個人クリエイターだけでなく企業アカウントも多く利用しているメディアプラットフォームの「note(ノート)」。知名度が高いだけではなく、SEO対策にも強いという特徴があります。
以前はSEOに弱いイメージを持たれていたこともありましたが、近年ではドメインパワーの強さが検索エンジンに評価されるようになり、SEO効果は高くなっています。
自社でブログを始めたいけど、SEO対策を考えるとWordPressとnoteのどちらを使うべきか迷ってしまうという企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
そこで今回は、noteをSEO対策に活用する際のメリットやデメリット、注意点などについて詳しく解説していきます。
そもそもSEOについての理解が浅い方は、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
目次
noteがSEO対策に強い理由
noteがSEO対策に強い理由は、次のとおりです。
- ドメインパワーが強い
- 回遊率が高い
- SNSでシェアされやすい
- 企業向け「note pro」も利用できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ドメインパワーが強い
noteがSEOに有利な理由のひとつは、ドメインパワーの強さです。ドメインパワーとはWebサイトの権威や強さを示す指標で、スコアが高いほど検索結果の上位に表示されやすくなります。
以前のnoteは「.mu」というドメインを使用していたため、SEO的に不利と考えられていました。なぜなら「.mu」はアフリカのモーリシャスで使われている国別ドメインのため、Googleから日本のコンテンツであるとは認識してもらいにくかったからです。しかし、同社はグローバル展開やアクセス数の増加を考慮して2019年11月に「.com」へドメインを移行しています。
移行後1ヵ月前後はアクセス数が約4割に減少しましたが、その後には徐々にトラフィックが戻り、現在では移行前の2~3倍に増加しています。
ドメインパワーを無料で測定できる「パワーランクチェックツール」で確認すると、2023年11月現在、noteのドメインパワーは100点満点中96.9点と、かなり高スコアであることがわかります。
回遊率が高い
記事がユーザーの目に留まる機会が多く、プラットフォーム内での回遊率が高いのもnoteの特徴です。お気に入りの著者をフォローすると更新通知が届くシステムがあるほか、ハッシュタグを使った投稿企画、企業PRを兼ねたコンテストなども実施されています。note内のカテゴリーやキーワード検索を使えば、簡単に興味のある分野や作品へアクセスできます。
一方、企業ブログ運営でよく利用されているWordPressはプラットフォームではなくCMS(Contents Management System、コンテンツマネジメントシステム)のため、著者が異なる記事同士をつなぐ仕組みはなく、自然検索が主な流入源となります。SNSなどでの発信をしない限り他の経路からの流入はなかなか期待できません。アカウント開設後の早い段階でアクセスを増やせる仕組みが整っている点は、noteの大きなメリットと言えるでしょう。
▲2023年11月時点では、noteでこのような企画が募集されていました。(出典:募集中のお題・コンテスト|note(ノート))
SNSでシェアされやすい
noteは記事を読んだ後のユーザーコミュニケーションも考慮された作りになっているため、SNSでのシェアも簡単です。
記事の冒頭と末尾にシェアボタンがあるだけでなく、本文の中で気になった部分を直接シェアできる仕組みも用意されています。
文字列を選択すると各種シェアボタンが表示され、ボタンをクリックすると投稿文に選択部分が引用される仕組みです。
またシェア以外にも「フォロー」や「サポート」などのボタンが用意されているため、メディア運用の初心者でもスムーズな導線づくりができます。
企業向け「note pro」も利用できる
企業向けの「note pro」を利用すれば、次のような機能も利用できます。
・独自ドメインの適用
引用元:noteとnote proの機能一覧(2023/10/24更新)より一部抜粋
・独自ロゴの設定
・メニューのカスタマイズ
・テーマカラーのカスタマイズ
・メンバー権限管理機能
・note AIアシスタント(β)使い放題
・読者のメールアドレス取得 など
オウンドメディアを運用する上で、独自ドメインを利用できるのはブランディング効果を高める意味で大きな価値があります。また、ブランドロゴやテーマカラーを設定できる点も、企業イメージを印象づけるには非常に有効です。読者のメールアドレスを取得するなど、リード獲得のための機能が使える点も、「note pro」を利用する大きなメリットです。
noteを利用する際に想定しておくべき3つのこと
noteをSEO対策に利用する際には、次の3つを想定しておく必要があります。
- 本格運用にはそれなりの費用がかかる
- note内での競合も多い
- カスタマイズの制約がある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.本格運用にはそれなりの費用がかかる
企業用のnote proを利用する場合は、下記の基本料金が発生します。
note proには「月払いプラン」と「年払いプラン」があります。
引用元:note proの基本料金と支払い方法は?
どちらも初月無料のため、月初にお申し込みされるとお得です。
初期費用:0円
月払いプラン:月額80,000円(税抜)
年払いプラン:年額880,000円(税抜)
さらに有料オプションも追加した場合は、月額で合計10万円以上になります。
・Googleアナリティクス:月額10,000円(税抜)
引用元:note proの基本料金と支払い方法は?
