全国に約26万店舗ある美容室。コンビニエンスストアが約6万店舗あるのと比較しても、その数の多さが際立ちます。
ライバルの多い美容室経営で成功するためには、オンラインでのマーケティング戦略も非常に重要です。
今やユーザーは検索エンジンを活用して美容室を検索し、Webサイトを通じてサービスや評判を確認するのが一般的になりました。そのため美容室のコンテンツもSEO対策が欠かせなくなっています。
そこで本記事では、美容業界のSEO対策や戦略などについて詳しく解説していきます。自社での対応が難しい場合の解決策も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「そもそもSEOについてあまり理解できていない」というは、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
目次
美容室経営でSEO対策が重要な理由
美容室のSEO対策が重要な理由は次の4つです。
- オンライン予約や問い合わせを促進できる
- 信頼性を高められる
- ユーザー行動の変化に対応できる
- 競合と差別化できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
オンライン予約や問い合わせを促進できる
SEO(Search Engine Optimization、検索エンジン最適化)対策とは、Web検索された際に自社のWebサイトを検索結果の上位に表示させやすくするための施策です。自社サイトが検索結果の上位に表示されれば必然的にユーザーの目に触れる機会が増えるため、オンライン予約や問い合わせの促進につながります。
ユーザーにとっては手軽に予約できるという利便性があり、美容室側も効率的な予約管理が実現するため、双方に大きなメリットがあります。顧客とのコミュニケーションも強化され、ビジネスの成長にもつながるでしょう。
ホットペッパービューティーのようなポータルサイトを利用しても予約や問い合わせを増やすことはできますが、掲載には継続的な費用料が発生してしまいます。
しかし検索結果の上位表示には掲載料がかかりません。質の高いコンテンツを作成してGoogleからの評価が得られれば、ランニングコストをかけず半永久的な集客効果が狙えます。
信頼性を高められる
自社サイトを検索結果の上位に表示させるには、Googleから評価されることが重要です。言い換えれば、上位表記されている記事はGoogleからお墨付きをもらっている質の高い記事ということです。ほとんどの場合、ユーザーは検索上位に載っている記事に対して強い信頼を感じますし、上位の記事ほどよくクリックされます。
最近ではネット広告に嫌悪感を示すユーザーも多いため、自然検索結果での上位表示は以前にも増して重視されていると考えていいでしょう。
Webサイトで専門的な情報を提供すれば、訪れたユーザーに実績やサービスに対する信頼感も与えられます。
ユーザー行動の変化に対応できる
多くのユーザーがネットの検索を主流としている近年では、美容室もWeb上での存在感を出してユーザーの関心を引く機会を増やさなければいけません。
GoogleやYahooなどの検索エンジンは、特定のキーワードやフレーズを入力するだけで近くの美容室や特定のサービスを見つけられます。美容室を検索する際は「〇〇駅 美容室」や「ヘアカット 安い」などのキーワードで店舗を選択するのが一般的です。
美容室のSEO対策では、このようなユーザーのニーズに沿ったキーワードに焦点を当ててSEO対策をすることによって、集客がしやすくなります。
競合と差別化できる
SEO対策をすれば美容室の特徴やサービスが検索結果で際立ち、競合する美容室と差別化が図れます。検索結果で上位に表示されるだけでもユーザーの目につく機会は各段に増えるため、競合に比べて存在感が高まるのは間違いありません。
地元ユーザーが美容室を選ぶ際に役立つ情報を提供して差別化を図ることも可能です。美容室は基本的に地域密着型のビジネスであるため、地元のユーザーに対するアプローチは大変重要になります。
美容室がSEO対策を進める手順
美容室がSEO対策を進める手順は次のとおりです。
- ターゲット層を決める
- キーワードをリサーチする
- コンテンツを作成する
- ローカルSEO対策を強化する
- モバイルフレンドリーに対応する
- SNSと連携する
- 成果の分析と改善を行う
それぞれ詳しく見ていきます。
手順1.ターゲット層を決める
まずはターゲットにするユーザー層を明確にしましょう。20代向けか、シニア向けか、ビジネスパーソン向けかなど、メインとなるターゲットを決めることで、そのユーザーが求めるであろう情報を想定しやすくなります。「どんなコンテンツを用意すれば集客につながるのか」を決める上で欠かせないステップですので、しっかりと検討しましょう。
▶ターゲットを決める際にはペルソナ設定も重要!「ペルソナの書き方をマスター!実例と活用方法で理解を深める」
手順2.キーワードをリサーチする
ターゲットにするユーザー層を明確にしたら、そのユーザーが使用すると思われるワードや検索クエリを洗い出します。年齢層や地域、特定のニーズに焦点を当てるとリサーチしやすくなるでしょう。競合他社が使用しているキーワードも分析しておきます。
