SEOで成果を出すためには、質の高いコンテンツを継続的に作成し、サイト内にコンテンツを積み上げていく必要があります。しかしコンテンツ数を増やす際には、「キーワードカニバリゼーション」に気を付けなくてはいけません。
キーワードカニバリゼーションとは「同じ検索キーワード・検索意図に対して、サイト内の2つ以上のコンテンツ(ページ)が競合すること」です。
サイト内のコンテンツ数が増えてくると、意図せず複数のコンテンツがキーワードカニバリゼーションを起こし、コンテンツのSEO評価が分散するなどの問題が起こります。
SEOで成果を出したいのなら、キーワードカニバリゼーションについて理解する必要があります。もし理解しないままSEOに取り組み、キーワードカニバリゼーション(キーワードの共食い)が起きてしまうと、期待した成果が出ないだけでなく、コンテンツ作成にかけた工数が無駄になってしまいます。
本記事ではキーワードカニバリゼーションの定義や問題点、またキーワードカニバリゼーションが起きているか確認する方法や、起きていた際の対処法を解説しています。本記事を読んで内容を理解することで、SEOの成功確率を確実に上げられるでしょう。
「そもそもSEOについてあまり理解できていない」という方は、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
目次
SEOのキーワードカニバリゼーションとは?
SEOにおけるキーワードカニバリゼーションとは、「同じ検索キーワード・検索意図に対して、サイト内の2つ以上のコンテンツ(ページ)が競合すること」です。
カニバリゼーション(cannibalization)を日本語に直訳すると「共食い」であり、同じサイトから発信したコンテンツ同士がお互いのSEO評価を食い合うことで、SEOにマイナス効果が発生することを意味します。
キーワードカニバリゼーションは「カニバリ」と略されることが多く、キーワードカニバリゼーションが発生することを「カニバる」と表現することも多いです。
キーワードカニバリゼーションの意味をより正確に理解するために、一つ例を挙げます。例えば金融分野のサイトを運営している企業が、「株式投資 方法」という検索キーワードでの上位表示を目指して、以下2つのタイトルのコンテンツを作成したとします。
- 株式投資の方法を初心者向けに徹底解説!
- 【必見】株式投資の方法を、初心者向けにどこよりもわかりやすく解説!
タイトルの文言は異なりますが、どちらも株式投資初心者に対して、株式投資の方法を解説した記事です。コンテンツ作成者は、もしかしたら「『株式投資 方法』の検索キーワードでどうしても上位表示を獲得したいので、コンテンツを2つ作成すればどちらか、もしくは両方が上位表示されるのではないか」などと期待してコンテンツを作成したのかもしれません。
しかしこれがまさにキーワードカニバリゼーションです。1つのキーワードに対して2つのコンテンツがSEO評価を食い合い、コンテンツが一つしかなかった場合は上位表示を獲得できるかもしれないのに、コンテンツが2つ存在することによりどちらも上位表示されないといったことが起きてしまいます。
SEOについて勉強したり取り組んだりしたことがある方なら、「1記事1キーワード」という言葉を聞いたことがあるでしょう。これはSEOの基本原則であり、「1つの記事(コンテンツ)に対して、上位表示を狙う1つの検索キーワードのみを設定する」ことを指します。
また似た言葉として「1キーワード1記事」という言葉があります。これは「ある1つの検索キーワードでの上位表示を目指して、サイト内で作成する記事(コンテンツ)は1つのみとする」ことを指します。
1つの記事に対して、1つの検索キーワードを設定する
1キーワード1記事
1つの検索キーワードに対して、1つの記事を作成する
キーワードカニバリゼーションが起きている場合、「1キーワード1記事」の原則が守られていないことが多いです。つまり1つの検索キーワードに対して、上位表示を目指すコンテンツを同じサイトから2つ以上作成してしまっている状態であり、これはSEO的にマイナス効果となるため「基本的に」避けなければいけません。
キーワードカニバリゼーションの何が問題か?
