SEO対策を行う上で、どんなキーワードについて対策を行うかは非常に重要なポイントです。また、記事の中に盛り込むキーワードの数をいくつにするのかという点も、ユーザーニーズとの合致度や検索結果の順位に大きな影響を与えます。
キーワードの数が多すぎると過剰最適化となるおそれがありますが、少なすぎても競合他社に対抗するのが難しくなるため、適切なバランスを理解することが大切です。
そこで本記事では、SEO対策におけるキーワードの適正数や、キーワードの入れ方などについて詳しく解説します。
目次
SEO対策とキーワード数の関係性
SEO対策とキーワード数は緊密な関係にあるため、適切なキーワードを選定・配置できているかどうかは検索結果の順位に大きな影響を与えます。
特に、ページ内容を理解しやすくする「重要なキーワード」と「ニーズに基づいたキーワード」の選択は不可欠です。
しかし、キーワードの数を多くすると重要性が薄まり、ニーズを掴みきれなくなってしまいます。
1ページに1キーワードが原則
ユーザーニーズに沿った専門性の高いページを作成するには、1ページに1つのキーワードを設定するのが原則です。1ページで複数のキーワードを狙うと、内容にブレが生じて結果につながりにくくなることもあるからです。
選択したキーワードでは、ページのテーマやコンテンツの中心的なトピックを表現します。そうすることで、検索エンジンにページの内容を理解させ、ユーザーの検索クエリに対して正確な結果を表示させることができます。
複数のキーワードを同時に狙うと内容が薄まるため、Googleに評価されにくくなります。対策したいキーワードが複数ある場合は、それぞれのキーワードごとに記事を作成する必要があります。
競合サイトのドメインパワーも意識する
ドメインパワーとは、Webサイトやドメインの権威と信頼性を示す指標です。ドメインパワーが高いほど検索結果のランキングで有利になります。
サイト内のページ数(記事数)の多さがドメインパワーに直結するわけではありませんが、サイトへのアクセス数とドメインパワーには強い相関性があります。
そのため、競合サイトのドメインパワーが強い場合は、狙うキーワードに関する記事の数を増やして、サイトへの流入数を総合的に増やしていく戦略が効果的です。
なお、競合のドメインパワーを調べる際には、次のようなツールが役立ちます。
・Free Domain Authority Checker by Moz
任意のドメインを入力するだけで、ドメイン権限、ページ権限、ランキングキーワードなどを確認できます。有料版のMoz Proに登録すると、詳細レポートや年中無休のオンラインサポートなども利用できます。
・Ahrefs Site Explorer
競合サイトが検索エンジンでランキングしているページや、被リンク状況、流入数などを確認できます。フリープランはサイトオーナーしか利用できないため、競合調査を行う場合は有料プランに申し込む必要があります。
・Semrush
競合分析を軸に、SEOのターゲットキーワードを見つけたり順位変動をトラッキングしたりできる他、Web広告やSNSの分析と対策まで行えます。無料トライアルはありますが、サービスを利用する際には月間または年間の有料プランに申し込む必要があります。
など
SEO対策におけるキーワードの入れ方
SEO対策においては、キーワードの数だけではなく「キーワードの適切な配置」が検索結果の順位に影響します。詳しく見ていきましょう。
タイトルには必ずキーワードを入れる
ページのタイトルは、検索エンジンとユーザーに記事の内容を理解させる最も重要なポイントのひとつです。タイトル(H1タグ)には必ずキーワードを入れましょう。
ただし、不自然なタイトルは逆効果になるので、読み手に伝わりやすい自然な表現を心がけます。また、記事を読むことでそのキーワードに関するどんな情報が得られるのかがわかるような言葉と組み合わせることで、ユーザーの興味関心を惹きつけましょう。
タイトルの先頭に主要キーワードを配置して、ユーザーの目に留まりやすくすることも大切です。ほとんどのユーザーは、Web検索結果に表示されたタイトルを流し見ながら読みたい記事を選びます。「こんな情報が欲しい」と思っている内容に合致した記事かどうかが即座に判断できれば、クリックされる可能性が高まるでしょう。
中見出しには可能な限りキーワードを入れる
コンテンツを階層化する中見出し(H2、H3タグなど)にもキーワードを可能な限り入れましょう。
それによってページの構造やどんな文章構成になっているのかが明確になり、ユーザーと検索エンジンの双方が記事の内容を理解しやすくなります。また、見出し自体が一貫性を保てば、コンテンツのクオリティも向上します。
特に、見出しを読んだだけで全体的な流れを理解できる構成にするのがベストです。多くのユーザーはすべての文章を上から下まで順番に読むわけではありません。そのため、キーワードを含んだフックとなる見出しをいくつか設けると読了率が上がりやすくなります。
