近年、有用なマーケティング手法のひとつとして注目されている「コンテンツマーケティング」。その指標の中でも、業績につながりやすい「コンバージョン」は重要とされています。
この記事では、コンテンツマーケティングのメリット・デメリットやコンバージョンを高めるためのポイントについて紹介します。言葉の正しい意味や具体的な施策を学び、ぜひ自社の事業に活かしてみてください。
目次
コンテンツマーケティングのコンバージョンとは
コンテンツマーケティングのコンバージョンとは、意図的に設定されたコンテンツの訪問者にとってもらう行動のことです。コンテンツが最終的に達成できる成果を指します。
企業や業種によって設定するコンバージョンはさまざまですが、代表的な例には以下のようなものがあります。
- 商品購入
- 資料請求
- 会員登録
- 問い合わせ
- 店舗予約
コンバージョンを設定する際に大切な要素のひとつが「測定可能であること」です。コンバージョン数やユーザーがコンバージョンに至った動線を知れば、自社がとるべき施策が浮かび上がってきます。
コンテンツマーケティングとは
コンテンツマーケティングとは、コンテンツを発信することでターゲットのユーザーに有益な情報を届け、最終的に購買やファン化に結び付けるマーケティング手法です。コンテンツへの流入、リード獲得・育成、リピーター化といった段階を踏んで、中長期的な顧客の獲得を目指すことが特徴です。
コンテンツマーケティングでの「コンテンツ」には、WebサイトやSNS投稿、動画、メールマガジンなど、広告以外の幅広い情報が含まれます。
コンテンツマーケティングの種類
一口にコンテンツマーケティングといっても、さまざまな施策があります。ここからは、コンテンツマーケティングの代表的な種類を4つ紹介します。
コンテンツSEO
コンテンツSEOとは、ユーザーにとって有益なコンテンツをオウンドメディア上で継続的に発信し、GoogleやYahoo!などの検索結果画面からの集客増加を狙う施策です。自社のコンテンツを検索上位に表示させることで、自身のニーズを把握していない顧客も流入させる効果が期待できます。
さらに、Googleの検索エンジンのアルゴリズムに従って上位表示を狙う「ホワイトハットSEO」の一種であるという特徴もあります。アルゴリズムに従っているためアップデートによるペナルティを受ける可能性が低い点はメリットのひとつです。
コンテンツSEOは、コンテンツの作成やメンテナンスに時間と手間がかかる点はデメリットといえます。
しかし、ユーザーの検索意図に添ったキーワードや共起語を盛り込み、発信後もリライトして改善を重ねることで効果が最大限に発揮されるでしょう。
動画マーケティング
動画マーケティングは、映像コンテンツを活用した集客・宣伝施策です。ユーザーの視覚に訴えるため、情報が正確に伝わり印象にも残りやすい点がメリットとして挙げられます。
ツールを活用すれば離脱点や時間帯別視聴などの細かなデータまで測定できるため、効果の検証がしやすい点も特徴です。
デメリットとしては、動画を制作する際に多くの費用と時間がかかるという点があります。予算と撮影期間の見込みに応じて、自社制作か外注のどちらかを選びましょう。
より大きな効果を得るには、商品購入やブランディングといった指標を定めてから動画制作を進めることが重要です。また多くの人に視聴してもらうために、どの配信メディアが最適かを考える必要もあります。
ソーシャルメディアマーケティング
ソーシャルメディアマーケティングは、SNSをはじめとする双方向発信のメディアを活用した集客・宣伝施策です。多くの人が参加できるソーシャルメディアを利用することで、企業と消費者の関係構築や大きな話題性の創出を狙います。
代表的なソーシャルメディアには、Twitter、Instagram、Facebook、LINEなどがあります。これらはリンクの貼り付けが可能なため、Webサイトや動画を用いたマーケティングとの相性も良好です。
一方で、誤った情報や不適切な内容も拡散されやすく、常に炎上のリスクにさらされる側面がある点は理解しておきましょう。
有効なマーケティングを行う上で大切なのは、自社の影響力や目的を考慮しつつ「コンテンツの発信者」と「コンテンツの内容」のどちらを重視するか選択することでしょう。
メールマーケティング
メールマーケティングは、メールでのコミュニケーションを通じた集客・宣伝施策です。あらかじめ作成した配信リストを利用し、低コストで数十~数十万人のユーザーにアプローチできるメリットがあります。
また、紙媒体に比べて柔軟な対応力がある点も強みです。近年は、メールの内容や配信タイミングをユーザーの属性に応じて変更する動きが顕著になっています。
ただし、メール内容がユーザーの趣向に合わなかった場合、悪印象を与え配信停止される可能性が高い点は注意すべきでしょう。配信リストを属性別に細分化し、他の施策と同じく目標設定や配信後の効果測定・改善を徹底することが重要です。
コンテンツマーケティングのメリット
コンテンツマーケティングのメリットとしては、広告費を安くできるため実行しやすい点が挙げられます。
また、従来のWeb広告とは異なり、ユーザーが興味のある商品・サービスの情報を届けるため、押し売りの感覚を与えないアプローチが可能です。結果として、リピーター化の可能性が高まります。
さらに制作したコンテンツは資産として蓄積されていき、半永久的に利用できる点もメリットです。
コンテンツマーケティングのデメリット
コンテンツマーケティングは顧客を段階的に育成していく手法のため、すぐには会社の業績につながらないというデメリットがあります。直接的に購買を訴えるWeb広告に比べるとユーザーに認知されにくいこともあり、効果を実感するまでに長い期間がかかる場合が多いでしょう。
コンテンツマーケティングを継続させるには、外部リソースやツールを活用しつつ、中長期的な目線で目標の達成度を観測することが必要です。
コンバージョン(CV)とは

Webマーケティングにおけるコンバージョン(CV)とは、コンテンツが獲得できる成果を表します。英語の「conversion」に由来し、直訳で「変換」「転換」を意味します。
コンテンツの目標達成を客観的に示すデータであり、コンテンツ運用における重大な指標です。効果の分析や効率化にも役立つため、設定が必要です。
コンテンツの種類によって設定すべきCVは異なり、企業の方針に応じて複数のCVを設定することもできます。
CVにもいくつか種類があるので、簡単に紹介します。
- ユーザーの「行動」に注目したマクロCVとマイクロCV
- CVに至るまでの「接点」に注目した直接CVと間接CV
- CVの「回数」に注目した総CVとユニークCV
コンバージョンレート(CVR)との違い
コンバージョンに関連して、「コンバージョンレート(CVR)」という言葉があります。CVが商品購入や会員登録などの成果そのものを表すのに対し、CVRはコンテンツの訪問者のうち、最終成果に至った人数の割合を指します。
CVRは以下の計算式で算出されます。
CVR=CV数÷訪問者数(セッション数)×100
コンテンツの成果を数値としてわかりやすく表し、改善点の発見に貢献するため、定期的に確認することが大切です。
コンテンツマーケティングのコンバージョンを高めるには?