「同じ検索キーワード・検索意図に対して、サイト内の2つ以上のコンテンツ(ページ)が競合すること」がキーワードカニバリゼーションであるとお伝えしましたが、コンテンツ同士が競合(共食い)すると、単純に「SEOの投資対効果」が落ちてしまいます。
SEOの投資対効果とは「SEOに要した時間や労力・費用に対して、どれくらいの効果を得られたか」を指すものであり、当然ながらSEOに取り組むにあたりこの投資対効果の最大化を目指す必要があります。
ここではキーワードカニバリゼーションが起こす問題である「SEOの投資対効果の減少」について、具体的な理由を3つお伝えします。
コンテンツのSEO評価が分散する
キーワードカニバリゼーションが起きると、コンテンツのSEO評価が分散します。コンテンツのSEO評価とは、SEOにおけるコンテンツの力・成果を表すものであり、具体的には以下のようなものがあります。
- 対策キーワードでの検索順位
- 検索結果画面でのクリック率
- アクセス数
- コンバージョン数
- 被リンク数
ある検索キーワードに対して、上位表示を目指すコンテンツを2つ以上作成すると、検索エンジンはどちらのコンテンツをより上位表示させるべきか迷ってしまいます。SEOにおいて、上位表示を獲得するためには検索エンジンを迷わせないことが重要であり、迷わせてしまうとコンテンツが上位表示されづらくなります。
対策キーワードでの検索順位が上がらないと、アクセス数が増えません。また検索上位のコンテンツは被リンクを獲得しやすいですが、上位表示されなければ被リンクが集まりません。
さらには、例えば同じキーワードで検索順位が8位の「記事A」と、10位の「記事B」が存在する場合、どちらの記事も検索結果画面でのクリック率が落ちる可能性が高いです。またコンバージョン率の高い記事Bが、コンバージョン率の低い記事Aよりも検索順位が下位となることで、サイト全体のコンバージョン数が落ちる可能性があります。
キーワードカニバリゼーションが起き、コンテンツのSEO評価が分散することについて基本的にメリットはなく、デメリットが多いため、必ず避けましょう。
コンテンツ作成にかけた工数が無駄になる
キーワードカニバリゼーションの多くは、「どの検索キーワードで上位表示を目指すか」を決める段階で避けられます。例えば過去に「株式投資 方法」のキーワードに対してコンテンツを作成したことがあるのなら、以後「株式投資 方法」のキーワードに対して新規でコンテンツを作成しないといったルールを決めておけば、全てではないにせよキーワードカニバリゼーションの多くは避けられます。
このように「少しの工夫・努力」で避けられる場合も多いです。例えば「対策キーワードと作成コンテンツの管理表」を用意しておけば、同じキーワードで重複コンテンツを作成するといったことは簡単に避けられます。しかしこのような少しの工夫・努力を怠った結果キーワードカニバリゼーションが起きてしまうと、コンテンツ作成にかけた工数は無駄になります。
一つのコンテンツ作成に半日以上、場合によっては終日、2日、3日、それ以上の時間を要することは普通です。コンテンツ作成にかけた工数を無駄にしないためにも、対策キーワードと作成コンテンツの管理表を用意するといった「少しの工夫・努力」を必ず行いましょう。
サイト訪問者を混乱させる
検索意図が同じコンテンツを作成すると、サイト内にほとんど同じ内容のコンテンツが2つ以上存在することになります。そうなると、サイト訪問者は知りたいことを知るために、どのコンテンツを読めばいいかわからず混乱してしまいます。
例えば「株式投資 方法」と「株式投資 やり方」という2つの検索キーワードに対して、それぞれコンテンツを作成したとします。この2つのキーワードは文言こそ異なりますが、検索意図は同じであることがわかるでしょう。この場合、それぞれのキーワードにおいて作成されるコンテンツはほとんど同じ内容となることが多いです。
Googleなどの検索エンジンは、あるキーワードで検索したユーザーに対して、検索意図をより満たす記事から順に検索結果画面に表示させようとします。「株式投資 方法」と「株式投資 やり方」で検索するユーザーの検索意図は同じであるため、例えばどちらのコンテンツも「株式投資 方法」で評価される可能性があります。つまり、キーワードのカニバリゼーションが起きてしまいます。
対策キーワードの文言が異なっていたとしても、検索意図が同じであれば内容がほとんど同じコンテンツとなり、サイト訪問者を混乱させてしまいます。その結果サイトからすぐに離脱されてSEO的にマイナス評価となる可能性があります。
「同じキーワードに対してコンテンツを作成しなければ、キーワードカニバリゼーションは避けられる」と考えている人は多いですが、これは誤りです。厳密には同じキーワードに対してコンテンツを作成することが問題なのではなく、「同じ検索意図に対して」コンテンツを作成することが問題なのです。
同じ検索意図に対してのコンテンツ作成を行わないようにし、キーワードカニバリゼーションの発生可能性を下げて、サイト訪問者を混乱させないようにしましょう。
なぜキーワードカニバリゼーションが起きるのか?
