コンテンツ制作を行う際に、どんなキーワードを選ぶかは重要なポイントです。しかし特定のテーマやトピックによっては、検索ボリュームが少ない場合もあります。検索される回数が少ないキーワードでコンテンツを用意しても意味がないのではと思われるかもしれませんが、実際には多くのメリットがあります。
そこで今回は、検索ボリュームが少ないキーワードでSEO対策をする重要性や具体的なメリットなどについて詳しく解説していきます。
また「そもそもSEOについてあまり理解できていない」という方は、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
キーワード選定の具体的な方法については、以下の記事で網羅的に解説しています。
目次
検索ボリュームが少ないキーワードでSEO対策をする理由
弊社では、検索回数が少ないキーワードを「月間検索回数100未満」と定義しています。ひと月に100回しか検索されないようなキーワードでSEO対策をしても効果は低いのではと感じられるかもしれませんが、そんなことはありません。その理由を詳しく見ていきましょう。
ツールのデータより実際の検索回数が多いことがある
キーワードツールのデータは、あくまでも参考値です。実際に記事を作成してみると、ツールの数値よりも実際の検索回数のほうが多いケースがあります。
例えば「実家 手土産 いらない」というキーワードの検索ボリュームをツールで確認すると「210」でした。しかし、実際に検索・表示された回数を確認すると「513」と、キーワードツールよりも多いことがわかります。
また「軽自動車 燃費 悪い ランキング」というキーワードについても、ツールで確認した数値が「390」であるのに対して、実際の検索で表示された回数は「595」と、実際の数値のほうが多くなっています。
SEO対策に取り組む際に各企業は、月あたりの検索回数がどれくらいあるかをツールで調べ、対策の優先順位を決めています。繰り返しますが、ツールの数値はあくまでも過去の統計を元にした参考値です。実際に、記事を作るなどSEOに取り組まないと実際の検索回数および流入数はわかりません。
他社が注目していない検索回数の少ないキーワードに注力した結果、想定以上のアクセスおよびコンバージョンを獲得できることがあるのです。
ロングテールキーワードにも価値がある
ロングテールキーワードとは、複数の単語を組み合わせたキーワードのことです。
ロングテールキーワードの例 | 検索ボリューム |
---|---|
ブログ seo対策 初心者 | 56 |
seo対策 わかりやすく | 40 |
seo対策 初心者 本 | 8 |
組み合わされる単語が増えると、検索ボリュームは単独キーワードよりも必然的に少なくなります。しかし、ロングテールキーワードは特定の情報や商品などについてより詳しく知りたい場合に使われることが多いため、ターゲットを絞ったアプローチがしやすくなります。
また、検索ボリューム1,000回のキーワードで「10位」を取るよりも、100回のキーワードで「1位」を取るほうがクリック率も高く、コンバージョンにつながりやすいというメリットもあります。
ユーザーの意図に特化したコンテンツを提供できるロングテールキーワードは、メディアのSEO戦略において重要な役割を果たしているケースも少なくありません。
ニッチなキーワードの見逃しを防げる
ニッチなキーワードは、大手が狙わないような規模の小さい事業領域を指す言葉として用いられます。特定の専門分野や特殊なニーズに焦点を当てたキーワードです。検索ボリュームは少なめですが競合性が低く、ターゲットに向けて専門的な情報を提供するチャンスにもなります。
ニッチなキーワードに関連する高品質なコンテンツを作成すれば、専門性と信頼性を高めることも可能です。ニッチなキーワードとロングテールキーワードのバランスを考慮しながら、メディア全体のコンテンツ量を調整していくのも方法のひとつでしょう。
弊社シンプリックのSEOコンサルティングサービスでは、ロングテールキーワード・ニッチなキーワードの中から「狙い目のキーワード」を特定し、作成した記事を狙ったキーワードにおいて高確率で上位表示させます。現在、プロのSEOコンサルタントが無料相談を受け付けておりますので、SEOの成功確率を高めたい場合、まずはぜひ資料をダウンロードしてサービス内容をご確認ください。
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検索ボリュームの目安
キーワードは、検索ボリュームによって次の3種に分類されるのが一般的です。
- スモールキーワード
- ミドルキーワード
- ビッグキーワード
それぞれ詳しく見ていきましょう。
スモールキーワード
