オンラインインタビューは、独自性の高い記事コンテンツ作成に効果的な取材方法です。
本記事では、担当インタビュー記事数3,500本以上・インタビュー記事作成20年以上の実績を持つプロの取材ライターの視点から、オンラインインタビューの特徴や手順、注意すべきポイントなどを解説します。
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目次
オンラインインタビューとは
オンラインインタビューの主な特徴と実施要件を説明します。
オンラインインタビューの特徴
オンラインインタビューは、Web会議ツールを使って別の場所にいるインタビュイー(取材を受ける人)にインタビューを行う取材形式です。対面で実施するインタビューと比べて比較的手軽に行うことができ、時間やコストの節約にも繋がります。
オンラインインタビューの実施に際しては、パソコンやスマートフォンなどのデバイスと安定したインターネット接続環境、Web会議ツールが必要です。
オンラインインタビューを実施する際の要件
オンラインインタビューの実施要件を下表にまとめました。
| 項目 | 主催者側の要件 | 参加者側の要件 |
|---|---|---|
| 通信環境 | 有線LANなどの安定したインターネット接続環境 | 安定したインターネット接続環境 ※通信速度目安:5~10Mbps |
| デバイス | パソコン使用が望ましい | パソコン、スマートフォン、タブレット |
| 使用ツール | ・所要時間や機能を考慮してツールを選択 ・インタビュイーが使い慣れたツールの使用が望ましい | |
オンラインインタビューのメリット

オンラインインタビューの主なメリットは以下の通りです。
- 移動や取材場所の準備などが不要で時間とコストを削減できる
- 実施時間の調整がしやすい
- 資料や画像を画面上で共有できる
- インタビュー音声を高音質で録音可能
- インタビュイーの心理的な負担を軽減できる
- 関係者の立ち合いが容易
移動や取材場所の準備などが不要で時間とコストを削減できる
オンラインインタビューは、インタビュアーと取材相手が職場や自宅にいながら実施できる取材方法です。移動や取材場所の準備などの手間や時間を削減できることは、オンラインインタビューの最大のメリットです。
実施時間の調整がしやすい
オンラインインタビューは、インターネットに接続できる環境とデバイスさえあれば、どこにいても実施できます。取材相手の希望に応じた柔軟な時間調整が可能です。
資料や画像を画面上で共有できる
インタビュー中に関連資料や画像をツールの画面上で共有できるので、インタビュイーが質問の意図を理解しやすくなり、誤解や認識のズレの防止に役立ちます。
インタビュー音声を高音質で録音可能
Web会議ツールのレコーディング機能を使ってクリアな音質で音声を録音でき、記事作成時の確認作業がスムーズになります。
インタビュイーの心理的な負担を軽減できる
普段通りの環境でインタビューを受けるため、インタビュイーの心理的な負担を軽減する効果が期待できます。
関係者の立ち合いが容易
制作チームやメディア、クライアントなどの関係者がどこにいても参加できるため、インタビューに同席しやすくなり、情報共有が円滑になります。
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オンラインインタビューのデメリット
オンラインインタビューを行う際に留意すべきデメリットについて説明します。
- 通信環境やツールの設定などによるトラブル
- 相手側の環境によって音質・画質が変わる
- Web会議に慣れていないインタビュイーが参加・画面操作をしづらいと感じるケースがある
- インタビュイーの感情や状況を察知しにくい
通信環境やツールの設定などによるトラブル
オンラインインタビューの実施中、不安定な通信環境やツールの設定などによってトラブルが生じるリスクがあります。接続できない、音声が途切れるなどのトラブルが解消できない場合は、電話やビジネスチャットの通話機能など、代替手段への切り替えを行いましょう。
代替手段については「オンラインインタビュー実施する際の注意ポイント」内で詳しく説明しています。
相手側の環境によって音質・画質が変わる
インタビュイー側の通信環境やデバイスのスペックによって、音質や画質が不安定になるケースがあります。取材相手の状況を確認し、インタビューを続行できるかどうかの迅速な判断が必要です。
Web会議に慣れていないインタビュイーが参加・画面操作をしづらいと感じるケースがある
インタビュイーがWeb会議ツールを用いたオンラインミーティングに慣れていない場合、参加や画面操作の方法に迷ったり、ストレスを感じたりすることがあります。
事前にオンラインインタビューへの参加方法の詳細を伝え、インタビュー中の操作をわかりやすく説明しましょう。
インタビュイーの感情や状況を察知しにくい
