「コンテンツマーケティングに興味はあるけど、適切な運用手順・方法がわからず成果を出せる自信がない」
「すでにコンテンツマーケティングに取り組んでいるが、運用が適当になっており成果を出せていない」
多くのWeb担当者が、このような課題・悩みを抱えています。企業のWeb集客に劇的な効果をもたらす可能性がある「コンテンツマーケティング」ですが、適切な手順・方法で運用しないと期待した成果は得られません。
企業がWeb集客を成功させるためには、コンテンツマーケティング運用についての理解が欠かせません。もしコンテンツマーケティングで成果を出すための具体的な運用手順・方法がわからないのであれば、必ず本記事をお読みください。
本記事では、コンテンツマーケティング運用の適切な手順・方法を中心に、運用体制の構築方法や、外注を活用する際の予算感などについても解説しています。
目次
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングの運用について解説する前に、まず「コンテンツマーケティングとは何か」を簡単に説明します。
コンテンツマーケティングの定義
コンテンツマーケティングとは「コンテンツを活用したマーケティング手法」です。ここでいうコンテンツとは「情報」を意味するものであり、例えばブログ記事やSNS投稿、YouTube動画、メルマガやホワイトペーパーなど様々な種類のものが存在します。
コンテンツマーケティングでは、まずコンテンツを自社の見込み客に見つけてもらい、コンテンツを通じて継続的に価値提供を行うことで関係性を構築し、最終的に商品を購入してもらい自社のファンになってもらうことを目指します。
コンテンツマーケティングの定義自体は非常にシンプルですが、いまいち理解できていない方もいるかもしれません。コンテンツマーケティングは、「様々なマーケティング施策の総称」です。
ブログを運営してGoogleなどの検索エンジン経由でアクセスを集める施策も、SNSでフォロワーを増やして認知を拡大する施策も、「コンテンツを活用したマーケティング」という点で共通しています。そのため、これらはコンテンツマーケティングの施策です。
弊社シンプリックのコンテンツマーケティング事例
コンテンツマーケティングについてより詳しく理解するために、弊社シンプリックがどのようにコンテンツマーケティングに取り組んでいるかを紹介します。
弊社は企業のWeb集客支援を行う編集プロダクションであり、主にWebメディアなどに掲載する記事の制作代行を行っています。この「記事制作サービス」を販売するために、コンテンツマーケティングに取り組んでいます。
コンテンツのメインは、今お読みいただいている「コラム記事」です。企業のWeb担当者に役立つWebマーケティングに関する情報発信を行っており、コンテンツ(コラム記事)をお読みいただいた方からの問い合わせを獲得することで、売上につなげています。
コラム記事は見込み客に見つけてもらい、読んでもらえなければ作成した意味がありません。見込み客に見つけてもらうためには、検索エンジンの検索結果にコラム記事を表示させる必要があります。検索結果に表示させることで多くの見込み客にサイト訪問してもらい、訪問者の一部から問い合わせをいただき売上につなげます。
コラム記事という「コンテンツ」を見込み客に見つけてもらい、読んでもらうことでまず「無料の価値提供」を行います。それにより自社に対して好意的な印象を抱いてくれた見込み客から問い合わせをいただき売上につなげるというこの流れは、まさに「コンテンツマーケティングの王道の流れ」です。
あらゆる企業が、このような「コンテンツを通じて売上を生み出す」ということを行っています。まだコンテンツマーケティングに取り組んでいないとしても、中長期的にWeb集客を成功させてビジネスを成長させたいのなら、必ずコンテンツマーケティングに取り組まなければいけません。
コンテンツマーケティングについて、さらに詳しく理解したい方は以下の記事をお読みください。
コンテンツマーケティングとは?基礎から実践までわかりやすく解説
コンテンツマーケティングの運用で特に重要なこと
コンテンツマーケティングは、中長期的に適切な手順・方法で取り組まないと成功しません。コンテンツマーケティングで成果を出している多くの企業が、このあとに紹介する「コンテンツマーケティング運用の10ステップ」の手順で取り組んでいます。
手順を紹介する前に、コンテンツマーケティングの運用で成果を出すために特に重要なことを一つお伝えします。それは、「質の高いコンテンツを作成し続けること」です。コンテンツマーケティングにおいて「コンテンツ作成が重要」なことはすでにお分かりかと思いますが、以下2つのいずれかを満たしてしまうと成果は出せません。
- 質の低いコンテンツを作成すること
- 単発的にコンテンツを作成すること
改めて、コンテンツマーケティングで成果を出すために重要なことは「質の高いコンテンツを作成し続けること」です。ここで、以下のような疑問が浮かんでくるかと思います。
- 質の高いコンテンツって、なに?
