SEO対策は、今やビジネスの成功に不可欠です。しかし、Webコンテンツがあふれる中で十分な成果を出すためには、専門的な知識はもちろん、手間暇や時間も必要になります。そのため、迅速で確実に成果を得たい場合は、外部の専門業者やフリーランスに業務委託を検討してみるのもひとつの方法です。
そこで本記事では、効果的なSEO対策を求める企業に向けて、委託時のポイントや適切な成果指標について詳しく解説します。費用相場も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
業務委託できるSEO対策の内容
SEO対策を業務委託する際には、下記のような内容を依頼できます。
- 戦略の立案
- Webサイトの構築と最適化
- 内外部対策
- コンテンツ制作
- アクセス解析
それぞれ詳しく見ていきましょう。
戦略の立案
企業の目標や競合状況に基づいた戦略を立てるところから具体的な実行計画まで、SEO対策の全体像に関する立案を委託できます。
SEO対策を成功させるには、綿密な戦略の立案が欠かせません。専門業者に依頼すれば、目標を達成するためにはどんなユーザー層をターゲットにすればよいのか、どんな検索キーワードを狙えばよいのかを踏まえた戦略を立ててもらえます。
Webサイトの構築と最適化
ユーザーが快適に利用できるWebサイトであるだけではなく、検索エンジンにとっても理解しやすいWebサイトの構築と最適化にも対応してもらえます。
SEOは「検索エンジン最適化」、つまり自社サイトを検索結果の上位に表示させるためのテクニカルな施策だととらえている方もまだまだいるでしょう。しかし現在の検索エンジンのアルゴリズムは、ユーザーのニーズを満たすコンテンツかどうかという点も非常に大事にしています。
ユーザーにとっても検索エンジンにとってもわかりやすく価値のあるWebサイトを作るには、様々な観点を考慮する必要があるため、専門知識を持った業者に多角的な施策をまとめて依頼できるのは大きなメリットです。
内外部対策
SEO対策では内外部対策も重要になります。ユーザーニーズを満たすコンテンツが重要とはいえ、適切な対策が行われていなければ、いくら質の高いコンテンツを作成しても検索エンジンに正しく評価されません。また、Webサイト全体の評価を高めるには、適切な内部対策と外部施策の連動も重要です。
内部対策の代表例は、関連の高いページを内部リンクで繋ぐ施策です。これにより、ユーザーの利便性と検索エンジンからの評価の両方を高められます。難易度は高くなさそうに思えるかもしれませんが、自社サイト内のコンテンツがどんなテーマ構成になっているのかカテゴライズしたり、それぞれの記事内にリンクを埋め込んだりと、対策には手間と時間がかかります。
また、ページの表示スピードを改善するための画像サイズの調整やソースコードの調整も重要な施策です。
コンテンツの内容を検索エンジンのクローラーに適切に伝えるためのタグ設定も、タイトルタグや見出しタグ、altタグやメタディスクリプションタグなど様々な種類がありますが、SEOには効果があるため対応が必要です。
こうした内部対策は、地道な作業が必要なため、業務委託するのがおすすめです。
外部サイトとの連携を促進するリンク戦略も、自社で対応するには手間がかかる作業です。専門業者であれば、他社の事例も含めて外部リンク獲得の成功パターンやノウハウを複数持っているはずですので、成果も出やすいでしょう。質の高い外部リンクを獲得できれば、Webサイトの信頼性と検索結果のランキング向上が期待できます。
コンテンツ制作
業務委託では、高品質で情報価値のあるコンテンツの制作も代行してくれます。
自社で対応する場合、コンバージョンを優先するあまりコンテンツの質が低くなってしまったり、記事の構成や書き方がSEOには適さない形になってしまったりしがちです。しかし、業者は多くの専門ライターを抱えているため、ユーザーの興味に適した高品質なコンテンツをSEOに適した形で作成してもらえます。
ユーザーニーズを理解した上で、テクニカル面でも検索エンジンからの評価を受けられる高品質なコンテンツを作成するには、専門的な知識やデータの取り扱いが重要になります。SEO対策で結果を出すにはコンテンツの数を増やすことも大事ですが、質の低いコンテンツばかり量産しても検索結果の順位は上がらず、アクセスも増えないので注意しましょう。