キーワードをリサーチする際には「Google キーワード プランナー」の活用がおすすめです。関連するキーワードや検索ボリュームを簡単に調査でき、自社に適したキーワードを迅速に見つけられます。
ただし、コンテンツ開設当初から競合性の高いキーワードを選んでも上位表示は難しいでしょう。最初は一単語のみのキーワードでなく、具体的なキーワードを複数個掛け合わせたロングテールキーワードから取り組むと効果的です。
予約につながるキーワードを選ぶことも大切です。
「池袋 美容室 パーマ」
「池袋 美容室 女性スタッフ」
「池袋 美容室 20代」
「美容室 くせ毛 改善」
上記のようなキーワードは「地域」「ターゲット」「ユーザーの悩み」などに対するニーズを含んでいるため、知りたい情報に応えるコンテンツを用意することで、予約や問い合わせにもつながりやすくなります。
▲キーワードプランナーでは、月間平均検索ボリュームや競合性もチェックできます。
手順3.コンテンツを作成する
美容室のコンテンツを作成する際には、ユーザーが店舗を検討しやすいよう、必要な情報をしっかり提供することが大切です。下記のようなコンテンツは必須と考えてください。
・料金表
・メニュー表
・店舗の情報
・店舗の写真
・スタッフ紹介
・アクセス情報
・Q&A
・ブログ
これらの情報を伝える際は、視覚的な要素も充実させたいところです。ビフォーアフターの写真や美容室の雰囲気を伝える動画などを充実させれば、ユーザーの興味を引きやすくなります。ヘアケアのヒント、スタイリングのアドバイス、トレンドの解説など、美容室ならではの専門性の高い情報も載せるようにすると、より多くのトラフィック(Webサイトへの流入)を増やせるようになるでしょう。
質の高いコンテンツの作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
SEOライティング基礎 | 初心者が最高の一記事を作り上げるために
手順4.ローカルSEO対策を強化する
美容室は基本的に地域密着型のビジネスであるため、地域名や周辺エリア名を含めたローカルSEO(地方SEO)対策をする必要があります。
Googleマップや検索結果に店舗情報を表示できる「Google ビジネス プロフィール」への登録も行いましょう。特にマップは上部に表示されるので目立ちます。
地図枠に自店を表示させるために、Googleビジネスプロフィールの情報は充実させましょう。口コミの投稿件数や評価も表示順位に影響するので、ユーザーに口コミを促して返信することも大切です。
▶地方SEOの進め方をゼロから解説:「地方SEOで地元ビジネスを成長させる方法とは?」
手順5.モバイルフレンドリーに対応する
モバイルデバイスの普及している近年では、美容室のWebサイトもモバイルフレンドリーに対応させる必要があります。
スマートフォンやタブレットでも適切に表示されるレスポンシブデザインを導入して、ユーザーが快適に閲覧できるようにしましょう。各デバイスに最適化されたWebサイトは検索エンジンからも高く評価されます。
画像の最適化や不要なスクリプトの削除も行い、ページの読み込み速度も向上させましょう。モバイルユーザーは迅速な情報取得を期待しているため、読み込み速度が遅いと離脱してしまう可能性が高まります。
またモバイルデバイスは画面サイズが小さいため、シンプルで分かりやすいナビゲーションを採用しましょう。ボタンやリンクなどのクリック可能な要素は適切なサイズに設定します。予約ページにアクセスしやすい直感的な構成を意識することも大切です。
情報を素早くスキャンできるように、短い段落や見出しの活用、要点を強調するビジュアル要素なども導入しましょう。
▶SEO対策で欠かせないモバイルフレンドリーについて解説:「モバイルファーストインデックス(MFI)とは?SEOへの影響と注意点」
手順6.SNSと連携する
SNSの活用はオンラインでの存在感を高め、ユーザーとのコミュニケーションを強化するために欠かせません。ブランドを確立して新たなユーザーを引き付けるためのツールにもなります。
SNSと連携する際は、美容室の特性に合ったプラットフォームを選択しましょう。ヘアスタイルやトレンドをシェアしたいなら、視覚的に魅力をアピールできるInstagramやPinterestなどが適しています。TikTokやYouTubeショートなどの短尺動画で施術前と施術後の変化を見せるのも効果的でしょう。
様々なヘアスタイルの写真や施術風景などをシェアすれば、美容室の技術や雰囲気も伝わります。限定キャンペーンや割引情報などもシェアして、新規ユーザーの獲得も目指しましょう。
手順7.成果の分析と改善を行う
コンテンツの公開後は「Google Analytics」などのツールを導入してデータを分析します。トラフィック(Webサイトへの流入)、ページビュー(ページが見られた数)、コンバージョン(問合せ、来店予約などの目標の達成)などの数値や目標達成率をしっかりと確認しましょう。
「Google Search Console」を活用すれば、検索結果におけるパフォーマンスもチェックできます。検索クエリごとのインプレッション、クリック数、平均順位などのデータは欠かさず把握しておきましょう。