- なぜコンテンツは作成し続けないといけないの?単発的に作成するのではダメなの?
これらの疑問について、順にお答えします。
質の高いコンテンツとは
質の高いコンテンツとは、「コンテンツに触れた人のニーズを満たせるコンテンツ」です。サイトから発信するコラム記事にしても、SNSやYouTubeから発信するテキスト・動画コンテンツにしても、コンテンツに触れた人のニーズを満たせないコンテンツは「質の低いコンテンツ」とみなされます。
コンテンツマーケティングにおけるコンテンツの役割は、「接点作り」と「価値提供」です。作成したコンテンツを見つけてもらい(接点作り)、コンテンツに触れた見込み客に価値提供を行うことで自社に好意的な印象を持ってもらい、最終的に商品の販売につなげます。
質の低いコンテンツを作成しても、「価値提供」ができません。価値提供ができなければ自社に好意的な印象を持ってもらえないため、商品の販売につながりません。これではコンテンツ作成にかけた時間が無駄になってしまいます。
価値提供とは、つまり「ニーズを満たすこと」です。コラム記事を読んだり、YouTube動画を見たりする方には必ず何かしらのニーズが存在します。例えば本記事を読んでいる方には「コンテンツマーケティングの運用について情報を知りたい」というニーズがあるでしょう。
ニーズを満たす質の高いコンテンツは、自社と見込み客をつなげ、見込み客を顧客に転換してくれます。コンテンツマーケティングに取り組んでいるが成果を出せていない企業の多くが、コンテンツの質にこだわれていません。このあと紹介する「コンテンツマーケティング運用の10ステップ」は、質が高いコンテンツを作成し続けるための適切な手順です。
コンテンツマーケティングの成功確率を上げるためにも、「作成するコンテンツは質が高くないと意味がない」ということは肝に命じておきましょう。
コンテンツを作成し続けなければいけない理由
質の高いコンテンツであることを前提に、コンテンツは「作成し続ける」ことに意味があります。単発的にコンテンツを作成しても、多くの場合成果は得られません。
コンテンツを作成し続けなければいけない理由は、以下の2つです。
- コンテンツを通じて自社商品のことを見つけてもらいやすくするため
- 中長期的に見込み客や顧客との関係性を強くしていくため
それぞれについて解説します。
コンテンツを通じて自社商品のことを見つけてもらいやすくするため
コンテンツを作成し続けることで、見込み客に自社商品のことを見つけてもらいやすくなります。
コンテンツマーケティングで多くの企業が特に活用しているコンテンツは「自社サイトから発信する記事」です。例えば記事を中長期的に継続して発信すれば、その分露出が増えるため多くの人に記事を読んでもらえる可能性が上がります。
基本的に、記事の読者数が増えれば自社商品に興味を持ってもらえて、購入してくれる人の数も増えます。露出を増やし、見込み客に自社商品をより見つけてもらいやすくするために、コンテンツを「作成し続ける」ことは欠かせません。
またサイトから発信する記事の場合、継続的に作り発信し続けることで、Googleなどの検索エンジンの検索結果にヒットしやすくなります。Googleは情報量が充実しており、更新頻度が高いサイトのページを、検索結果のより上のほうに表示させようとします。
サイト内のページを検索エンジンの検索結果でより上位に表示させるための対策を「SEO(検索エンジン最適化)」と呼びますが、SEOの観点からもコンテンツを「作成し続けること」は効果的です。
見込み客との関係性を強くするため
コンテンツマーケティングでは、コンテンツを見込み客に見つけてもらい価値提供した後に、継続的にコンテンツを通じて価値提供を行うことで見込み客との関係性を強くし、最終的に商品購入につなげる必要があります。
継続的にコンテンツを作成して発信しなければ、見込み客はすぐに自社のことを忘れてしまいます。何度もコンテンツを通じて価値提供を行うことで、徐々に自社に好意的な印象を持ってもらえるようになり、関係性が強くなることで商品購入などのアクションを起こしてくれるようになるのです。
