技術的な知識を詰め込むだけでは、SEO対策の効果をクライアントに的確に伝えられません。クライアントの信頼を得るためには、明確な目的と具体的な戦略を提示し、課題に即した提案を行う必要があります。
そこで今回は、SEO対策の提案書を作成する際に押さえておきたいポイントや、クライアントの信頼を得るためのコツなどを詳しく解説します。さらに、実際に使える提案書のサンプルやテンプレートも紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
SEO対策の提案書がビジネスの成功に与える影響
現代のデジタルマーケティングにおいて、SEOは欠かせない重要な施策のひとつです。しかし、その効果を最大限に引き出すためには、単なる技術的な解説を超え、クライアントの課題や目標に的確に応える戦略を提案する必要があります。
また、SEOが万能の解決策ではない点も明記しなければいけません。たとえば、SEOは検索エンジン経由の集客に効果的ですが、ブランド認知の向上や購入促進などの分野では、他の広告施策と組み合わせる必要がある場合があります。このような制約を明確に示すことで、クライアントの期待値を適切に設定でき、ビジネスの成功にもつながります。
さらに、競合分析に基づいた差別化戦略も提案書に盛り込むことで、信頼性と施策の成功率を向上させることが可能です。クライアントの具体的な課題に基づいた現実的かつ効果的なアプローチを提示することは、提案書が担う重要な役割の一つといえます。
このように、SEO対策の提案書は単なる計画書にとどまらず、データに裏付けられた実行可能な戦略を通じて、ビジネスの成長を力強くサポートするための重要なツールとなるのです。
SEO対策提案書作成の前に確認すべき事項
SEO対策提案書を作成する前に、下記のポイントを事前にしっかり確認しておきましょう。
- クライアントの課題
- クライアントの最終目的
- 予算感とスケジュール
それぞれ詳しく解説します。
①クライアントの課題
最初に深く理解すべきはクライアントが抱える具体的な課題です。たとえば、検索結果の順位が低迷している原因や、ウェブサイトへのアクセスが伸び悩んでいる背景などをしっかりと確認しましょう。
クライアントとの密な対話を通じて、課題の解決に向けた最適な方法を模索することが大切です。的確な課題認識が、提案書の説得力を大きく向上させます。
②クライアントの最終目的
クライアントが目指している具体的な最終目標を明確にしましょう。考えられる主な目標の例としては下記が挙げられます。
- 売上の増加
- 新規顧客の獲得
- 認知度の拡大
SEOの最終目的は検索順位の向上ではありません。具体的なビジネス目標の実現です。クライアントの最終目的を明確に理解すれば、単なる検索順位改善ではなく、ビジネスの成果に直結させられる提案書を作成できます。
③予算感とスケジュール
クライアントの予算的制約とプロジェクトのスケジュールも事前に確認しましょう。SEOは継続的な取り組みが求められる施策です。予算と期待する成果のタイムラインを明確にしておかなければ、中途半端な対策に終わる恐れがあります。特に予算が限られている場合は、効果の高いと思われる施策に集中したり、段階的なアプローチを提案したりするのが理想的です。
また、クライアントの業界特性や競合状況によっても必要な施策は異なります。そのため、現実的で柔軟性のあるスケジュールの設計をしなければいけません。
SEO対策の提案書に盛り込むべき内容
効果的なSEO対策提案書を作成するには、下記の要素を網羅し、クライアントにとって価値ある情報を明確かつ具体的に提示することが重要です。
- 現状分析
- 設定するキーワード
- 短期と中長期の目標
- 具体的な数値と根拠
- コストとリソースの配分
それぞれ詳しく解説していきます。
①現状分析
正確な現状分析は施策の成否を左右する大きな要素です。解析ツールを使って下記のようなデータをチェックしましょう。
- アクセス数
- 主要な流入経路
- ユーザーの行動
- 検索順位
これらのデータを視覚的にわかりやすく示すことで、クライアントは現状の課題や改善の必要性をより深く理解できます。また、実施するSEO対策の必要性に説得力をもたせられます。
②設定するキーワード
提案書には、設定したキーワードとその選択理由を丁寧に説明しましょう。たとえば、検索ボリュームが高いキーワードを選ぶのであれば、潜在顧客に広くリーチできる可能性を示します。ロングテールキーワードを選ぶ際には、競合が少なく特定のニーズを持つ顧客にアプローチしやすい利点を挙げるといいでしょう。