画面越しで対面するオンラインインタビューでは、インタビュイーの感情や状況の変化を察知しにくい場合があります。相手の発言だけでなく、表情や仕草にも注意を払いながら対話を進めることが重要です。
オンラインインタビューに必要な8つの事前準備
オンラインインタビューを円滑に実施するには、綿密な事前準備が必要です。当日までに行う8つの準備項目について、以下に説明します。
1. 記事テーマや掲載メディア等の確認
記事テーマや掲載メディア、掲載時期などを確認します。
2. インタビュイーの選定、基本情報の共有
クライアント側がインタビュイーを選定する場合は、インタビュイーの基本情報を事前に提供してもらいます。人選を制作チームやライターが行う場合は、記事テーマに適した候補者を複数リストアップし、優先順位をつけて取材依頼を行います。
3. インタビューの実施日時と所要時間の決定
インタビュイーの希望を優先的に考慮し、実施日時と所要時間を決めます。相手が取材後に予定を入れている可能性もあるため、余裕を持って時間設定をしましょう。
4. インタビュー項目と優先順位の決定
質問項目を挙げ、項目の優先順位を決めます。重要項目と補足的な項目を分けることで、インタビューの時間配分や質問の順番を決めやすくなります。
5. 招待URL、質問項目等の共有
実施概要の決定後、インタビュイーに招待URLを送付し、必要に応じて質問項目リストや関連資料を共有します。質問項目リストは、簡潔でわかりやすい書面にすることが重要です。
6. 取材中のトラブル発生時の連絡先の共有
取材中の予期せぬトラブルに備えて、インタビュイーや関係者とメールアドレスや電話番号などの連絡先を共有します。
7. 記事テーマ、インタビュイーに関する事前リサーチ
記事のテーマやインタビュイーに関する事前リサーチを入念に行い、回答の深掘りをするための情報を収集します。
8. 使用するツールの接続テスト
使用するWeb会議ツールの接続テストを行い、マイクやカメラの動作も確認します。
| オンラインインタビューの事前準備項目 1.記事テーマや掲載メディア等の確認 2.インタビュイーの選定、基本情報の共有 3.インタビューの実施日時と所要時間の決定 4.インタビュー項目と優先順位の決定 5.招待URL、質問項目等の共有 6.取材中のトラブル発生時の連絡先の共有 7.記事テーマやインタビュイーに関する事前リサーチ 8.使用するツールの接続テスト |
オンラインインタビューの手順

オンラインインタビューの基本的な実施手順を説明します。
- 通信状況や設定の最終確認
- 自己紹介
- インタビュー概要の確認
- レコーディングへの承諾を取得
- インタビューの開始
- 今後の進行についての説明
- 対象者へのお礼
1. 通信状況や設定の最終確認
開始予定時間10~15分前を目安に事前予約したWeb会議ツールのミーティングルームにアクセスし、通信状況や設定などの最終確認を行います。
インタビュイーの入室時に相手の通信状況を確認し、必要であれば設定の確認や変更を依頼します。
2. 自己紹介
通信状況の確認を済ませた後、インタビュアーから氏名や所属などの簡潔な自己紹介を行い、相手に取材協力へのお礼を伝えます。
| 自己紹介例 「インタビューをさせていただくライターの〇×です。本日は貴重なお時間を割いていただき、ありがとうございます」 |
3. インタビュー概要の確認
インタビューと記事のテーマ、所要時間といったインタビューの概要を確認します。
インタビューの実施概要の確認項目を以下に記します。
| インタビュー概要の確認項目 ・インタビューのテーマ/目的 ・記事のテーマ/目的 ・主な質問項目(※質問項目リストを共有済みの場合はリストの確認) ・所要時間 |
4. レコーディングへの承諾を取得
ツールのレコーディング機能の使用開始前に、インタビュイーに録音・録画の承諾を得ます。
承諾を得る際の発言例を以下に記します。
| レコーディングへの承諾を得る際の発言例 「記録用に音声を録音させていただきますが、よろしいでしょうか?」「取材メモのバックアップ用に録画機能を使いますが、ご了承いただけますか?」 |
5. インタビューの開始
インタビューを開始し、回答内容に応じて適宜、質問順や時間配分を調整します。経過時間と質問項目に漏れがないかのチェックも随時行いましょう。
6. 今後の進行についての説明
インタビュー完了時に、今後の進行スケジュールについて簡潔に説明します。
説明の具体例を以下に記します。
| 今後の進行についての説明例 「本日のお話をもとに、〇月×日までに記事を作成する予定です。その際、ご本人様にチェックをお願いしますので、お手数ですが何卒よろしくお願いいたします。記事の公開は〇月下旬を予定しております」 |
7. 対象者へのお礼
インタビュイーがミーティングルームから退出する際に改めてお礼を述べて、ルームを閉じます。
