Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを利用していると、「ノーリファラー」という表示を目にすることがありますが、その意味や発生原因を正確に理解していますか?ノーリファラーが多いと、正しいデータ分析やマーケティング施策の精度が下がってしまいます。この記事ではノーリファラーとは何か、その原因と分析方法、さらに具体的な対処法まで詳しく解説します。
目次
「ノーリファラー」とは?基本的な意味と仕組み
Web解析でよく見かける「ノーリファラー」という表示は、具体的に何を意味するのでしょうか?ここではリファラーの基本をおさらいした上で、「ノーリファラー」の定義や発生の仕組みを解説します。
リファラー(参照元)の基本をおさらい

リファラー(Referer)とは、ユーザーがあるWebページに訪問する際に直前に閲覧していたページ情報のことを指します。たとえば、Google検索結果からサイトへ流入した場合は、リファラーはGoogle検索結果ページとなります。この情報はGoogle Analyticsなどの解析ツールで「参照元」として確認できます。
「ノーリファラー」の定義と表示される理由
ノーリファラーとは、その名前の通り「参照元がない」アクセスのことを意味します。具体的には、リファラー情報が送信されず、どこから訪問者が来たのかが分からない状態です。ノーリファラーが発生する主な理由には、以下のようなものがあります。
- ブラウザのセキュリティ設定
- HTTPSサイトからHTTPサイトへの遷移
- 直接URLを入力した場合
- ブックマークからのアクセス
ノーリファラーが発生する主な原因と具体例
ノーリファラーが発生する主な原因を把握し、具体的にどのような場合に発生するのかを理解することで、より正確な分析が可能になります。
原因①ブラウザのセキュリティ設定

近年、多くのブラウザはユーザーのプライバシー保護のため、デフォルトでリファラー情報の送信を制限しています。特に、プライベートブラウジングモードやセキュリティ強化モードを利用するユーザーの場合、リファラー情報が送信されないことが多く、その結果、ノーリファラーとして記録されます。
原因②HTTPS→HTTPのリンク遷移

HTTPS(SSL化されたセキュアなサイト)からHTTP(非SSLサイト)へユーザーが遷移する場合、多くのブラウザではリファラー情報が送信されません。このためHTTPSサイトからHTTPサイトへのアクセスはノーリファラーとして記録されます。
原因③ブックマークやURL直接入力

ユーザーがブックマークからページを開いた場合や、URLをブラウザに直接入力してアクセスした場合は、そもそもリファラーが存在しません。このため、これらのアクセスは必然的にノーリファラーとして解析ツールに表示されます。
ノーリファラーと「Direct」の違いとは?混同しがちな概念を整理
Google Analyticsなどでよく混同されるのが「ノーリファラー」と「Direct(直接)」という表示です。ここではこの2つの違いを明確にし、実務上どのように扱うべきか解説します。
「Direct」とノーリファラーの定義上の違い
「Direct(直接)」とは、ユーザーが直接URLを入力したり、ブックマーク経由でサイトを訪問した場合を指します。
一方、ノーリファラーはリファラー情報がない状態全般を指し、Directに分類されることもありますが、必ずしも直接訪問とは限りません。たとえば、HTTPS→HTTPの遷移やブラウザのセキュリティ設定などもノーリファラーの原因です。

実務上どのように区別すべきか
実務上、Direct訪問はユーザーが直接ページを訪れたことを示す指標として価値がありますが、ノーリファラーは参照元情報が欠けているため、より注意深い分析が必要です。
ノーリファラーのアクセスを分析する際は、特に流入ページやそのページへのアクセス傾向、遷移先のページを丁寧に分析し、Direct訪問と本当に区別すべきかを判断しましょう。
ノーリファラーを減らす・適切に分析するための対策
ノーリファラーが多いと正確なアクセス解析が難しくなりますが、適切な対策を行うことでその割合を減らし、分析精度を高めることができます。
対策①HTTPS化(SSL化)でノーリファラーを減らす
サイトを全面的にHTTPS化(SSL化)することで、HTTPS→HTTPの遷移によりノーリファラーが発生するのを防ぎます。
これにより、リファラー情報が正確に送信されるようになり、解析精度が向上します。
対策②UTMパラメータを利用した正確なトラッキング
URLにUTMパラメータを付与することで、広告やメールマガジン、SNSなどからのアクセスを明確に特定できます。これにより、ノーリファラーとして記録される可能性を低減し、より正確な流入元分析が可能になります。
対策③短縮URL・リダイレクト管理の徹底
URL短縮サービスやリダイレクトを使う場合は、301リダイレクトを適切に設定し、リファラー情報が失われないようにします。これにより、リダイレクト元の情報を維持し、ノーリファラーの発生を抑制します。
対策④GA4・解析ツールの設定見直し
Google Analytics 4(GA4)やその他解析ツールの設定を定期的に見直し、リファラー情報が欠落する設定になっていないか確認します。必要に応じてクロスドメイントラッキングなどの設定を行い、正確なリファラー情報を取得できる環境を整えます。
まとめ
ノーリファラーの意味や発生原因を理解し、適切な分析方法と具体的な対策を実施することで、より正確なWeb解析が可能になります。HTTPS化、UTMパラメータの活用、適切なリダイレクト管理、Google Analyticsなどの設定見直しを通じて、ノーリファラーの発生を抑え、精度の高いデータ収集とマーケティング施策の改善につなげましょう。
シンプリックのアクセス解析コンサルティングでは、ノーリファラーを含むアクセス解析やデータ分析における課題解決の支援を行っています。ノーリファラーの分析や対応に関してお困りの場合は、ぜひお気軽にご相談ください。

シンプリックのSEO事業全体を監修。海外のマーケティングカンファレンスにも足を運び、最新のSEOおよびコンテンツマーケティング動向に精通。「競合が少なくコンバージョンを生み出せるキーワードの選定」「読みやすくロジカルな記事コンテンツの監修」を得意としています。
【実績】2005年に設立した株式会社ブルトア(サクラサクマーケティング株式会社)では、多数のクライアント、パートナー企業の検索エンジン集客に貢献し、SEO事業を年商7億規模に伸張させる。その後、設立した株式会社シンプリックでは、自社の海外通販事業を検索エンジンからの集客により2年で月商3000万規模に拡大。