メタディスクリプションの前半にキーワードを入れる
メタディスクリプションとは、検索結果ページに表示される要約文のことです。
前半にキーワードを含めればユーザーがクリックする判断材料となり、検索エンジンにもコンテンツの内容を正確に伝えられます。
ユーザーの注意を引きやすくするためにも、キャッチーな表現や問いかけを活用したり、記事を読むことでどんな情報が得られるのかが端的にわかるような表現を心がけましょう。
SEO対策でキーワードの数を考える際の注意点
SEO対策でキーワードの数を考える際には、次のような点に注意しましょう。
- ユーザーニーズを考慮する
- キーワードの出現率が多すぎないようにする
- Googleの認識を調査する
- 競合サイトのキーワード戦略を分析する
- ロングテールキーワードにも焦点を当てる
それぞれ詳しく見ていきます。
ユーザーニーズを考慮する
SEO対策で成果を出すには、記事の内容がユーザーニーズに合致していることが重要です。そのためGoogleキーワード プランナーなどのリサーチツールを活用して検索クエリを把握し、ユーザーが求めている情報やサービスの意図を理解しましょう。
SEO対策とは、テクニカルな対策だけを指すわけではありません。ユーザーエクスペリエンスの向上が主目的です。そのため、ニーズに基づいたキーワードの選定は不可欠となります。
キーワードを選択する際には、下記のような点にも注意しましょう。
・どのような人が(Who)
・どのような場所で(Where)
・どのようなタイミングに(When)
・どのような理由で(Why)
・どのような方法で(How)
・何を知りたいのか(What)
サイトの検索クエリ一覧の傾向を分析することも重要ですが、その検索キーワードの背景にあるユーザーの意図を柔軟に検討してみる必要があります。
Googleの認識を調査する
近年は検索エンジンのクローラーが進化しているので、略語や同義語を区別する必要はないとされています。しかし、実態は異なるようです。具体例を含めて詳しく見ていきましょう。
略語
「デフレ」は「デフレーション」の略語で、指している内容は同じですが、検索結果は異なります。実際に比較して見てみましょう。
・「デフレーション」で検索した結果
強調スニペットにはSMBC日興証券のサイトが表示され、その後に用語解説や内閣府のホームページが続いています。
・「デフレ」で検索した結果
略語で検索すると、強調スニペットには三井住友DSアセットマネジメントが表示されました。その後にはデフレに関する「トップニュース」が表示されています。
また、日本経済新聞の「異形の30年デフレ、物価・賃金動く普通の経済へ岐路」という記事は「デフレーション」で検索すると上位に表示されません。
クローラーが略語を認識する精度は上がっていますが、この検証結果から、略語と正式名称では検索結果が異なるため、SEO対策を行う場合にはそれぞれ別の記事を用意する必要がありそうだということがわかりました。
同義語
「賞与」と「ボーナス」は同義語です。しかし、検索結果は異なります。
・「賞与」で検索した結果
強調スニペットには、企業の会計・人事・給与等の基幹業務等に関するクラウドサービス等を提供しているオービックビジネスコンサルタントの記事が表示されました。また、ニュース記事も強調表示されています。
・「ボーナス」で検索した結果
こちらは強調スニペットの表示がありません。また、検索結果の中にニュース記事もランキングされていたり、YouTube動画が紹介されていたりする点も特徴的です。
このように、同義語でも検索結果は異なるのが一般的です。ただし、下記のような同義語は検索結果が変わらないため、同時に対策することができます。
・同時に対策できる同義語の例
「新NISA」と「新ニーサ」、「積立NISA」と「つみたてNISA」でそれぞれ比較した結果をご紹介します。
「新NISA」と「新ニーサ」で比較してみると、「新ニーサ」の検索結果に「もしかして表示」の調整が入っていることもあって、上位記事はほぼ同じとなりました。検索結果で表示される種類も相似形になっています。
▼「もしかして表示」について
”まず、「もしかして」についてご紹介すると、これはユーザーの皆様から受け取ったキーワードについて「もしかしてこれを入力したかったんじゃないかな?」とGoogleのコンピュータが判断した場合に簡単に訂正できるようにするためのものです。”
”新しい「もしかして」では、訂正後のキーワードを今まで通り「もしかして」と表示するとともに、有用と思われる場合には、そのキーワードでの検索結果の最初の2件も表示します。これによって、タイプミスをしてしまった場合でも、クリック1つで目的のページに行くことができるようになります。一方、本当に入力したキーワードで探したい場合でもユーザーの皆様の検索をできるだけ邪魔しないよう、元のキーワードでの検索結果は残しています。”
出典:Google Japan Blog: 「もしかして」をパワーアップしました!