オフラインインタビュー(対面のインタビュー)は、インタビュイーが所属する組織のことを知るという観点では、有効な手段です。対面インタビューの仕方については、以下の記事で詳しく解説しています。
インタビューの仕方を取材20年のプロが解説/事前準備・手順・注意点
オンラインインタビューを実施する際の10の注意ポイント

オンラインインタビューの準備から完了までに注意すべき10のポイントを解説します。
- 使用ツールの制限時間・録音可否を事前に確認する
- インタビュイーの通信環境と使用デバイスを事前に確認する
- トラブル発生時の代替手段を事前に確認する
- 音声が聞き取りづらい場合は通信環境や設定の確認をお願いする
- 相手が聞き取りやすい話し方を心掛ける
- 回答内容に即して質問順や時間配分を柔軟に調整する
- 記事に使用する写真についてインタビュイーに相談する
- 質問に関連する資料を画面共有する
- 参照URLはチャットで送受信してその場で確認する
- 個人情報および非公開情報を適切に取り扱う
1. 使用ツールの制限時間・録音可否を事前に確認する
使用するWeb会議ツールの利用可能時間やレコーディングの可否を事前に確認します。利用条件はツールの利用プランごとに異なるため、必要であればプランのアップグレードを行いましょう。
2. インタビュイーの通信環境と使用デバイスを事前に確認する
当日のトラブルを回避するために、インタビュイーの通信環境と使用デバイスを事前に確認しましょう。相手の状況を把握することで、トラブル発生時の対応策を準備しやすくなります。
3. トラブル発生時の代替手段を事前に確認する
インタビュー中に接続不良や音声の不具合といったトラブルが発生してしまい、すぐに解消されない時の代替手段を準備し、事前にインタビュイーに伝えます。
| トラブル発生時の主な代替手段 ・固定電話/携帯電話 ・通話アプリ ・ビジネスチャットの通話機能 |
4. 音声が聞き取りづらい場合は通信環境や設定の確認をお願いする
相手の音声が途切れる、音量が不安定といった状況が生じた際は、デバイスやツールの設定、通信環境の確認をお願いします。
確認を依頼する際の発言例を以下に記します。
| 設定や通信環境の確認を依頼する際の発言例 「恐れ入りますが、音声が不安定なようですのでデバイスとマイクの設定をご確認いただけますでしょうか?」 |
5. 相手が聞き取りやすい話し方を心掛ける
画面越しに対話するオンラインインタビューでは、相手が聞き取りやすい明瞭な発音やテンポで話すことが重要です。
6. 回答内容に即して質問順や時間配分を柔軟に調整する
事前に準備した質問項目をベースにしながら、インタビュイーの回答に即して質問の順番や時間配分を変更しましょう。柔軟な進行を心掛けることで、質問への回答の深掘りがしやすくなります。
7. 記事に使用する写真についてインタビュイーに相談する
記事にインタビュイーの写真を掲載する場合は、クライアントやインタビュイーと事前に写真の撮影や提供について相談して決めることをおすすめします。
写真の準備には主に以下の方法があります。
| 記事に使用する写真の準備方法 ・インタビュイーから写真を提供してもらう ・インタビュイー側に撮影を依頼する ・インタビュー前後に写真撮影に協力してもらう |
複数の写真を記事内に使用する場合、記事コンテンツの品質を確保するためにインタビュイーへの提供・依頼ではなく、撮影の実施をおすすめします。
8. 質問に関連する資料を画面共有する
質問に関連する図表などの資料は、ツールの画面共有機能を用いてその場で共有しましょう。資料を確認しながら対話することで誤解や認識のズレを防ぎ、インタビュイーからの回答を促す効果も期待できます。
9. 参照URLはチャットで送受信してその場で確認する
ヒアリング内容に関連する参照URLは、チャットで送受信してすぐに確認することをおすすめします。正確な情報を共有することは、回答の精度向上に繋がるポイントです。
10. 個人情報および非公開情報を適切に取り扱う
記事テーマと関係のない個人情報や、企業・団体が非公開としている情報が回答に含まれている場合は、細心の注意が必要です。特に、企業が公式に発表していない情報が話題に出た際には、記事への使用可否を必ず確認し、適切に取り扱います。
インタビューを実施後の記事の書き方・まとめ方については、以下の記事で詳しく解説しています。
【3形式の例文付き】インタビュー記事の書き方・まとめ方完全ガイド
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IT、金融、不動産、教育等の分野を中心とした国内外の企業・団体の各種コミュニケーションツール用インタビュー記事作成に20年以上携わる。2025年3月までに担当したインタビュー記事数は3,500本以上。2024年よりシンプリックのエキスパートパートナーとして、インタビュー・取材記事制作を担当。