キーワードカニバリゼーションの問題点をお伝えしましたが、これを起こさないためには「なぜキーワードカニバリゼーションが起きるのか」という発生要因を理解する必要があります。
ここではキーワードカニバリゼーションが起きる理由を4つお伝えしますので、必ず理解しておきましょう。
同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成したから
同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成すると、キーワードカニバリゼーションが起きることが多いです。なぜなら、同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成する人は多くの場合、同じ検索意図に対して同じような内容のコンテンツを作成するからです。
例えば「ペットホテル 東京」のキーワードに対して、以下2つの記事タイトルのコンテンツを作成するとします。
- 東京でおすすめのペットホテル10選
- 東京で人気のペットホテルを10軒紹介!
これらのコンテンツは、「ペットホテル 東京」のキーワードで検索する人の「東京で良いペットホテルが知りたい」という検索意図を満たすために作成されたものです。このように同じキーワードに対してコンテンツを作成すると、ほとんど同じ検索意図を満たす同じような内容のコンテンツとなるため、「対策キーワードとコンテンツの管理表・対応表」を作成するなどして管理し、意図せず同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成することがないようにしましょう。
同じ検索意図に対してコンテンツを作成したから
厳密には、同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成すること自体は問題ではありません。同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成した結果、同じ検索意図に対してのコンテンツとなることが問題なのです。
例えば「勤怠管理システム」のキーワードで検索する人の中には、「勤怠管理システムとは何か知りたい」という検索意図を持っている人もいれば、「勤怠システムを導入したい」という検索意図を持っている人もいるでしょう。
そのため「勤怠管理システム」のキーワードに対して、それぞれの検索意図でコンテンツを作成することは問題ではありません。
問題なのは、「勤怠管理システムとは何か知りたい」という検索意図に対して、この検索意図を満たすことに特化した内容のコンテンツを2つ以上作成することです。例えば以下2つのキーワードは、どちらも「勤怠管理システムとは何か知りたい」という検索意図を持ったユーザーが検索するキーワードです。
- 勤怠管理システムとは
- 勤怠管理システム 定義
この2つのキーワードは文言こそ異なりますが、検索意図が同じキーワードであるため、キーワードカニバリゼーションを起こさないためにどちらかのキーワードに対してのみコンテンツを作成するべきです。
そもそも対策キーワードの選定をせずにコンテンツを作成したから
SEOで成果を出すためには、コンテンツ作成の前に必ず「キーワード選定」を行わなくてはいけません。キーワード選定とは「どのキーワードで上位表示を目指すか決めること」であり、キーワード選定を行わないと十分に検索数があり、かつ自社の見込み客が検索しそうなキーワードで上位表示を獲得し、アクセスを集められる可能性は限りなく低くなります。
キーワード選定を行わずにコンテンツ作成を継続的に行い、コンテンツの数が増えてくると、ほとんどの場合において検索意図の重複コンテンツが作られます。キーワードカニバリゼーションを起こさないためにも、キーワード選定は必ず行いましょう。
キーワード選定の具体的な方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
関連キーワードでのカニバリを避けるのは困難だから
検索数が一定数以上あるキーワードで検索順位1位を獲得すると、選定キーワードの関連キーワードの多くでも検索順位10位以内に入ります。
SEOに取り組む世界中の多くの人が活用しているSEOツールを提供しているAhrefs社の調査によると、検索順位1位を獲得したページは、他の1,000近くの関連キーワードでも10位以内にランクインする可能性があります。
参照:https://ahrefs.com/blog/also-rank-for-study/
