Webサイトを活用してビジネスを成功させるには、狙ったキーワードで検索結果に上位表示させるためのSEO対策が欠かせません。しかし、多くの企業はTOPページのSEO対策に注力しがちで、下層ページの重要性を見落としています。
SEO対策において下層ページの重要度は高く、潜在顧客やユーザーからのトラフィックを向上させるためにも無視できない施策です。
そこで今回は、下層ページに必要なSEO対策や、意図していないページが検索上位に表示されてしまう原因とその対策などについて詳しく解説します。
目次
下層ページのSEO対策が重要な理由
なぜ下層ページのSEO対策が重要なのか、まずはWebサイトの構造から確認していきましょう。
ほとんどのWebサイトでは、TOPページには「このサイトはどんな内容なのか」という概要がわかるよう、キャッチコピーや最新コンテンツの紹介、各種カテゴリーへのリンクボタンなどが載っています。
そして下層ページには、TOPページに掲載した内容をより深堀りする「情報や製品・サービスの詳細な説明」や「特定のトピックに焦点を当てたコンテンツ」「会社概要」「お問い合わせ」といった自社ビジネスに直結する詳細情報を載せているケースが多いでしょう。
言い換えれば、TOPページから流入したユーザーがコンバージョンに近い下層ページにたどり着くまでには、数回のクリックが必要なのです。
となると、TOPページのSEO対策を強化するよりも、より少ないアクションでコンバージョンに導ける下層ページのSEO対策を強化したほうが、ビジネスを成長させられるのです。
下層ページのSEO対策で狙えること
では実際に下層ページのSEO対策を強化した場合、どんな効果が狙えるのかを確認していきましょう。
- ユーザーニーズに合致するコンテンツを使った検索順位の向上
- ロングテールキーワードへの対応とコンバージョン率の向上
- 内部リンクの構築による回遊率の向上
それぞれ詳しく見ていきます。
ユーザーニーズに合致するコンテンツを使った検索順位の向上
下層ページでは、複数のコンテンツをテーマ別に分けてカテゴリーを作ることもできます。ユーザーニーズに合わせたコンテンツを様々な切り口で掲載することによって、Webサイト全体が信頼性の高い情報源と認識されるようになります。
近年の検索エンジンのアルゴリズムは、専門性が高く包括的な情報を提供するサイトを高く評価するため、サイト内に複数存在する各下層ページが充実していれば、Webサイト全体の品質向上につながるのです。
TOPページに記載できる内容は限られますが、下層ページの場合は「各ページ1トピック」で専門性の高いコンテンツを必要に応じていくらでも作成できます。
ロングテールキーワードへの対応とコンバージョン率の向上
下層ページでロングテールキーワードに対応すれば、ユーザーの細かいニーズに応えられます。検索ボリュームの多い「ビッグキーワード」に比べるとロングテールキーワードのほうが成約確度も高いため、コンバージョン率を上げることも可能です。
例えば、「デジタルカメラ」のようなビッグキーワードはTOPページで対応するのが一般的です。このようなキーワードでは、ユーザーの細かいニーズに対応しきれないからです。
一方、「デジタル 一眼レフカメラ 比較」や「デジタルカメラ 初心者 選び方」のような複数の単語を組み合わせたロングテールキーワードは、「買うならどのデジタル一眼レフカメラがいいだろうか」「初心者でも扱いやすいデジタルカメラが欲しい」といったユーザーごとの細かいニーズに対応することができるため、「製品購入」というコンバージョンにつながりやすくなります。
ロングテールキーワードは、検索ボリュームこそ多くありませんが、トピックに特化した各下層ページでユーザーのニーズに応えるコンテンツを用意すれば、Webサイト全体の評価向上も期待できます。
▶SEO対策を行う際のキーワードの選び方については、「検索ボリュームの少ないキーワードでSEO対策をするべきか?」の記事も参考にしてみてください。
内部リンクの構築による回遊率の向上
内部リンクは、ひとつのページから他の関連ページへスムーズに移動できるようにするための重要な戦略です。
下層ページが増えるとサイト内に内容が関連しているページも増えてきますので、内部リンクを設定して、ユーザーが関連記事を参照しやすいように導線を作りましょう。そうすることで「知りたい内容とちょっと違った」という場合にも、Webサイトを離脱することなく関連記事を読んでもらいやすくなり、多様なユーザーニーズに応えられるようになります。
