アウトソーシングと委託の意味の違いは? 派遣との違い、アウトソーシングが必要なケースを解説

事業課題を解決するために、外注を検討している会社は多いでしょう。外注に関連する言葉に「アウトソーシング」と「委託」がありますが、つい混同して用いられがちです。誤用認識の齟齬(そご)が生まれないよう、意味の違いを正しく理解しておきましょう。

アウトソーシングと委託の違いについて

アウトソーシングと委託は同じ意味だと捉えられがちですが、厳密には次のような違いがあります。

アウトソーシングの意味とは

アウトソーシングはもともと「Out(外部) + Sourcing(資源)」を語源とし、日本語で「外部資源化」と訳されていました。そこからアウトソーシングは「自社の資源を外部化する」という意味と「外部の資源を活用する」という2つの意味で用いられています。

ニッセイ基礎研究所は1997年の資料でアウトソーシングについて触れ、今後の企業経営に不可欠なものとして紹介しました。ました。20年以上が経過しますが、インターネットが広く普及した現在においても本質的な意味は変わっていません。

矢野経済研究所によると、人事・総務関連業務のアウトソーシング市場規模は2021年に前年度比5.2%増の10兆4162億円に到達したと予測(※1)。また、慶應義塾大学特任教授で日本パブリックアフェアーズ協会理事の岩本隆氏はレポートで、世界のクラウドソーシング市場は2018年に約1兆96円で、2027年までに約16兆4200億円に達するとの予測を紹介しています(※2)。

今般の新型コロナウイルスの感染拡大により、世界のみならず日本企業でもリモートワークが浸透しDX(デジタル・トランスフォーメーション)が進んでいくことを考えると、今後もアウトソーシング市場は成長していくと考えられます。

※1 参照元:矢野経済研究所「人事・総務関連業務アウトソーシング市場に関する調査を実施(2022年)」

※2 参照元:岩本隆、”ポスト・コロナ社会におけるニューノーマルな働き方~「WorkTech×フリーランス」がもたらす潜在的労働力活用と経済成長~“、日本パブリックアフェアーズ協会、p10、2020−09−09

委託の意味とは


一方で委託は、正式には「業務委託」と呼ばれる形態で、「業務委託契約」を社外の人材と結ぶことです。アウトソーシングとは異なり、「契約」という具体的なアクションが意味に含まれています。

アウトソーシングは「自社資源の外部化や外部資源の活用」をさすもので、業務委託とは意味の具体性が違います。アウトソーシングのなかに業務委託という選択肢が含まれている、と考えるのが一般的です。

請負契約

業務委託契約は大きく「請負契約」と「委任・準委任契約」の2つに分けられます。このうち請負契約は、仕事の結果(納品)をもって報酬が支払われる契約形態です。

契約時点で、明確な納品物の要件を決め、その要件を満たすことを前提に業務を進めていきます。請負契約はWebの開発業務やデザイン制作、本数で切り出しやすいWebコンテンツ制作などのアウトソーシングでよく用いられます。

委任・準委任契約

一方で委任契約は、仕事の結果(納品)をもって報酬が支払われるのではなく、業務を遂行することそのものに対して報酬が支払われる契約形態です。「善管注意義務(善良なる管理者の注意義務)」と呼ばれる義務のもと、企業のプロジェクトに参加したり、ノウハウを提供(コンサルティング)したりします。

委任契約には「準委任契約」も含まれています。「法律行為に関する契約(法的効果が生じる行為の契約)」には委任契約、そうでない場合は準委任契約を結びます。

つまり、社外の人物に法律関係の仕事を任せる契約は委任契約、それ以外は準委任契約と考えるのです。

業務委託と派遣契約の違いはなに?

