サイテーション(citation)は「引用」という意味の言葉です。
自社のサイトや商品などが他サイトやディレクトリに引用・参照(citation)されると、検索エンジンの評価や検索結果に影響を与えます。SEO対策においてサイテーションは「被リンク」と同様に重視されている欠かせない要素と言っていいでしょう。
そこで今回は、サイテーションの重要性や効果的な獲得方法などについて詳しく解説します。サイテーションによって起こる悪影響やその回避方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
「そもそもSEOについてあまり理解できていない」という方は、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
サイテーションの獲得施策は、SEOの中で「外部SEO」に該当します。以下の記事で網羅的に内部SEOについて解説しているため、こちらも興味があればぜひお読みください。
目次
サイテーションとは
サイテーション(citation)とは、「言及」や「引用」という意味の言葉です。Web施策に関して使われる場合は、ビジネスディレクトリやレビューサイト、SNSなど、各種Web媒体で自社のサイト名や住所、電話番号などの情報について言及されることを指します。
サイテーションの例
・「商品名」がSNSで拡散される
・おすすめの飲食店として「店名」や「住所」が他のサイトに掲載される
・口コミサイトに「店舗の住所」や「商品」が掲載される
なお、Googleがサイテーションであると認識するのは「テキスト」で言及された場合に限ります。画像や動画の中で言及されてもサイテーションとは認識されないので注意しましょう。サイテーションはオンラインビジネスの信頼性や地域的な検索結果に影響を与える要因とされています。
サイテーションの種類
Googleが「サイテーション」だと認識する主な情報の種類は、以下の4つです。
- 名称
- 住所、電話番号
- 商品名
- リンクのないURL
名称
会社名や個人名、店舗名など、「名称」が言及された場合はサイテーションとして認識されます。ただし、「株式会社シンプリックの記事がおすすめです」のように正式名で言及される必要があります。「このサイトがおすすめ」「あの会社の商品がおすすめ」のような指示語や、略称、愛称はサイテーションとして認識されません。
住所、電話番号
住所や電話番号もサイテーションと認識されます。住所や電話番号が第三者に言及されるケースは少なめですが、自社運営のSNSで触れた場合やディレクトリサイトへの登録もサイテーションとして認識されるので、難易度としては高くありません。
商品名
運営母体に紐づく正式な商品名やサービス名もサイテーションとして認識されます。商品名やサービス名が直接言及・引用されれば、認知度と信頼性の向上にもつながるでしょう。
リンクのないURL
リンクの貼られていないURLは、サイテーションと認識されます。
・サイテーションとして認識されるケース
「SEO対策は株式会社シンプリック(https://simplique.jp/)がおすすめ」
・サイテーションとして認識されないケース
「SEO対策は株式会社シンプリック(https://simplique.jp/)がおすすめ」
サイテーションと被リンクの違い
他のWebサイトやSNSなどに載っているリンクの貼られていないURLがサイテーション(引用・言及)として認識されるのに対し、リンクが貼られているURLやテキストは被リンクとして認識されます。
・サイテーション
「SEO対策は株式会社シンプリックがおすすめ」
・被リンク
「SEO対策は株式会社シンプリックがおすすめ」
サイテーションはリンクを設定する必要がないため、被リンクを獲得するよりも難易度は低くなります。
SEOにおけるサイテーションの効果
サイテーションはSEOの外部対策に該当しますが、その効果に関してはGoogleの公式な見解はありません。
ただし、サイテーションの獲得が無意味ということではありません。なぜなら、信頼性の高いWebサイトに引用・参照されれば、自サイトの信頼性も向上するからです。その結果、検索エンジンのランキングにポジティブな影響を与える可能性も高まるでしょう。トラフィックの増加やブランドの認知度上昇も期待できます。
いずれにしても、サイテーションのもっとも大きな効果は「間接的なSEO対策」と言えます。SEO対策における直接的な効果は不明ですが、サイテーションを積極的に取り入れて生じるデメリットはほとんどありません。
SNSや他サイトで言及・引用された情報を見たユーザーが自社サイトやサービスを検索してくれれば、滞在時間や読了率が上がるだけではなく、新たな被リンクの獲得にもつながるでしょう。
MEOにはサイテーションが有効
MEO(Map Engine Optimization、マップ検索エンジン最適化)は、地図サービスやローカル検索において上位表示を目指す施策です。検索窓に地域名を打ち込んだ場合、多くの場合はGoogleマップが検索結果に表示されます。MEOは、その中で上位表示を狙うための施策で、ローカルSEOとも呼ばれています。
