在宅で自由な働き方ができ、実力次第で高収入も狙えることから、フリーランスのWebライターを目指す人が増えています。
自由度の高さは魅力ですが、安定した収入を得られず経済的に不安定になるリスクがあり、高い能力と自己管理力も求められる仕事です。
そこで本記事では、未経験からフリーランスのWebライターになる方法を紹介します。必要なスキルや心構え、年収の相場、仕事の獲得方法などについて詳しく解説しますのでぜひ参考にしてください。
目次
フリーランスWebライターの仕事内容
クライアントから依頼されたWeb上の文章を書くことがフリーランスのWebライターの仕事です。雇用契約ではなく個人事業主として活動します。
主な仕事内容は下表のとおりです。
主な仕事内容 | |
---|---|
SEOライター | 検索結果の上位を狙うコンテンツを作成する。 キーワード選定や構成案作成を行うことがある。 |
ブログライター | 企業や個人のブログ記事の執筆。 わかりやすく親しみやすい語り口が求められる。 |
ニュースライター | ニュースサイトや業界メディアなどで時事ネタを扱う記事を書く。 スピード感と正確性が重要。 |
広告ライター (コピーラーター) | バナー広告やランディングページのコピーライティングを手がける。 訴求力のある短い文章が求められる。 |
スキルの習得は必須ですが、未経験からでもフリーランスのWebライターになることはできます。
フリーランスWebライターの年収
一般的なフリーランスのWebライターの年収は200万円前後と考えていいでしょう。ただし、収入はスキルのレベルによって大きく異なります。スキルが高ければ年収800万円以上も可能です。
レベル別の収入相場をみてみましょう。
作業内容 | レベル別文字単価・報酬 | ||
初級 | 中級 | 上級 | |
SEO記事執筆 | 0.5~1.0 | 1.0~2.5 | 2.5~30.0 |
ブログ記事執筆 | 0.3~1.0 | 1.0~2.0 | 2.0~30.0 |
構成案作成(1本) | 500~ | 1,000~ | 2,000~ |
ネット広告執筆 | - | 6.0~15.0 | 15.0~50.0 |
ニュース記事執筆 | 0.5~ | 3.0~12.0 | 12.0~20.0 |
文字単価はプロジェクトやクライアントによって異なります。また、記事の内容やジャンルによっても変わります。
誤解されがちですが、年収に直結するのは「作業本数」ではなく「スキル」です。専業で生計を立てることは、初級レベルでは難しいと考えるのが賢明でしょう。
なお、フリーランスのWebライターが単価を設定する際には、以下の3点に留意する必要があります。
1.市場価格を把握する
単価水準を調査して適正な単価を設定しましょう。安すぎる単価では価値が適切に評価されず、高すぎると受注が難しくなる恐れがあります。
2.クライアントの予算とニーズを確認する
単価設定の前にクライアントの状況を確認しましょう。予算や要求水準はクライアントによって変わります。予算の少ないクライアントは断るほうが効率的です。
3.時間を適切に評価する
文字数だけでなく、取材やリサーチ、校正の時間なども考慮して作業全体にかかる時間を適切に見積もりましょう。拙速な見積もりは後々の損失につながりかねません。
フリーランスWebライターのメリット
フリーランスのWebライターは、自分のライフスタイルに合わせて仕事ができ、実力次第で高い収入を得られる可能性があります。フリーランスのWebライターとして働くメリットを詳しくみていきましょう。
- 自分のライフスタイルに合わせて仕事ができる
- 実力次第で高い収入を得られる可能性がある
自分のライフスタイルに合わせて仕事ができる
フリーランスのWebライターは、企業に雇われている従業員とは異なり、自分の好きな時間に仕事ができます。朝型の人なら朝から集中して働き、夜型の人であれば夜遅くまで作業することも可能です。
子育て中でも家で仕事ができるため、家事や育児と両立しやすいでしょう。人間関係を原因とするストレスが溜まりにくい点もメリットの一つです。
実力次第で高い収入を得られる可能性がある
収入はスキルのレベルで決まります。高いスキルと豊富な経験があれば、高単価で仕事を請け負えるようになるでしょう。
自分の努力次第で高収入を目指せるのは大きなメリットと言えます。ただし、実力とマネジメント力は問われるため、身に着ける必要があります。
フリーランスWebライターのデメリット
フリーランスのWebライターには、収入が不安定で自己管理が必須になるという懸念点があります。フリーランスのWebライターとして働くデメリットも詳しくみていきましょう。
- 収入が不安定
- 自己管理が必須
収入が不安定
