流入キーワードを知ることで、どのようなキーワードで評価を得ているか、得ていないかが分かります。
そして、流入数の増加やWebサイトの改善策考案に活用できます。流入キーワードの調べ方をおさえて、検索順位の向上やアクセスアップにつなげていきたいものです。
本記事では、ツールを使った流入キーワードの調べ方やデータの検証方法などを解説していきます。
流入キーワードとは?
流入キーワードとは、Webサイトを訪れたユーザーが検索エンジンで実際に検索したクエリ(実際に検索窓で検索したキーワード)を指します。たとえば、Googleで「SEO 対策」と検索したユーザーが検索結果であなたが運営するWebサイトを選びクリックしたときの流入キーワードは「SEO 対策」になります。
流入キーワードを調べれば、狙ったキーワードで検索上位を獲得できているか確認することができます。
流入キーワードが分かると何ができるか
流入キーワードが分かれば、以下2つのことができます。
1.関連性が高いと見なされているキーワードが分かる→強みにフォーカスできる
どのWebサイトにも評価を受けているキーワード群とそうではないものがあります。Webサイトの開設から時間があまり経っていない場合やSEO対策に取り組み始めたばかりのときは、”選択と集中”、つまり強みにフォーカスしたほうが効率が良いです。評価を受けている軸キーワードを見定め、軸キーワードに1語や2語を掛け合わせたキーワードを選び、記事コンテンツを用意していきましょう。
2.予想外にアクセスを集めているキーワードが見つかる→新たなキーワード候補を検討できる
Web担当者の方は、Googleのキーワードツールなど各種SEOツールで各キーワードの需要(検索回数)を調べ、対策キーワードをしぼり込んでいらっしゃるかと思います。とはいえ、事前にすべてのキーワードを調べきることはできません。流入キーワードを調べることで、予想外に集客に貢献しているキーワードが見つかることも多いです。そのようなキーワードに注目し、周辺キーワードを調べ、対策キーワードを増やすことがアクセスアップやコンバージョン獲得につながるケースがあります。他社が気付いていない”お宝キーワード”を発掘し、顧客やリードの獲得を目指しましょう。
無料ツールを使った流入キーワードの調べ方
流入キーワードを調べる際には、無料ツールの「サーチコンソール」と「Googleアナリティクス(GA4)」が便利です。調べ方を詳しく見ていきましょう。
1.サーチコンソールでの確認方法
サーチコンソールを使って流入キーワードを調べるときには、ログイン後に「検索パフォーマンス」を選択します。
この画面では、「クエリ(流入キーワード)」、「クリック数(検索結果でクリックされた回数)」、「表示回数(検索結果に表示された回数)」、「CTR(クリック率)」、「掲載順位」を確認できます。検索上位を狙ったキーワードが表示・クリックされているかを確認しながら、どのようなキーワードで流入しているかチェックしておきましょう。
2.Googleアナリティクス(GA4)での確認方法
Googleアナリティクス(GA4)を使って流入キーワードを調べる手順は、下記のとおりです。
1.レポート画面の下部の「ライブラリ」をクリックします。
2.「新しいコレクションを作成」をクリックします。
3.「Search Console」をクリックします。
4.「保存」して「戻る」をクリックします。
5.「Search Console」のコレクションを「公開」に変更します。
6.左メニューで「Search Console」→「クエリ」の順にクリックすると検索クエリが表示されます。
流入キーワードのチェックポイント
流入キーワードのチェックでは、検索順位、クリック率、コンバージョン率が重要になります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
どのキーワードの検索順位が高いか
たとえば「検索キーワード 設定」で上位表示を目指している場合、掲載上位に「検索キーワード 設定」があり、クリック数が多ければ、狙ったキーワードで検索流入を獲得できていることになります。
検索結果の上位に表示されているにもかかわらずクリック数が少ないときは、まず以下の2点を改善します。変更後は、CTR(クリック率)が改善されるか、一定期間(1ヶ月間)検証しましょう。
- 記事タイトル:検索クエリが含まれた興味を持てるタイトルになっているか
- メタディスクリプション(検索結果に表示される説明文):検索ニーズを満たした説明ができているか
上位表示されていないキーワードは、その原因を探ったうえで対策を考えます。狙っているキーワードの難易度が高すぎる場合は、キーワードを変更して記事内容を見直す必要があります。キーワードの難易度の目安は、競合ページ数の調査で把握できます。
※競合ページ数を元にしたキーワード難易度の調べ方は以下の記事を参考にしてください。
SEOにおけるキーワード難易度を数値で整理し狙い目キーワードを選定する方法とは?
