検索意図の理解はSEOの成功に重要な役割を果たします。検索意図を理解せずにコンテンツを作成しても、検索結果の上位表示は期待できません。
そこで本記事では、検索意図とSEOの関連性や、検索意図に適した効果的なSEO戦略の立案方法などについて解説します。
キーワード選定やコンテンツの作成手順、ユーザーエクスペリエンスの最適化に向けた方策なども紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
また「そもそもSEOについてあまり理解できていない」という方は、以下の記事も併せてお読みください。
【2023年最新・完全版】SEO対策とは?初心者向けに「どこよりも」わかりやすく解説!
目次
検索意図とは
まずは、検索意図の定義や種類を確認していきましょう。
検索意図の定義
検索意図とは、ユーザーがインターネット上で行う検索の目的です。
検索エンジンを利用するユーザーは、自分の欲しい情報を得るために特定の意図を持っています。漠然と映画を見たり音楽を聴いたりする人はいますが、漠然と検索をする人はまれです。ほとんどのユーザーは何らかの意図を持って検索をしています。検索したキーワードに直接現れるとは限りませんが、見えないニーズを表すものを検索意図と捉えます。
検索意図の分類
検索意図は多様ですが、主に下記のように分類されます。
検索意図の分類 | ユーザーの目的 |
---|---|
情報検索意図(Knowクエリ) | ~について知りたい |
案内型検索意図(Goクエリ) | ~に行きたい |
取引型検索意図(Doクエリ) | ~をしたい |
商品検索意図(Buyクエリ) | ~を買いたい |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
情報検索意図
情報検索意図とは、ユーザーが特定の情報を得るために入力するキーワードのことです。情報を「知る」ことが目的であるため「Knowクエリ」とも呼ばれます。
例:
「検索意図とは」
「天気予報 東京」
「健康食事 レシピ」
「ハリー・ポッター キャスト」
など
案内型検索意図
案内型検索意図とは、ユーザーが特定の場所に行きたいときに入力するキーワードです。特定の場所に「行く」ことが目的なので「Goクエリ」とも呼ばれます。
例:
「Amazon」
「ラーメン 池袋」
「Facebook ログイン」
「豊島区 郵便局」
など
上記例のように、実在する場所だけではなく、Webサイトに行きたいときにも使用できます。
取引型検索意図
取引型検索意図とは、何かしたいときに入力するキーワードです。「トランザクショナルクエリ」や「Doクエリ」とも呼ばれます。
例:
「ハウスクリーニング 見積もり」
「Web広告 運用代行」
「楽天市場 会員登録」
「ゲームアプリ ダウンロード」
など
上記例のように、ダウンロード、会員登録、資料請求などのアクションに結びつくのが特徴です。
商品検索意図
商品検索意図とは、商品やサービスの購入や申し込みを考えているユーザーが入力するキーワードのことです。Buyクエリとも呼ばれますが、検索結果が購買行動に直結するケースも少なくないので、取引型検索意図の派生型とも言えます。
例:
「iPhone 13 Pro Max 価格」
「東京 家具 安い」
「タブレット 通販」
「歩数計 多機能」
など
なお、Googleのバーティカル検索には「ショッピング」というカテゴリがあり、特定の分野に絞り込み検索ができるようになっています。
検索意図とSEOの関連性
検索意図はSEOと重要な関係があります。その重要性と、検索意図を理解することで得られるメリットを詳しく見ていきましょう。
なぜ検索意図が重要か
Googleはユーザーファーストの理念を掲げているため、ユーザーエクスペリエンスが高いサイトを検索結果の上位に表示する傾向があります。つまり、検索結果で上位表示されるためには「ユーザーが何を求めているか」を考える必要があるのです。
検索意図を理解したうえで適切なコンテンツを提供しなければ、ユーザーエクスペリエンスの向上は期待できません。ページの質を担保した上で、求めている情報をスムーズに見つけられるコンテンツを作成すれば、再訪や拡散などのポジティブな行動にもつながるでしょう。
検索エンジンの進化と検索意図
近年の検索エンジンは、ユーザーの検索意図をかなり正確に理解しています。ユーザーの地域性や個人的な事情にも配慮できるため、ローカルで個人化された情報を提供することも可能です。このような進化に対応するためには、検索意図の種類に応じたコンテンツを提供する必要があります。
さらに、検索エンジンはユーザーが求める情報をスムーズに提供することも重視しています。ページの読み込み速度やモバイルユーザビリティに問題があるWebサイトは上位に表示されない傾向にあるので注意が必要です。
