自社サイトやブログなどのオウンドメディアを運用する際は、運用における具体的な目標を設定することが大切です。オウンドメディアの目標を設定する際は、「KPI」や「KGI」という指標について知っておくと目標を設定しやすくなります。
本記事では、オウンドメディアの目標設定における重要な指標である「KPI」について解説します。オウンドメディアを運用する際は、KPIの概要を理解して売上アップなどの最終目標(KGI)の達成を目指しましょう。
KPIとKGIの関係性
「KPI(重要業績評価指標)」とは、大目標を達成するための中間目標のことです。大目標までの到達率や進捗把握のために設定する指標で、原則「数値で」設定されます。
オウンドメディアの集客を成功させるためには、KPIの設定が必須です。しかし、KPIは「KGI」がないと設定できません。「KGI(重要目標達成指標)」とは、大目標のことで、最終的に達成したい具体的な目標を指します。
オウンドメディア運営において、KGIだけでなくKPIを設定すべき理由は以下の3つです。
- KGIの達成確率が上がる
- 行動計画が明確になる
- 取り組みに対する社内理解を得やすくなる
最終的な目標であるKGIには、長期間かつ大きな数値を設定する場合が多いでしょう。KGIだけだと、達成するために必要な取り組みが不明瞭になりやすいです。中間目標のKPIを設定することにより、行動計画が明確になり、自然とKGIの達成確立も上がります。
また、オウンドメディアで成果を出すまでには、半年から2年程度の期間を要し、目に見える成果が出づらい面があります。中間目標としてKPIを細かく設定して、具体的な行動計画を説明できれば、取り組みに対する社内理解を得やすくなります。
以下の記事では「そもそもオウンドメディアとは何か」を詳しく解説しています。理解を深めたい場合はぜひお読みください。
オウンドメディアとは?どこよりも分かりやすく解説します!
オウンドメディアの代表的なKPI

ここまで、KPIを設定することの重要性をお伝えしました。オウンドメディアの集客を成功させるためには、KPIの設定が必須です。しかし、オウンドメディアで設定すべきKPIにはどのようなものがあるか、把握できていない方もいるでしょう。
ここでは、オウンドメディアで設定すべき代表的なKPIを紹介します。
1.【記事数】サイトの入り口を増やし、ドメインを強化するために
オウンドメディアで成果を出すための要となるのが、「ブログ記事」です。記事数を増やすことで、メディアの流入経路が広がり、サイト全体のアクセス数増加や検索結果の表示強化につながります。
しかし、質の低い記事を公開し続けても効果はなく、むしろ、Googleから「有益ではないサイト」と判断されて、検索結果に表示されなくなる恐れもあります。そのため、読者にとって価値のある、質の高い記事を増やすことに注力しましょう。
KPIを設定する場合は、具体的かつ実現可能な本数にしましょう。本数を増やし過ぎると、継続が難しくなり、質の低い記事が量産されて逆効果になります。
オウンドメディアの立ち上げ初期は「どれくらいの本数、記事を公開すればいいか」と悩む人が多いです。
以下の記事で記事数について詳しく解説しているため、興味があればぜひお読みください。
SEOと記事数は関係ある?SEO効果の高い記事の増やし方も解説
2.【検索順位】検索結果での表示回数を増やすために
対策キーワードで検索した際の、記事の検索順位をKPIとして設定しましょう。
Googleでキーワードを入力して検索した際に、検索結果の上位に表示されるよう対策することを「SEO対策」といいます。上位表示される記事ほどアクセスが入ってきやすいため、オウンドメディア運営においてSEO対策は欠かせません。「どのキーワードで検索された際に、記事を上位表示させたいか」という「対策キーワード」を決めることで、記事の検索順位をKPIとして設定できるようになります。
以下の流れで記事作成を行うことで、検索順位をKPIとして設定できるようになります。
- 対策キーワードで上位表示されるように記事を作成する
- 記事を公開してから3ヶ月後以降に、検索順位がどうなっているかを確認する
- 必要に応じて記事をリライトし、目標の検索順位(KPI)の達成を目指す
リライトとは、成果が出るように記事を書き直すことです。
このように、KPIを設定した後に、KPIが達成できているかを適宜確認し、達成できていない場合は改善するということを繰り返すことで、KPIの達成可能性を上げられます。
3.【CTR】検索結果に表示された後のクリック率を増やすために

