メディア内にある複数の記事を特定のトピックに沿ってわかりやすく整理したのが「まとめ記事」です。
各記事へのリンクが1つのページにまとまっている「まとめ記事」は、ユーザーの理解度を向上させるだけではなく、検索エンジンからの評価を高めるSEO対策としても効果があります。
そこで今回は、まとめ記事を活用するメリットから書き方のポイント、作成時の注意点まで詳しく解説します。
目次
まとめ記事とは
まとめ記事とは、特定のテーマやトピックに焦点を当てて内部リンクを集めたページのことで、「ピラーページ」とも呼ばれます。ピラー(pillar)とは、「支柱/大黒柱、中心人物」といった意味を持つ言葉ですので、まとめ記事はWebサイトの軸となる重要なページであることがイメージできるかと思います。
まとめ記事に対して各個別記事は「クラスターページ」とも呼ばれます。クラスター(cluster)とは、「塊/集団/房になる/群がる」といった意味です。ピラーページの中から関連するテーマのクラスターページへの内部リンクを複数貼ることによって、訪れたユーザーは興味を持った特定のトピックを深く掘り下げることができます。
まとめ記事は、
①まず主題に関する包括的な概要と基本的な情報を提供し、
②その後、より詳細なサブトピックや関連する個別記事に内部リンクを配置する
という構成にするのが一般的です。
具体例を挙げて解説します。例えば、テーマとなるトピックのキーワードが「SEO対策」の場合のまとめ記事の構成は、下記のようになります。
テーマとなるトピックに関連する情報を包括的に提供すれば、Webサイト全体の信頼性や専門性も高まります。「まとめ記事」はSEO対策の観点からも重要度が高いので、作成する価値は十分にあるでしょう。
まとめ記事を活用するメリット
まとめ記事には、主に次のようなメリットがあります。
- ユーザーの理解度が高まる
- ユーザー層が広がる
- SEO対策の強化につながる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ユーザーの理解度が高まる
ユーザーが特定のテーマやトピックをまとめた記事を読めば、関連する情報を包括的に整理・深堀りすることが可能です。
主題の全体像を把握したユーザーはWebサイト内で求める情報を見つけやすくなり、テーマやトピックに関する理解度が高まります。
ユーザー層が広がる
まとめ記事では、特定のテーマに関連する幅広いトピックや詳細な情報へのリンクをまとめて提供します。そのため、そのテーマに初めて触れる初心者からより深い洞察を求める上級者まで、幅広いユーザー層が持つニーズへの対応が可能です。
異なる興味や知識水準を持つユーザーを取り込めれば、コンバージョン率の向上にもつながるでしょう。
SEO対策の強化につながる
まとめ記事はSEO対策の強化にもつながります。その理由を詳しく見ていきましょう。
内部リンクが充実する
関連トピックや詳細情報への内部リンクを充実するため、ユーザーの利便性だけではなく、検索エンジンのクローラビリティも向上します。
自社のWebサイトがどんな情報を提供しているサイトなのか、各ページの相互関係がどんな構造になっているのかを検索エンジンに正しく理解してもらえれば、Webサイト全体の評価も高まりやすくなるでしょう。
滞在時間と回遊率が向上する
関連トピックへのリンクがまとめられた記事は、ひとつのテーマに対して様々な切り口からユーザーの興味関心を惹きつけます。そのためユーザーの滞在時間が伸びやすく、リンクをたどって複数のページを訪れる可能性も高まります。
検索エンジンは滞在時間と回遊率もWebサイトの評価基準としているため、SEO対策にも効果的です。
検索ボリュームの多いキーワードを狙える
検索ボリュームの多いキーワードを狙えるのも、まとめ記事のメリットです。
「SEO対策」などの単独キーワードは、検索回数が多いことに加えてユーザーが求めている情報が見えにくく、かつ競合サイトも非常に多いため、検索順位を上げるのは難しくなります。そのようなビッグキーワードに対して個別記事でSEO対策を行うのは難しいですが、まとめ記事は想定するユーザーや検索意図が広くなるので、ミドルキーワードやビッグキーワードも狙いやすいと言えます。
まとめ記事の書き方
まとめ記事の書き方は、下記のとおりです。
- キーワードを決める
- 本文の構成を考える
- 執筆する
- 内部リンクを貼る
- 公開後も定期的なメンテナンスをする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.キーワードを決める