検索意図を理解することで得られるメリット
検索意図を把握して適切な情報や解決策を提供すれば、ユーザーの問題をスピーディーに解決へ導き、Webサイトの信頼性が向上します。
また、検索意図を理解すればユーザーが何を求めているのかの把握につながるため、マーケティング戦略やコンテンツ戦略の立案にも役立つでしょう。ニーズに合致した信頼性の高い情報を提供すれば、競合他社との差別化も図ることができます。
検索意図に合わせたSEO戦略
検索意図に合わせたSEO戦略の流れは、以下のとおりです。
- キーワード選定
- コンテンツ制作
- ユーザーエクスペリエンスの最適化
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1.キーワード選定
キーワードの選定はSEO戦略の基本です。主な戦略としては「ロングテールキーワードの活用」と「検索意図を考慮したキーワードリサーチ」があります。
ロングテールキーワードの活用
ロングテールキーワードとは、具体的で詳細な検索クエリのことです。一般的なキーワードは短い単語やフレーズですが、ロングテールキーワードは具体的なニーズや要求を含みます。
例:
「新宿 ジム 体験 申し込み」
「防水機能付き スマートフォン」
「東京 ペット可 ホテル」
「シャンプー 無添加 オーガニック」
など
つまり、具体的な意図を持ったユーザーが多く、競合が少ないことから上位表示しやすいのが特徴です。具体化させることでニーズに合致し、コンバージョン率が高くなることも期待できます。Buyクエリの場合は、ユーザーの購買確度が極めて高いと考えられます。
ロングテールキーワードの活用は、競合他社との差別化にも有効です。たとえば、「旅行」のような一般的なキーワードではなく、「山梨 温泉旅行 家族」のようなロングテールキーワードは、ターゲットユーザーの特定と差別化したコンテンツの作成に役立ちます。
ロングテールキーワードの探し方については以下の記事で詳しく解説しています。
検索意図を考慮したキーワードのリサーチ
キーワードリサーチの主な方法は、次の3つです。
1.検索結果を参考にする
対策キーワードで検索した際に上位表示されるサイトを参考にする方法です。上位に表示されるサイトは「Googleに評価されている」と考えられるため、内容の充実度や記載すべきトピックを知るヒントにもなります。
2.サジェストキーワードを見る
検索結果画面には検索回数が多い「サジェストキーワード」も表示されるため、検索意図の把握に役立ちます。たとえば「池袋 映画」と入力すると、「フリー」「上映スケジュール」「新しい」などが表示されます。
3.キーワードリサーチツールを活用する
専門的なツールを活用すれば、リサーチの手間が大幅に省けます。代表的なキーワードリサーチツールは下表のとおりです。
ツール名 | 主なリサーチ機能 |
---|---|
Googleキーワードプランナー | ・月間予測検索回数 ・関連ワード ・地域ごとの検索ボリューム |
Googleトレンド | ・急上昇しているキーワード ・キーワードの検索数推移 ・過去のトレンドキーワード |
ラッコキーワード | ・共起語 ・Yahoo!知恵袋の検索結果 |
Keywordmap | ・競合サイトの対策キーワード ・ロングテールキーワードの発掘 ・サジェストキーワードの洗い出し |
SEOチェキ | ・キーワード出現頻度 ・発リンク数 |
キーワードの選び方・選定方法については、以下の記事でも詳しく解説しています。
2.SEOコンテンツ制作
検索意図を把握してキーワードを選定したら、それに適したコンテンツを作成していきます。
弊社シンプリックでは現在、質の高いコンテンツを作り集客を成功させたいWeb担当者様向けに「SEOの無料相談」を実施中です。プロのSEOコンサルタントが「成果の出るコンテンツの作り方」や「SEOで成果を出すためのポイント」を伝授しますので、ぜひお申し込みください。
検索方法に合わせたコンテンツ作成
検索意図に合わせたコンテンツを作成してSEOの効果を最大化させるためには、ユーザーが絞り込んで分野を絞って検索するバーティカル検索や、検索結果にWebページ以外のコンテンツも表示させるユニバーサル検索に合わせたコンテンツ制作も効果的です。
たとえば「オムライス 作り方」と検索すると、バーティカル検索の順番が「動画、画像、ショッピング、ニュース…」になります。
通常は「画像、動画…」の順になるため、動画コンテンツが検索意図に適しているとわかります。