そのため場合によっては選定キーワードの関連キーワードの中で、検索数が大きく自社の見込み客をサイトに多く集められそうな重要なキーワードでも上位表示を獲得できる可能性があります。
選定キーワード(メインキーワード)で1位を獲得した際に多くの関連キーワードでも10位以内にランクインする可能性があることから、サイト内にコンテンツが蓄積されてくると、各コンテンツの関連キーワード同士でキーワードカニバリゼーションが発生するでしょう。
関連キーワードでのカニバリを避けるのは困難ですから、選定キーワード(メインキーワード)だけでなく関連キーワードまでを対象に含めた場合、キーワードカニバリゼーションはほぼ必ず発生するといえます。もちろん関連キーワードのカニバリは選定キーワードと比べて重要ではないため、無視していい場合がほとんどです。
キーワードカニバリゼーションが起きているか確認する方法
すでにある程度の期間SEOに取り組んでおり、サイト内に多くのコンテンツが蓄積されている場合、キーワードカニバリゼーションが起きているかもしれません。キーワードカニバリゼーションが起きている状態を放置しておくと、サイト全体がSEOでマイナス評価を受ける可能性があるため、すぐにでも対処する必要があります。
ここではキーワードカニバリゼーションが起きているか確認する方法を2つ紹介します。AhrefsやGRCといった有料ツールを使った方法も存在しますが、ここで紹介する2つの方法はどちらも有料ツールを使わずに実践可能ですので、ぜひ試してみてください。
キーワードカニバリゼーションの対処法については、この後の「すでにキーワードカニバリゼーションが起きている場合の対処法」で解説します。
Google検索で確認する
キーワードカニバリゼーションの確認を、最も手軽に実践できるのがGoogle検索を活用した方法です。
Googleで検索を行う際は、「コマンド」と呼ばれるものを使って検索条件の設定ができます。SEOでよく使われるのが「siteコマンド」であり、このコマンドを使ってカニバリの確認ができます。
まずGoogleの検索窓で「site:ドメイン名 キーワード名」で検索します。この際、「ドメイン名」のところにはカニバリの確認対象となるサイトのURLを入力し、「キーワード名」のところにはカニバリ発生を確認したいキーワードを入力します。
例えばここでは「site:https://simplique.jp/ キーワード選定」で検索してみます。ドメイン名のところには弊社シンプリックのサイトURLを入力し、キーワード名のところは「キーワード選定」としています。
検索すると、弊社のサイト内で「キーワード選定」というキーワードと関連するページが表示されます。
検索結果として表示されたページを確認していき、検索意図がほとんど同じで変わらないページを抽出しましょう。抽出したページはキーワードカニバリゼーションを起こしている可能性があります。
このGoogle検索を活用したカニバリ確認方法ですが、ある一つのキーワードで検索して一つ一つコンテンツを見ていきカニバリ発生の有無を確認する必要があるため、少し面倒です。
そのため事前に「このキーワードに関連するコンテンツの中には、対策キーワードや検索意図が重複しているコンテンツがあるのではないか」といったように当たりを付けてから検索して確認するようにしましょう。
サーチコンソールで確認する
Google Search Console(グーグルサーチコンソール)は、Googleが提供しているサイト分析ツールであり、サイト運営者にとっての必須ツールです。導入には設定が必要ですが、簡単に導入できますのでまだ導入していない場合は早めに設定を済ませておきましょう。設定方法は以下の記事で詳しく解説しています。
Googleサーチコンソールの使い方を初心者にも分かりやすく解説
サーチコンソールを活用することで、あるキーワードに対してどのコンテンツが流入を獲得しているか、つまり検索結果に表示されているかを確認できるため、例えばあるキーワードに対してコンテンツが2つ以上表示されており、検索意図が重複している場合は「カニバリが起きてるかも」と推測できます。
サーチコンソールでのカニバリ確認方法は簡単です。サーチコンソールの画面を開いたら、サイドバーから「検索結果」を選択し画面上部の「新規」をクリックして「検索キーワード」を選択します。
すると以下のように検索キーワードのポップが表示されるため、カニバリが起きているか確認したいキーワードを入力して「適用」をクリックしましょう。
すると以下のように、検索キーワードから流入を獲得しているページの一覧が表示されます。