「CTR」とは、「検索結果で表示された回数のうち、クリックされた回数の割合」です。KPIとして設定し、改善し続けることでサイトにより多くのアクセスを集められます。をクリックしてアクセスした場合、ページのクリック率(CTR)は「10%」になります。
CTRは、以下の計算式で求められます。
CTR(%) = クリック数 ÷ 表示回数 × 100
例えば特定のキーワードで検索結果が表示された回数が「200」で、そのうち、ページタイトルのリンクから記事にアクセスされた回数が「20」の場合、「クリック数(20) ÷ 表示回数(200) × 100 = 10%」になります。
検索結果に表示されるページのタイトルや説明文をより検索ユーザーの興味の惹くものにすることで、CTRを上げられます。検索上位であるにもかかわらずCTRが高くない場合、アクセスを取りこぼしている非常にもったいない状況です。
CTRを上げるためのタイトルの付け方については、以下の記事でより詳しく解説しています。
SEOに効果的なタイトルの付け方
4.【PV】サイト内のページをたくさん見てもらうために

「PV数」とは、「サイト内のページが開かれた数」のことです。つまり、「アクセス数」です。
PV数が多いほど、サイト内のページにたくさんアクセスされているということであり、オウンドメディア集客において非常に大切な指標の一つです。
PV数と、後ほど紹介する「CV数(商品購入や問い合わせなどの具体的な成果)」は、比例します。基本的にPV数が多いほどCV数も多くなるため、オウンドメディアから成果を獲得したいのであれば、PVはKPIとして設定するべきです。
5.【UU】多くのユーザーに訪問してもらうために

「UU数(ユニークユーザー数)」とは、特定の期間内にサイトにアクセスしたユーザーの数です。
同じユーザーが特定の期間内に何回もサイトにアクセスした場合でも、UU数は「1」となります。
PV数とUU数の違いが分かりづらいため、以下の図で具体的に説明します。

特定の期間内(例えば1日)に、Aさんがサイトに1回訪問し、Bさんがサイトに2回訪問したとします。この場合のPV数(サイト内のページが開かれた数)は「3」ですが、UU数は「2」となります。
オウンドメディアのUU数が増えているということは、サイトの認知度が上がっているということです。同じユーザーがサイト内のいくつかのページを開く可能性があることから、PV数は必ずUU数以上となります。
6.【平均ページ滞在時間】記事を最後まで読んでもらうために

「平均ページ滞在時間」とは、ユーザーが1つのページを閲覧していた時間の平均です。
サイト内のあるページから別のページに移動するまでの時間で測定され、1ページだけ閲覧して離脱した場合は0秒として扱われます。
滞在時間をKPIに設定することで、記事がどれほど熟読されているかを把握でき、例えば平均30秒であれば内容が十分に読まれていない可能性が考えられます。
平均ページ滞在時間が増えれば、Googleから「質の高いサイト」と判断されて、検索結果で上位表示されやすくなります。そのため、この指標をKPIに設定して改善し続けることで、サイト・ページに訪れるユーザーの満足度が高まり、結果として検索上位の獲得が期待できます。
滞在時間の一つの目標は「5分程度」です。あまりにもユーザーの滞在時間が短い場合は記事の質を高めるなどの工夫が必要です。
7.【直帰率】サイト内のコンテンツに興味を持ってもらうために