また、Googleは検索結果1ページ目の高順位に画像と動画を追加で表示する「リッチリザルト」の機能を備えています。検索意図に適したコンテンツを作成するには、コンテンツに「画像や動画を含ませる」のが効果的です。
このケースでは、オムライスの作り方を画像や動画で説明するとユーザーの満足度を高められるでしょう。
コンテンツの質を向上させる方法
質の高いコンテンツを作成しなければ検索結果の上位に表示されません。そのために重要なのは「有益で独自性のある情報の提供」です。
さらに、ユーザーにわかりやすく読みやすい文章を意識する必要もあります。簡潔で理解しやすい文章を作成し、適切な見出しや箇条書きなどのレイアウトを適宜盛り込み、コンテンツ全体の質を向上させましょう。画像や動画、グラフなどのメディアを活用すれば、理解度と充実度をさらに高めることができます。
質の高いコンテンツの作成方法については、以下の記事で詳しく解説しています。
E-A-Tを考慮したコンテンツ作成
E-A-Tとは、「Expertise(専門性)」「Authoritativeness(権威性)」「Trustworthiness(信頼性)」の略です。この3つは、Googleの検索結果に影響を与える要素として注目されています。
たとえば、「医師が執筆した医学に関する記事」と「素人が執筆した医学の記事」は、説得力も内容の信頼性も異なります。そのため、E-A-Tを考慮するには、専門的な知見がある執筆者が記事を作成しなければいけません。
自社に専門家が在籍していれば問題ありませんが、そうでない場合は外注するなどして専門家に依頼しましょう。
コンテンツ内に執筆者のプロフィールを明示することも大切です。執筆者の経歴や専門性の高さを記事の冒頭や文末で明らかにすれば、内容全体の信頼性が高まります。
オンページSEO
オンページSEOとは、自サイト内で展開するSEOのことです。主な施策としては「タイトルタグとメタディスクリプションの記述」「内部リンクと外部リンク」「構造化マークアップ」などがあります。
タイトルタグとメタディスクリプション
タイトルタグとメタディスクリプションとは、WebページのHTMLコードに含まれる要素です。
・タイトルタグ
HTMLの<head>タグ内に配置します。Webページのタイトルとして認識、表示されるため、ユーザーがクリックしたくなるようなわかりやすく魅力的なタイトルにする必要があります。
タイトルの効果的な付け方は、以下の記事で詳しく解説しています。
・メタディスクリプション
タイトルタグ同様に、HTMLの<head>タグ内に配置します。Webページの要約を記載しておくと、ページの説明として検索結果に表示されることがあります。
適切なタイトルと要約を設定すれば検索結果表示が最適化され、クリック率の向上が期待できます。
メタディスクリプションの効果的な付け方は、以下の記事で詳しく解説しています。
ディスクリプションとは? SEO効果との関係性や記述方法・CTRを高める書き方を解説!
内部リンクと外部リンク
内部リンクとは、自サイト内の別ページに飛ぶリンクです。Googleはコンテンツを評価する際に、ユーザーの巡回率と滞在率をチェックしています。ユーザーが長い時間滞在しているサイトは、「知りたい情報が数多く掲載されている充実度の高い」と判断される傾向があるのです。そのため、サイト内の関連ページをリンクして、サイト内巡回率と滞在率を上げる必要があります。
外部リンクは、他のWebサイトに飛ぶリンクのことです。一般的には、他サイトの参照や情報提供を目的として使用されます。外部リンクは信頼性や権威性を高めるのに役立ちます。
構造化マークアップ
構造化マークアップとは、文書やデータをGoogleのクローラーに理解しやすい形式にして記述することです。
通常のマークアップでは、クローラーが「テキスト」として認識します。「株式会社」という文字が入っていても、それが企業名であるということを理解できません。
しかし、構造化マークアップでは、「株式会社シンプリック」を「会社名」として認識します。
構造化マークアップによってクローラーがWebページの内容を理解しやすくなれば、検索結果の表示順位向上が期待できます。
検索意図に応じたSEO対策も重要
検索意図に応じたSEO対策を施すことも大切です。たとえば、情報検索意図に適したコンテンツを作成する場合は、ユーザーが求めている情報に関連したキーワードを選択し、正確で有用な情報を提供する必要があります。
取引型検索意図なら、具体的な手順や方法、手続きをわかりやすく解説し、ユーザーのアクションをサポートする情報を提供しなければいけません。
3.ユーザーエクスペリエンスの最適化
コンテンツを作成する際には内容を充実させるだけではなく、ユーザーエクスペリエンスを最適化してページ全体の利便性を高めることも大切です。