・SmartNewsへの外部配信機能:月額20,000円(税抜)
無料プランよりもオウンドメディアの効果を高められる可能性があるとはいえ、決して安価とは言えない値段です。そのため、費用に見合うだけの効果が得られるかどうかはしっかり検討する必要があります。
この額以上の売上を毎月コンスタントに生み出せるのは人気の作家や知名度の高い企業などに限られるかもしれません。しかし、人気や知名度があるならわざわざnoteを利用する意味もあまりありません。
WordPressの基本機能が無料であることを考えれば、一般的な中小企業のオウンドメディア運営でnote proを使うのはあまり費用対効果が高いとは言えません。
独自ドメインが利用できる点は魅力ですが、近年ではレンタルサーバーでも低価格で独自ドメインでの運用が可能ですので、検討してみると良いでしょう。
2.note内での競合も多い
noteは回遊率が高いですが競合も多いので、必ずしもアクセスが増えるとは限りません。安定したアクセスを獲得するには、SNSからの流入を視野に入れた運用も必要です。
そもそも、noteの回遊率がどれほど高くても、それはあくまでプラットフォームである「note内」に限った話で、検索結果からのアクセスが増えるわけではありません。そのため、アクセスが期待できると言っても限りがあります。
SNSでシェアされやすいという特徴もnoteだけに特化したものではありません。WordPressを利用したブログ記事にもシェアボタンは設置できますので、手間はあまり変わらないと思っていいでしょう。
3.カスタマイズの制約がある
noteはデザインや構成などのカスタマイズに制約があります。その分誰でも気軽にコンテンツ制作ができるのですが、オウンドメディア内でのCRO(Conversion Rate Optimization、コンバージョン率最適化)に向けてできることには限界があります。
企業のオウンドメディア運営において、カスタマイズで他社との差別化がしにくいのは大きなデメリットにもなり得ます。近年のWordPressは利便性が高く初心者でも扱いやすいため、簡単にデザインをカスタマイズすることができます。
noteでオウンドメディアを運用するデメリット
noteを活用したオウンドメディア運用には、次のようなデメリットもあります。
- 編集の自由度が低い
- 広告を表示できない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
編集の自由度が低い
noteで利用できるのは必要最低限の編集機能に限られます。
シンプルなコンテンツの作成には十分です。ただどのコンテンツも似たような見た目になるため、デザインで独自性を強調したい場合には向いていないでしょう。
広告を表示できない
noteはGoogleアドセンス広告やアフィリエイト広告などの掲載ができません。そのためメディアの収益源泉は「有料記事の販売」に限られます。
自社の商品やサービスの売上に直結するアクセス数があれば問題ありませんが、企業向けプランのnote proに年額88万円の費用がかかることを踏まえると、インターネット広告を活用したほうが費用対効果が高くなるケースも少なくありません。しかも近年のインターネット広告は少額から利用でき、詳細なターゲットを設定することも可能です。
noteのSEO対策で意識したいこと
noteにはメリット・デメリットがありますが、気軽にオウンドメディアを運用したい場合は無料の範囲で活用することももちろんできます。noteでSEO対策を行う際には、次の点を意識しましょう。
- ハッシュタグを活用する
- HTMLタグを使う
- 高品質な記事を書く
それぞれ詳しく解説していきます。
ハッシュタグを活用する
noteのユーザーに記事を見つけてもらいやすくするためにも、ハッシュタグを活用しましょう。記事の内容と関連性の高いハッシュタグを3〜5個設定するのがおすすめです。
ハッシュタグを設定する際は、「公開設定」から「ハッシュタグ」を選択します。
クリックするだけで設定できる「おすすめのタグ」が表示されるので、記事に関連するタグがあれば選択してみましょう。お題やコンテストに参加してタグを付ければ、プラットフォーム内でのトレンドに乗ることも可能です。
HTMLタグを使う
Googleのクローラーにコンテンツ内容を正しく伝えるために、HTMLタグを使いましょう。
noteの場合、HTMLタグは装飾機能を利用するだけで自動的に設定されるため、自分で入力する必要はありません。機能がシンプルなので選択肢は少なく、SEO対策や装飾目的の効果は限定的ですが、「見出し」や「引用」など、基本的なものは揃っていますので、利用すると良いでしょう。
高品質な記事を書く
noteに限らず、SEO対策において高品質なコンテンツの提供は大変重要です。
検索エンジンはユーザーにとって価値のあるコンテンツの提供を重視しているため、コンテンツの質は検索ランキングに大きな影響を与えます。独自の視点や情報の提供も欠かせません。
ユーザビリティもコンテンツの質を左右する要素ですが、カスタマイズに制限があるnoteは検索エンジンの評価で不利になる可能性があります。その意味で、noteをオウンドメディア運営の場にする際には、コンテンツの質を十分吟味するのがベストです。
▶記事の書き方で意識したいポイントはこちらの記事をチェック!:「読者を引き込むコラムの書き方を”例文付き”で解説 」
オウンドメディアを運用する際は自社に合ったサービス選択が重要
noteは、手軽なオウンドメディアの開設手段としておすすめです。各種コンテンツが集まるプラットフォームであることから、活用次第でアカウント開設当初から多くのアクセスを集められるでしょう。
とはいえ本格的にオウンドメディアを運営するのであれば、独自ドメインを利用するほうがより効果的です。独自ドメインを利用するには、コストのかかるnote proを利用する以外に、レンタルサーバーを利用したWordPressを使う方法もあります。
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