「直帰率」とは、サイト内の最初のページだけを見てすぐに離脱(直帰)したユーザーの割合です。
直帰率が高い場合、多くのユーザーがサイト内の1ページだけを見てすぐにサイトから離れているということです。
直帰率は、以下の計算式で求められます。
直帰数 ÷ セッション数
セッション数とは、ユーザーがサイトに訪問した回数です。セッション数が「1,000」で、直帰数(サイト内の最初のページだけを見てすぐに離脱したユーザー数)が「500」だとした場合、直帰率は「50%」です。
直帰率の目安は40%程度であるため、40%を超える場合は直帰率をKPIに設定し、下げられるように対策しましょう。直帰率を下げるための対策としては、ユーザーが興味を持ちそうな関連記事をサイドバーや記事の最下部に表示させたり、人気記事への導線を目立つところに配置するなどの方法が考えられます。
8.【CV】より多くの成果を獲得するために

「CV(コンバージョン)数」とは、Webサイトから得られた成果の数のことです。「成果」とは、例えば商品の購入や資料請求、問い合わせなどです。これらの成果を出すことが、オウンドメディアを運営する目的といえます。
どれだけ作成した記事が検索上位に表示されたり、多くのPVを獲得できていたとしても、成果であるCVが発生していなければ意味がありません。CVは、多くの場合利益に直結します。オウンドメディアのKPIを設定する場合は、PV数やUU数だけでなく、必ずCV数も設定するようにしましょう。
CV数を増やすためには、そもそもの土台となるPV数やUU数を増やす必要があります。サイトに訪問してくれたユーザーのうち、どれだけの人が商品を購入してくれるか、また問い合わせをしてくれるかといったCVの率を上げるための工夫も欠かせません。
PV数やUU数、CV数を高めるために共通することは、「ユーザーにとって有益な情報を提供する記事を作ること」です。これが、オウンドメディアで設定する様々なKPIを達成するための中核です。
9.【被リンク数】サイトの権威性を上げるために
「被リンク」とは、外部のサイトから自社のサイトに対して貼られたリンクのことです。
例えば、記事制作代行会社である株式会社YOSCAが運営しているオウンドメディア(外部サイト)の記事から、自社のサイトに対して以下のようにリンクが貼られています。

この状態を、自社の立場から「被リンクを獲得した」といいます。また「被リンク数が1増えた」ともいいます。被リンク数が多い場合、Googleからの評価も高くなり、サイトが検索結果で上位表示されやすくなります。
被リンク数を増やすために大切なのは、自社サイトの価値を高めることです。検索ユーザーの悩みや知りたいことなどのニーズを満たすために、有益な情報を提供することに努めれば、外部サイトから紹介してもらえる(リンクを貼ってもらえる)可能性が上がります。
競合メディアの被リンク数が1,000件、自社メディアが100件のように差がある場合は、「2年以内に被リンク数を5倍に増やす」といった被リンク数のKPIを設定することも有効です。
被リンクの獲得方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
被リンクの獲得方法とは?獲得のメリットや効果的な被リンクについても解説
適切なKPIを設定するためのポイント
目標を達成してオウンドメディアの運用目的達成を目指すのであれば、目標(KPI)の適切な設定方法を理解しておくべきです。KPI設定のポイントを5つ紹介します。
1. KGIを元に設定する
この記事の最初のほうにもお伝えしましたが、KPIとは中間目標であるため、最終的に達成したい大目標(KGI)を先に設定し、そこから逆算してKPIを設定する必要があります。
KPIを達成し続けた結果、必ずKGIを達成できなくてはいけません。オウンドメディアで設定するKGIの多くは、売上や商品販売数、問い合わせ数、会員登録数など、企業の利益向上に密接に関連するものです。
例えば、「2年以内にオウンドメディア経由で1,000万円の売上を立てる」などと設定します。このKGIを達成するために、いつまでに体制構築・行動計画を完了させ、記事を何本公開し、PV/UU数をどれくらい集めて、何件のCVを獲得するなどといったKPIを設定していきます。
2. KPIツリーを活用し、逆算的に設定する
「KPIツリー」とは、KGI達成のために必要なKPIをツリー構造で整理した図のことです。KPIツリーを作成することで、KGIを達成するために必要なKPIを漏れなく整理できます。
KPIを漏れなく整理できれば、KGI達成までの全体像を一目で把握でき、いつまでに何に取り組むべきかといった行動計画を立てやすくなります。
オウンドメディアのKGIを「売上」とした場合、KPIツリーは以下のようになります。