まずは、焦点を当てるキーワードを決めます。まとめ記事で扱うキーワードは、検索ボリュームの多いものでも問題ありません。一例として、「SEOに関する個別記事」についてまとめたい場合の書き方を挙げて解説します。この場合は「SEO対策」をキーワードに選択してもいいでしょう。
「SEO対策」は検索ボリュームが約26,000のビッグキーワードですが、まとめ記事の目的は包括的な情報提供を行うことであるため、記事の包括性を満たすにはぴったりのキーワードであると考えられます。
もちろん、ただやみくもにビッグキーワードのまとめ記事を作ればいいわけではありません。まとめ記事のコンテンツ全体がテーマを網羅し、ユーザーが求める情報に適していなければいけませんので、個別記事にどのようなキーワードを設定するかという点も考えておく必要があります。まとめ記事のキーワードが「SEO対策」の場合、個別記事は下記のようなキーワードが考えられるでしょう。
seo対策とは
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seo対策 google
2.本文の構成を考える
まとめ記事の構成は、主題を包括的・論理的に整理することを意識して作成しましょう。
基本的な情報はしっかり解説しながらも、より具体的なニーズを満たすサブトピックを階層別にまとめたわかりやすい構成を心がけます。段落や見出しを使って整理すれば、ユーザーが情報を追いやすくなるだけでなく、ユーザー自身がまだ気づいていなかったニーズを自覚するきっかけも作れます。本文の構成が決まれば、リンクする個別記事も自然に決まります。
3.執筆する
キーワードと構成が決まったら本文を執筆します。初心者でも理解しやすいように丁寧な表現を心がけ、専門用語や難しい言葉には必要に応じて説明を添えましょう。まとめ記事の中では概要を簡潔に書き、詳細な情報や解説は個別記事に誘導するようにします。
なお、まとめ記事と個別記事は同時期に並行して作成するのが基本です。ただし、記事制作に割けるリソースに限りがある場合には、個別記事から先に作成することをおすすめします。
なぜなら、対策キーワードの難易度は個別記事のほうが低いケースが多いため、早期に検索上位の獲得ができる可能性が高いからです。ある程度の本数の個別記事を公開できた段階で、検索エンジンから評価を受けている個別記事へのリンクを集めたまとめ記事を執筆すれば、個別記事が全くない状態よりも検索エンジンの評価を受けやすくなるでしょう。
4.内部リンクを貼る
次に、まとめ記事のテーマに関連するトピックや詳細情報について解説した個別記事への内部リンクを追加します。
リンク先は5記事前後にしましょう。内部リンクが多すぎるとユーザーの混乱を招くので注意が必要です。逆に少なすぎると「まとめ」としては不足に感じられてしまいます。
内部リンクには適切でわかりやすいテキストを用いて、ユーザーにリンク先の記事でどんな情報が得られそうかを予測しやすくさせましょう。「詳しくはこちら」ではなく「SEO対策の方法を詳しく解説」のように書き、該当部をアンカーテキストにするのが基本です。
アンカーテキストを使うとユーザーの利便性が向上するだけではなく、検索エンジンのクローラビリティも高まります。
▶内部リンクの貼り方について詳しく知りたい方は、「内部リンクの効果的な貼り方とは?SEO効果を高める方法と注意点」もご覧ください。
5.公開後も定期的なメンテナンスをする
まとめ記事を公開してWebサイト上でアクセス可能にする際も、個別記事を公開する場合と同様、事前に文章の校正やリンクの動作確認を行い、ユーザーエクスペリエンスを損なわないようにしましょう。
また、一度公開したまとめ記事は、適宜見直しも必要です。「新しい個別記事の公開時」には、併せて「まとめ記事」もリライト(書き直し)や更新するべきところがないか確認すると良いでしょう。個別記事を公開するのと同時に関連するテーマのまとめ記事に内部リンクを追加すれば、まとめ記事の内容も新しくなり、情報の質も量も充実していきます。
このように、まとめ記事の公開後も必要に応じて更新や修正を行い、最新の情報を提供しましょう。特に個別記事を削除した場合には、まとめ記事の内部リンクも忘れずに削除します。リンク先が消失した「デッドリンク」が残っていると、検索エンジンからの評価が下がるので注意しましょう。
まとめ記事を書く際の注意点
まとめ記事を書く際には、次のようなポイントに注意する必要があります。
- 誇張や偏りをなくす
- 文章は短くする
- 独自の視点も追加する
