Webセッションとは?意味・測定ルール・分析方法をやさしく解説

アクセス解析やGA4を使い始めると、まず目にするのが「Webセッション」という用語です。Webセッションとは、ユーザーの訪問単位を示す重要な指標ですが、ページビューやユニークユーザーとの違いが分かりづらいと感じる方も多いでしょう。本記事では、セッションの意味と仕組みから、GA4における定義、分析活用の方法までを初心者向けにやさしく解説します。

Webセッションとは?意味と基本知識

Webサイトのアクセス解析において、最も基本的かつ重要な単位が「セッション」です。このセクションでは、セッションの定義や、他の指標との違い、終了条件について整理します。

セッションの定義と役割

セッションとは、1人のユーザーがWebサイトに訪れてから離脱するまでの一連の行動のまとまりを指します。訪問の開始から終了までの時間内に、何ページを見たか、何をクリックしたかといったユーザーの行動が含まれます。

たとえば「商品ページを3つ見て、お問い合わせページに進んで離脱した」といった一連の流れは1セッションとカウントされます。アクセス解析では、サイトの訪問回数や流入元を把握するための基礎指標として使われます。

セッションとPV・UU・IMP・トラフィックの違い

セッションと似た指標が多く、混同しやすいため、それぞれの意味を明確にしておきましょう。

指標名定義単位主な用途
セッションユーザーがサイトに訪問した1回の活動ブラウザ
×
訪問単位
アクセス状況の
把握
ページビュー
(PV)
表示されたページの回数ページ単位閲覧ボリュームの
確認
ユニークユーザー(UU)特定期間に訪れた実質的な訪問者数
(Cookie単位)
ユーザー単位リーチの規模把握
インプレッション(IMP)広告やリンクが画面に表示された回数表示単位広告露出や配信量の分析
トラフィック流入全体の規模や構成
(セッションベース)
チャネル別の
総セッション数
流入元別分析

セッション=訪問の単位/UU=人数/PV=閲覧量/IMP=広告の表示数と押さえておくと理解しやすくなります。

セッション数とPV数の違いについては以下の記事で詳しく解説しています。
セッション数とPV数の違いとは?初心者向けに使い分け方を解説

セッションが終了する条件

セッションには「終わり」があり、一定条件を満たすと終了します。一般的な終了条件は以下の通りです。

  • 最終操作から30分以上アクションがない
  • 日付をまたぐ(深夜0時を過ぎる)
  • 参照元(リファラー)が切り替わる(例:Google検索→SNS)

上記のような条件を満たすとセッションが終了し、1セッションとしてカウントされます。このようなルールにより、同じ人が短時間で2回訪問した場合もセッションは2回とカウントされる可能性があります。

GA4におけるWebセッションの扱い

2023年にUniversal Analytics(UA)のサポートが終了し、GoogleアナリティクスはGA4へ完全移行しました。このセクションでは、GA4でのセッションの定義やUAとの違い、測定上の注意点について解説します。

GA4のセッション定義と指標

GA4では、セッションは「session_start」というイベントが発生したタイミングを起点としてカウントされます。つまり、ユーザーがサイトを訪問した際に、自動的にこのイベントが発火し、1セッションとして記録されます。

GA4のセッションには以下の特徴があります。

  • ページをフォアグラウンドで開かないとカウントされない
  • セッションIDが自動で割り振られる
  • 「イベントベース」であり、PV(ページビュー)以外の動作も含む
  • 日付をまたいでも30分ルールが優先される(0時をまたいでも継続)

このように、GA4では訪問の開始・終了における「動作のトリガー」がイベント単位で処理されるのが特徴です。

UAとの違いと注意点

UAとGA4ではセッションの取り扱いにいくつかの違いがあります。

比較項目UA(旧GA)GA4
定義ページベースでの計測イベントベース(session_start)
終了タイミング30分経過 / 日付跨ぎ / 参照元切り替え原則30分ルール優先
IDの扱いセッション数のみセッションIDあり(session_id)
PVがない訪問セッションカウントされないイベントがあればセッション発生

UAでの感覚のままGA4を見ると、数値のズレに戸惑うケースがあるため、定義の違いは必ず押さえておきましょう。

セッション継続時間・更新条件

GA4ではセッションの継続条件も明確です。

  • セッションの継続時間に制限なし
  • 30分間アクションがない場合、自動でセッション終了
  • 明示的なイベント再送信(再訪)で再カウント
  • 日付変更(深夜0時)はセッションを終了させない仕様

GA4はアクションがある限りセッションの継続時間に制限はありません。30分間アクションがない場合に自動で終了するため、「夜間にまたがるセッションが1回とカウントされる」といった状況も発生します。

Webセッションを使った分析の基本

セッションは単なる訪問回数のカウントだけでなく、サイトの集客状況やユーザー行動の分析にも役立つ重要な指標です。このセクションでは、Webセッションを使った基本的な分析方法を紹介します。

流入元別セッション数の見方

セッションは「どこから来たか?」という流入チャネルの分析に適しています。

主な流入元の分類は以下のとおりです。

  • Organic Search(検索)
  • Paid Search(広告)
  • Direct(ブックマークやURL直接入力)
  • Referral(外部リンク経由)
  • Social(SNSからの流入)

たとえば、Organic Searchは、検索エンジンの検索結果表示からの自然な流入を指します。「Organic Searchからのセッションが増加=SEO効果が出ている」など、チャネル別の変化を見ることで、施策の効果測定が可能になります。