コンテンツを制作しても、なかなかコンバージョンに至らないという悩みを抱える会社も多いでしょう。ここからは、コンテンツマーケティングのCVを高める方法を紹介します。
分析する
コンテンツマーケティングのCVを高める上で分析は重要な要素のひとつです。分析して客観的なデータとしてコンテンツの良し悪しをはかることで改善点が明らかになり、より効率的な運用が可能になります。
すぐに分析できない場合でも、データを蓄積しておけば後で役立ちます。早い段階でツールを設置すると良いでしょう。
ここでは、コンテンツマーケティングのCVを高めるための2つの分析方法を紹介します。
ABテスト
ABテストは、画像や文の言い回し、デザインなどの一部のみを変えたコンテンツを複数用意し、CVの高さを比べる手法です。CVが最も高いパターンを採用し、さらに改善できそうな点はテストし続けます。
ABテストにおける注意点は、ターゲットを特定しすぎないことです。コンテンツの内容を特化させすぎると、他の要素を期待する潜在顧客を切り捨ててしまう可能性があります。
効果の薄かったパターンでも、ターゲットによっては活用できる可能性があることを念頭に置いて実行しましょう。
ヒートマップツール
ヒートマップツールは、特定のページの熟読箇所や離脱箇所、クリック箇所などをサーモグラフィーのように色で表します。ユーザーの細かな行動がひと目でわかるため、コンテンツの良し悪しの評価と改善に大いに貢献するでしょう。
ヒートマップツールを選ぶ際は、ユーザーの使用デバイスに注目することが重要です。例えばPCユーザーが多い場合は、マウスでの注目箇所の分析を得意とするツールが役立ちます。
無料で提供されているツールもあるので、活用することをおすすめします。
良質なコンテンツを作成する
CVを高めるには、やみくもにコンテンツの数を増やすよりも質の良さを追求することが大切です。
良質なコンテンツを作成する際は、ユーザーのニーズをくみ取るためのリサーチが必要です。そして発信後も、分析で浮かび上がった問題点をリライトやデザインの見直しを重ねて改善することで、さらに質が向上していくでしょう。
では、良質なコンテンツとは具体的にどのようなものでしょうか。ここでは、質のいいコンテンツが持つ特徴を紹介します。
良質なコンテンツとは
良質なコンテンツの第一条件として、ユーザー目線に立って制作されていることが挙げられます。そこで重要なのが、快適なUXを提供することです。画像の表示速度が速く、邪魔な広告が表示されないといったスムーズな閲覧体験は、ユーザーの定着率を高めます。
また、ユーザーが情報を取得する際の安心材料となるE-A-T(専門性・権威性・信頼性)も重視すべき点でしょう。E-A-Tを担保するには、運営者情報と一次資料を公開する方法や、制作したいコンテンツの分野における有資格者や専門家に依頼する方法などがあります。
これらの施策で獲得した信頼をもとに、ユーザー自身が納得できる導線でCVに至らせるコンテンツこそが良質であるといえるでしょう。
コンバージョンのタイプを増やす
コンテンツを訪問するユーザーの要望に合わせてCVのタイプを増やすことは、成果を達成する近道になり得ます。
例えば、すぐに問い合わせたいユーザーがいる場合は問い合わせフォームを設置するなど、要望に応えつつ適切なCVを増やしていきます。シンプルですが、幅広いタイプのユーザーに対応できる有用な方法です。
CVのタイプを増やした分、追客のチャンスが増えるメリットもあります。
コンテンツマーケティングを理解してコンバージョンにつなげよう
この記事では、コンテンツマーケティングの概要や、コンバージョンを高める際のポイントについて解説しました。
コンテンツマーケティングを導入しても、自社に必要な施策を行わなければ業績には結び付きにくいです。メリット・デメリットを正しく理解し、適切な方法でCVを獲得しましょう。
株式会社シンプリックでは、記事制作によるコンテンツマーケティングの支援を承っています。良質な記事を活用したCV数アップのご提案も行っていますので、まずはお気軽にお問い合わせください。