またコンテンツを作成し続けることで、「単一のコンテンツだけでなく、蓄積してきたコンテンツ群を通じてより高い価値提供を行える」ようになります。サイトからコラム記事を発信してWeb集客に取り組む場合、サイト内にコラム記事が多いほうが、より幅広く訪問者のニーズを満たせます。
例えば弊社シンプリックは、多くのコラム記事をサイト内に蓄積しています。
しかしコラム記事の本数があまりにも少ないと、サイト訪問者はすぐにサイトから離れてしまうでしょう。
質の高いコンテンツを作成し続けることで、訪問者のニーズをより幅広く満たせるサイトになります。またそのようなサイトは検索エンジンの結果で表示されやすくなり、多くの訪問者がサイトに集まるようになります。
コンテンツマーケティングで成果を出すためには、中長期的に質の高いコンテンツを作成し続ける必要があることを理解しておきましょう。そしてそのための手順・方法を、これから紹介します。
コンテンツマーケティング運用の10ステップ
コンテンツマーケティングは、適切な手順・方法で取り組まないと成功しません。中長期的にコンテンツマーケティングに取り組んでいるにもかかわらず成果を出せていない企業の多くは、間違った手順・方法で取り組んでいます。
ここではコンテンツマーケティング運用の10ステップについて、順に解説します。コンテンツマーケティングで成果を出すために特に重要なのは、「事前準備」です。ステップ1〜8までは事前準備にあたりますので、コンテンツ作成を始める前に入念に取り組みましょう。
改めて、コンテンツマーケティングにおいて特に重要なことは「質の高いコンテンツを作成し続けること」です。このことを常に頭の片隅に置いたうえで、事前準備・コンテンツ作成に取り組みましょう。
弊社シンプリックでは現在、質の高いコンテンツを作り集客を成功させたいWeb担当者様向けに「SEO対策の無料相談」を実施中です。プロのSEOコンサルタントが「成果の出るSEO記事の作り方」や「SEOで成果を出すためのポイント」を伝授しますので、少しでもご興味があればまずは資料をダウンロードしてサービス内容をご確認ください。
【ステップ1】目的の明確化
まずは、コンテンツマーケティングに取り組む目的を明確にするところから始めましょう。どんな施策に取り組むうえでも、目的の明確化は欠かせません。
コンテンツマーケティングとは「コンテンツを通じて見込み客に自社のことを見つけてもらい、継続的な価値提供により関係性を構築して、最終的に商品を販売しファン化させる一連のマーケティング手法」のことです。このコンテンツマーケティングの目的が何であるかによって、戦略の立て方や作成するコンテンツの内容が変わります。
コンテンツマーケティングの目的としては、例えば以下のようなものがあります。
- 商品の販売
- 見込み客(リード)の獲得
- 見込み客(リード)との関係構築
- 顧客のロイヤリティ醸成(ファン化)
- 企業ブランディング
企業がコンテンツマーケティングに取り組む際、当然ながら何か解決したい課題があるはずです。企業によって抱えている課題は異なるため、コンテンツマーケティングに取り組む目的も異なります。全ての目的に共通していることは、目的が実現できた結果、事業が成長するということです。
コンテンツマーケティングによって解決したい課題は、そのままコンテンツマーケティングに取り組む目的となります。ほとんどの場合、目的は上記で紹介した5つのいずれかに該当しますので、解決したい課題を元に目的を明確化しましょう。
【ステップ2】ペルソナ設定
目的が明確になったら、次は「ペルソナ」を設定します。
ペルソナとは「自社にとっての理想の顧客像」であり、ペルソナを設定することで戦略や作成するべきコンテンツの方向性を決められます。逆にペルソナを設定しないと、戦略やコンテンツの方向性が決められません。
コンテンツマーケティングでは、コンテンツを「誰に」届けるかが重要です。この「誰に」が明確になっていないと、質の高いコンテンツは作成できないですし、またコンテンツを届ける(見つけてもらう)こともできません。