セッション単価とCVRの考え方

セッションをもとにした費用対効果の指標として「セッション単価(CPC)」と「コンバージョン率(CVR)」があります。

  • セッション単価=広告費 ÷ セッション数
  • CVR(コンバージョン率)=コンバージョン数 ÷ セッション数×100

たとえば、100セッションのうち5回コンバージョンが発生している場合のCVRは5%です。セッション単価やコンバージョン率を測定することにより、「集客コストが高いのに成果が出ていないページ」や「CVRが高い優良ページ」などを特定することができます。

セッションと直帰率・離脱率の関係

セッションは、直帰率・離脱率と合わせて見ることで、ページの改善ポイントが浮かび上がります。

  • 直帰率:セッション内で1ページだけ見て離脱した割合
  • 離脱率:そのページで離脱したセッションの割合

例えば、「セッション数は多いが直帰率が高い」場合、入口ページの魅力や導線に課題がある可能性が高いです。

直帰率を改善したい方は、以下の記事もご覧ください。
直帰率を改善するために押さえておきたいポイントを解説

セッション数を増やすための施策

セッション数は、Webサイトの訪問回数を示す重要な指標です。ここでは、セッション数を効果的に増やすための具体的な施策を3つの視点から紹介します。

SEO・広告など外部流入の強化

セッション数の増加は、まず外部からの訪問者を増やすことが基本です。検索キーワードに沿ったコンテンツ作成を行うSEO対策(検索エンジン最適化)やコンテンツマーケティングに取り組み、対策キーワードが上位表示されるようになれば、自然検索からのセッションが安定的に増加します。

また、即効性のある集客を見込めるリスティング広告やSNS広告、外部流入の強化に有効です。

サイト内導線・回遊の改善

一度訪れたユーザーが、サイト内を移動しやすくすることで、間接的に再セッションやセッション延長につながります。

  • 関連記事・商品へのリンク設置
  • パンくずリストやカテゴリ分けの明確化
  • LPから別ページへの誘導ボタン配置

サイト内にユーザーが興味を持つ関連記事や商品のリンクを設置すれば、サイト内の回遊率が高まります。また、パンくずリストなどでユーザーの現在地を明示することで、ユーザーは「今サイトのどこにいるのか」が分かりやすくなり、他ページへのアクセスも容易になります。
「滞在時間」や「直帰率」とあわせて改善することで、セッションあたりの価値を高める施策になります。

パンくずリストについては以下の記事で詳しく解説しています。
パンくずリストとは?そのSEO効果と最適な設置方法を解説

リピーター施策(SNS・メルマガ等)

新規だけでなく、既存ユーザーの再訪を促す施策もセッション増加には有効です。SNS投稿やメールマガジンなどは、一度離れた既存ユーザーがサイトに再訪するきっかけになります。また、サイトをブックマークされやすい構造にしておくことも大切です。こうしたアプローチにより、「UU(ユニークユーザー)は変わらないがセッション数は増える」状況を作ることが可能です。

よくある誤解と質問

セッションに関する用語や仕組みは、初心者にとって混乱しやすいポイントでもあります。このセクションでは、特に誤解が多い2つのテーマについて整理します。

セッション数=訪問者数ではない理由

「セッション=訪問者数」と誤解されがちですが、これは正しくありません。

  • セッションは「訪問回数」
  • UU(ユニークユーザー)は「訪問した人の数(期間内の延べ人数)」

つまり、同じ人が1日に2回訪問すれば、セッションは2、UUは1になります。特にGA4ではCookieやデバイス単位の識別によってカウントされるため、訪問頻度と訪問者数は明確に分けて考える必要があります。

同じユーザーが複数セッションになるケース

1人のユーザーでも複数のセッションがカウントされるケースは多く存在します。たとえば、以下のようなケースが考えられます。

  • サイトに訪問し、30分間操作がない → セッション終了・次の訪問で新規セッション
  • 1日で2回アクセス(朝と夜など) → それぞれで別セッション
  • 検索で訪問 → SNSで再訪(参照元が変わる) → セッション分割

このように、セッション数は「行動の単位」であり、ユーザー数とは別軸であることを理解しておくことが重要です。

まとめ

Webセッションとは、ユーザーの訪問単位を測る重要な指標であり、アクセス解析やWebマーケティングの出発点です。PVやUUとの違いやGA4での定義を正しく理解することで、データ分析の精度は格段に高まります。

セッション数の増加を目指すだけでなく、その背景にあるユーザー行動やチャネルごとの傾向にも目を向けることが、効果的なサイト改善につながります。Web解析やGA4の活用に不安がある方は、ぜひシンプリックにご相談ください。

関連記事

  1. 一人Web担当者が成果を出すための実践ガイド

    一人Web担当者が成果を出すための実践ガイド

  2. outsource-marketing-to-freelance

    フリーランスのマーケターに仕事を依頼するメリットと成功のポイント

  3. 中小企業のWebマーケティングは何が優先?施策一覧をチェック

    中小企業のWebマーケティングは何が優先?施策一覧をチェック

  4. セッション数とPV数の違いとは?初心者向けに使い分け方を解説

    セッション数とPV数の違いとは?初心者向けに使い分け方を解説

  5. 未経験からフリーランスのWebライターになる方法|高収入も狙える!

  6. Googleで企業情報をナレッジパネルに表示させるための手続きとは?

  7. way-to-reduce-bounce-rate-TOP

    直帰率を改善するために押さえておきたいポイントを解説

  8. Googleの強さはどこにありグーグルはどこに向かうのか

PAGE TOP