キーワード選定はSEO対策の成否を左右する重要なポイントです。データに基づき、的確な選定理由を提示することで、クライアントに安心感を与えましょう。
SEO対策でキーワードが重要な理由について、下記の記事でも詳しく解説しています。
SEO対策でキーワード選定が重要な理由と料金相場を解説
https://simplique.jp/keyword-strategy-for-seo/
③短期と中長期の目標
SEOは成果が出るまでには時間を要する施策です。しかし、早急な結果を求めるクライアントは少なくありません。そのため、短期と中長期の目標を明確に分けて提示すると説得力が高まります。
短期目標の施策例 | 中長期目標の施策例 |
---|---|
〇テクニカルSEO改善 ・メタタグ最適化 ・内部リンク最適化 ・サイト読み込み速度向上 ・404エラー修正 | 〇順位の安定化 ・検索順位1~3位を目指す ・継続的な競合分析 |
〇コンテンツ最適化 ・既存記事のリライト ・画像や動画の追加 | 〇ドメインパワー向上 ・高品質なバックリンク ・権威性の向上 |
〇初期リンクビルディング ・ソーシャル共有 | 〇コンテンツマーケティング ・長期的な施策の展開 |
また、中長期的な戦略を短期間で実行すると失敗する可能性も提案書に盛り込んだほうがいいでしょう。
④具体的な数値と根拠
提案内容に信頼性を持たせるためには、具体的な数値や根拠を明示することが欠かせません。下記の項目を参考に、説得力を高めましょう。
項目例 | 内容例 | 提案例 |
---|---|---|
現状分析 | 現在の検索順位、トラフィック、競合比較を提示 | 「競合A社は同キーワードで5位、トラフィックは約2倍」 |
ゴール設定 | KPIを数値で設定ROIの見込みを示す | 「6ヶ月以内にTOP10入り、CTR10%増」 「CTR改善で月間売上が〇万円増加と予測」 |
提案の根拠 | 成功事例や公式データを引用 | 「過去の事例ではCTRが20%向上」 「Google公式ガイドラインでサイト速度の重要性を強調」 |
スケジュール | 実施スケジュールを明示 | 「第1〜2週: キーワードリサーチ」 「第3週: メタデータ最適化」 |
数値と根拠を組み合わせることで、提案書にリアリティと実効性を付加できます。
⑤コストとリソースの配分
提案する施策に必要なコストやリソースの配分を具体的に記載することが重要です。リソースに関しては現実的で実行可能であることをアピールします。
必要なスキルと担当者も明確にしましょう。リソース投入のタイミングはスケジュールで示します。
例
- コンテンツ作成にSEO知識を持つライター2名とデザイナー1名が必要
- 第1〜2週: キーワードリサーチ(リサーチ担当者1名)
- 第3〜5週: コンテンツ作成(ライター2名、デザイナー1名)
リソースが不足する場合には、外部委託やAIツールの活用といった代替案を示すのも効果的です。
例
- 「SEO施策費用50万円」
- 「CTR改善で月間10万円の増収を見込む」
具体的な費用と期待される効果を記載することで、クライアントにとっての投資価値をわかりやすく伝えましょう。
SEOの効果測定をする際の注意点について、下記の記事でも詳しく解説しています。
【徹底解説】SEO効果を正しく測定する方法
https://simplique.jp/how-to-measure-seo-effectiveness/
顧客に刺さるSEO対策提案書を作成するポイント
顧客に刺さるSEO対策提案書を作成するには、下記のようなポイントを意識しましょう。
- 説得力のあるデータを活用する
- 専門用語の簡潔な説明と補足を加える
- ビジュアル要素を盛り込む
- 実施後の具体的な成果をイメージしてもらう
それぞれ詳しく解説します。
説得力のあるデータを活用する
SEO対策の提案書には、必ず信頼性の高いデータを使いましょう。
例
「Google Search Consoleを使った分析よると、キーワード『〇〇』のクリック率(CTR)は現在4.5%で業界平均の6.2%を下回る」
データは第三者機関や業界標準の調査結果など、信頼できるソースから取得するのが鉄則です。なお、データで現状を可視化してからSEO対策後の改善予測を提示すると、クライアントに具体的な成果をイメージさせることができます。データが具体的であればあるほど、提案の説得力が高まります。
専門用語の簡潔な説明と補足を加える
SEO対策には「インデックス」「メタディスクリプション」などの専門用語が多く登場しますが、そのままではクライアントに伝わらないリスクがあるので注意しましょう。専門用語は具体例を示しながら解説するとわかりやすくなるため、用語集を付けるのもひとつの方法です。クライアントはSEO対策に関して、全くの初心者であるという点は常に意識しましょう。
