。リンク構造をサイトマップという形式で検索エンジンに明示することで、スムーズにインデックスされるようになります。
XMLサイトマップを作成すれば、リンクが適正ではないページをクローラーに認識させることも可能です。なお、代表的なCMS「WordPress」をご利用の場合、バージョン5.5以降はサイトマップが標準実装されているため、特段作業の必要はありません。
XMLサイトマップを自作する場合には、自動作成ツール「sitemap.xml Editor」がおすすめです。取得できるURLの数は1,000URLが上限ですが、無料で利用でき作成も数分で完了します。
sitemap.xml Editorの具体的な使用手順は、下記のとおりです。
1.URLを入力する
2.オプションを選択する
選択項目は次の5つです。
・最終更新日
コンテンツの最終更新日を自動取得します。更新されたURLが優先的に巡回されるよう「する」を選択してください。
・サイトの更新頻度
指定した頻度が必ず実行されるわけではないので「記述しない」にします。
・優先度
優先度は「する」を選択しましょう。
・除外ディレクトリ
除外したいURLを指定します。
・同一タイトルURLの除外
サイト内の同一タイトルページを除外するために「する」を選択してください。
3.「サイトマップ作成」をクリックする
4.作成したサイトマップをダウンロードする
検索流入が増えない3つのケース
検索エンジンにインデックスされても検索流入が増えないときは、下記のような原因が考えられます。
- 難易度の高いキーワードを選んでしまっている
- 記事内容が検索ユーザーの満足する内容になっていない
- 内容が浅く専門性に欠ける
それぞれ詳しく見ていきましょう。
難易度の高いキーワードを選んでしまっている
選択したキーワードの難易度が高いと上位表示ができないため、検索エンジンからの流入を増やすことができません。
なかでも、多くのユーザーが検索する「ビッグキーワード」は競合となるページ数が多い傾向があるため、開設したばかりのサイトでの上位表示は現実的ではありません。ビッグキーワードは、関連性のある記事コンテンツを多数制作し、将来的に上位を狙っていくべき対象です。
月間検索数が数百~数万の「ミドルキーワード」も、サイト立ち上げ当初は上位表示が難しいキーワード群です。ミドルキーワードで上位を目指すには、該当キーワードに関連したスモールキーワードでの記事コンテンツの積み上げが欠かせません。
そのため、開設したばかりのサイトは、検索ボリュームが数十〜数百の「スモールキーワード」を中心に対策する必要があります。スモールキーワードは3〜4語で構成される複合キーワードであるため、競合数が少なく難易度も低いケースが多いからです。
ビッグ、ミドル、スモールキーワードの例を見てみましょう。
キーワード分類 | キーワードの例 | 検索ボリューム |
ビッグキーワード | SEO | 1,200,000 |
ミドルキーワード | SEO 対策 | 26,480 |
スモールキーワード | SEO 対策 企業 | 56 |
ただし、月間検索回数が少ないからといって必ず「競合性が低い=難易度が低い」わけではありません。キーワードの難易度を数値で整理して、対策をキーワードをしぼり込んでいく方法に関しては、以下の記事を参考にしてください。
SEOにおけるキーワード難易度を数値で整理し狙い目キーワードを選定する方法とは?