KGIを達成するために必要な要素は何か、また各要素においてどのような数値目標(KPI)を達成する必要があるのかをKPIツリーにより可視化することで、方向性や取り組むべことが明確になり、行動計画の精度が上がります。
オウンドメディアを運用するチーム内でKPIツリーを共有することで、達成すべきKPIについて共通認識を持つことができ、また進捗確認も行いやすくなります。
本格的にオウンドメディア運用に取り組み成果を出すためには、KPIツリーを作成するべきです。
3. SMARTの法則に沿って設定する
KPIツリーで各要素名を書き出す際、併せて「SMARTの法則」に沿って数値目標を設定するようにしましょう。
「SMARTの法則」とは、以下の5つの英単語の頭文字を取ったものであり、適切な目標設定を行うために活用します。
- Specific:具体的
- Measurable:計測可能
- Achievable:達成可能
- Relevant:関連性
- Time-bounded:期限
これらの5つに沿ってKPI設定をすることで、KPIの精度が上がり、その結果行動計画が立てやすくなり、スムーズに行動に移れます。
4. 競合メディアを参考にする
KPIを設定する際は、他の企業が運営している競合のオウンドメディアを参考にしましょう。
競合のオウンドメディアのPV数や検索順位などを確認することで、自社オウンドメディアのKPI設定の精度を上げられます。
例えば年間20万PVを集めるオウンドメディアを構築したい場合、すでに年間20万PVを集めている競合メディアを調査して、どのような取り組みを行っているか把握することで、自社オウンドメディアの方向性をより適切に定められるでしょう。
競合メディアの参考となる部分を取り入れつつ、独自性を出して、よりユーザーにとっての価値となるオウンドメディアを中長期的にリソースをかけて構築できれば、期待した成果を得られる可能性が高くなります。
競合のオウンドメディア調査には、専用のツールを活用するのが一般的です。「Ahrefs」や「Similarweb」といったツールを活用すれば簡単に調査ができますので、これから本格的にオウンドメディア集客に取り組む場合はぜひ活用してみてください。
5. 中長期的な目標を立てる
オウンドメディアを運営して成果が出るまでには、時間がかかります。そのためKPIを設定する際は、KPIツリーを活用しながら中長期的な目標を立てるようにしましょう。
短期的な成果を追い求めすぎると、誤った方向性で進んでしまい、失敗する可能性が高くなります。KGIの達成に向けて、実現可能なKPIを設定してコツコツと運用していくことが大切です。
中長期的な目標にあたるKGI/KPIが設定できたら、そこから逆算してKPIを細かく分解しながら具体的に設定していきましょう。中長期的な目標は、目に見える成果がすぐには出づらいオウンドメディア運営のビジョンの役割を果たします。
今日1日の取り組みが確実に中長期的な目標、ビジョンにつながっていることが実感できれば、オウンドメディア運営に関わっているメンバーのモチベーションが上がり、やりがいや意義を持って質の高い仕事を遂行することにもつながります。
運用フェーズごとのKPI設定
オウンドメディアの代表的なKPIとKPI設定のポイントを紹介しましたが、全ての指標においてKPIを設定する必要はなく、運用フェーズごとに「必要な分だけ」KPIを設定するのがおすすめです。
ここでは、運用フェーズごとに設定すべきKPIについて解説します。運用フェーズは、大きく以下の4つに分けられます。