また、適切な内部リンクを設定すると、Webサイト内の滞在時間や回遊率も改善します。結果的に検索エンジンからの評価も高まりやすくなりますので、ユーザーが知りたい情報にアクセスしやすいような内部リンクの構築は大変重要です。
検索結果で意図していないページが上位に表示される理由と対処法
このように、下層ページでSEO対策を行うメリットはたくさんありますが、一方で、意図しないページが検索上位に表示されてしまうこともあります。そういった場合には、下記のような対策で改善が期待できます。
- 内部リンクを再検討する
- キーワードの比率を見直す
- 被リンクを調整する
- 301リダイレクトを活用する
- パンくずリストを作成する
- 画像のaltタグを調整する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
内部リンクを再検討する
各ページの関連性を強化して、意図するページを上位に表示させましょう。同じテーマやトピックに関するページへの内部リンクは積極的に設定します。
内部リンクを適切に設定することで、各ページの関連性が強まり、検索エンジンにWebサイトの階層と構造を理解してもらいやすくなります。
アンカーテキストにリンク先ページの内容を的確に表現するフレーズを含めれば、検索エンジンも適切に理解できるようになります。対策キーワードも必ず含めるようにしましょう。
なお、Googleはページの重要度を判断する際に内部リンク情報も活用しています。アンカーテキストで各ページの主従関係を明確にすれば、重要なページを検索エンジンに理解させることも可能です。
キーワードの比率を見直す
検索エンジンがページのテーマと内容を正確に理解できるように、出現するキーワードの比率を調整しましょう。コンテンツ内のキーワード比率が高すぎると、意図していないページが上位に表示されることがあります。
キーワードのカニバリゼーション(自社内のコンテンツ同士が競合し、シェアを食い合ってしまうこと)が起きている場合は特に注意が必要です。コンバージョン率の低い記事のほうが上位に表示されていると売上の機会を逃す恐れもあります。
カニバリで意図しない上位表示が起きる原因は、次の3項目に対策キーワードが含まれているためであることが多いです。
- タイトル
- メタディスクリプション
- 見出しタグ
意図せず上位表示されているページがある場合は、上記の3つからキーワードを抜きましょう。手順は簡単ですが、これだけで問題が解消するケースは少なくありません。
被リンクを調整する
被リンクの質や量が不適切な場合にも、意図しないページが上位に表示されることがあります。不適切な被リンクがある場合は、Webマスターツールや連絡フォームを利用してリンクの削除を要請しましょう。
Googleの「リンク否認ツール」でも意図しない被リンクを無効化できます。手順は次のとおりです。
1.否認したい被リンク元のドメインまたはURLをテキストの各行にまとめる。
2.テキストファイルを「リンク否認ツール」にアップロードする。
ただし、信頼性の高いサイトからのリンク否認は、Webサイト全体の評価を下げる恐れがあります。被リンクを調整する場合は、必ずリンク元を目視で確認し、ページの信頼性を慎重に検討した上で対応しましょう。
301リダイレクトを活用する
ある特定のページを訪れたユーザーを、別の新たなページに転送する方法も役立ちます。上位表示させたくないページにコードを埋め込むことで、より重要なページへリダイレクトをかける方法です。また301リダイレクトはページの評価を80%前後引き継げるとされていますので、意図していないとはいえ「自社サイトの特定のページが上位表示されている」というメリットを新しいページにも一部反映でき、現状の改善が目指せます。
301リダイレクトをする際には「.htaccessファイル」にコードを記述してサーバーにアップします。ページ単位でリダイレクトする際の記述例は下記のとおりです。
▼例:「https://www.〇〇〇.com/aaa/ 」から 「https://www.〇〇〇.com/bbb/」 にリダイレクトする場合
RewriteEngine on
RewriteRule ^aaa/$ https://www.〇〇〇.com/bbb/ [R=301,L]