「誰に」を明確にすることは、コンテンツマーケティングのみならずビジネスの基本中の基本です。そのため「誰に」を明確にするために必ずペルソナを設定しましょう。
ペルソナの設定例を、BtoC企業とBtoB企業のそれぞれで紹介します。ここで紹介する企業名や個人情報などは、全て架空のものです。
【BtoC企業のペルソナ設定例】
職種: 主婦
名前: 佐々木 由美
年齢: 38歳
性別: 女性
職業: 専業主婦
趣味: 編み物、散歩、料理
特徴: ペットを飼っていることが多く、ペットの健康や栄養に敏感
職務内容: ペットフードの選定や、ペットの健康に関するアドバイスなどを担当する。
【BtoB企業のペルソナ設定例】
職種: 購買担当者
名前: 佐藤 美香
年齢: 28歳
性別: 女性
学歴: 商学部卒業
趣味: 映画鑑賞、旅行、ヨガ
特徴: 細かいニーズにも目が行き届く
職務内容: オフィス家具や設備など、企業の物品調達を担当する。
実際は、より細かく具体的にペルソナを設定します。ペルソナを設定することで「誰に」が明確になるため、コンテンツマーケティングに取り組むチーム内で「誰に」の共通認識を持てるようになります。
ペルソナと意味が似ている言葉に「ターゲット」があります。ターゲットとは「自社が狙う顧客層」のことであり、「誰に」を決めるという点ではペルソナと同じです。しかしターゲットが「ある属性(性別や年齢、居住地など)を持つ人」といったように「集団」で設定するのに対し、ペルソナは「個人」で設定します。
そのため「誰に」をできる限り詳しく明確にしたい場合は、ペルソナを設定するのが効果的です。
ペルソナ設定については、以下の記事でより詳しく解説しています。
【ステップ3】ニーズの洗い出し
ペルソナが設定できたら、次にペルソナが持っているであろうニーズを洗い出しましょう。
ニーズとは「求めているもの」のことであり、抱えている悩みや課題、その他様々な欲求がニーズにあたります。ここで洗い出すニーズは、自社との関連性があるものでなくてはいけません。
例えばパーソナルジムを運営している企業がペルソナのニーズを洗い出す場合、以下のようなものが挙げられるでしょう。
- 普段デスクワークで一日中椅子に座って仕事をしており、運動不足を強く感じるようになってきた。運動不足を解消して、身体を健康に保ちたい。
- ダイエットのために、定期的に自宅で軽めの筋トレやストレッチを行っているが、全然体重が落ちない。方法を変えて、何とかして体重を落としたい。
ニーズは、思いつく限り全て洗い出しましょう。ここで洗い出したニーズを満たすために、この後のステップでどのようなコンテンツを作成するか決めていきます。
アイデア出しが苦手な方にとって、ニーズの洗い出しを自分の頭の中だけで行うのは難しいかもしれません。その場合は実際に顧客にインタビューやアンケートを取ってみて、どんなニーズを抱えているか、特に重要なニーズは何かなどを探ってみるのも一つの手です。また次に紹介する「競合調査」を行うことで、ペルソナが抱えているニーズについてより幅広く洗い出せるかもしれません。
【ステップ4】競合調査
ペルソナの設定とニーズの洗い出しができたら、次に「競合調査」を行いましょう。
競合調査とは、コンテンツマーケティングに力を入れて取り組んでいる競合企業を分析・調査することです。以下は、競合調査を行うことで得られるメリットの一例です。
- 他社との差別化を図れる
- 成果を出すためのコンテンツマーケティングの全体像をつかめる
- どんなコンテンツを作成するべきかのイメージをつかめる
- コンテンツマーケティングで成果を出すためのポイントが分かる
- 成果を出すために必要なコンテンツ数の目安が分かる
競合調査を行うことで、自社でコンテンツマーケティングに取り組み成果を出すための多くのヒントを得られます。特にコンテンツマーケティングに取り組むのがはじめての場合は、どんなコンテンツをどれくらいの数作れば良いかや、「中長期的にこんなサイトに育てたい」といった理想・ゴール像がイメージしづらいでしょう。競合調査によりこれらのイメージをつかむことで、この後のコンテンツ企画・設計の精度を上げられます。
