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【徹底解説】SEO効果を正しく測定する方法

SEO対策はWebサイトの可視性を高め、ターゲットにリーチするための重要な戦略です。しかし、SEOの効果を正しく測定しなければ戦略の成果を把握できません。効果測定を怠ると、時間とリソースを無駄にする恐れもあります。

そこで本記事では、SEOの効果を測定する方法について徹底解説します。理解しておきたい指標や、おすすめの分析ツールも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

SEO効果測定が重要な理由

SEO効果測定を行えば戦略の妥当性を確認できます。また、効果の高かった施策と改善が必要な施策も把握できるため、次の戦略立案に活かすことが可能です。

効果測定を行わなければ、改善が必要な施策を見つけ出すことができず、PDCAサイクルに基づいた継続的な改善を進めることができません。効果測定は、ROI(投資対効果)を明確にするためにも不可欠です。SEO対策にはコストがかかるため、投資した費用と労力に見合ったリターンが得られたかどうかを把握する必要があります。

例)SEO対策に投じたコスト: 50万円(コンサルティング料、作業工数など)
期間: 半年間
増加したアクセス数: 2,000アクセス/月
SEOトラフィックからの新規顧客転換率: 1%
新規顧客数 = 20人/月
平均売上単価: 5,000円
半年間の増収 = 10万円/月 × 6か月 = 60万円

ROI は「(収益 – 投資費用) / 投資費用 × 100%」といった計算式で求められるため、上記例では20%となります。そのため、SEO対策の費用を上回る利益を得られていることがわかります。

Webサイト運営の損益を明確にするためにも、効果測定は不可欠と言えるでしょう。

SEOの効果測定に使用する指標

SEOの効果測定には、下記のような指標を使います。

  • オーガニック検索の流入数
  • PV数
  • 検索順位
  • CV率
  • 被リンク
  • 直帰率
  • 滞在時間

それぞれ詳しく見ていきましょう。

オーガニック検索の流入数

オーガニック検索の流入数とは、検索結果から自社のWebサイトに流れたアクセス数です。広告リンクをクリックしたユーザーや、直接URLを入力したユーザーは含まれません。

オーガニック検索の流入数が多ければ、自社サイトのSEO対策が適切に行われていると判断できますまた、検索エンジンに「有益なコンテンツ」と評価されている証明にもなります。

PV数

PVは”Page View”の略称で、Webサイト全体、または、特定のページが閲覧された回数です。

PV数が多ければ、検索エンジンからユーザーに役立つコンテンツと判断される傾向にあります。SEO対策が成功してオーガニック検索の流入数が増えれば、それに比例してPV数も増えるのが一般的です。

検索順位

検索順位とは、特定のキーワードで検索した際に表示される順位です。たとえば「SEO対策」というキーワードで検索した場合、自社サイトが検索結果の1番目に表示されていれば検索順位は1位、10番目なら10位になります。

検索順位が上位であるほどユーザーから自社サイトを見つけられやすくなり、オーガニック検索の流入数も増加します。

なお、検索順位は下記のような要因で変動します。

  • キーワードの関連性
  • コンテンツの質
  • ユーザビリティ
  • 内外部リンク
  • ページの読み込み速度

など

検索順位を上げるには、このような要因を総合的に高める必要があります。

CV率

CV率とは、Webサイトに訪れたユーザーが自社の最終目標に至った割合です。CVR(Conversion Rate)とも呼ばれます。

最終目標は企業によって異なりますが、具体的な例としては資料請求や商品購入、会員登録などが挙げられます。

算出する際の母数にはPV、UU(ユニークアクセス)、SS(セッション)などを使うのが一般的です。たとえば、母数にPVを使う場合は、総ページビュー数に対するコンバージョンの割合を表します。

理想的なCV率は2〜3%前後です。ただし、業界や商品・サービスによっても異なります。検索順位が上がって流入数が増えても、CV率が低ければ意味がありません。SEO対策の目的は、あくまでも「最終目標の達成」です。

被リンク

被リンクとは、他のWebサイトから自社サイトへのリンク数です。検索エンジンは、多くのサイトからリンクが貼られていると「信頼性が高い」と判断します。また、被リンクはサイトの権威性を示す指標としても使われます。

ただし、被リンクの数だけにこだわるのはNGです。ユーザーにとって価値の高いサイトは、被リンク数が少なくても上位に評価される可能性があります。

一方、スパムリンクや不自然な被リンク、リンクの購入などを行うサイトは、被リンク数が多くてもペナルティを受ける恐れがあります。

被リンクを調べる方法について、下記の記事で詳しく解説しています。

被リンクを効率よく調べる方法|無料で使えるチェックツールも紹介
https://simplique.jp/howto-check-backlinks/

直帰率

直帰率とは、Webサイトの訪問者が最初にアクセスしたページを見ただけで別のサイトに移動した割合です。ブラウザを閉じたり、戻るボタンで検索結果に戻ったりした場合も「直帰」と判断されます。「離脱」とは異なるので注意しましょう。