記事内容が検索ユーザーの満足する内容になっていない
検索結果の上位に表示されるためには、検索ユーザーの情報ニーズと記事の内容が合致している必要があります。記事内容において重視すべきは、キーワードを検索するユーザーが「知りたいこと」や「達成したいこと」です。
ユーザーニーズを分析する手順は下記のとおりです。
- サジェストキーワードを調査して、ユーザーが知りたい情報をリストアップする
- 共起語や同意語から、ユーザーの興味・関心をリストアップする
- 対策キーワードで上位に表示されるサイトのコンテンツ内容をリストアップする
- 1~3で得られた内容をもとに、網羅性と独自性を意識した記事を作成する
迷ったときには、上位に表示されるサイトからニーズを探るのが近道です。
併せて「関連検索」もチェックするといいでしょう。たとえば「SEO対策」で検索すると、下記のような関連検索が表示されます。
関連検索を見れば、「SEO 対策」を検索したユーザーが感じている課題が見えてきます。これらの内容を盛り込みながら、ニーズを深掘りしたコンテンツを作成していきましょう。
内容が浅い・専門性に欠ける
検索ユーザーが求めているテーマを記事内容として取り上げていても、内容が浅く情報価値を提供できなければ検索上位に表示されません。そのため、「記事を読んだ後で読者がすぐに行動できるような情報を提供できているか」という観点で内容を見直すことが重要になります。
とくに、下記のような記事は内容が浅く専門性に欠けると判断されやすいので注意が必要です。
商品やサービスの訴求に内容が偏っている
検索流入数を増やす目的は、自社の商品やサービスの販売に結びつけるためです。しかし、訴求に終始するような内容の記事はユーザーに有益とは言えません。
ユーザーを騙すようなサイト
キャッチーな記事タイトルや見出しでユーザーを惹きつけておきながら、内容がそれとかけ離れているようなコンテンツです。初めは目新しさから検索流入数が増えるかもしれませんが、ユーザーの信頼を失えば検索順位は下がり流入数は減少します。
独自性のないサイト
情報参照元であるWebサイトの文章をそのまま持ってきただけの記事や、競合サイトの内容と酷似しているような記事は記事として付加価値がありません。
このようなページはインデックスされない可能性もあります。記事の公開から時間が経過してもインデックスされない場合は、Googleに「低品質コンテンツ」と判断されている恐れもあるので注意しましょう。
なお、Google検索セントラルでは、質の高い記事を下記のように定義しています。
- 情報が豊富である
- 独自性が高い
- 無断複製していない
さらに重要なのは、ユーザーファーストを意識した記事の作成です。記事を作成する際には、「こちらが伝えたいこと」ではなく「ユーザーが知りたいこと」を書かなければいけません。また、ユーザーがまずどのような情報を求めているかを類推し、最初にどのような見出しやコンテンツを持ってくるかなど、コンテンツの順番に関しても、ユーザー目線で構築することが大事です。
具体的な流入アップの方法
ここからは、検索流入数をアップさせる3つの方法を詳しく解説します。
弊社のWebコンテンツ診断サービスでは、サイトの検索流入数をアップさせるにあたって現状の課題が何で、具体的に何に取り組むべきかをプロのSEOコンサルタントが指南いたします。正しい方向性でSEOに取り組み、SEOの成功確率を上げたいとお考えであれば、まずはぜひ資料をダウンロードしてサービス内容をご確認ください。
【方法1】キーワードを選び直す
選択したキーワードがWebサイトの成長段階に適していない場合は、キーワードを選び直さなければいけません。
サイトの成長段階と選択すべきキーワードの関係は下記のとおりです。
サイトの成長段階 | 選択するキーワードの月間検索ボリューム |
サイト開設後半年以内 | 10〜100 |
SEOを考慮した公開記事数が30本超 | 300〜2,000 |
月間検索回数3桁のキーワードで検索上位を達成 | 5,000以上 |
【TIPS】検索結果をみて確認すべきこと
大企業や公的機関などの知名度および権威性の高いWebサイトが上位を占めているキーワードは、コンテンツの内容が充実していても上位表示が難しくなります。権威性の高いサイトはそれだけで検索エンジンから評価され、被リンクやSNSにおける話題も集まりやすくなるために優位性を持っているのです。
専門性の高いサイトが上位を占めているキーワードも難易度が上がります。そのため、上位サイトの記事を専門家がライティング・監修しているかチェックし、同じレベルのコンテンツを作成できないと判断した場合は、キーワードの方向性を見直した方がいいでしょう。
また、公開されている記事の数や、インデックスされているページの多いサイトが上位を占めているキーワードも難易度が上がります。このようなキーワードは、自社サイトの記事数やインデックス数が上位に追いついた後で狙うようにしましょう。
【方法2】サジェストキーワードや共起語、検索上位サイトのコンテンツ内容をもとに、記事内容を見直す
Googleサジェストや共起語を参考に記事構成を見直すのも、ひとつの方法です。
Googleサジェストの活用方法
Googleサジェストは、検索をする際に関連性が高いキーワードの候補が自動表示される機能です。
以下は「東京 居酒屋」と検索窓に入力したケースです。同時に検索されやすいGoogleサジェストが下記のように表示されます。
サジェストには実際に検索されている関連キーワードが表示されるため、一語や二語が付け加えられた情報ニーズのあるキーワードを知ることができます。サジェストキーワードを活用すれば、ユーザーニーズに合致した記事の内容を構築していくことができます。
