SEO施策で、サイトの更新頻度はどのくらいに保つべきか迷った経験はありませんか?
「とりあえず一定の頻度を保ったほうがいいのでは?」と考え、一定の頻度で記事を更新できるよう制作・掲載スケジュールを組んでいる方も多いはずです。
そこで記事では、サイトの更新頻度とSEO評価の関係性について解説します。更新頻度を上げれば検索順位は上がるのか、更新頻度よりも重要な取り組みはあるのか。SEO運用の現場で出くわす疑問にお答えします。
更新頻度とSEO評価の関係性
結論からお答えすると、サイトの更新頻度とSEO評価に直接的な関係性はありません。つまり更新頻度を上げたとしても、それだけで検索順位が上がることはないのです。
その代わりに重要なことは『サイト内のコンテンツの質』です。ユーザーの検索ニーズを満たす質の高いコンテンツを作ることが、検索エンジンに評価される上で最も重要です。
サイト運営における更新の定義
サイト運営における「更新」とは、以下のいずれか満たすアクションのことです。
- サイト内に新規ページを掲載する
- 既存の掲載ページを部分的に修正する
「サイト内に新規ページを掲載する」は新規コンテンツを追加することを意味します。「既存の掲載ページを部分的に修正する」は、具体的には以下の行為をさします。
- 更新頻度を保つためにページ内データの一部や添付画像を差し替える
- ページの更新日を最新にするために特に目的なく一部を修正する
- 更新頻度を保つために検索ニーズを満たさない短文のコンテンツを掲載する
上記はいずれもコンテンツの質を改善しようとして起こしたアクションではありません。単に更新頻度を上げることを目的としたものです。
更新頻度そのものを目的化しない
このようにサイトの更新頻度を上げることだけを目的にしても、SEO評価は上がらないと考えられます。あくまで、検索エンジンで上位に表示されるのは、検索ニーズを満たす高品質なコンテンツがサイト内に掲載されていることが絶対条件です。つまり、「質の高いコンテンツ」を「いかに更新頻度を上げて」掲載していくのかを考えるべきなのです。
確かに、QDFアルゴリズムに該当するようなトレンド性・速報性の高いコンテンツは、質を軽視しても検索サイトで上位にヒットすることはあるでしょう。しかし、これはあくまで一時的な順位の上昇であり、長期的に見るとサイト全体の評価を下げる可能性もあります。いずれにせよ、低品質コンテンツを頻繁に掲載することは推奨されません。
【QDFアルゴリズムとは】 「Query Deserves Freshness」の略で、直訳すると「検索は新鮮さに値する」を意味する。 検索数の増減やSNSでの言及数、ニュースサイトでの話題性などを検索エンジンが総合的に判断し、トレンド性の高いページを上位表示させる検索アルゴリズム。QDFアルゴリズムが適用されやすい検索クエリ(語句)は「地震や天気に関する情報」や「芸能人の話題やスポーツの試合結果」「放送中のドラマやアニメ情報」など |
コンテンツSEOで更新頻度よりも重視すべきこと

SEOの観点で評価を上げるには、コンテンツの更新頻度にとらわれることなくコンテンツの質と向き合うことが重要です。ここではコンテンツSEO施策で更新頻度よりも重視すべき、主な取り組みを挙げます。紹介する中から自社サイト運営の優先度を決め、丁寧に対応を進めていきましょう。
コンテンツの質を高める
検索エンジンからの評価を高めるには、コンテンツの質を上げることが最も重要です。この記事に限らず、SEO施策を解説するページではどこでも強調されていることで、すでに認識はしている方も多いでしょう。では、どのような点を意識して記事を制作すればコンテンツの質が高まるのでしょうか。
SEO担当者は、特定のキーワードの検索ニーズを満たすコンテンツ制作に向き合うべきです。
SEOを目的とした記事の制作では、最初に検索エンジン対策を施す検索キーワードを決めます。検索キーワードが決まったら実際にGoogleで検索し、どんなコンテンツが上位表示されているのかを調べ、ユーザーが求めている情報を整理しましょう。
さらに、検索したキーワードと一緒に出てくるサジェストワードも確認し、これから作るコンテンツの構成に関連ワードを入れられるか精査します。
読者視点に立ち「自分が同じ検索キーワードで調べたとき、どんな情報を読みたいか」を考えることも大切です。そのほか、記事を執筆し終えたらすぐ掲載するのではなく、できれば1日以上寝かせることも効果的です。第三者に必ず推敲してもらう意識を持つと、質はさらに上がります。
誤った情報や古い情報をリライト
SEO記事は掲載したら終わりではありません。検索ユーザーは常に、最新で正しい情報を求めています。そのため掲載から日数がたち、事実と異なる情報、古くなった情報を含む場合はリライトして最新のものに更新することが大切です。検索アルゴリズムも、年次が古い情報がある記事の検索順位を下げる傾向にあります。
掲載したSEO記事は、掲載日やキーワード、文章量などが分かるようにExcel、Googleスプレッドシートなどに記録し、一定頻度で情報を確認するルーティーンを日々の運用に組み込みましょう。
サイト運用者のなかにはSEOの効果を高めようと、新しい記事の制作・掲載ばかりにリソースを割く方がいるかもしれません。しかしサイト全体の評価を上げるためには、過去に掲載したコンテンツの見直しにも同じくらいリソースを割くことを意識すべきです。
検索順位が低いページのコンテンツの見直し
SEO対策を施した記事は検索キーワードにもよりますが、公開からおよそ3〜6カ月で検索順位が安定してきます。なお検索ボリュームが多く競合性の高いビッグワードであればあるほど、検索結果に反映されるまでに時間がかかります。
掲載から3カ月程度が経過したら、それぞれのコンテンツの検索で何位を獲得順位を確認しましょう。
何位以下をリライト対象とするかはSEO運用者の方針によりますが、上位のコンテンツと比較して不足していると思われる情報を加筆する、ユーザーの理解が深まるよう、図解を挿入するなどの見直しを進めます。
低評価コンテンツを削除またはnoindexにする
過去に公開した記事のうち、検索順位が極めて低いコンテンツ(100位以下)は、リライトするのではなく削除、もしくは「noindex」にして、検索エンジンの評価対象から除くこともひとつの選択肢です。SEO評価はドメインそのものの評価を示す「ドメインパワー」にも影響を受けます。
ドメインパワーは権威の高い良質な被リンクをどれだけ獲得しているか、ドメイン内にどれだけ良質なコンテンツが含まれているかに左右されます。つまり、評価が低いコンテンツが含まれているとドメインパワーを引き下げる要因になってしまうのです。
そのため、リライトしても検索で上位にヒットしないと判断したコンテンツはサイトから削除するか、検索エンジンのクローラーが巡回しないようにするnoindex設定をするといいでしょう。SEO評価の点ではマイナスでもサイトのコンテンツとして必要、またはCV(コンバージョン)獲得のために必要であればnoindex設定をするのがおすすめです。
SEO記事は高品質を保ったうえで更新する
記事では、サイトの更新頻度とSEOにおける評価の関係性について解説してきました。
お伝えした通り、サイトの更新頻度を上げること自体に直接的なSEO効果はありません。もし現在、SEO対策でコンテンツの質の改善とは関係ない記事を制作しているのであれば、残念ながら意味はありませんので今後は控えましょう。
ただし仕上げている記事の質がいいのであれば頻繁に更新した方が、より早く検索エンジンに評価されるため効果は出てきます。いずれにしても、SEOを意識した記事制作で重要なのは「コンテンツの質」です。検索ユーザーが求めている情報に答えるような記事を丁寧に作り上げていきましょう。