スモールキーワードとは、検索ボリュームの少ないキーワードのことです。検索ニーズの少ないニッチなワードや、複数の単語を組み合わせたキーワードなどが該当します。一般的には検索ボリューム100以下のキーワードを指します。
トラフィックの増加は期待できませんが、ニーズに特化したコンテンツを作成すれば、クリック率やコンバージョンにつながる可能性が高くなります。
ミドルキーワード
明確な定義があるわけではありませんが、一般的には検索ボリューム1,000〜10,000程度のキーワードが該当します。スモールキーワードに比べるとターゲットを絞るのが難しい場合が多いため、ある程度は網羅的なコンテンツを作成しなければいけません。
例えば、「野球 初心者」の検索ボリュームは704でしたので、ミドルキーワードと考えていいでしょう。このキーワードの場合は、下記のようなターゲットに向けたコンテンツの作成を検討すると良さそうです。
▼「野球 初心者」をキーワードとした場合のターゲット
・これから野球を始めようとしている人。ルールや基本的な技術に関する情報が知りたい。
・自分の子供が野球を始めることになり、どのようにサポートすれば良いか情報を探している保護者層。
・野球の初心者を指導する立場にある人。
・野球用品を探している初心者。 など
このように、ひとつのキーワードから複数のターゲットが想定されます。検索キーワードのみでターゲットをひとつに特定することは困難ですので、記事を作る際には「初心者本人」「保護者」「指導者」とそれぞれの立場に合った内容を盛り込むことが効果的です。もっとターゲットを絞り込みたいという場合は、さらにキーワードを足して検索ボリュームの少ないスモールキーワードにした上でコンテンツ制作に着手するのがおすすめです。
ビッグキーワード
ビッグキーワードは、一般的に検索ボリューム10,000以上のキーワードのことです。例えば、「SEO対策」の検索ボリュームは26,480であるため、ビッグキーワードになります。
検索結果の順位と平均クリック率には強い相関があるため、ビッグキーワードで上位表示に成功すれば多くのトラフィックを獲得することが可能です。
検索結果の順位 | 日本での平均クリック率 |
---|---|
1位 | 13.94% |
2位 | 7.52% |
3位 | 4.68% |
4位 | 3.91% |
5位 | 2.98% |
検索ボリューム20,000のキーワードで1位表示されれば、月間で約2,800の見込み客からアクセスを期待できます。自社の認知拡大にもつながるでしょう。
ただし、ビッグワード対策には多くの企業が費用と時間をかけているため、競争も激しく上位表示はなかなか簡単にはいきません。また、ユーザーニーズに特化性が見あたらず、コンバージョン率が低いというデメリットもあります。
検索ボリュームが少ないキーワードは優先順位を決める
検索ボリュームが少ないキーワードに注力する際は、優先順位を決めて対策を進めてください。
優先順位を決める際に重要なポイントは、「検索ボリュームが多いかどうか」ではなく「コンバージョンに近いかどうか」です。
検索ボリュームが大きくコンバージョンにも近いキーワードは競合が多く、上位表示の難易度も高くなります。
例えば「野球 ユニフォーム」の検索ボリュームは14,480であり、ユーザーは購入を検討していると考えられるため、上位表示されれば売上に直結する可能性が高いです。しかし、競合も多く上位表示の難易度が高いという意味で、コンテンツ作成の対象とするのは非効率的です。
この場合は検索ボリュームが16の「野球 ユニフォーム ライン入り」のようなキーワードを選択するといいでしょう。検索回数は少なくなりますが、「ユニフォームを購入したい」というニーズに変わりはありません。
いずれにしても、検索ボリュームの少ないキーワード群で上位表示を狙い、メディア全体でコンバージョンに導くほうが効率的です。
検索ボリュームが少ないキーワードは競合が少ないぶん相対的に上位表示されやすい傾向にあるため、優先順位を設定して適切な対策をすれば早期での上位表示も可能です。
対策キーワードの優先順位を決める際のポイント
優先順位を決める際に意識すべきポイントは、次の2点です。
- コンバージョンにつながるか
- 独自性のあるコンテンツが作成できるか
例として、「キャンプギアを販売しているECショップが運営するメディア」を想定して解説していきます。
1.コンバージョンにつながるか
検索ボリュームが小さくても、コンバージョンに近いと思われるキーワードをテーマにすると、訴求力を高められます。
▼コンバージョンが想定できるキーワードの例
検索ボリュームは30と少ないものの、テントの形状のひとつである「2ルームテント」の新作が欲しいというニーズが想定されます。そのため、2ルームテントの新作情報をまとめたコンテンツがあると、「商品の購入」というコンバージョンに誘導しやすくなるはずです。