Googleサジェストを記事内容に活用する具体例
「SEO 対策」と入力した際のサジェストから、ユーザーニーズを分析してみましょう。
- 「SEOとは」
- 「SEO 対策 自分で」
- 「SEO対策とは わかりやすく」
- 「SEO対策とは 初心者」
- 「SEO対策 意味ない」
- 「SEO対策 会社」
- 「SEO対策 Google」
- 「SEO対策 ブログ」
- 「SEO対策 キーワード」
考えられる検索ニーズとして、以下のようなものが見えてきます。
- SEO対策について初心者でもわかるように説明してほしい
- 自分でSEO対策をする方法が知りたい
- SEO対策を依頼できる会社を知りたい
- SEO対策をする意味を知りたい
ニーズが複数に分かれた場合は、ニーズごとにコンテンツを作成することをおすすめします。
共起語の活用方法
ユーザーニーズの深掘りには「共起語」を活用することもできます。共起語とは、主軸となるキーワードを含む文章の中で、頻繁に利用されることの多い単語群を指します。
キーワードが「SEO」の場合は、「Google」「対策」「ユーザー」「検索エンジン」「キーワード」「施策」「順位」などが共起語になります。
網羅性や専門性の高い記事は語彙のバリエーションが豊富になるため、多くの共起語が記事内に出現します。上位に表示されるページから共起語を抽出して分析すれば、情報網羅性の高い記事の作成に役立てることもできます。
以前は「共起語を文章内に多く散りばめると上位に表示されやすくなる」という認識もありましたが、現在では検索意図が評価されているため、共起語の出現回数と検索順位に相関はありません。共起語は上位ページや競合サイトの内容を把握して網羅性を高めるために利用すると考えてください。
抽出した共起語から自社が着手していないテーマを見つけ、新たなニーズを加筆するための情報源として活用すれば、検索順位上昇の効果も期待できるでしょう。
【方法3】専門性のあるライターや監修者をアサインし内容の深掘りに努める
専門的なテーマを取り上げる場合は、実務経験や専門知識のあるライターや監修者をアサインし、掘り下げた内容を用意したいものです。
とくに、「Google検索品質評価ガイドライン」に掲載されているYMYL領域に関する記事は、文末に執筆者や監修者のプロフィールを記載して権威性と信憑性を高めることもおすすめです。なお、YMYLとは「Your Money or Your Life」の略で「将来の幸福、健康、経済的安定、人々の安全に影響を与える可能性のあるページ、トピック」のことです。
2022年7月28日以降はYMYLジャンルの記載が消えましたが、以前の検索品質評価ガイドラインでは、下記のようなジャンルがYMYLに該当するとされていました。
- ショッピングや金銭の取引を扱うページ
- 金融情報を扱うページ
- 医療情報を扱うページ
- 法律情報を扱うページ
- ニュース記事
- 国民に対する公式な情報を扱うページ
- その他
2022年7月28日の改定以降は「YMYLはスペクトラムで評価される」と考えた方がいいでしょう。
改訂されたGoogle検索品質評価ガイドラインを見れば、スペクトラムであることが理解できます。この表では「明確なYMYLトピック」「半々」「ほとんど関係ない」の3つの項目に分かれ、トピックのタイプが縦軸で示されています。つまり、同じジャンルでも要求されるYMYLの度合いは異なるということです。
これは、サイトの評価基準「EAT」を意識する際にも重要になります。
- Expertise:専門性
- Authoritativeness:権威性
- Trustworthiness:信頼性
たとえば「ガン」に関する記事の場合、個人が書いたブログと専門医が書いた記事では、専門医の記事の方が高く評価されます。このような専門性や権威性を示すためにも、ジャンルに応じて執筆者の情報を充実させた方がいいでしょう。
検索流入を増やすためには「適切なキーワード選定」と「記事内容の深掘り」が欠かせない
検索流入が増えない場合は、自社サイトのインデックス状況を確認したうえで、適切な対応をすることが大切です。インデックスが正常にされている場合は、対策キーワードでの順位を確認してください。順位が50位以下の場合は、対策キーワードの見直しを検討するべきです。また、サジェストキーワードや共起語を調べ、記事内容がユーザーニーズを満たしているか見直しを行いましょう。検索順位が20〜50位程度の場合は、構成の見直しとユーザーニーズに応じた内容の追記により、10位以内のランクアップをはかることができます。
自社サイトの流入数を増やしたいWeb担当者や、SEO対策の成果が出ていない方は、現在の施策の内容を見直して、検索流入アップを実現させてください。
とはいえ、適切なキーワード選定や記事内容の深掘りを行い、「適切なキーワード選定の元、質の高い記事を作ること」は簡単ではありません。しかしこれができないと、SEOで十分な成果を出すことは難しいでしょう。弊社シンプリックでは現在、SEO対策で成果を出したいWeb担当者様向けに「SEO対策の無料相談」を実施中です。プロのSEOコンサルタントが「SEO対策で成果を出すために重要なこと」などSEOのノウハウを伝授しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
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