アクセス解析
業務委託先はトラフィックやコンバージョン率などの指標をモニタリングして、戦略の改善点を特定します。持続的な成果の追求も実現するでしょう。SEO対策の成果を評価して戦略の修正を行うためには、アクセス解析が不可欠です。
無料ツールを使いアクセス数などの数値を確認するだけであれば誰にでもできます。しかし、その数値やデータを適切に分析し、自社サイトの課題点を見つけ出したり、改善できそうなポイントを見つけ出したりするには、マーケティングの知識や競合分析力など多くのスキルが必要になります。
業務委託を活用すれば、データの分析から改善方法も含めた効率的な対策の依頼も可能です。解析結果をレポートとして提出してくれる業者を選べば、社内での分析にも役立つでしょう。
SEO対策の業務委託と内製の選択ポイント
SEO対策を業務委託するべきか、内製で進めるべきか迷った場合は、次のようなポイントで判断してみましょう。
- プロジェクトの規模
- 予算
- 人的リソース
このようなポイントを総合的に判断すれば、SEO対策を進める上での的確な意思決定をすることができます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
プロジェクトの規模
プロジェクトの規模は、SEO対策を業務委託するか内製で進めるかを判断する大きな要素です。
Webサイトをゼロから立ち上げたい、自社サイト内にコラム記事を大量に載せて認知度を高めたいなど、サイトそのもののコンセプト設定やコンバージョンまでのフローの設計、限られた期間での対応といった大規模なプロジェクトや複雑な戦略が必要な場合には、専門知識と経験が豊富な外部の専門業者に依頼したほうが効率的でしょう。
一方、例えばすでに公開しているコンテンツのタイトルを見直したり、見出しをつけ直したりする程度の小規模で基本的な対策が求められる場合は、自社内でのSEO対策も検討できます。
Webサイトの方針設計が必要かどうかや、対応する記事の本数など、規模の大小によって業務委託をするかどうか決めるとよいでしょう。
予算
SEO対策にかける予算は、企業の売上規模やコストへの考え方によって異なります。とはいえ、必要以上のコストは避けたいという点は共通しているはずです。
外部委託をすれば当然コストがかかりますが、その分、専門的なノウハウや迅速な対応が期待できます。
自社内で進める場合には委託費用がかかりませんが、代わりに従業員への教育や各種専用ツールの導入といったコストが必要になります。
予算の範囲内で最大限の成果を得るためにも、コストとリターンを検討した上で業務委託をするかどうか判断しましょう。
人的リソース
内製で進める場合、企業内にSEO対策に取り組める十分な人材を確保できていなければいけません。即戦力として活躍できる専門的なスキルや経験を持った人材が不足している場合には、採用や教育に時間とコストをかけるよりも、外部の専門業者にSEO業務を委託するほうが効率的です。
またすでに自社内で対応している場合にも、SEO対策にかかる人的・金銭的・時間的コストが原因でコア業務に支障をきたしている状況であれば、迷わず業務委託をしたほうがいいでしょう。
SEO対策を業務委託するメリットとデメリット
SEO対策を業務委託するメリットとデメリットをまとめると、下図のようになります。
メリット | デメリット |
---|---|
・客観的な戦略の立案ができる ・リソースの効率的な管理ができる ・成果のモニタリングと的確な改善ができる ・Googleアップデートへの迅速な対応ができる | ・外注コストが発生する ・自社内にノウハウを蓄積できない ・信頼性と品質の確保が困難 |
このようなメリットとデメリットを検討した上で、企業の状況や目標に合わせてSEO対策の委託を検討することが重要です。
メリットとデメリットについて詳しく知りたい方は「SEOアウトソーシングのメリットを最大限活用する方法を解説」もご覧ください。
SEO対策の業務委託には契約形態が2種類ある
業務委託の契約形態には「請負」と「準委任」の2種類があります。それぞれにメリットとデメリット、注意点があるので確認しておきましょう。
請負契約
請負契約とは「仕事を完遂する契約」のことです。業務委託先は「成果物」に責任を有します。