直帰率が高いサイトは、内容がユーザーニーズに合っていない恐れがあります。ニーズに沿っていないサイトは検索エンジンの評価が下がるので早急な対策が必要です。

滞在時間

ユーザーが自社サイトに滞在した時間を示す指標です。

滞在時間の長さは下記を示唆しています。

・訪問者がWebサイトに価値を感じ、関心を持って長く閲覧している。
・Webサイトの使いやすさや構造化が適切で、訪問者が簡単に理解できる。
・検索者のニーズを的確に捉えた役立つコンテンツが用意されている。

検索エンジンはユーザーエクスペリエンスを重視しているため、滞在時間が長いWebサイトは検索結果で上位に表示される可能性が高まります。

SEOの効果測定をするタイミングと測定期間

SEOの効果測定をするタイミングと測定期間を詳しく見ていきましょう。

測定開始のタイミング

SEOの効果測定を開始するタイミングは、SEO対策の実施後2〜3ヶ月が理想です。

検索エンジンがWebサイトを評価し、検索順位が変動するまでには時間がかかります。測定の開始が早すぎると、SEO対策の影響が現れていない可能性があるので注意しましょう。

ただし、業界やサイトの規模、対策内容によっては、測定開始タイミングが前後する場合もあります。たとえば、大規模なサイトや競合が激しい分野では、SEO対策の効果が出るまでに半年〜1年程度の期間を要することもあります。

測定期間

理想的な測定期間は3ヶ月〜半年前後です。期間が短すぎると一時的な変動による影響を排除できず、正確なトレンドの把握が困難になるので気をつけましょう。

検索順位やアクセス数などの指標は日々変動します。そのため、効果測定は特定の日だけ行うのではなく継続するのが基本です。

SEO効果測定の流れ

SEO効果測定の流れは下記のとおりです。

  1. ベースラインの確立
  2. ツールのセットアップ
  3. データの収集
  4. 分析と評価
  5. 改善策の立案と実行

それぞれ詳しく見ていきましょう。

①ベースラインの確立

ベースラインとは、SEO対策前の現状値です。数値を把握しておけば、対策前後の変化を定量的に測定できます。

期間別における改善度の比較やセグメントの違いの把握にも欠かせません。SEO対策は中長期的な取り組みなので、ベースラインを確立して正しい効果測定ができるようにしましょう。

②ツールのセットアップ

次に、効果測定に使用するツールを設定しますこの段階で測定対象サイトと分析ツールの紐付けや目的の設定もしておきましょう。

使用するツールによっては初期設定に少し手間がかかりますが、データの収集と一元管理をスムーズに行なうためには欠かせないプロセスです。

③データの収集

ツールの設定が完了したらデータの収集を開始します。基本的にはツールが自動的にデータを収集しますが、下記のポイントには注意する必要があります。

  • 収集するデータはSEO対策の目的に合ったものにする
  • データ収集の時期や期間、サンプリングに一貫性を持たせる
  • 信頼できるソースからデータを入手する

④分析と評価

収集したデータを分析してSEO対策の効果を評価します。

たとえば、対象となる指標が「検索順位」の場合は、対策前後で順位がどのように変化したかを確認します。対策前後の推移をグラフにプロットして視覚的に比較するとわかりやすいでしょう。

評価基準は「上位3位以内に入れば良好」とするのが一般的です。5位以下であれば改善策を検討したほうがいいでしょう。

⑤改善策の立案と実行

良い結果が出ている施策はそのまま継続し、課題がある施策は見直しましょう。改善策を立案したら実行に移します。

たとえば、「滞在時間に問題があった場合」の改善策としては、下記のようなアプローチが考えられるでしょう。

  • コンテンツの改善
  • ナビゲーションの改善
  • Webサイト表示の高速化
  • インタラクティブなコンテンツの導入
  • 関連コンテンツへの誘導

など

SEOの効果測定に役立つツール

SEOの効果測定には、下記のようなツールが役立ちます。

  • Google Analytics
  • Google Search Console
  • GRC
  • ahrefs
  • Microsoft Clarity

それぞれ詳しく見ていきましょう。

Google Analytics

Google Analyticsは、Googleが提供する公式の無料分析ツールです。サイトへ流入したユーザーの数や、どのページが入口になったかなど、ユーザーがサイトへ流入してからどんな行動を取ったかを分析できます。初心者でもSEO対策の効果を正確に測定することが可能です。

無料でありながら、高度なカスタマイズや連携機能を備えているのも特徴の一つです。ただし、独自の分析力や適切なデータの切り分け、適切な解釈力は求められます。

SEOの効果測定を行う際の基本ツールですので、必ず導入して使い方に慣れておくのがおすすめです。

Google Search Console

Google Search Consoleは、GoogleがWebマスター向けに提供している無料ツールです。Google Analyticsはユーザーがサイトに訪れた後の行動を数値化するツールであるのに対し、Search Consoleはユーザーがサイトに流入するまでの過程を数値化するのに優れています。

インデックス状況や検索パフォーマンス、さまざまなエラーの有無などを把握できるため、検索順位を起点とした分析には欠かせません。Webサイトの問題点を発見する際にも役立ちます。