Googleは「MEOにサイテーションの効果がある」と明言しています。なお、Googleでは「ローカル検索結果のランキングが決定される仕組み」を解説する際に「視認性の高さ」という言葉を使っているため、この機会に確認しておきましょう。
視認性の高さとは、ビジネスがどれだけ広く知られているかを指します。ビジネスによっては、オフラインでの知名度の方が高いことがありますが、ローカル検索結果のランキングにはこうした情報が加味されます。
ビジネスについてのウェブ上の情報(リンク、記事、店舗一覧など)も視認性の高さに影響します。
引用:Google のローカル検索結果のランキングを改善する方法
正確な地理的情報が他のWebサイトやディレクトリに引用・参照されれば、Webサイトやビジネスの信頼性が高まります。信頼性の高い情報は優先的に表示される傾向にあるため、検索結果で上位表示される可能性も上がるでしょう。
サイテーションの獲得方法
サイテーションを獲得する主な方法は、以下のとおりです。
- SNSを活用して拡散する
- メディアを利用して認知度を向上させる
- インターネット広告を出稿する
- 高品質なコンテンツを作成する
- わかりやすいサイト名やサービス名にする
また弊社シンプリックでは現在、SEOで成果を出したいWeb担当者様向けに「SEOの無料相談」を実施中です。プロのSEOコンサルタントが「SEOで成果を出すために重要なこと」などSEOのノウハウを伝授しますので、ぜひお気軽にご相談ください。
SNSを活用して拡散する
SNSは拡散力が高く、多くのユーザーが情報を共有できるため、サイテーションを獲得しやすいという特徴があります。
SNS上での言及は、Webサイトやビジネスの信頼性と知名度向上にも有効です。影響力のあるインフルエンサーや業界の専門家に拡散されれば、多くの人にシェアされる可能性も高まります。
関連するハッシュタグを使用して投稿を促進させ、特定のテーマやトピックにアクセスされやすくするのも、ひとつの方法です。
▼事例1:SUNTORY(サントリー)のTwitter
▼事例2:丸亀製麺のTwitter
サイテーション獲得を目的として投稿する場合は、以下のような点を意識して「正式名称」や「商品名」が拡散されるようにしましょう。
・この夏、「正式商品名」が新しく登場。
・「株式会社シンプリック」では、新しいサービスを開始しました。
・「〇〇食品 △△店では新サービス××をスタート」
また、SNSのプロフィールにWebサイトのリンクを掲載すれば、プロフィールページを経由したサイテーションも獲得できます。
メディアを利用して認知度を向上させる
メディアを利用した認知度の向上も、サイテーションの獲得に有効です。メディアに取り上げられればWebサイトやビジネスの信頼性も高まり、多くの人にリンクや言及される可能性を高めます。
具体的な例としては、メディアに向けたプレスリリースの配信が挙げられるでしょう。Webサイトのリンクが含まれるようにすれば、被リンクの獲得も期待できます。
▼事例:カフェ・バー「WK2」のプレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000006.000084098.html
オンラインメディアのディレクトリ登録も手段のひとつです。店舗検索サイトや情報掲載サイトなど、第三者が運営しているサイトに自サイトを登録すれば、情報が引用される可能性が高まります。登録先としては、実店舗がある事業者なら「Googleビジネスプロフィール」、美容業界であれば「ホットペッパービューティー」、飲食関連なら「食べログ」などが考えられるでしょう。
インターネット広告を出稿する
広告を掲載するWebサイトやプラットフォームによっては、Webサイトの知名度や認知度を向上させてサイテーションを獲得できる可能性があります。
直接的なサイテーションを得られるケースは多くないため、総合的な広告戦略のひとつとして効率的に進めることが重要です。
サイテーションの獲得につながりやすい広告の例
・検索結果に広告を表示させる「リスティング広告」
・SNS上に広告を表示させる「SNS広告」
・他社と提携する「タイアップ広告」
ただし、広告の出稿には費用が発生します。また、ユーザーに不快な印象を与える広告の配信は逆効果になる恐れがあります。広告を出稿する場合には配信先のプラットフォームとターゲットに細心の注意を払いましょう。
高品質なコンテンツを作成する
コンテンツが高品質であれば、他のWebサイトやメディアから引用・言及される機会も増えます。SNSで広くシェアされる可能性も高まるでしょう。
高品質なコンテンツはサイテーションの獲得だけでなくSEO対策にも欠かせませんが、目的をサイテーションの獲得だけに特化してコンテンツを作成するのは避けたほうがいいでしょう。
Webサイトの認知度や信頼性の向上、検索結果のランキング上昇を目指すためにも、質の高いコンテンツの作成を常に意識することが大切です。