立ち上げフェーズ:体制構築、行動計画

「立ち上げフェーズ」は、新たにオウンドメディアを立ち上げようとしていたり、もしくはこれから本腰を入れてオウンドメディア運用に取り組もうとしている段階です。
この時期は数値目標のKPIよりも、準備・土台作りに集中しましょう。
オウンドメディアは成果が出るまでに時間がかかるため、中長期的に取り組むことを前提に、運用目的の整理や体制構築、年間スケジュールなどの計画作成に注力します。ここを疎かにすると運用が継続できず、誤った方向に進むリスクがあります。
このフェーズで取り組むべきことは、多岐に渡ります。以下、取り組むべきことの一例です。
- 運用責任者決め
- 運用目的の明確化
- メディアコンセプトの言語化
- ペルソナの作成
- 作成コンテンツの企画
- 年間スケジュールの作成
- 各業務における担当者配置
- 業務フローの明確化
- KGIの設定
- アクセス解析ツールの導入
「運用目的の明確化」と「KGIの設定」ができないことには、スケジュール作成も担当者配置もできません。これらの設定ができてはじめて、「いつまでに誰が何に取り組むか」を決められます。
計画や体制が整った後、リソースが足りないと判断する場合は外注も検討すると良いでしょう。
制作フェーズ:記事数

「制作フェーズ」は、オウンドメディアのコンセプトやペルソナに沿って、とにかく質の高い記事を継続的に公開し、ユーザーにとって価値のあるオウンドメディアにする段階です。
制作フェーズのKPIには、「記事数」を設定すると良いです。例えば「半年間、毎月15本の記事を公開する」といったKPIを設定します。立ち上げフェーズが終わってすぐのオウンドメディアの状態は、まだ記事が存在しない、もしくは少ない状態です。毎月確実に記事の本数を増やし、豊富なコンテンツを提供するメディアに成長させていきましょう。
しかし、ユーザーニーズを満たす質の高い記事を制作するのは案外難しく、多くの時間を要します。完璧を求めすぎず、まずは60〜80点くらいの記事を制作し公開しましょう。1記事にかかる時間が分かってきたら、現実的な範囲で1ヶ月間の公開本数を決め、継続的に記事制作を行なっていきましょう。
集客フェーズ:検索順位、PV、UU

「集客フェーズ」では、制作した記事に多くのアクセスを集められるよう、リライトにより記事の質を高めたり、クリック率向上などに取り組みます。
このフェーズでは、検索順位やPV数、UU数をKPIとして設定するべきです。
対策キーワードで上位表示を獲得できればアクセスが増え、ユーザーの興味を惹くようなタイトルにすることでクリック率も高まります。多くの記事で検索上位化が実現できたら、UU数やPV数の増加にもつながります。
検索順位やPV数、UU数で成果が出るようになったら、訪問者の満足度を上げるために以下のKPIを設定し、改善を繰り返すと良いでしょう。
- 平均ページ滞在時間
- 直帰率
- 回遊率(サイトの訪問者一人当たりのPV数)
サイト訪問者の満足度が上がれば、よりサイト内のページが検索結果で上位表示されるようになり、訪問者が増えます。「サイトの訪問者数を増やすこと」と「訪問者に満足してもらうこと」を、この集客フェーズでは意識しましょう。
集客フェーズでは、「サイトの訪問者数を増やすこと」と「訪問者に満足してもらうこと」を意識しましょう。
最適化フェーズ:CV