一つ一つコンテンツの内容を確認し、もし検索意図が同じコンテンツがある場合は対処の必要があります。
また質が高いコンテンツであるにもかかわらず上位表示を獲得できていなかったり、キーワードについて対策したコンテンツよりも別のコンテンツのほうがより多くの流入を集めているような場合は、サイト内のいずれかのコンテンツとカニバリが起きている可能性を考慮し、調査するべきです。
すでにキーワードカニバリゼーションが起きている場合の対処法
キーワードカニバリゼーションの発生は、キーワード選定の段階で防げるものが多いです。同じ対策キーワードに対して同じ検索意図でコンテンツを作成しないようにキーワードを適切に管理することがまず大前提、重要です。
しかしすでにキーワードカニバリゼーションが起きてしまっており、どうにかして対処したい人も多いでしょう。また適切にキーワード選定を行いコンテンツを作成したとしても、サイト内のコンテンツの数が増えてくるとどうしても同じ検索意図、もしくは限りなく近い検索意図のコンテンツとなってしまうことがあります。
キーワードカニバリゼーションの多くは意図せず起きるものであるため、「どれだけ事前に対策しても、カニバリ発生の可能性はある」と理解しておきましょう。ここではキーワードカニバリゼーションが起きている場合の対処法を4つ紹介します。
コンテンツを削除する
同じ検索意図のコンテンツが存在しており、カニバリの発生が疑われる場合、重複コンテンツのうち一つだけ残し、他は削除しましょう。基本的にはよりアクセス数が少なかったり、検索順位が低かったり、低品質なコンテンツだったりを削除するべきです。
しかし以下のうち、いずれかに該当する場合はコンテンツを削除せず、そのまま残しておきましょう。
- 対策キーワード以外の重要なキーワードで上位表示されている
- アクセス数が多い
- 被リンク数が1件以上ある
- 高品質なコンテンツである
例えば対策キーワードが「クレジットカード おすすめ」だとして、検索意図が重複しているコンテンツがある場合、削除を検討しているほうのコンテンツが「クレジットカード 人気」のキーワードで上位表示を獲得しているとします。
このように対策キーワード以外の重要なキーワードで上位表示を獲得しているコンテンツは、削除するべきではありません。そのようなコンテンツは多くの場合、一定数以上のアクセスを集めており、削除してしまうとサイトへのアクセス数が減るからです。
また被リンク数(他のサイトからリンクを貼ってもらえている数)が1件以上ある場合も、そのコンテンツは削除するべきではありません。なぜなら被リンクが付いているということは、それがサイト全体のSEO評価の向上につながっているからです。
さらに高品質なコンテンツも、対策キーワードを変えてリライトすれば、別の重要なキーワードで上位表示を獲得できるかもしれないため、残しておくべきです。
301リダイレクトで統合する
アクセス数が多かったり、被リンク数が1件以上あるコンテンツは、カニバリが起きていたとしても削除するべきではないとお伝えしました。
しかしそのまま何もせず残しておくと、検索意図が重複しているコンテンツ全てに悪影響が及ぶ可能性があります。「カニバリが起きているが、削除するともったいないコンテンツ」については301リダイレクトを活用して、ある検索意図に対してメインとして残すコンテンツと統合しましょう。
あるコンテンツ(ページ)に対して301リダイレクトと呼ばれる設定を行うことで、あるコンテンツへのアクセスを別のコンテンツ(今回の場合メインとして残すコンテンツ)に流せます。
例えばカニバリの発生が疑われる「コンテンツA」と「コンテンツB」があり、コンテンツAをメインとして残し、コンテンツBは削除せず301リダイレクトの設定を行うとします。この際、「コンテンツBにアクセスしてきたユーザーを、コンテンツAに飛ばす」といった301リダイレクトの設定を行うことで、コンテンツBを削除せず残したまま、コンテンツAにアクセスを集約させられます。
また301リダイレクトを設定することで、コンテンツBに蓄積されたSEO評価を、コンテンツAに引き継げます。
canonicalタグを使う
canonicalタグと呼ばれるものを使うことで、例えば検索意図が重複しているコンテンツAとコンテンツBが存在している場合、「コンテンツBは無視していいから、コンテンツAのほうを上位表示させて!」といった意思表示を、検索エンジンのロボットに対して行えます。