ビジュアル要素を盛り込む
ビジュアル要素は、テキストだけでは伝えにくい情報を直感的・迅速に理解させられます。
例
- 棒グラフや円グラフで現状のサイト流入数を表示し、対策後の予想値と比較。
- ユーザーの検索行動をタイムラインやフローチャートで可視化。
- 競合他社との比較データを図表で示し、現状の課題を強調。
さらに、色使いやフォントサイズにも配慮し、見やすく整理されたデザインにすることで、クライアントの理解を深めることができます。
実施後の具体的な成果をイメージしてもらう
SEO対策の実施を前向きに検討してもらうために、具体的な成果をイメージしてもらいましょう。
例
- 「施策の実施によって1か月後には月間訪問者数が20%増加する可能性があります」
- 「同業他社で同様の施策を行った結果、売上が2倍に増加しました」
抽象的な表現は避け、具体的な数字や成功事例を示すことで、クライアントが成果をイメージしやすくなります。これにより、提案の実現性と価値をより強く伝えられます。
SEO対策の効果的な提案書作成に役立つツール
SEO対策の提案書作成には、下記のようなツールが役立ちます。
- Googleサーチコンソール
- Googleキーワードプランナー
- Ahrefs
- Semrush
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Googleサーチコンソール
Googleサーチコンソールは、Webサイトの検索パフォーマンスを無料で分析できるGoogle公式のツールです。このツールを使用することで、Googleの検索結果においてWebサイトがどのように表示されているかを詳細に把握できます。
さらに、インデックスのエラーやモバイル対応の問題など、技術的な問題も特定できるため、提案書を作成する前に必ず導入しておきましょう。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、SEO対策の戦略を立案する際に欠かせない優れたマーケティングツールです。このツールを活用することで、検索キーワードの月間検索ボリュームや競合性といった詳細なデータを調査することができます。
無料で利用可能な点も魅力で、デジタルマーケティングに携わる企業や個人が幅広く活用している理由の一つです。キーワードの選定や効果的なターゲティングに役立つため、SEO戦略をより具体的で実効性の高いものにするための重要なサポートツールといえるでしょう。
Ahrefs
Ahrefs(エイチレフス)は、総合的なSEO対策を支援する強力なツールで、多岐にわたる機能が特徴です。このツールを使用すると、Webサイトのバックリンクを詳細に分析できるほか、キーワードリサーチや競合サイトのパフォーマンス評価、さらにはコンテンツ監査まで幅広い用途に対応できます。加えて、複雑になりがちなSEOデータを直感的に理解できる使いやすいインターフェースも大きな魅力です。。
Semrush
Semrushは、SEO対策とデジタルマーケティングに特化した多機能なツール、幅広い分野で活用されています。このツールを使用することで、検索ランキングやバックリンクの状況、キーワードの難易度といった重要なデータを包括的に把握することができます。
また、競合調査から戦略立案に至るまで幅広いプロセスをサポートするだけでなく、広告キャンペーンやSNSのパフォーマンス分析にも活用可能です。
さらに、さまざまなプラットフォーム間のパフォーマンスを追跡する機能があるため、施策の効果を多角的に測定し、より精度の高いマーケティング戦略の構築に役立てることが可能です。
説得力のあるSEO対策の提案書を作成して他社と差をつけよう
競争が激化する現在において、他社と差をつけるためには、説得力のあるSEO対策の提案書を作成することが欠かせません。ただ実行計画を記載するだけではなく、施策の実施時期や必要なリソースを明確に記載することで、クライアントに計画の現実性と信頼性を示すことができるでしょう。
さらに、提案書のデザインにも十分な配慮が必要です。視覚的にわかりやすいレイアウトはクライアントの理解を助けます。他社と差をつける提案書を作成して成功へとつなげましょう。
なお、弊社シンプリックでは、これまでに多くのSEO対策の提案書を作成してきた実績があり、ノウハウを活かしたSEO対策を行なっています。まずはお気軽にご相談ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。
駆使して、お客様のSEOを成功に導きます