また何か施策を打つにあたり、「他社との差別化」は重要なポイントです。競合調査を行えば「他社と差別化して成果を出すためにどうすればいいか」を考えられるようになるため、この点でもコンテンツマーケティングに取り組むにあたり競合調査は必須といえます。
【ステップ5】目標設定
競合調査を行うことで、「コンテンツマーケティングに取り組みどんなことを実現したいか」をより明確にイメージできるようになります。コンテンツマーケティングで成果を出し目的を実現するためには、「目標設定」が欠かせません。
ここで設定するべき目標には、大きく以下2つの種類があります。
- KGI:最終目標
- KPI:中間目標
「KGI」とは最終目標のことであり、これはその名の通り最終的に達成したい目標のことです。そして「KPI」とはKGIである最終目標を達成するための中間目標のことであり、KPIを達成し続けた結果KGIが達成できるよう、通常複数設定します。
KGIとKPIは、いずれも「数値で期限を切って」設定する必要があります。これは目標が達成できたかどうかを客観的に判断するためです。目標が達成できたかどうかが分からなければ、取り組んだ施策が正しかったのか、それとも間違っていたかの判断がつきません。そのため、KGIとKPIは必ず数値で期限を切って設定しましょう。
以下、KGIとKPIの例をそれぞれ紹介します。
【KGI(最終目標)の例】
- 3年以内にWeb経由で月20件の問い合わせが発生する状態を作る
- 1年以内にメルマガの登録者数を100人にする
【KPI(中間目標)の例】
- 月20件の問い合わせを獲得するためには、月40,000件のサイトへのアクセスが必要であるため、「2年以内に20,000件」、「1年以内に5,000件」のアクセス獲得を目指す
- メルマガの登録者数を100人にするために、「半年以内に30人」、「3ヶ月以内に10人」、「1ヶ月以内に3人」のメルマガ登録者数を獲得する
KPIを設定する際は、「KPIツリー」を作成するのがおすすめです。これはKGIを頂点とし、KGIを達成するために必要な要素を細かく考え、それぞれの要素についてKPIを設定することで、漏れなくKPIを設定するための有効なツールです。
【ステップ6】コンテンツ企画・設計
KGIとKPIの設定ができたら、目標達成のためにどのようなコンテンツがどれくらいの本数必要かを企画・設計しましょう。
ここまでのステップで、ペルソナを設定してニーズを洗い出し、また競合他社でコンテンツマーケティングに取り組んでいる企業がどんなコンテンツを発信しているかの調査を行いました。これらの工程に入念に取り組んでいれば、自社でどんなコンテンツを発信していくべきかのイメージがある程度付いているはずです。
コンテンツは、必ずペルソナのニーズを満たすものでなくてはいけません。ニーズの洗い出しはすでにできているため、特に満たすべき重要なニーズについて、満たすためのコンテンツを企画しましょう。
またコンテンツの形態は自社サイトから発信するコラム記事なのか、メルマガなのか、YouTube動画なのかなどもここで決めておきます。
【ステップ7】スケジュール設定
作成するべきコンテンツの企画・設計ができたら、コンテンツ作成のスケジュール設定を行いましょう。
主に以下の項目などについてスケジュールを設定し、もしスケジュールから進捗が遅れている場合は適宜対策を考えて実施し、質の高いコンテンツをできる限り滞りなく継続的に発信できるようにしましょう。
- コンテンツ作成の着手日
- コンテンツ作成の完了日
- コンテンツの品質チェック日
- コンテンツの発信日
「いつコンテンツ作成に取り組み、作業者が作成を完了させた後いつダブルチェックを行い、最終的にいつ発信するか」を決めます。無理なく余裕を持って進められるようスケジュールを設定しましょう。
【ステップ8】運用体制の構築
コンテンツ企画・設計とスケジュール設定ができたら、スケジュール通りに進めるための体制構築を行いましょう。体制構築で決めるべき項目としては、例えば以下のようなものがあります。
