オウンドメディアが集客や自社のブランディングに効果的だと理解しているものの、どのように立ち上げたらよいのかわからない人もいるでしょう。知識やスキルがないままに立ち上げても、集客力の弱いオウンドメディアに仕上がってしまう可能性があります。
オウンドメディアを立ち上げるのであれば、できるだけ成果が出るオウンドメディアにしたいものです。今回は、オウンドメディアの立ち上げ方について、注意点や立ち上げ後のポイントも踏まえて解説します。
目次
オウンドメディアの立ち上げ方
オウンドメディアをスムーズに立ち上げるためには、工程を整理しておく必要があります。それぞれのタスクについて、内容を把握しておくと作業がしやすくなるでしょう。
まずは、オウンドメディアの立ち上げの流れやタスクを解説します。
サイトの方針決定
オウンドメディアを立ち上げる前に押さえておかなければならないのがサイトの方針です。闇雲にオウンドメディアの運営を始めるのではなく、なぜ立ち上げる必要があるのかを明確にしておきましょう。
オウンドメディアを運用すると、商品やサービスのブランディングができるとともに新規顧客の獲得が望めます。ただし、長期的な運用が欠かせないため、すぐに売上アップを目指したい場合には向いていません。オウンドメディアの特性を踏まえた上で、できるだけ具体的な目標を設定することが大切です。
目標が決まったら、どのような情報を発信するのかを検討する必要があります。オウンドメディアのコンセプトを決めて、全体の方向性を具体化していきましょう。
ドメインの取得
オウンドメディアの方向性が定まったら、オウンドメディアの立ち上げに必要なものを準備します。
まず必要なものがドメインです。すでに自社のホームページがある場合は、新たにドメインを取得する必要はなく、サブドメインやサブディレクトリを使うことができます。一方で新規にドメインを取得する方法もあるので、それぞれの特徴について紐解いていきましょう。
新規ドメイン
オウンドメディアを商品やサービスのための独立したメディアとしてとらえる場合、新規ドメインを取得するケースがあります。
オウンドメディアの内容に見合ったドメインにするとサイトのブランディングにもつながります。基本的にドメインは一度決めると変更しにくいので、熟考してから設定することが大切です。
新規ドメインでの運営は、ブランディングをする上でメリットが多い一方、取得や維持にコストがかかる点がデメリットといえます。
サブディレクトリ
Webサイトの中には、ディレクトリと呼ばれるフォルダがあります。その下層部にあるディレクトリがサブディレクトリです。
既存のWebサイトにあるディレクトリ内に、新たなサブディレクトリを作りオウンドメディアのコンテンツを構築することができます。
比較的簡単に制作できる上、TLD(トップレベルドメイン)のSSL証明書が適用されるため、サイトの信頼性も高くなる傾向があります。また、元々のディレクトリの下層に設置するため、SEO上での評価が引き継がれます。
サブドメイン
サブドメインは、サブディレクトリよりも独立性が高く、既存のWebサイトとは一線を引いてオウンドメディアを立ち上げたい時に便利です。
サーバーにサブドメインを新たに登録しなくてはなりませんが、登録後は比較的簡単にサーバー構築ができます。
また、トップドメインとは別にアクセス解析ができるので、より明確な分析が可能です。
新規ドメインを獲得するよりも、運用コストや手間を省ける点も、サブドメインのメリットといえるでしょう。
サーバーの用意
ドメインと同様に、オウンドメディアに欠かせないものがサーバーです。オウンドメディアは長期的に運用してこそ効果が得られるメディアであり、その間にコンテンツの量も増えます。
サイトへのアクセス数次第ではサーバーの負担が大きくなる可能性があるため、対応できるサーバー環境を用意しておきましょう。万が一、サーバーのキャパシティを超えてしまえば、アクセスしにくくなったりオウンドメディア自体が落ちてしまうことも考えられます。
自社でサーバー運営していない場合、レンタルサーバーを利用することが一般的です。すでに自社のホームページがある場合、同じサーバーに取得したドメインを設置するとよいでしょう。
CMSの設置
成果が上がるオウンドメディアを作るためには、CMSの設置が必要です。CMSがあれば、ある程度の知識があれば誰でも簡単にコンテンツを制作・管理できます。また、カスタマイズ性が高く、動きのあるサイトも制作可能です。
CMSには様々な種類がありますが、一番使いやすいのはWordpressでしょう。世界的に浸透しているCMSで、基本的な機能は無料で使えます。また、拡張性が高いため、自社において必要なアプリケーションを追加しやすい点も魅力です。
オウンドメディアを立ち上げた後は?