- 内容の正確性を確認する
- コメントやフィードバックを呼びかける
- SNSで共有する
- 自社対応が難しい場合は専門業者に依頼する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
誇張や偏りをなくす
ユーザーに正確な情報を提供するために誇張や偏りを避けましょう。誇張や偏りのある記事はユーザーの信頼を失い、検索エンジンからも低く評価されます。SEO対策において信頼性と客観性は大変重要です。
データと各種情報は信頼性のあるソースから取得しましょう。記事の作成者が客観的な視点を保てなければ誇張や偏りはなくなりません。記事を読んだユーザーも客観的な判断ができなくなってしまいます。
文章は短くする
情報を簡潔にわかりやすく伝えるために、冗長な表現は避けて短い文章を意識しましょう。各見出しの概要は400~500文字にまとめるのが理想です。
ある程度しっかり書く必要はありますが、長文になると個別記事と同等の情報量になってしまいます。「まとめ記事」では個別記事にどんなことが書いてあるのかを紹介する導入が伝われば十分です。具体的な内容や詳しい解説は個別記事を読んでいただければ良いということを忘れないようにしましょう。
独自の視点も追加する
独自の視点や意見を加えて他サイトとの差別化を図りましょう。独自の視点は新鮮で興味深い情報の提供にもつながり、Webサイトの存在意義を高めます。
作成者の専門性や経験も強調でき、信頼性の高い情報源であることも示せるでしょう。ただし、事実と異なる内容はNGです。
独自の視点を追加する際には、正確で客観的な事実も適切に含めましょう。内容のバランスを保てれば、独自性が高く包括的な情報を提供できるようになります。
内容の正確性を確認する
情報の正確性は大変重要です。信頼性のあるソースからの情報を引用し、確認された事実に基づいてユーザーに正確な知識を提供します。
統計やデータを使用する場合は、それが最新であることも確認しましょう。情報が変化しやすいトピックは、定期的に最新情報をチェックすることも大切です。
コメントやフィードバックを呼びかける
ユーザーとのコミュニケーションを促進するために、コメントやフィードバックも歓迎しましょう。ユーザーからの要望や意見は、コンテンツの適切なアップデートに欠かせません。
積極的なコミュニケーションを図れば、ユーザーの興味関心度を高められます。コンテンツに対するさまざまな視点も得られるでしょう。
ただし、Webサイトの健全な運営のために、不適切なコメントやスパムに対処する体制を整えておく必要があります。コメントやフィードバックには丁寧な対応を心がけましょう。適切な形で質問や疑義に応じることで、ユーザーとの長期的な信頼関係を築けます。
SNSで共有する
情報を広く共有するためにSNSを活用しましょう。SNSでの共有は、Webサイトの知名度とユーザー層の拡大につながる効果的な手段です。
ユーザーのフォロワーや友人とのインタラクションを通じて、コンテンツに関するフィードバックやコメントが得られる可能性も高まります。
SNSに投稿する際には適切なキャッチコピーや要約をつけて、ユーザーを引き込めるようにしましょう。
自社対応が難しい場合は専門業者に依頼する
まとめ記事の作成が難しい場合や、自社内に専門的な知識がないときは、専門業者への依頼も検討しましょう。専門業者は豊富な経験と知識を持っているため、まとめ記事の作成に関する効果的な戦略を構築できます。
最新の動向やアルゴリズムの変更にもスピーディーな対応が可能です。効果的なキーワードの選定やコンテンツの最適化も行ってくれるため、マーケティング戦略を継続的に向上させられます。
自社で専門的な作業を継続するには多くのリソースが必要です。しかし、専門業者に依頼すれば、自社のリソースを節約してコア業務に回せます。
まとめ記事の書き方をマスターして情報を効果的に伝えよう
まとめの書き方をマスターすれば、WebサイトのSEO対策にも役立ちます。
適切なキーワード選定や信頼性の高い情報の提供、わかりやすい構成と内部リンクなどを意識しながら、ユーザーの理解を深める質の高いまとめ記事を作成しましょう。
自社での対応が難しい場合は、専門業者への外注を検討してみるのもひとつの方法です。専門業者に依頼すれば、自社内に知見がなくてもSEOの効果が高いまとめ記事を作成できます。
まとめ記事の書き方で悩んでいる方は、ぜひ一度コンテンツSEOの経験と実績豊富な弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。