301リダイレクトを設定すると、ユーザーは設定されたコンテンツにアクセスできなくなりますが、canonicalタグを使った場合はあくまで検索エンジンのロボットに対して「わたし(コンテンツB)ではなくあの人(コンテンツA)のほうを評価して!」と意思表示するだけなので、ユーザーは普通にcanonicalタグを設定したコンテンツにアクセスできます。
canonicalタグの用途としては、例えば以下のようなものがあります。
- PCサイトとスマホサイトのURLが異なる
- 通販サイトで、一つの商品について色ごとにURLが異なる
対策キーワードで正確に評価されるよう、リライトする
例えば「ダイエット 食事方法」を対策キーワードとしたコンテンツAと、「ダイエット 運動方法」を対策キーワードとしたコンテンツBを作成するとします。
この際、「ダイエット 運動方法」のキーワードで作成したコンテンツBについて、内容を「運動も重要だが、それよりも食事のほうが重要である」という論旨で、ダイエットに効果的な食事方法をメインで伝えるものにしたとします。
そうすると、「ダイエット 食事方法」のキーワードでコンテンツAとコンテンツBがキーワードカニバリゼーションを起こし、どちらのコンテンツも検索エンジンから正確に評価してもらえず、上位表示されなくなるかもしれません。
そもそもコンテンツBについて、「ダイエット 運動方法」が対策キーワードであるにもかかわらず、ダイエットに効果的な食事方法をメインで伝えていることが問題です。そのためこの場合はコンテンツBを、対策キーワードである「ダイエット 運動方法」で正確に評価されるよう、リライト(書き直し)することが効果的です。
リライトの具体的な方法は、以下の記事で解説しています。
リライトでSEOを強化する!リライトの手順・ポイントを徹底解説
【まとめ】キーワードカニバリゼーションへの対策は必須!
本記事ではキーワードカニバリゼーションの定義や問題点、またキーワードカニバリゼーションが起きているか確認する方法や、起きていた際の対処法を解説しました。
以下3点は、本記事の要約です。
- キーワードカニバリゼーションとは、「同じ検索キーワード・検索意図に対して、サイト内の2つ以上のコンテンツ(ページ)が競合すること」である
- キーワードカニバリゼーションを軽視すると、SEOの成功確率を大きく下げることになってしまう
- カニバリが起きているか確認し、適切に対処することでSEO評価の下落を防げる
「同じ対策キーワードに対して重複コンテンツを作成しないようにすれば、キーワードカニバリゼーションが発生することはない」と考えている人は多いですが、それは誤りです。Googleなどの検索エンジンは、ある検索キーワードに対してより検索意図を満たすコンテンツから順に上位表示させるため、「複数のコンテンツで検索意図が重複していること」が問題なのです。
そしてサイト内のコンテンツ数が増えるほど、複数のコンテンツにおいて検索意図・内容が重複していると検索エンジンから判断され、キーワードカニバリゼーションによりSEO評価がマイナスになる可能性が上がります。
本記事で紹介した以下4つのカニバリ発生要因を理解しておけば、「これらのコンテンツ間でカニバリが発生しているのではないか」と推測でき、適切に対処できます。
- 同じ対策キーワードに対してコンテンツを作成したから
- 同じ検索意図に対してコンテンツを作成したから
- そもそも対策キーワードの選定をせずにコンテンツを作成したから
- 関連キーワードでのカニバリを避けるのは困難だから
キーワードカニバリゼーションへの対処は必須ですので、本記事で解説した内容に沿って対処し、SEOの成功確率を上げることに努めましょう。
キーワードカニバリゼーションを含め、キーワード選定や適切なSEOライティングを施したコンテンツ作成、またサイト分析ツールを効果的に活用した効果測定など、SEOは専門的な知見を要するものが多いです。
もし自社内で十分にリソースをかけてSEOに取り組めない、もしくはSEOのノウハウが不足しているため適切な対策を取れる自信がないという場合は、SEOのプロへの外注を検討しましょう。
弊社シンプリックはSEOに特化した編集プロダクションであり、長年の経験・実績を誇るSEOのプロ集団がコンテンツ作成をはじめ、戦略構築などの上流工程からSEOを全面的に支援いたします。
もし以下のような悩み・要望を抱えている場合、ぜひまずは弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。
- キーワードカニバリゼーションについて、もう少し詳しく知りたい
- SEOで成果を出すためのロードマップを一緒に考えてほしい
- シンプリックの具体的なサービス内容が知りたい