Google Analyticsと合わせて導入し、しっかりと使えるようにしておきましょう。

GRC

GRCは、検索キーワードの順位を調査できる有料のツールです。直近の順位変化だけではなく、過去の順位変化もグラフで簡単に確認できます。無料でも利用できますが、表示項目数には限りがあります。

定点で継続的に順位を測定できるため、日々の順位変動を把握するのに最も向いているツールです毎日順位を取得したい場合は、有料ツールの導入も検討しましょう。

ahrefs

ahrefsは世界で60万人が導入する有料のSEO分析ツールです。海外のツールですが、日本語にも対応しています。

自社サイトだけでなく、競合サイトの被リンクや検索エンジンで上位表示されているコンテンツ、想定される流入キーワード、ソーシャルメディアでの反応も分析・把握することができます。

無料のツールでは物足りず、さらに高度な分析を行いたい場合には、導入を検討してみましょう。

Microsoft Clarity

Microsoft Clarityは、ウェブサイトのユーザー行動を分析するためのツールです。具体的には、ユーザーがウェブサイト上でどのような閲覧行動を取っているかを詳細にデータ化してくれます。

設置したCV(コンバージョン)導線が適切にクリックされているか、ページ内で見過ごされていないかなどを確認できるため、CVの周りの改善を行うために有効な分析ができます。

ClarityとGoogle Analyticsは連携可能であり、両者を組み合わせることで、より効果的な分析が可能です。Clarityは、複数のWebサイトを設定することができ、トラフィックの制限もないため、企業規模の利用にも対応できるでしょう。

SEOの効果測定をする際の注意点

SEOの効果測定をする際には、下記の5つのポイントに注意する必要があります。

  1. 明確な目標を設定する
  2. データの正確性と一貫性に注意する
  3. 定量データと定性データのバランスを考える
  4. 長期的な視点を維持する
  5. 外部要因を考慮する

それぞれ詳しく見ていきましょう。

明確な目標を設定する

SEO対策を行う前に、達成したい目標を明確に設定しましょう。

目標の例

  • 検索流入数を10%増やす
  • 特定のキーワードで3位以上の表示を狙う
  • CV率を3%上げる

など

効果測定の基準を定めるためにも、目標には具体的な数値を掲げて取り組みます。

データの正確性と一貫性に注意する

データの正確性と一貫性は常に意識して効果測定を行う必要があります。データに潜む異常値やデータ収集方法の矛盾点には特に注意しましょう。

前年同期間のデータと大きく乖離している数値や、ゼロまたは極端に大きな値がデータに含まれている場合は異常値の可能性があります。

データの抽出期間とパラメータ設定には統一性を持たせましょう。データの収集方法をマニュアル化して、誰が対応しても結果が同じになるように一貫性を保つことも大切です。

定量データと定性データのバランスを考える

SEOの効果測定では、定量データだけではなく定性データも参考にしましょう。数字だけでは表れにくい課題や改善点を見つけるためにも、両データを組み合わせてバランス良く分析する必要があります。

定量データは数値として測定できるデータで、サイトのパフォーマンスを客観的に把握したいときに役立ちます。定性データはユーザーの主観に基づきますが、サイトの質や魅力を評価するうえで重要です。

定量データの例定性データの例
検索流入数
ページビュー数
直帰率滞在時間
コンバージョン率
ランキング順位
ユーザーの声(SNSでの感想、レビューなど)
競合サイトとのコンテンツ評価
顧客満足度アンケート

収集した定量データと定性データを照合して、それぞれの関連性を見つけ出します。たとえば、滞在時間が低迷しているページのユーザー評価も悪ければ、全体的な内容の見直しが必要だとわかります。

長期的な視点を維持する

SEO対策の効果は短期間で現れるものではありません。検索結果への反映やユーザー行動の変化には時間がかかります。短期間のデータだけを見て判断を下すと適切な分析ができなくなる恐れがあるので注意しましょう。

長期的な視点でユーザー体験を重視したSEOを展開すれば、アルゴリズムの変更に対しても安定したパフォーマンスを維持できます。また、質の高いコンテンツを継続的に発信することによって、Webサイト全体の価値が高まっていきます。

外部要因を考慮する

SEO対策の効果には、検索エンジンのアルゴリズム変更や、競合サイトの動向など、自社内では完結できない外的要因も関係します。

外部要因を無視してデータだけを見ていると、本当の原因が見えなくなる可能性があります。効果測定を正しく行うためにも、外部要因を考慮して複合的に分析しましょう。

正しい測定方法を覚えてSEOの効果を最大化させよう

本記事では、SEOの効果を測定する方法や理解しておきたい指標、おすすめの分析ツールを紹介しましたが、いかがでしたか?SEO対策の効果測定は、Webサイトの改善と質の向上に不可欠です。主要な指標を正しく理解し、適切なツールを使って分析・評価できるようにしましょう。

ただツールの使い方は短期間で習得できるものではありません。分析や施策の実施に不安がある場合は、外部に委託するという選択肢もあります。

SEO対策を業務委託する際のポイントについて、下記の記事で詳しく解説しています。

SEO対策を業務委託する際のポイントや成果指標、費用相場を解説!
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