フリーランスのWebライターは会社員と異なり、収入が一定ではありません。仕事が減れば収入も下がります。クライアント都合による支払い遅延や、トラブルで報酬が支払われない可能性もゼロではないので注意が必要です。
しかし、収入が不安定になるのはWebライターに限った話ではありません。フリーランスには必ず伴うリスクと考えていいでしょう。
自己管理が必須
フリーランスは自由度が高い反面、スケジュールをすべて自分で管理しなければなりません。モチベーションの維持や作業効率の向上も自分一人で行う必要があります。
また健康管理にも気を配ることが大切です。自己管理が苦手な人は、フリーランスとしてうまくいかない可能性が高いので注意しましょう。
フリーランスのWebライターに必要なスキル
フリーランスのWebライターには、主に5つのスキルが求められます。
- 高い文章力
- 正確な情報収集力
- 期限厳守の意識
- コミュニケーション能力
- 継続的な学習姿勢
それぞれ詳しくみていきましょう。
高い文章力
わかりやすく魅力的な文章を書く能力は必須です。正しい文法や適切な語彙選択、読みやすい文体などで執筆するだけではなく、ターゲットや用途に応じて文体を使い分けるスキルも求められます。
ただし、生成AIの浸透は、フリーランスのWebライターにとって新たな課題となる側面はあるでしょう。高い文章力があっても、生成AIによるコンテンツ作成が増えれば、ライターの仕事が減る可能性があります。単純な記事作成は生成AIに置き換えられる恐れがあるでしょう。
しかし、生成AIと協働できれば、高品質なコンテンツを効率的に作成できるようになります。また、生成AIのアウトプットを編集・ブラッシュアップするニーズにも対応できるでしょう。このような作業には高い文章力が不可欠です。
正確な情報収集力
確かな情報源から適切な情報を収集して記事を書くことが求められます。インターネットの情報を鵜呑みにせず、確度の高い情報を選別する力が必要です。
「検索上位だから」「大手メディアだから」という理由だけで情報源にしているようでは、読者からの信頼を得られません。
元から執筆内容に関する知見があれば問題ありませんが、無い場合は複数の情報源を比較して信頼性と一貫性を確認しましょう。
異なる視点と情報源から総合的な判断をすれば、正確な情報を収集できます。学術論文や公的機関といった一次情報のチェックも欠かせません。
期限厳守の意識
納期に遅れることなく、確実に仕事を完了させる責任感も重要です。余裕を持った作業計画を立て、遅延がないように徹底しましょう。
期限の厳守は、プロジェクト全体の効率性向上にも欠かせません。タイムマネジメントをしっかりと行い、計画的に仕事を進めれば余分なストレスや作業の詰め込みも避けられます。
コミュニケーション能力
クライアントの要望を正確に把握し、適切にフィードバックしながら作業を進める能力も求められます。こまめなコミュニケーションを心がければ、クライアントとの良好な関係を構築できるでしょう。
継続的な学習姿勢
ライターとしての実力を磨き続けなければいけません。新しい知識やスキルを常に吸収し、自己研鑽に努める姿勢がクライアントの信頼を得る基本となります。
近年では新しいテクノロジーやトレンドも頻繁に登場していますが、継続的な学習を欠かさなければ最新情報や技術にも対応できます。
Webライターで生活をしていくための方法
基本的に「ライティングのスキルだけで専業になるのは不可能」と思ったほうがいいでしょう。未経験からでもフリーランスWebライターになることは可能ですが、一定の努力と準備は必要です。
収入源の複数化
Webライターとして生活していくためには、複数の収入源を持つことが重要です。ひとつのクライアントに依存していると、そのクライアントから仕事が依頼されなくなった場合に収入が途絶えてしまいます。
Web制作会社や個人ブロガーなど、さまざまな発注元から仕事を受けて収入の安定性を高めましょう。ただし、それでもライティングのスキルだけで専業になるのは不可能です。
多様なスキルと経験を習得する
多様なスキルは年収アップに欠かせません。たとえば、ネット広告運用のスキルがあれば、Webライターだけではなく「広告運用者」としての仕事も獲得できます。
獲得しておきたい主なスキルをみていきましょう。
- Webマーケティング
- ホワイトペーパー作成
- 図版作成
- インフルエンサーマーケティング
- 株式投資
- 不動産
Webマーケティング
Webマーケティングの知識は集客力を高めるために欠かせません。専業のフリーランスWebライターになりたいのであれば、最低でも下記はすべて習得しましょう。
主なスキル | |
---|---|
SEO対策 | キーワード選定、構造化データ、コアWebバイタル対応 |
SEM | リスティング広告の設定、運用、データ分析 |
SNSマーケティング | SNSごとの特性、広告の設定 |