オウンドメディアを立ち上げたからといって、すぐに成果は出ません。目標を達成するためには、継続的に運営を行い、運営のポイントを押さえることが大切です。
続いては、オウンドメディアを立ち上げた後に行うべき行動を解説します。
コンテンツの作成
オウンドメディアを集客力の高いメディアに成長させるためには、コンテンツを増やしていく必要があります。とはいえ、単に記事を書けばよいというわけではありません。
コンテンツを作成する際は、ユーザーが求めている情報をリサーチし、有益な内容に仕上げる必要があります。また、読みやすさも大切なポイントです。コンテンツ自体が価値のあるものになると、オウンドメディアそのものの質が高まるでしょう。上質なコンテンツを根気よく発信し続けることで目標達成に近づきます。
アクセスの解析
オウンドメディアが効果を発揮しているかを確認するためには、アクセス解析を行う必要があります。例えば、コンテンツごとの閲覧数やどの程度の滞在時間があるかをチェックすると弱いコンテンツが見えてくるため改善しやすくなるでしょう。
アクセス解析をするためには既存のツールを使うのがおすすめです。Googleが提供しているAnalyticsやSearch Consoleは使いやすいツールであり、無料で使えるので重宝するでしょう。
Analyticsの特徴は、サイトを訪問したユーザーがどのような行動をとったかが把握できる点です。訪問者数だけではなく、経由先やデバイスを知ることもできます。Search Consoleは、検索画面上での見え方やクリック率、流入キーワードなどが見れるため、より多角的な解析が可能です。
コンテンツの改善
オウンドメディアは、コンテンツを作ったまま放置しておいても、思うような成果が得られません。しっかりとアクセス解析を行い、オウンドメディアの現状を把握した後に改善する必要があります。
分析結果は大切な情報です。しっかりと活かして、より効果的なコンテンツに仕上げていきましょう。記事の質を見直すことも大切ですが、内部リンクや運用体制の改善が必要なケースも少なくありません。このようにオウンドメディアは、定期的な分析と改善の繰り返しで、成長させていきます。
競合の分析
自社が立ち上げたオウンドメディア自体の分析と同様に欠かせないのが競合の分析です。成果を上げている競合メディアがあれば、しっかりと分析して戦略を立てましょう。また競合分析を行うことで、ユーザーのニーズや業界のトレンドを知ることもできます。
競合の分析をするのにおすすめなのが競合サイト調査ツールです。中でも、ahrefs(エイチレフス)は、世界中で60万人もの人が利用しており、膨大なリンクデータがあります。競合サイトの被リンクが把握できるため、検索順位を見ただけではわからない成功の秘訣を調査できるのが特徴です。
またユーザーが入力したキーワードを知ることもできます。有料ですがトライアル期間を設けているため、まずは使ってみたいという人でも利用しやすいでしょう。
オウンドメディアを立ち上げる時の注意点
近年、オウンドメディアを立ち上げる企業が増加傾向にあります。数ある競合を勝ち抜くためには、立ち上げの段階でポイントを押さえておくことが大切です。
続いては、オウンドメディアを立ち上げる時の注意点を3つご紹介します。
ペルソナを設計する
オウンドメディアの立ち上げには明確なペルソナ設定が欠かせません。ペルソナとは、商品やサービスを利用する典型的なユーザー像のことを指します。単に愛用する人ではなく、その人物の背景を細かくイメージしなければなりません。
例えば、年齢や性別、暮らしているエリアや趣味などのライフスタイルなどを挙げていくと、その人物が持つ悩みや問題なども見えてくるでしょう。つまり、ユーザーが求めているポイントが明確になり、オウンドメディアを発信する際の参考になります。
また、立ち上げ前の段階でしっかりとしたペルソナを設定しておくと、社内で認識のズレが発生しにくい点もメリットです。クオリティが保たれたオウンドメディアを作るためにも、まずはペルソナを設定するようにしましょう。
長期的な運用を視野に入れる
オウンドメディアは自社のブランディングや集客が期待できるメディアですが、立ち上げてすぐに成果が出るものではありません。ペイドメディアに代表されるWeb広告やTVCMと比較しても、ユーザーの目に入る機会が限られるためです。場合によっては成果が出るまでに1年以上かかるケースもあります。
しかし、SEO対策をしっかり行い、アクセスや競合他社に関する分析を定期的に行った上で結果に沿った改善を続けていれば、自ずと上位表示されるようになり認知度も高まります。
そのため、数ヶ月で成果が出ないからといって諦めてしまえばその後に見込める成果を逃してしまいかねません。オウンドメディアを立ち上げる以上は長期的な運用を視野に入れることが大切です。
SEOの基礎知識を身に着ける
オウンドメディアを効果的なものにするためにはSEOに関する知識が必須です。単にキーワードを入れた記事を書けばよいというものではなく、Googleの検索エンジンにおいて上位表示するための戦略やクオリティを保つことも欠かせません。
オウンドメディアの制作を外部に委託する場合でも、制作チームには社内スタッフも関わります。またコンテンツの更新や改善も社内の担当者がいなければ方向性が定まらないでしょう。
そのため、SEOの知識は最低限身につけておく必要があります。例えば、自社で決めるドメインはシンプルで内容に沿ったものにしましょう。
また、ページの表示速度が遅くならないようなコンテンツ設計も大切です。このように、文章だけではなくサイト全体に関するSEOの知識が問われます。
オウンドメディアの運用ならお任せください
オウンドメディアをスムーズに立ち上げて、成果が上がるメディアに成長させるためには、事前の準備が欠かせません。また、SEO対策や分析ツールの活用など立ち上げ後の作業も成果に大きく影響します。
シンプリックでは、SEOコンサルティングに長く携わっているメンバーがオウンドメディアの運用をサポートします。
オウンドメディアの立ち上げを考えているけれど、どのように始めたらよいのかお悩みの方は、是非一度ご相談ください。