自社のサイトパワーでも上位が狙えるのに上位表示できていないキーワードでは、記事内容に不足がないか、上位表示を実現している競合ページと比較します。記事内容に不足があるときは、加筆やリライトをしてコンテンツの質を高めましょう。
どのキーワードのクリック率が高いか(低いか)
掲載順位とともに注目したいのがクリック率(CTR)です。キーワードにもよりますが、クリック率が3%以上ならいったんは合格と考えます。
クリック率が1%以下の場合は、以下の点を検証します。
- 記事タイトル・メタディスクリプションは、検索意図(検索ユーザーの知りたいこと)を満たしたキャッチーかつクリックを促すものか
- 記事が視覚的に読みにくくないか、文章が難解で読み進めにくくないか
CTRの改善は、難易度の高いキーワードでの上位表示よりも優先順位の高いアクションです。検索流入数を増やすためにも、サーチコンソールでCTRが一定以下のページを特定し、改善策を検討していきましょう。
具体的には「Search Analytics for Sheets」でサーチコンソールの全量データを抽出し、想定クリック率を算出したうえで改善箇所を特定するといった方法が考えられます。
どのキーワードがコンバージョンにつながっているか(いないか)
流入キーワードを確認すれば、コンバージョンを獲得できていない原因を発見できる可能性があります。キーワードには、コンバージョンに結びつきやすいキーワードとそうでないものがあります。
「ノートパソコン おすすめ」「MAツール 見積」などのDoクエリ(Goクエリ)は、購入や問合せというアクションに近いキーワードのため、検索上位を実現すればコンバージョン獲得が見込めます。逆に「ノートパソコン 掃除方法」「MAツールとは」などのKnowクエリは、検索ユーザーが特定の情報のみを求めており、購入などのアクションとは遠いため、検索上位を実現したとしてもコンバージョンにつながるとは限りません。
このようにキーワードそのものがずれていれば、コンバージョン率は下がります。このようなときは、対策キーワードそのものを再考してください。
一般的なキーワード選定の方法は以下の記事で詳しく解説しています。Doクエリ・Knowクエリのサンプルも紹介しています。
コンバージョン獲得のために なぜ“検索需要の少ない”キーワードに注力すべきなのか
コンバージョン率の低さがキーワードに起因していないケースも少なくありません。アクセス数の多さがコンバージョンに結び付いていない場合は、「Webサイトの構造」と「入力フォーム」の改善に注力しましょう。
改善方法は以下のとおりです。
1.導線の修正
コンバージョンしたユーザーの遷移や離脱ポイントをGoogleアナリティクスで確認すれば、コンバージョン率が低い原因を把握できます。「Microsoft Clarity」のような無料のヒートマップツールで離脱箇所を特定し、コンテンツと導線を修正すると効率的です。
2.EFOの実践
EFOとは「エントリーフォーム最適化(Entry Form Optimizaion)」のことです。フォームの入力項目が多いほど入力画面からの離脱率は高まります。ユーザー目線で利便性の高い入力フォームに改善していきましょう。
3.改善ツールの活用
目視による改善には限界があります。ツールを活用しコンバージョン改善をはかりましょう。
・Googleオプティマイズ
A/Bテストを簡単に実施できるツールです。コンバージョン率改善には、複数の施策が求められますが、Googleオプティマイズを使えば無料でA/Bテストを繰り返すことができます。
・Page Speed Insights
URLを入力するだけでサイトの表示速度を測定できるGoogle提供のツールです。パフォーマンスは100点満点で採点され、改善が必要な内容と改善方法もわかります。表示速度の遅さは、ユーザーの利便性つまりSEOに悪影響を及ぼすので、キーワードとあわせて確認しておきましょう。
・チャットボット
ロボットが自動応答するコミュニケーションツールです。近年では多くの企業で導入され、問い合わせ数の増加に活用されています。チャットボットを24時間活用することで機会損失を防ぐこともできます。
流入キーワードを調べればキーワード戦略がみえてくる
流入キーワードを知ることは、アクセスアップや検索キーワードの見極めに役立ちます。流入数の多いキーワードがわかれば、コンテンツの内容やタイトルの改善策が見えてくるため、サーチコンソールを利用した流入キーワードの調べ方をおさえておきましょう。
コンバージョン率の改善をはかる際は、キーワードだけに注力すると、原因を見誤ることがあります。複数のツールを活用して多角的に分析を進めましょう。
シンプリックのSEO事業全体を監修。海外のマーケティングカンファレンスにも足を運び、最新のSEOおよびコンテンツマーケティング動向に精通。「競合が少なくコンバージョンを生み出せるキーワードの選定」「読みやすくロジカルな記事コンテンツの監修」を得意としています。
【実績】2005年に設立した株式会社ブルトア(サクラサクマーケティング株式会社)では、多数のクライアント、パートナー企業の検索エンジン集客に貢献し、SEO事業を年商7億規模に伸張させる。その後、設立した株式会社シンプリックでは、自社の海外通販事業を検索エンジンからの集客により2年で月商3000万規模に拡大。