Web分析 | アクセス解析、コンバージョン分析、マーケティング施策の効果測定 |
UI/UXデザイン | 利便性の高いサイト設計、ユーザー体験の向上策 |
ホワイトペーパー作成
ホワイトペーパーは、企業や製品の概要や強みをわかりやすく説明した資料です。ホワイトペーパーの作成スキルがあれば、執筆料とは別に作成料を得られます。作成料は1本10万円以上が相場なので年収アップにつながるでしょう。
図版作成
文章だけでなく図解や画像を使えば、読者の理解を深められます。単価のアップも期待できるでしょう。近年では無料で使える画像編集ソフトも多いため、初期投資はかかりません。有料の生成AIツールを活用してもいいでしょう。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングでは、ターゲット層を分析したうえで適切なインフルエンサーを選定する必要があります。また、発信する内容は理解しやすいものでなければいけません。
Webライターも同様に、ターゲット層の分析や平易な言葉で書くスキルが求められます。インフルエンサーマーケティングに携われば高額報酬も可能です。プロジェクトにもよりますが、50万円以上の報酬も珍しくありません。
株式投資
株式投資の知識があると、金融やビジネス関連の記事を書く際に役立ちます。株価の変動要因や投資手法、銘柄分析だけではく「継続的に利益を上げているスキルと経験」が必要です。
金融関連の記事は初心者でも単価が2.5円以上と比較的高いため、確実に年収がアップします。株式の値上がりによる収益を得られるのもメリットです。
不動産
不動産の知識と経験があれば、マネープラン、住宅ローン、リノベーションなど、さまざまな不動産関連の記事執筆に役立ちます。不動産分野の記事も初心者が単価2.5円以上と高く魅力的です。
フリーランスのWebライターが仕事を獲得する方法
フリーランスのWebライターが仕事を獲得する方法は、主に3つあります。
- クラウドソーシングの活用
- ブログの運営
- SNSでの発信
それぞれ詳しくみていきましょう。
クラウドソーシングの活用
クラウドソーシングとは、インターネット上で仕事を発注する仕組みです。「クラウドワークス」や「ランサーズ」などが知られています。
このようなサイトでは、企業や個人がさまざまな記事執筆の依頼を出しています。登録は無料なので初心者でも気軽に始められるのがメリットです。
ただし、報酬が安価な案件も多いため、実績を積んでスキルアップし、高単価の案件を受注できるようにしましょう。
ブログの運営
自分でブログを運営すれば、ライティングスキルやスタイルを示すポートフォリオとして活用できます。特定の分野やトピックに関する専門知識をアピールすることも可能です。
クライアント側もブログの内容を見て、スキルや専門知識を評価しやすくなるでしょう。潜在的なクライアントとの接点も得ることができます。
SNSでの発信
X(Twitter)やFacebook、Instagramなどでライティングスキルをアピールする方法です。読みやすい文章や興味深い内容の発信を続ければ、フォロワーが増えて仕事につながる機会が広がるでしょう。
専門スキルがある場合は、合わせて発信すると効果的です。たとえば、株式投資の収支を公開すると金融関連記事の依頼が入る可能性が高くなります。コツコツと発信を続けて認知度を高めていきましょう。
フリーランス編集者が仕事を探す方法について、以下の記事でも詳しく解説しています。
フリーランス編集者の仕事、スキルアップ、案件獲得方法を詳しく解説
https://simplique.jp/freelance-editor-career-hack/
フリーランスのWebライターになるには多様なスキルの習得が必須
本記事では、フリーランスのWebライターに必要なスキルや心構え、年収の相場、仕事の獲得方法などを紹介しましたが、いかがでしたか?
「好きな場所で働きたい」「自分のペースで作業を進めたい」といった方は、フリーランスのWebライターを目指してみるのもひとつの方法でしょう。
よほどの高いスキルがない限り専業になるのは不可能ですが、得意な分野があれば仕事の獲得に役立つ可能性はぐんと上がります。
完全未経験からフリーランスのWebライターを目指すのは簡単なことではありません。しかし、着実に準備を進めてスキルを磨いていくことで、専業のWebライターとして活躍できるようになるでしょう。
複数の収入源を持ったり、多様なスキルと経験を習得したりすることで、自分次第では大幅な年収アップも期待できます。当記事でご紹介したフリーランスのWebライターに必要なスキルを身に着け、ぜひチャレンジしてみてください。
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