業務委託と混同しがちな契約に「派遣契約」があります。派遣契約とは「人材派遣会社と派遣先企業が直接契約を結び、派遣社員が企業に出向し業務を行う契約」のこと。派遣社員は派遣会社に所属した状態で業務に携わり、給与は派遣会社から支払われます。

派遣契約は業務委託契約の委任・準委任契約に似たもので、業務を遂行すること自体が目的です。業務の指揮命令権は派遣先企業にあり、実際の業務は派遣先企業の指示に従って進めます。

このように業務委託契約と派遣契約は「派遣会社」が仲介しているか、していないかが大きく違うのです。

課題別にアウトソーシングの必要性を考える


今後はコロナ禍の影響もあり、特にオンラインで完結する業務のアウトソーシングが広がることが予想されます。

では、実際にどのような業務のアウトソーシングが増えると考えられるでしょうか。ここではよく見られるアウトソーシングの活用例をご紹介します。

社外のWebデザイナーにサイト制作を依頼

一つ目の例は、Webサイト制作のアウトソーシングです。現在ではCMSサービスを使えば、Web制作の知識がなくても社内で容易にWebサイトを制作できます。

しかし、より独自性のあるデザイン、サイト構造を望むのであれば、一定のWebデザインスキル・コーディングスキルがなければ厳しいでしょう

Webデザイン・Webサイト制作を受託する企業・個人は非常に多く存在します。ネット検索やSNS・クラウドソーシングなどで外注先を探してみてはいかがでしょうか。求めるクオリティや依頼する工程によって予算は変わりますが、自社内で制作するよりも高品質なサイトが出来上がるはずです。

※ 弊社シンプリックは、複数のWeb制作会社とパートナーシップを結んでいますので、委託範囲やご予算によってご紹介が可能です。お気軽にお問い合わせくださいませ。

開発の人手不足をアウトソーシングで解決

システム開発は規模感にもよりますが、多くの手間と人手がかかる業務です。エンジニア経験を持たない人が独学で開発技術を習得するのは大変です。

よって、システム開発の人手不足をアウトソーシングで解決しようと試みる企業は多く、開発案件は売り手市場になっています。

開発案件をアウトソーシングする際は、事前の要件定義に注意が必要です。要件のすり合わせが甘ければ、委託終了後に希望とのズレが生じることが多いからです。「丁寧に質問に回答してくれる」「要件の説明が明確で分かりやすい」などの基準で外注先を選ぶといいでしょう。

大量のタスクワークを社外人材に

社内のノンコア業務、すなわち社員でなくてもできることの代表例であるタスクワーク・事務作業を社外人材に依頼するのはアウトソーシングの定番です。具体的には、データ入力や定型的なメール返信・オンラインでの書類のやりとりなどが挙げられます。

またタスクワークとは別に、最近ではAIの活用範囲の広がりを受け、AIに学習させるための大量のアンケート依頼やデータ入力をアウトソースするケースも多くなっています。

このような不特定多数へのアウトソースは、ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシングサービスを活用すると便利でしょう。

Webコンテンツを専門のライターに発注

コンテンツマーケティングにおける、SEO記事やホワイトペーパー・メルマガなどの発信で必要となるのがコンテンツづくりを担うライターの存在です。特にWebマーケティングの現場では、各施策の各施策の要点を押さえ、スピーディーに制作を進めてくれる外部ライターが必要不可欠です。

毎月、まとまったボリュームのコンテンツ制作を発信するのであれば、制作会社に外注するのがいいと考えられます。一方、依頼が単発で終わりそうであれば、フリーランスに外注するといいでしょう。ユーザーの目を引く良質なコンテンツは、ジワジワと集客力アップに効いてきます。長い目で継続的にコミュニケーションし続けましょう。

ライターのディレクションが大変なお客様へ


本記事では、アウトソーシングと業務委託の違い、そして課題別のアウトソーシングの活用例をお伝えしてきました。

後半でご紹介したように、アウトソーシングでは企業の課題に合わせて適切に社外人材を活用すれば、社内のみで解決を図るよりもコストパフォーマンスよく事業を進めることができます。

一方で、アウトソーシングで得る効果の大きさは社内ディレクターの働きに左右されます。社内のディレクション力に不安があるときは、ディレクションそのものを社外に委託するのが賢明です。

弊社・シンプリックでは、そのようなお客様の課題に対応するため、集客力を高めるWebコンテンツ制作をディレクションからお受けしております。「ディレクションからまとめて依頼したい」という方は、ぜひ一度弊社シンプリックへご相談ください。

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