近年では戦略の策定からコンテンツの制作までを包括的に依頼する企業も増えていますが、そのような場合は成果物の納品に責任を伴う請負契約のほうが適しているでしょう。
ただし、請負契約は原則として業務の再委託が可能になります。成果物が正しく納品されれば、納品前のプロセスは問われません。そのため、一定の質を担保したいときは、再委託先に関する責任や再委託を禁止する契約を盛り込んだほうがいいでしょう。
なお、請負契約として考えられる主な業務には、記事の作成やキーワードの選定、競合分析レポートなどが挙げられます。
準委任契約
準委任契約とは「業務を行うことそのものに関する契約」です。「仕事の工数」に対して報酬が支払われます。
準委任契約は、何らかの成果物を納品する責任は求められない点が特徴です。具体的には、SEO戦略を展開するためのしくみ作りや体制構築、プロジェクトのディレクションなどの業務が該当します。
委託内容がコンサルティングに特化している場合は、準委任契約を選択したほうがいいでしょう。
SEO対策を業務委託する際には成果指標を事前に決めておく
SEO対策の業務委託を効果的に進めるためには、定量的に評価できる明確な指標が必要です。主な成果指標について、具体例を交えながら詳しく見ていきましょう。
検索順位
検索順位は、特定のキーワードで検索した場合に自社サイトがどの順位に表示されるかを示します。
狙ったキーワードで上位に表示されることが目標となるため、検索順位の向上を依頼する場合は事前に「最低順位」を決めておきましょう。順位の変動を定期的にモニタリングすることも大切です。
既存記事のリライトによる順位向上を依頼する際は、現在の順位を業務委託先と共有した上で、目標にする順位を決めましょう。
有機検索トラフィック
有機検索トラフィック(オーガニック検索、自然検索からのWebサイト流入)は、検索結果からWebサイトを訪れたユーザーの数です。
業務委託でSEO対策を依頼した特定のキーワードのトラフィックが向上したことが確認されれば、外注した成果として、検索エンジンからの流入が促進されたと評価できます。
依頼する前には、現在のアクセス数を確認した上で、どの程度アクセス数を増やしたいのかを伝えておきましょう。
コンバージョン率
コンバージョン率は、ユーザーが商品の購入、メルマガ登録、問い合わせフォームへの入力完了などを実行する割合です。まずは「ユーザーのどんな行動をコンバージョンとするのか」、そして「どの程度のコンバージョン率を目指しているのか」を事前に明確にしておく必要があります。
SEO対策が効果的であればコンバージョン率が向上するため、客観的に評価することが可能です。
なお、SEO対策で重視するコンバージョンには、主に下記の2種類があります。
・間接コンバージョン:ユーザーがWebサイトを離脱後に再訪問してコンバージョンする
・直接コンバージョン:ユーザーがWebサイトを離脱せずコンバージョンする
直接コンバージョンは明確でわかりやすい指標ですが、SEO対策全体を正しく評価するためには、間接コンバージョンにも目を向ける必要があります。
バウンス率
バウンス率(直帰率)とは、Webサイトにアクセスしたユーザーが1ページのみ閲覧して離脱する割合です。バウンス率が低ければ、ユーザーエンゲージメントとユーザーの関心度が高いと判断できます。
業務委託をする際には各ページにバウンス率の目標を設定した上で、現状との比較分析を行いましょう。
ユーザーエクスペリエンス
ユーザーエクスペリエンスとは、Webサイトの利便性と満足度に関わる「ユーザー体験」のことです。
ユーザーエクスペリエンスが向上すれば滞在時間や回遊率が上がり、検索エンジンからの評価も高まります。
ユーザーエクスペリエンスを評価する上で重要なのは、下記の「コアウェブバイタル(Core Web Vitals、ユーザーエクスペリエンスの核となるニーズ)」です。
- ページの読み込み速度
- ページの反応速度
- レイアウトの安定性
ページの読み込み速度
ページの読み込み速度は、ユーザーエクスペリエンスを左右する大きな要素です。「LCP(Largest Contentful Paint)」と呼ばれ、Webブラウザの主要部分を読み込む時間を示します。
Webページの読み込み速度が遅いとユーザーは離脱してしまうため、早急な改善が必要です。なお、LCPは2.5秒以下であれば「良好」と評価されます。4.秒以内であれば「改善が必要」、4.0秒以上は「不良」と判断されるので注意しましょう。