- 各工程ごとの担当者決め
- 人材リソースの確保と配置
- 予算決め
- 担当者間のコミュニケーションの取り方決め
- 執筆マニュアルやレギュレーションの用意
特に「各工程を誰が担当するか」と「人材リソースの確保と配置」が重要です。スケジュール設定が完了して「誰がいつまでに対応するか」が明確になれば、一応はトラブルがない限りスケジュール通りにコンテンツ作成を進めていけます。
社内で人材リソースの確保ができない場合は、外注も検討しましょう。
【ステップ9】コンテンツ作成
ここまでで事前準備が終わり、いよいよコンテンツ作成に取り掛かります。しかし作成するコンテンツについていきなり執筆などを行わずに、まずは「ニーズを満たすために、どんな順番で何を伝えるか」というアウトラインを作成しましょう。アウトラインの作り方は様々ですが、一番基本的なものは「見出し案の作成」です。
例えば本記事の見出し案は、以下となっています。
コンテンツマーケティングの定義
弊社シンプリックのコンテンツマーケティング事例
コンテンツマーケティングの運用で特に重要なこと
質の高いコンテンツとは
コンテンツを作成し続けなければいけない理由
コンテンツを通じて自社商品のことを見つけてもらいやすくするため
見込み客との関係性を強くするため
コンテンツマーケティング運用の10ステップ
【ステップ1】目的の明確化
【ステップ2】ペルソナ設定
【ステップ3】ニーズの洗い出し
【ステップ4】競合調査
【ステップ5】目標設定
【ステップ6】コンテンツ企画・設計
【ステップ7】スケジュール設定
【ステップ8】運用体制の構築
【ステップ9】コンテンツ作成
【ステップ10】分析と改善
コンテンツマーケティング運用を成功に導く5つのポイント
中長期的な視点で「我慢強く」運用する
具体的な目標項目を設定して運用する
運用に必要な予算を確保する
・月額10万円以下
・月額10万円~30万円
・月額30万円〜50万円
・月額50万円以上
適切に体制構築を行う
・チーフエディター
・エディター
・コンテンツ制作者
・マーケティングアナリスト
必要に応じて外注を活用する
コンテンツマーケティング運用に関するよくある質問
Q. 月の公開記事数はどれくらいがいいの?
Q. 記事の文字数はどれくらいがいいの?
Q. 検索回数がどれくらいの記事から書き始めれば良いか?
Q. 一度公開した記事を書き直して(リライト)も良いか?削除しても良いか?
コンテンツマーケティングの運用時に発生する作業一覧
【費用シミュレーション】1カ月20記事を外注した場合
・ペルソナ作成
・企画作成
・執筆・校正
・画像選定/作成
・CMS反映
コンテンツマーケティングの運用は、外注を活用して効率的に行おう
見出し案を作成することで、「何をどんな順番で伝えるか」が明確になります。見出し案を元に、「ニーズを満たすためにどんな情報をどんなふうに伝えるべきか」ということを常に考え、質の高いコンテンツに仕上げることにコミットしてコンテンツ作成を行いましょう。
質の高いコンテンツの作り方については、以下の記事で詳しく解説しています。
コンテンツマーケティング記事作成のコツ・手順を徹底解説!外注メリットも紹介
【ステップ10】分析と改善
コンテンツは、作成して発信したらそれで終わりというわけではありません。コンテンツ発信によりどのような効果が得られたかを測定し、期待した効果を得られなかった場合は改善施策を考え、実行します。
例えばサイトからブログ記事・コラム記事などを発信してSEOによりアクセスを集めようとする場合、以下のような指標を確認すると良いです。
- 記事の検索順位
- アクセス数(PV)
- ユーザー数(UU)
- 滞在時間(どれくらい長くページに滞在していたかを示すもの)
- コンバージョン数(コンテンツから得られた問い合わせや商品購入などの成果)
コンテンツマーケティングをはじめて最初のほうは、なかなか期待した成果が出ず苦しい思いをするかもしれません。しかし質の高いコンテンツを発信し続けていれば、中長期的にはしっかり成果が出るようになるはずです。短期的な視点ではなく中長期的な視点を持ち、やるべきことを我慢強くやり続けることが重要ということを肝に銘じましょう。