2.独自性のあるコンテンツが作成できるか
運営しているメディアに適していると判断できれば、検索ボリュームが少ないキーワードでも対策する必要があります。
▼コンテンツの独自性を担保できそうなキーワードの例
「七ツ石小屋」は、雲取山という山の中腹にある山小屋で、テント泊も可能な観光スポットです。登山が趣味の人をターゲットにしたテント泊の楽しさや魅力を伝えるコンテンツがあると、リードジェネレーション(見込客の開拓)としての役割を果たしてくれます。
検索ボリュームが0でもコンテンツを作成する意味はある
検索ボリュームが0のキーワードでも、コンテンツを作成する意味はあります。ターゲットは狭くなりますが、「誰かが実際に検索したキーワードである」ことに変わりはありません。
自社のコンバージョンにつながりそうなキーワードがあれば、積極的に狙ったほうがいいでしょう。
▼検索ボリューム0でも狙いたいキーワードの例
「バンドック」「ロゴス」といったメーカー名や「ワンタッチテント」といった具体的な商品の種類などがキーワードに入っている場合、知名度やトレンドによっては検索ボリュームが0となることもあります。とはいえ、一般的に指名検索(企業名、商品名、サービス名、ブランド名といった固有名詞そのものをキーワードにして検索すること)をするユーザーは購買意欲が非常に高いと言われています。ピンポイントで検索された際にはコンバージョンに結びつく可能性が高いため、ぜひ狙いたいキーワードです。
なお、ツール上では「0」と表示されていても、実際には数十回検索されていることがあります。コンバージョンにつながりそうなキーワードで競合が記事を用意していないのであれば、対策の優先順位を上げてみてください。
サイト全体の網羅性を意識することも重要
一つひとつのコンテンツだけではなく、サイト全体の網羅性を意識してキーワードを決めることも大切です。
Webサイト内で様々な切り口から情報を提供すれば、ユーザーの利便性と検索エンジンからの評価が高まります。滞在時間やページビューの増加にもつながるでしょう。
Webサイト内のページ間で内部リンクを配置し、ユーザーニーズの深掘りと検索ロボットのクロール効率をサポートすることも大切です。
ユーザーエクスペリエンスの向上やコンテンツの深化、内部リンク戦略の強化などを通じた総合的なSEO対策を展開すれば、検索ボリュームの少ないキーワードを中心とした対策でもWebサイト全体の評価を上げることができます。
検索ボリュームを調べられるツール
検索ボリュームは、次のようなツールを使うと簡単に調べられます。
- Googleキーワードプランナー
- Ubersuggest
- aramakijake
各ツールの使い方を詳しく見ていきましょう。
Googleキーワードプランナー
Googleキーワードプランナーは、Googleが提供する無料のツールです。特定のキーワードやフレーズを入力するだけで検索ボリュームや競合度などを把握できます。
使い方は次のとおりです。
1.Google広告にログイン後、「新しいキーワードを見つける」を選択
2.調査したいキーワードを入力
指定されたキーワードと同時に、関連性の高いキーワードの検索ボリュームも調べることができますので、キーワード選定の際のヒントになります。
Ubersuggest
Ubersuggestは、キーワードを入力して「SUBMIT」をクリックするだけで検索ボリュームを調べられるツールです。無料で利用できますが、有料版にアップグレードすれば様々な機能を使えます。
aramakijake
aramakijakeは、無料で使える検索数調査・予測ツールです。検索窓にキーワードを入力して「チェック」をクリックするだけで月間推定検索数や掲載順位ごとのアクセス予測数を調べられます。
検索ボリュームの少ないキーワードで成果につながるSEOを実現しよう
検索ボリュームの少ないキーワードに注力したSEO対策でも、成果を生み出すことは可能です。競合性の低いキーワードは検索結果の上位表示も比較的容易で、コンバージョン率が高いというメリットがあります。
検索回数が少ないキーワードの対策は無駄のようにも見えますが、一定の需要のあるキーワードです。高品質でユーザーニーズに即したコンテンツを作成すれば、想定以上のアクセス数とコンバージョン率を実現できる可能性があります。
特に、予算や時間が限られている中小企業や個人事業主は、検索ボリュームの少ないキーワードに特化した戦略的なアプローチをおすすめします。
「方法論はわかったけれど、キーワード選びからコンテンツ作りまで行うリソースがない」とお悩みの方は、ぜひ弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。