成果の出ていないキーワードや競争が激しいキーワードがある場合は見直しを行い、新たな戦略を検討します。各データは定期的に評価し、課題や機会を見つけるためのサイクルを確立しましょう。
コンテンツSEOを行っている美容室の事例
コンテンツを集客に活かしている美容師・美容室の事例を2つご紹介します(いずれも2023年11月時点の順位)。
▼美容師プロフェッショナルチーム「SENJYUチーム」のホームページより
「地毛活」で検索した際に2位に表示されているのが美容師プロフェッショナルチーム「SENJYUチーム」の記事です。
テキストコンテンツの他にも動画やマンガを活用するなど、コンテンツマーケティングに力を入れ競合との差別化を図っています。Instagramアカウント(senjyuプロフェッショナルチーム (@honmono.mtkg) )での情報発信も行っており、新規顧客の獲得と既存顧客のエンゲージメント向上の両面から集客を図っていることがうかがえます。
▼山口県の美容室「QUATTRO annex(クアトロ アネックス)」のホームページより
「触覚ヘア」で検索した際に検索結果1ページ目に表示されたのは、山口県の美容室「QUATTRO annex(クアトロ アネックス)」さんの記事です。「触覚ヘア」はヘアスタイルを指すキーワードのため、どんな髪型かを見せるための画像やスタイリングHowToを紹介する動画、またヘアスタイルのオーダーメニューに関わることから大手ポータルサイトやキュレーションサイトなどが検索結果の上位を占める中、美容室としてはトップの順位でした。丁寧なコンテンツ作りをすれば、上位表示も可能だということを示す好例です。
美容室のSEO対策が難しい場合は外注もおすすめ
SEO対策が難しい場合は、外部のSEO専門会社に依頼するのもひとつの選択肢となります。
検索エンジンのアルゴリズムは常に変化しているため、最新の知識やベストプラクティスを維持するのは本業と平行しながらではなかなか難しいでしょう。しかし、SEOの専門会社であれば、最新のトレンドやアルゴリズムの変更にも迅速に対応できます。
適切なキーワードの選定やコンテンツの最適化、リンク構築などの要素を合わせて包括的なSEO戦略を展開できるのも魅力です。
美容室経営でSEO対策を外注するメリット
具体的に美容室のSEO対策を外注する主なメリットは次の4つです。
- 専門知識を活用できる
- 継続的なモニタリングとGoogleアップデートへの対応ができる
- 美容室経営のリソースを節約できる
- 成果指標を的確に把握できる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
専門知識を活用できる
SEOの専門会社は各分野の専門的な知識をもっているため、効果の高い現実的な施策を把握しています。
美容室のSEOは、基本となるキーワードの選定やWebサイトの最適化に加え、地域性や業界のトレンドにキャッチアップした上で網羅的な戦略を策定をしなければいけません。そのため、自社でのSEO対策に限界があるケースも多く見られます。
そのようなときに外注を活用すれば、効果的で戦略的なアプローチが実現します。
継続的なモニタリングとGoogleアップデートへの対応ができる
検索上位に表示されるためには、Googleに評価される必要があります。しかし検索エンジンのアルゴリズムは不定期に更新され、新たなトレンドやテクノロジーも頻繁に登場します。SEO対策を成功させるためには、最新の情報にも迅速に対応をしなければいけません。このような作業を美容室の経営と同時に行うのは困難です。
SEO専門会社に依頼すれば、定期的なモニタリングと検索エンジンアップデートへの迅速な対応も可能です。Webサイトを最適化させて検索結果のランキング向上を目指すなら、初めから外注を活用したほうが効率的でしょう。
美容室経営のリソースを節約できる
SEO対策のためだけに専門的なスキルと知識を持ったスタッフを雇用するのは現実的ではありません。オーナーが美容室の経営とSEO対策を両立させるのも限界があるでしょう。
そのような場合に外注を活用すれば、リソースを節約してスタッフの施術スキルの向上やヘアコンテストへの出場、ヘアケアイベントへの出展など、本来の重要な業務に集中できます。外注にはコストが発生しますが、中長期的な視点で考えれば費用対効果は高くなるケースがほとんどです。
成果指標を的確に把握できる
SEOの専門会社は、「Google Analytics」や「Google Search Console」」といった効果測定のための専用ツールを使用してWebサイトのパフォーマンスを定量的・定性的に評価します。
専門的な知見を駆使した指標と戦略の的確な評価も可能です。透明性のあるレポートも提出してくれるので、外注にかけた投資の効果を客観的に判断でき、無駄なコストをカットしたり、別の施策に予算をかけたりもしやすい点が魅力です。
美容室のSEOを成功させるには外部委託も検討してみよう
美容室のSEOでは、キーワードリサーチや質の高いコンテンツの制作、SNSの活用など、様々な対策が求められます。
自社での対応も可能ですが、費やす時間と労力を考慮すれば、初めから外注したほうが効率的になるケースは少なくありません。期待していた効果も得られやすくなります。
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