コンテンツマーケティング運用を成功に導く5つのポイント
ここでは、コンテンツマーケティングで成功するために押さえておきたいポイントを5つ解説します。
コンテンツマーケティングは長期間運用が前提と心得る
コンテンツは、ユーザーとの関係性を重視しながら理想の形へと近づけていくものです。従って、コンテンツマーケティングでは「リサーチ」「仮説」「運用後の分析」を繰り返しながら運用を続けます。
なおコンテンツの公開当初は、検索エンジンの評価が高まるまでに時間を要します。潜在顧客が顕在化するまでの時間も必要です。ユーザーのニーズも時代によって変わるため、コンテンツマーケティングで狙うのはあくまでも「理想形」であって「最終形」ではありません。
具体的な目標項目を設定して運用する
コンテンツマーケティングの運用ではKPI(中間目標)の設定が不可欠です。ここではよく使われる代表的なKPIを紹介します。
【獲得成果】
指標 | 意味 |
PV数 | 閲覧されたページの総数 |
UU数 | ユニークユーザー |
セッション数 | ユーザーの訪問回数 |
滞在時間 | ユーザーのサイト閲覧時間 |
回遊率 | 1ユーザーあたりのサイト内閲覧数 |
【コンバージョン】
指標 | 意味 |
問い合わせ数 | 訪問した読者からの問い合わせの件数 |
申し込み数 | 訪問した読者の商品申し込み数 |
登録数 | 訪問した読者がサービスやメールマガジンに登録した数 |
運用に必要な予算の確保
コンテンツマーケティングを成功させるためには、専門業者への外注やコンサルへの委託も視野に入れる必要があります。なお予算はコンテンツの質や量、アウトソースの範囲などによって変わります。プランによっては、レポーティングやサイトの改善を依頼することも可能です。
予算別の委託内容の例を紹介します。
・月額10万円以下
オウンドメディアの構築が終わり、運用方針も決まっている場合は、10万円以下でも委託できます(例:記事制作の一部を外部委託する)。
・月額10万円~30万円
コンテンツマーケティングに必要な環境の整備からコンテンツの制作までを一任する場合は、10万円から30万円前後の予算を見ておくといいでしょう。
・月額30万円〜50万円
戦略設計の段階から依頼する場合、30万円から50万円の予算は確保しておきたいです。この価格帯では、競合他社の調査や、アクセス解析の結果に応じた専門的なサポートも受けられます。
・月額50万円以上
環境構築から制作、施策の改善までをワンストップで依頼する場合にかかる費用です。新規のメディア運営をすべて任せるなら、最低でも50万円はかかります。
活力あるチーム体制と十分な作業時間が結果を生む
運用の継続にはチームの活力も重要です。コンテンツマーケティングではスタート時だけでなく、運用後に発生する作業も多岐にわたります。
どんなにすぐれたツールを導入しても、人的リソースが不足すれば継続的な運用は困難です。分析や見直しなどの時間に余裕を持つようにし、チーム全体の活力を維持していきましょう。
なおチーム体制を確立して維持するには、コンテンツマーケティングの流れに応じた役割分担も重要です。
・チーフエディター
全体の編集責任者です。全体的な方向性の確認やクオリティのチェック、他部署との連携、調整などを行います。
・エディター
企画に基づいた発注やコンテンツの最適化を行います。
・コンテンツ制作者
記事の執筆、イラストの用意、ブログのデザインなど、コンテンツを制作をしていきます。
・マーケティングアナリスト
さまざまなデータを分析して、公開後のコンテンツを評価します。
コンテンツマーケティング経験者や外部のプロをアサイン
自社内のチームだけで企画や制作、評価をすべて担当すると、運用に行き詰まることがあります。コンテンツマーケティングでは専門的な知見が必要になるケースもあるため、状況に応じてプロジェクト経験者や外部のプロをアサインし、新しい視点を取り入れましょう。