出典:https://developers-jp.googleblog.com/2020/05/web-vitals.html
なお、任意のページのLCPを調べたい場合には「PageSpeedInsights」で確認できます。
ページの反応速度
ページの反応速度とは、ユーザーの操作に対して迅速に反応できる処理能力です。これまでは「FID(First Input Delay)」で評価していましたが、2024年3月以降は「INP(Interaction to Next Paint)」という指標に変わります。
FIDは、最初の入力操作から次の処理に進むまでの遅延時間を表す指標で、「初回入力遅延」とも呼ばれます。
FIDでは全ての応答性を測れないため、包括的に判断できるINPが採用されることになったのです。
なお、Google Search Consoleにログインして「ページエクスペリエンス→ウェブに関する主な指標」と進めば、PCとモバイルそれぞれのINPを確認できます。
レイアウトの安定性
Webページを表示した際のレイアウト崩れは「CLS(Cumulative Layout Shift)」という指標で表されます。
・「リンクをクリックしたつもりなのに画像をクリックしてしまった」
・「希望する商品の隣にある商品の画像をクリックしてしまった」
レイアウトが不安定なWebサイトでは、上記のような問題が起こりがちです。ユーザーエクスペリエンスを高めるためにも、業務委託の際に目標とするCLSの指標を明確にしておきましょう。CLSも「PageSpeedInsights」で確認できます。
モバイルフレンドリーテスト
モバイルフレンドリーとは、Webサイトがモバイルデバイスで適切に表示されるための施策です。
モバイル検索の重要性が高まっている現代においては、モバイルフレンドリーの対応可否が検索結果のランキングに大きな影響を与えます。
Google Search Consoleの「モバイルユーザビリティレポ―ト」は2023年12月1日以降使えなくなったため、現在は「PageSpeedInsights」や、Google chromeの機能拡張「Lighthouse」を使って確認します。
ヒートマップツール
ヒートマップツールは、ユーザーの行動パターンを視覚的に表現します。ユーザーが注目している箇所を確認できるため、調査に基づいたサイトの改善が可能です。
業務委託をする前に、ヒートマップツールを使用してユーザーのクリックやスクロールのパターンを視覚的に把握しておきましょう。ツールがない場合は、現状の調査から委託することもできます。
成果を判断する際には、異なるデザインやコンテンツバリエーションをテストして、ユーザーエンゲージメントの向上率を比較検討しましょう。
SEO対策を業務委託する際の費用相場
対策を依頼するWebサイトの規模やページ数にもよりますが、業務委託する際の費用相場は下表が目安となります。
対策内容 | 費用相場 |
---|---|
Webサイトの構築・最適化 | 10万~100万円程度 |
内外部対策 | 5万~100万円程度 |
キーワード選定 | 1万~10万円程度(依頼本数、スポットか継続かによっても異なる) |
コンテンツ制作 | 5万~30万円程度/月額 |
アクセス解析 | 数千~数十万円(スポットか継続かによっても異なる) |
業者によっても費用は大きく異なるので、複数の業者に見積もりを依頼して比較検討することをおすすめします。
SEO対策を業務委託すれば成果と生産性が向上する
SEO対策を業務委託すれば業務の効率化が実現し、生産性向上にもつながります。委託できる業務は多岐にわたるので、自社が抱えている問題に適した対策に絞って依頼することも可能です。
業務委託をする際には、事前に具体的な目標を数値化して伝えておくと成果がわかりやすくなります。費用の相場はWebサイトの規模やページ数、業者によって異なるため、複数の業者に見積もりを依頼して比較するようにしましょう。
「自社でSEO対策をしようとしたが挫折した」「今まさにSEO対策の業務委託先を探している」といった方は、ぜひ一度コンテンツSEOの経験と実績豊富な弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。