質の高いコンテンツの作成方法は、以下の記事で詳しく解説しています。
SEOライティング基礎 | 初心者が最高の一記事を作り上げるために
わかりやすいサイト名やサービス名にする
他のWebサイトやメディアから正しく引用・言及してもらえるように、わかりやすいサイト名やサービス名にするのも有効です。正式な名称でなければサイテーションと認識されないので、こうした工夫も必要です。
ただし、Webサイトやサービス名を決める際には当然、ブランドのイメージとコンセプトも考慮しなければいけません。短くてわかりやすい名称が適切な場合もあれば、特定のキーワードを含む長い名称が適しているケースもあります。
ブランドの方向性やターゲットも意識しながら、効果的なサイテーションの獲得を目指すようにしましょう。
サイテーション獲得状況の調べ方
サイテーション獲得状況は、主に以下のような方法で調べられます。
- Googleで「site検索」する
- Google Search Consoleを使う
- Yahoo! リアルタイム検索する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
Googleで「site検索」する
Googleの検索窓に「“調査対象”-site:サイトURL」と入力する方法です。この方法を使えば、入力したURLを除外して引用・言及元が表示されます。調査の対象はサイト名や商品名、サービス名など、サイテーションの要素であれば内容は問いません。
たとえば、「株式会社シンプリック」のサイテーションを調べたい場合は、「“株式会社シンプリック” -site:simplique.jp/」と入力します。
検索結果からは”simplique.jp/”が除外されるため、「株式会社シンプリック」に言及している他のサイトが簡単にわかります。
Google Search Consoleを使う
Googleの無料ツールGoogle Search Consoleの検索クエリを見ると、指名検索の状況を調べられます。
トップページの「検索パフォーマンス→検索結果」から検索ワードを確認しましょう。表示回数とクリック数もわかるので、併せてチェックしておきたいところです。
Google Search Consoleの使い方については、以下の記事で詳しく解説しています。
Googleサーチコンソールの使い方を初心者にも分かりやすく解説
Yahoo! リアルタイム検索する
Yahoo! のリアルタイム検索を使えば、Twitterでの引用・言及を確認できます。リアルタイム検索にアクセスし、調べたい語句を入力するだけなので、手順は難しくありません。
SEOに悪影響を与えるサイテーションの対処法
ネガティブな内容のサイテーションはSEOに悪影響を与える恐れがあります。ユーザーの信頼度も下がるため、放置しておくのは好ましくありません。
間違った情報や古い情報が掲載されている場合は、サイテーション元のWebサイトに連絡をして情報の修正を依頼しましょう。
ただ、ネガティブな評価やコメントが含まれるサイテーションへの対応には注意が必要です。明らかに悪意のある内容は削除申請できますが、客観的な口コミやSNS上の拡散は削除できないと思ったほうがいいでしょう。
高品質な商品やサービスを提供していても、ネガティブな意見は必ず発生します。そのようなコメントや引用のすべてを削除するのは不可能です。
ポジティブな内容のサイテーションを増やすためにも、ユーザーに有益で質の高い商品やサービス、情報の発信を心がけましょう。
サイテーションを活用しビジネスとSEOを強化しよう
サイテーションはSEOに直接的な影響はありません。しかし、検索エンジンの評価やユーザーの信頼度には影響を及ぼします。また、他のWebサイトやディレクトリからのサイテーションは、自サイトの知名度を高めます。
新たに事業を始める際は、適切なサイト名やサービス名を選択して高品質なコンテンツを提供すれば、検索結果での上位表示が期待でき、ビジネスの認知度も高まるはずです。
サイテーションに特化した施策のSEO効果は限られていますが、他の戦略と併用して効率的なSEO対策とビジネスの成長を実現させましょう。
直接的なSEO対策だけでなく、サイテーションのような間接的な対策も含めたSEOのトータルサポートを希望されている方は、ぜひ弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。
シンプリックのSEO事業全体を監修。海外のマーケティングカンファレンスにも足を運び、最新のSEOおよびコンテンツマーケティング動向に精通。「競合が少なくコンバージョンを生み出せるキーワードの選定」「読みやすくロジカルな記事コンテンツの監修」を得意としています。
【実績】2005年に設立した株式会社ブルトア(サクラサクマーケティング株式会社)では、多数のクライアント、パートナー企業の検索エンジン集客に貢献し、SEO事業を年商7億規模に伸張させる。その後、設立した株式会社シンプリックでは、自社の海外通販事業を検索エンジンからの集客により2年で月商3000万規模に拡大。