「最適化フェーズ」では、KPIに「CV(コンバージョン)数」を設定し、記事を読んで満足してくれた訪問者を、商品購入や問い合わせ、資料請求などの成果につなげます。
CVを獲得できないと、KGIは達成できません。これまでのフェーズで取り組んできたことの集大成として、CVをKPIに設定し、CVを獲得するための「最適化」に取り組みましょう。
CVを獲得するために、例えば以下のようなことに取り組むと良いです。
- CVに結びつきそうなユーザーを集められるよう、記事制作時の対策キーワードを見直す
- 問い合わせ時にストレスを与えないよう、問い合わせフォームを改善する
- 訪問者にメルマガ登録してもらい、価値ある情報をクローズドに発信し、関係性を強くする
- 自社商品の魅力を最大限伝えるWebページを用意し、期間限定や数量限定などの希少性をアピールして商品購入を促進する
- サイト内の目立つところや、記事の途中、最下部などにCTAを設置する。
「CTA(Call To Action)」とは、訪問者に対して何らかのアクションを促すことです。適切にCTAを設置することで、記事の読者に商品購入や問い合わせなどのアクションを起こしてもらいやすくなります。
KPI達成のためにすべきこと
ここまで、オウンドメディアのKPI設定のポイントを解説しましたが、次に、設定したKPIを「達成」するためにすべきことを解説します。
運用体制の整備と社内理解の構築
オウンドメディア運営の中核は「記事制作」です。いかに継続して質の高い記事を公開できるかが、オウンドメディア集客の成否を握っているといっても過言ではありません。
そのため、「立ち上げフェーズ」で入念に行動計画を立て、計画を遂行するための運用体制を整えましょう。
また、成果が出るまで中長期的にオウンドメディアを運用していくために、社内理解を得られる環境を構築することも重要です。
KPIツリーを作成して進捗を細かく報告するなど、社内メンバーの意識を向けたり、興味を持ってもらうための取り組みを定期的に行いましょう。記事制作業務を社内メンバーにも割り振るなど、積極的に「巻き込む」ことで社内理解が得やすくなるかもしれません。
外部ツールの活用
KPIが達成できているかを把握し、調査や具体的な改善策を実施するには、外部ツールを活用しましょう。無料で使えるツールとしておすすめなのが、以下の3つです。
| ツール名 | 主な役割・特長 | 確認できる主な指標 |
|---|---|---|
| Google Analytics(GA4) | サイト内でのユーザー行動を可視化する分析ツール。アクセス数や滞在時間など、訪問後の動きを詳細に把握できる。 | PV数、UU数、平均滞在時間、直帰率、回遊率、コンバージョン数 |
| Google Search Console | サイトが検索結果でどう表示されているかを分析するツール。検索パフォーマンスやSEOの改善に役立つ。 | 検索順位、表示回数、クリック率、検索クエリ、インデックス状況 |
| Microsoft Clarity | ユーザー行動を可視化するヒートマップツール。サイトのどこが見られているか、どこで離脱しているかを直感的に分析できる。 | ヒートマップ、スクロール率、クリック行動、ユーセッション録画、離脱ポイント |
それぞれのツールで確認できる数値や指標は異なります。設定するKPIに合わせて組み合わせながら活用すると、達成のための施策検討や改善に役立つでしょう。
仮説検証のサイクルを回し続ける

オウンドメディア集客を成功させるためには、仮説検証のサイクルを回し続けることを意識しましょう。
仮説とは「こうすればうまくいくのでは?」という考えであり、検証とはこの考えが合っているかを確かめることです。例えば「質の高い記事を半年間、毎月15本公開すれば目に見える成果が出てくるのではないか」という仮説を立てて、実際に半年間毎月15本公開して検証します。
期待した結果であれば、継続すると良いでしょう。期待した結果でなければ、仮説が外れた原因を分析し、対策キーワードの選び方を変えたり、記事の書き方を変えるなどの新たな仮説を作ります。そして、さらに検証を行い、検証結果を見てまた新たな仮説を作り、検証…仮説立て…検証といったように仮説検証のサイクルを回し続けます。
最初に立てた仮説通りに全てうまくいくようなことは、ほとんどありません。「改善なくしてオウンドメディア集客の成功なし」と心得て、仮説検証のサイクルを回し続けることに注力しましょう。
オウンドメディアのKPI設定と達成にお悩みなら
オウンドメディアの集客を成功させるためには、最終目標であるKGIを設定し、KGIから逆算して中間目標のKPIを設定することが欠かせません。また、運用フェーズごとに適したKPIを設定する必要があり、設定にもいくつかのポイントがあります。
「SMARTの法則に沿ってKPIを設定すること」「KPIツリーを作成し、KPIを細かく分解して行動計画を立てやすくすること」などを意識し、設定したKPIを達成するために継続的に施策を打ちましょう。
オウンドメディア運用の中核は、「記事制作」です。KGIやKPIを達成するためには、オウンドメディアから質の高い記事を公開し続ける必要があります。株式会社シンプリックはWEBマーケティングに強い編集プロダクションであり、質の高い記事を各分野のプロが協力して制作します。記事制作やKPIの設定、KPI達成のために何に取り組むべきかという計画立てなどでお悩みの方は、ぜひ弊社までご相談ください。