また、「積立NISA」と「つみたてNISA」で比較してみると、「もしかして表示」の調整は入っていませんが、上位記事には楽天証券、三井住友銀行、SBI証券、マニュライフ生命など、同じ記事がランクインしていました。漢字の閉じ開き(漢字表記するか、仮名表記するか)の違いなどによって複数の検索キーワードが想定される場合は、カッコ書きで並記しておくと同時に対策することもできます。
同様の例として、「Googleアナリティクス(GA)」や「マーケティングオートメーション(MA)」など、正式名称と略語を並記した形で記述したほうが取り逃しのないキーワード対策ができるケースもあります。ただし、並記することによって推奨文字数を超えてマイナス評価をされては本末転倒なので、検索ボリュームやどういった意図の検索で使われるキーワードかを見極めて採用するのが現実的です。
英語表記とカタカナ表記、漢字表記と仮名表記、正式名称と略称、あるいは異なる名称などがある場合には、並記しておくのがベターな場合もあることを認識しておきましょう。
共起語
共起語とは、対策キーワードと同時に使われやすいワードのことです。「SEO対策」であれば、下記のような共起語が考えられます。
・ユーザー
・Google
・キーワード
・検索エンジン
・順位
・評価
・施策
・必要
・作成 など
以前は「共起語はできるだけ盛り込む」のが主流でしたが、現在では推奨されていません。ユーザーニーズに沿った記事を執筆すれば自然と共起語は盛り込まれるので、数を意識する必要はないでしょう。
ただし、共起語に絡んだ何らかの方法で専門性を判断している可能性は否定できません。例えば、SNS広告に関する記事の場合、執筆者が「実際の広告運用者」である場合と「インターネットで調べた程度の知識しかない人物」である場合とでは、記事内に出現するワードが変わってくるでしょう。
関連ワード
関連キーワードは、検索キーワードに関連して連想されるキーワードです。検索結果の下部に「関連性の高い検索」として表示されます。
関連キーワードからは「ユーザーの潜在ニーズ」と「検索意図」が読みとれるため、SEO対策に活用できます。詳細な検索意図を把握して、コンテンツに反映させましょう。
なお、関連キーワードは1記事1ワードで対応するだけではなく、複数の関連ワードを網羅する方法もあります。
「スニーカー」の例を見てみましょう。
この場合、「スニーカー レディース」と「スニーカー メンズ」ではユーザーのニーズが異なるため、それぞれに特化した別の記事を作成するのが基本です。
しかし、「レディース&メンズの人気スニーカーをまとめて紹介する記事」を作成すれば、網羅性の高い良質な記事になります。
競合サイトのキーワード戦略を分析する
自社サイトに不足しているキーワードや、内容の弱い記事を把握するためには、競合調査が有効です。競合サイトがカバーしていないトピックやアプローチを見つけられれば、自社サイトの独自性も高まるでしょう。
競合サイトを調べる際には、コンテンツやメタデータをリサーチします。特にタイトル、メタディスクリプション、ヘッダータグは重要です。
Googleキーワード プランナーや他のリサーチツールも活用して、焦点を当てているキーワードを調査しましょう。関連キーワードと検索ボリュームも確認しておくのが理想です。
競合サイト分析は継続的に必要なプロセスなので、定期的に調査をして、マーケットの変化に素早く対応できるようにしましょう。
ロングテールキーワードにも焦点を当てる
複数のキーワードを組み合わせて検索されるキーワードのことをロングテールキーワードと言います。ロングテールキーワードは、一般的なキーワードよりも具体的で特定のニーズを表していることが多いため、ユーザーニーズを満たす記事を用意しやすいという特徴があります。サイト内のページ数を増やしたいときにもおすすめです。
また、ロングテールキーワードは競争度が低いため、開設したばかりのWebサイトにも向いています。ぜひ対策してみると良いでしょう。
▶ロングテールキーワードの具体例や活用法については「検索ボリュームの少ないキーワードでSEO対策をするべきか?」の記事も併せてチェックしてみてください。
SEO対策におけるキーワードの数は1ページ1キーワードを意識しよう
SEO対策におけるキーワードの数は、1ページに対して1つの重要なキーワードを意識することが大切です。各ページで焦点を絞れば検索エンジンの理解度が上がり、ユーザーは情報を整理しやすくなります。
タイトルや中見出し、メタディスクリプションにはキーワードを適切に配置して、ページの可視性を高めましょう。ただし、キーワードの過剰最適化は厳禁です。
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