ページ速度の向上
Webページの表示速度が遅いサイトは、それだけでユーザーにストレスを与えます。離脱率も高くなる傾向にあるので注意が必要です。
Webページの表示速度改善には、次のような施策が有効になります。
- 画像のファイルサイズ削減
- 動画のファイルサイズ削減
- YouTubeプレイヤーをIframe Player APIで埋め込む
- 画面のスクロールに応じて画像を読み込むようにする など
また、次のような専用ツールを活用すれば、効率的にWebページの表示速度を改善できます。
・Page Speed Insights
Page Speed Insightsは、測定したいページのURLを入力するだけで表示速度を調査できるツールです。現在のパフォーマンスを100点満点で把握することもできます。
・Google Analytics
Google Analyticsの「行動」→「サイト速度」→「概要」をクリックすると、Webページの表示速度に関するさまざまな指標を確認できます。
モバイルファーストのデザイン
モバイルファーストとは、モバイルからの閲覧を考慮してWebサイトのデザインやコンテンツを最適化するアプローチです。
近年ではモバイル端末から閲覧するユーザーが増えているため、モバイルユーザーの利便性を重視したWebサイトの構築が重要になっています。また、GoogleはモバイルフレンドリーなWebサイトを優先的に表示する傾向があります。
なお、モバイルデバイスにおける利便性は、Googleの「モバイルフレンドリーテスト」で確認できます。
CTAの配置と最適化
CTAとは「Call To Action」の略で「行動喚起」を意味します。具体的には「お問い合わせ」や「資料請求」といった行動に誘導するために設置するボタンやテキストリンクのことです。
CTAで誘導するユーザー行動には、次のような種類があります。
- お問い合わせ
- 資料請求
- 会員登録
- ダウンロード など
CTAは顧客の行動を促し、コンバージョン率を向上させるための大切な要素です。鮮明でわかりやすい文言やデザインを採用するだけではなく、ユーザーに対する説得力や興味関心を意識して作成・設置しましょう。設置後も分析やテストを繰り返して改善を図ることが重要です。
コンテンツの読みやすさと視認性
Webサイトにおける視認性とは「見やすさとわかりやすさ」です。これを決める要素は幅広く、代表的な例としては「レイアウトや文字の配置」「画像とフォントの種類やサイズ」などが挙げられるでしょう。
デザイン性や操作性が優れていても、視認性が低いWebサイトはユーザーのアクションにつながらず、期待しているコンバージョン率の達成も難しくなります。
ただし、視認性の評価は人によって異なり、コンテンツのターゲットとなるユーザー層によっても変わります。たとえば、ターゲットが50代のWebサイトに小さなフォントサイズを使用すると、視認性が悪いと思われる可能性があります。
いずれにしても、Webサイトを作成する際には「ターゲットにとって視認性の高いデザイン」を意識することが大切です。
【まとめ】検索意図を把握し、効果的なSEO戦略で成果を向上させよう
検索意図の理解はSEOにおいて重要な要素です。検索意図を正しく把握できれば、キーワード選定からコンテンツ作成、オンページSEO、ユーザーエクスペリエンスの最適化まで幅広く活用できます。
検索意図に合致するタイトルタグやメタディスクリプションの作成、読みやすいコンテンツの提供、適切な画像や動画の導入なども重要です。検索意図を考慮した戦略を実践して、SEOの効果を最大化させましょう。
場当たり的ではなく、ユーザーの検索意図まで理解した上で戦略的なSEO対策を行いたい。そうお考えの方は、ぜひ弊社シンプリックの無料相談をご活用ください。お客様の現在抱えている課題や今後取り組もうとしていることなどをヒアリングしたうえで、弊社クライアントおよび弊社自身の成功事例をもとに、お客様が今取り組むべきことをお伝えし、弊社がどのような支援をできるかご説明させていただきます。
シンプリックのSEO事業全体を監修。海外のマーケティングカンファレンスにも足を運び、最新のSEOおよびコンテンツマーケティング動向に精通。「競合が少なくコンバージョンを生み出せるキーワードの選定」「読みやすくロジカルな記事コンテンツの監修」を得意としています。
【実績】2005年に設立した株式会社ブルトア(サクラサクマーケティング株式会社)では、多数のクライアント、パートナー企業の検索エンジン集客に貢献し、SEO事業を年商7億規模に伸張させる。その後、設立した株式会社シンプリックでは、自社の海外通販事業を検索エンジンからの集客により2年で月商3000万規模に拡大。