なお、上位表示させたくないページにSEO的な価値がない場合は、404削除でも問題ありません。
パンくずリストを作成する
パンくずリストは、Webサイトの階層をリスト化したナビゲーション表示のことです。パンくずリストによって、ユーザーや検索エンジンが正確なコンテキストを把握しやすくなります。
なお、階層が複雑なWebサイトは、検索エンジンのクロールを阻害する恐れがあるので注意が必要です。クローラーが発見できなかったページはインデックスされず、検索結果に表示されません。
Webサイトを構築する際は、クローラーが構造を理解しやすくなるように、カテゴリーページへ内部リンクが集まる「ピラミッド型」を採用しましょう。
ピラミッド型のパンくずリストはシンプルになるため、ユーザーも目的のページにアクセスしやすくなります。
画像のaltタグを調整する
画像のaltタグを適切に調整すれば、検索エンジンがページの内容を理解しやすくなり、上位表示させたいページの評価が上がる可能性があります。
画像のaltタグには、ページのテーマとキーワードを組み込むのが原則です。ただし、キーワードの多用は避けましょう。
例えば、先ほどの解説に載せたこの図解には、次のようなaltタグを記載すると良いでしょう。
<img src=”image.jpg” alt=”下層ページはピラミッド型にするとSEOに効果的”>
SEO対策は下層ページで検索上位を狙う
検索結果の順位とコンバージョン率を上げるには、TOPページよりも特定のトピックに焦点を当てた下層ページの拡充が必要です。
「〇〇株式会社」のような指名検索で自社のTOPページが上位表示されないのは問題ですが、そうでない場合、TOPページの順位は気にしなくても構いません。
その理由を詳しく見ていきましょう。
TOPページは検索順位を上げづらい
自社のビジネス領域を端的に表現するため、TOPページに競合度が高いキーワードを充てている企業は少なくありません。ただそうなると、Web上での競争が激化している近年ではTOPページの検索順位を上げるのは困難で、他の競合相手との差別化も難しくなりがちです。
一方、下層ページは特定のトピックやキーワードにフォーカスできるため、具体的かつ専門的な情報を提供できます。
このような専門性は検索エンジンのアルゴリズムに対して好意的に働き、検索順位の向上が期待できます。
TOPページはアクセス数が少ない
実は企業のTOPページは、コンバージョンにつながるアクセスがほとんどありません。コンバージョンの8割前後は下層ページからのアクセスで発生していると言われています。
そのため、特定のトピックやキーワードに焦点を当てた下層ページの充実を図り、関心度の高いユーザーが直接アクセスできるようにするほうが得策です。
例えば、「SEO対策を行いたい。でも、どうやって対策すればいいかわからない」という企業担当者は、おそらく「SEO 対策」といったキーワードで検索をするでしょう。まだSEO対策を始めたことがなく、SEO対策を外注するという選択肢も浮かんでいないユーザーが「シンプリック SEO 対策」というように社名とセットで検索することはまずあり得ないはずです。
このように「SEO 対策」と「シンプリック SEO 対策」のユーザーニーズは全く異なります。新規顧客を獲得してビジネスの成長につなげるために重要なのは、「SEO対策を成功させたい」というユーザーニーズに対応した下層ページを上位表示させることなのです。
SEOは下層ページも含むサイト全体に対策をしよう
SEO対策でもっとも重要なのは、特定のトピックに焦点を絞った下層ページを充実させることです。企業の指名検索でTOPページが上位に表示されるのであれば、TOPページのSEO対策は必要ありません。
検索ボリュームの多いキーワードでTOPページの上位表示を狙うのは非効率的です。コンバージョン率を高めるためにも、ユーザーの細かいニーズに応えられる下層ページの拡充を図りましょう。
「下層ページのSEO対策を充実させるのが大事なことはわかったが、自社で対応できる人材がいない」といった場合には、ぜひ一度弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様にとっての最善策についてご説明させていただきます。
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