工程 | 外部のプロ |
---|---|
記事の執筆 | ライター |
サイトのデザイン | Webデザイナー |
アクセス解析 | Web解析コンサルタント |
コンテンツマーケティング運用に関するよくある疑問
ここでは、コンテンツマーケティング運用に関するよくある疑問と回答をいくつか紹介します。
Q. 月の公開記事数はどれくらいがいいの?
A. サイトの質を担保するためにも、月に15記事から20記事を目標にしてみましょう。ただし低品質な記事を公開しても意味がないため、質の高い記事を確実に作成できる本数を目標にするべきです。
Q. 記事の文字数はどれくらいがいいの?
A. 文字数について意識しすぎる必要はありません。ペルソナのニーズを満たすために必要十分と考えられる文字数で執筆しましょう。
Q. 検索回数がどれくらいの記事から書き始めれば良いか?
A. 始めて間もないメディアの場合、まずは月間の検索回数が2桁〜3桁、数十回〜数百回のキーワードでの上位表示を目指しましょう。
Q. 一度公開した記事を書き直して(リライト)も良いか?削除しても良いか?
A. 記事を公開してから数ヶ月(3〜6ヶ月)が経過しても上位表示されない場合は、リライトを検討しましょう。リライトをしても上位表示されない場合は「質の低い記事」と評価されているため、削除することも検討するといいです。
コンテンツマーケティングの運用時に発生する作業一覧
コンテンツマーケティングの運用に必要な作業を確認しておきましょう。
作業 | 作業内容 |
---|---|
キーワード選定 | ターゲットを明確にします |
構成案の作成 | 抽出したキーワードに適した構成案を作成します |
記事執筆 | 構成に基づいた記事を執筆します |
画像・動画・イラストの作成 | 記事内に使用する画像等を作成します |
校正・編集 | 記事内容のミスをチェックして質を高めます |
公開作業(CMSアップ) | ワードプレスで記事を反映させます |
ソーシャルカウントへの掲載 | ソーシャルカウントと連携させます |
【費用シミュレーション】1カ月20記事を外注した場合
1か月に20記事を外注した場合の費用をシミュレーションしてみます。
・ペルソナ作成
記事ごとにペルソナを設定します。費用は企画校正料金に含まれるケースも多いです。
・企画作成
記事の企画を依頼します。1記事あたり10,000円ほどが相場です。
・執筆・校正
文字数や記事の内容によって大きく変わりますが、最低でも単価5円はかかります。3,000文字なら「1記事=15,000円」となります。
・画像選定/作成
画像やイラストの作成は、1画像7,500円前後が相場です。また、Adobeなどのストックフォトから画像選定をする場合は、1記事3,000円程度の費用がかかります。
・CMS反映
CMSへの反映時にコーディングが必要な場合は、金額が上がります。
それでは、実際に月間20記事を外注した場合の合計金額を見てみましょう。
項目 | 単価 | 件数 | 金額 |
---|---|---|---|
ペルソナ/企画作成 | 10000 | 20 | 200,000円 |
執筆/校正 (3000文字6円) | 18000 | 20 | 360,000円 |
画像選定 ※ストックフォト利用 | 3000 | 20 | 60,000円 |
CMS反映 (コーディングなし) | 6000 | 20 | 120,000円 |
合計金額(月) | 740,000円 |
コンテンツマーケティングの運用は、外注を活用して効率的に行おう
本記事では、コンテンツマーケティング運用の適切な手順・方法を中心に、運用体制の構築方法や、外注を活用する際の予算感などについて解説しました。
コンテンツマーケティングで特に重要なことは、「質の高いコンテンツを作成し続けること」。これより重要なことはありません。質の高いコンテンツを作成し続けるために、本記事で解説した「コンテンツマーケティング運用の10ステップ」に沿ってコンテンツマーケティングの運用に取り組んでみてください。
弊社シンプリックは、コンテンツマーケティングの中でも特に重要な「記事作成」を得意としています。検索結果で上位表示を獲得できる記事を作成し、企業の利益向上に最大限貢献することができます。
コンテンツ作成にはどうしても多くの労力・時間がかかるため、社内リソースだけで取り組むのが難しいと感じている企業は多いでしょう。外注を検討したことがない場合は、まず「外注することでどんなメリットがあるか」を知ることから始めるのが良いかもしれません。
弊社シンプリックでは、すぐのご依頼ではなくとも相談やコンテンツマーケティングに関する質問の段階から真剣にお客様と向き合い、価値を提供します。現時点で少しでもコンテンツ作成の外注に興味がある、またコンテンツマーケティングについて聞いてみたいことがあるという場合はぜひ一度ご相談ください。
2005年よりSEOに従事、年間3000本以上のSEOコンテンツを制作しているシンプリックコンテンツマーケティング事業部の監修記事です。